絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

嫉妬は女の子の特権です!

あやれいむ。ああ、あやれいむ。


 
 
「清く正しい――」
「お札『新聞拡張団調伏』ね」
「いやー!?」



 ~少女ボコボコ中~



「酷いですよ~いきなりスペルカードなんて」
「あぁ、ごめん。私、鴉天狗アレルギーなの。鴉天狗の声を聞いたらつい、こうスペルカード取り出したくなるのよ」
「初耳すぎるんですけど!?」

 ただの挨拶をしただけで、いきなり攻撃されてはたまったもんじゃない。
 文はボロボロの状態で、大きくため息を吐いた。見た目ボロボロなのに、ピンピンしているのはやっぱり文の実力だろう。傷も、もうほとんど回復しきっていた。
 両足を軽く動かし、特に異常がないことを確認する。そして、それが終わると、縁側に腰かけたまま動かない霊夢の隣に座った。

「霊夢さん、お茶がまだですが?」
「もう一発、スペルカード必要かしら?」
「いえ、やめてください」
「はぁ……なんで鴉天狗って、こう図々しいというか」
「おや? もしかして、私以外の天狗から取材でも受けました?」

 そんな問いに、霊夢はジッと文を睨んだ後、盛大にため息を吐いた。

「あんたのせい、なんだけどね」
「あややややや? 何故?」
「あんたが私の記事ばっか書くから、それ読んだあんたのお仲間さんが私に興味持ったってところじゃない? 質問責めばっかで、鬱陶しいったらありゃしないわ。おかげでお茶をゆっくり飲むことも出来ないじゃない」

 明らかに嫌そうな顔をして言う霊夢に対し、文は何故か真剣な表情で黙りこんでしまった。
 そして、その表情は何故か次第に不機嫌なそれへと変わった。
 文のそんな表情を、霊夢は見たことがなかった。

「どうしたのよ? 表情、おかしいわよ」
「別になんでもないです。それで、他の天狗たちはどうでした? 不快な取材の仕方だったとか、この天狗うざかったから消して欲しいとか」
「うーん、別にそんなこともなかったかな。うざいことはうざいけど、案外しっかりとした取材するやつも居たり……あ、そうそう! はたてとか言う記者が、お饅頭やお賽銭までくれて、かなり好感持てたわ」
「はたて……ですと?」

 よりにもよって、ライバルの名前が出てきたことに、文はより不快な顔をする。だが、それを霊夢に悟られないように、すぐ作った笑顔に戻す。
 霊夢からすれば、文の様子がおかしい理由が分からず、ただ軽く首を傾げる。

「そ、それで? その、はたては何を?」
「何って……ただ取材されただけよ。なんでも面白い巫女が居るとかで、わざわざやってきたとか言ってたわ。私は見世物かっていうのよ」
「そうですよね、そんな見世物扱いする失礼なやつはボコボコに――」
「けど、その後にお賽銭入れてくれたり、お土産のお饅頭も美味しかったし。うん、あいつは良い奴だと思うわ。ついつい、また来なさいよって言っちゃったもの」
「なっ!? くぁ、ぅ……」

 とっても良い笑顔で、心からの笑顔でそんなことを言う霊夢に、文は暴れたい衝動に駆られた。
 こんな珍しい笑顔が見れて嬉しいという気持ちと、この笑顔を作ったのが自分では無くライバルのはたてであるという事実に対する怒りや悔しさ。それらが混ざって、なんとも言葉に出来ない、唸るような声が自然と漏れた。
 表情は俯いていて分からない。何故か、肩は小刻みにぷるぷると震えている。
 その怪しい様子に、霊夢は眉をひそめた。

「ちょっと、一体どうしたのよ文?」
「……焼い……いや、ころ……」

 文が小さな声で、なにやらぶつぶつと言っている。
 霊夢は疑問に思い、耳を近づける。

「あいつの家焼いてくるしか。いや、殺す勢いで幻想郷最速のタックルを喰らわすのもありかも……」
「ちょ、何物騒なこと言ってんのよ!?」
「え? あ、何も言ってませんよ? あはは、ちょっと今日はもう帰りますね。やることが出来ちゃったので」
「今この状況で行かせるかぁ!」

 明らかな営業スマイルを浮かべて、立ち上がった文。霊夢に背を向けて、「そぉい!」と叫んで飛び去ろうとする――が、霊夢が後ろから羽交い絞めにして捕えた。
 離してくださいーじたばた。
 離したらあんたやばいことにしに行くでしょうが。
 腋巫女には関係ないー。
 あ、こら暴れるな。羽が顔に当たってるってば。痛い痛い。
 ばっさばっさ。ふはははは、くらえくらえ。ほら、さっさと離してください。





 ~少女争い中~





「あ、あんたの、せいで……余計な体力を、使った」
「それは、こっちの台詞です……はぁ」

 文も霊夢も、肩で息をしているような状態だ。
 この真夏の中、密着して暴れれば、通常の数倍体力を奪われるのは当たり前だった。ふらふらとした足取りで、縁側に突っ伏す文。その背中に、霊夢はのしかかるようにして倒れる。
 のしっ。

「おーもーいーでーすー」
「暑いー」
「なら離れて下さいー」
「離したら、あんたまた行こうとするでしょう」
「もうしませんよ。だから離れて下さい」
「動くの面倒だから、ちょっとこのままで」

 そう言って、文の上に乗っかったまま動こうとしない。ふにゅーと気の抜けた鳴き声が聞こえてきそうな、そんな雰囲気だ。
 文は、もう何を言っても無駄だと思い、それ以上は何も言わなかった。そして、背中にあたっている微妙に柔らかい未成熟の感触を楽しむことにした。

「やっぱり小さいですねー」
「は? 何が?」
「いえいえ、なんでもありません。独り言です、はい」

 正直に「霊夢さんの胸ですよ。この貧乳腋巫女が! 可愛いなこんちくしょうめ!」などと言ってしまったなら、地獄を見るのは分かっているため、言うのを控える。

「そういえばさ、文」
「はい?」
「あんた、なんでさっきあんなアホみたいな行動起こそうとしたのよ」
「……まーお気になさらず。若気のいたりです」
「あんた普通に私と比べ物にならないくらい年上――」
「あーあーきこえなーい!」

 手足をじたばたさせて、暴れる。

「あーもう動くな!」
「うー」

 霊夢が軽く頭を殴る。
 すると文は、ぱたりと動きを止めた。

「ったく、あんたのせいで余計な労力使ったんだから、理由くらい言いなさいよね」
「やーでーすー」
「ほほう、良い度胸ね。今の状況、分かってるの?」
「今の状況? 今の……はっ!」

 今の状況を、改めて確認し、文は気付く。
 文の上に、霊夢がのしかかっている状況。文は身動きが取れない。だが、霊夢は上からどんな攻撃をも仕掛けることが出来る。
 そのことに気付くと、嫌な予感しかしなかった。暑さとは原因が違う汗が、だらだらと流れるのが分かる。

「針治療でもしてあげるわよ? 私、治療なんてやったことないからすっごく痛いと思うけど。そこはほら、文ってとっても強い妖怪だもんね。耐えられるわよね。痛くて痛くてたまらなくても、それがむしろ気持ち良くなっちゃうわよね」
「私そんな特殊な性癖持ってませんから! というか、暴力反対!」
「じゃあ、話してくれるわよね?」
「な、何を?」
「理由以外、何か話すことあるのかしら?」
「わ、私のスリーサイズとか?」
「そんなもん、閻魔の説教並みに興味無いわよ」

 霊夢のこの言葉で、噂をされた映姫は裁判中「判決、ゆうざ――へーちょ」と重要な場面でくしゃみをし、笑いものになっていたが、それはまた別のお話。
 文はどうにかしてこの状況を潜り抜けたいと思っているが、まったく起死回生の手段が思い付かない。幻想郷最速といえども、動けなければ意味はない。

「さぁ、どうする?」
「……はぁ、分かりました。言えば良いのでしょう? 話しますから、とりあえず上から退いて下さい。この状態、上手く話せないので」
「ん、分かったわ」

 ゆっくりと、文の上から退く。
 その瞬間、文は目にも映らない速さで飛んだ。

「はっはっは! 甘い! 甘いですよ、霊夢さん! ちょっと目が合っただけで、その子に惚れちゃう思春期の男の子並みに甘い!」
「誰が甘いって?」
「……は?」

 文の目の前に、霊夢。
 既に空高く飛んでいたことは事実なはずだった。文はさっきまで居た縁側を見下ろすが、そこにはやはり霊夢の姿は無かった。つまり、目の前の霊夢は本物だ。

「えーと……どうやって?」
「んー? まぁ瞬間移動みたいなもん? 私にも正直、よく分かって無い技だしねー便利だけど。ま、そういうことで、覚悟は良い?」
「……よ、よろしくは無かったり――」
「夢想封印!」





 ~少女墜落中~





「死ぬかと思いました!」
「あんたが逃げるからでしょうが」

 撃ち落とされた後、地面に激突する瞬間、文は咄嗟に風起こしてそれをクッションにした。ふわりとした柔らかい風のおかげで、傷は何一つない。
 そして、二人とも再び縁側に座っている。ただし、文には逃げられないように動きを封じるお札を数十枚、背中に貼ってある。数十枚貼っているのは、文レベルの実力者になると一枚二枚程度ではまったく効果が及ばないからだ。

「はぁ、話せば良いのでしょう。分かりましたよ。別になんにも面白いことではないですよ?」
「最初から素直に話していれば、こんな面倒なことしなかったのに。さぁ、話しなさい」

 ため息を吐いた後、霊夢の方を見て、またため息一つ。

「別に、ただ腹立っただけですよ。ムッとしちゃっただけです。本当にそれだけです」
「なんで腹を立てたのよ?」
「それは、まぁ、そのですね……」

 歯切れの悪い返事に、なんとなく苛立つ霊夢。

「何よ? ハッキリ言いなさいよ」
「いやーだって、私のものですから」
「は?」
「霊夢さんは、私のものですよ」
「――なっ!?」

 文の言葉に、霊夢は数秒硬直。そして、かぁっと顔を赤くして、金魚のように口をぱくぱくとさせたまま言葉を上手く発することが出来ない。

「そう、私の取材対象なのに!」
「はへ?」
「なのに、他の天狗たちに取材されたり。しかもよりにもよって、あのはたてが良いなんて! あぁ、喋っていたらまた腹が立ってきました! 霊夢さん!」
「は、はいっ!」

 文は体を霊夢の方へと向かせようとしたが、お札のせいで動けないため、首だけ霊夢の方へと向く。視線は、しっかりと霊夢を捉えている。そして、突然の大声で呼ばれた霊夢は、思わず敬語を使ってしまうほどに動揺した。
 互いの視線が交わる。
 いつもは見せない真剣なまなざしに、少し鼓動が早くなる。こんな表情も出来るのか、と霊夢は思った。

「良いですか? あなたは私のものです。他の取材なんて受けてはいけません! 私だけの取材を受けていれば良いのです!」
「ちょ、それは――」
「分かりましたね?」
「……わ、分かったわよ」

 それはおかしいだろう、と責めようとしたが、文の目がそれを許さなかった。ぞくりとするような、本物のまなざし。
 霊夢からすれば、何故こんなどうでも良さ気なことで本気になるのか分からなかった。

「ん、よろしい。今後はダメですからね?」
「はいはい、分かったわよ」

 霊夢の返事に、文は満足したようで、にこっと笑った。
 いつの間にやら、形成が逆転している。状況的には動けない文の方が不利なはずなのに、霊夢の方が攻められている気分だった。

「まったく……何こんなことで本気になってんだか」
「私にとっては、こんなこと、ではないんですよ。大切なことなんで」
「……わけ分かんない」
「分からなくて良いのです。分かってもらっちゃ、ちょっと困っちゃいますからね、私が」
「ますます分かんないわよ。はぁ……」

 霊夢はため息を零した。
 そんな霊夢とは対照的に、文はさっきまでとは違って上機嫌だ。
 なんとなく、霊夢は悔しい気持ちになる。

「ところで霊夢さん」
「何よ?」
「いつになったら、お札取ってくれます?」
「なんか腹立つから、しばらくはそのままね」
「なるほど、それはお泊まりしてってくれという意思ですね」
「くたばれバカ文」

 えへへと笑う文を、軽く殴る霊夢。
 ばーかばーかと何度言っても、にへらーとした笑みを浮かべる文に、霊夢は思わずそっぽを向いた。
 ふわりと風が吹く。
 夏の風が、霊夢の少し熱い体を、そっと撫でていった。
 


あとがき
8月6日はあやれいむの日!
さあ、準備だ!
東方SS | コメント:0 | トラックバック:0 |
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