紅魔館アルバイト募集!2010-07-01 Thu 02:35
文体が昔っぽいです。ギャグです。
「アルバイト募集?」 「はい」 レミリアが首を傾げる。 アルバイト。それは咲夜の提案だ。 館の仕事を全て完ぺきにこなす咲夜といえども、一人の人間である。やはり疲労は溜まる。だが、妖精メイドたちはきゃーきゃーと騒いでばっかりで戦力にはならない。教育しようにも、時間を要する。 そこで、考えついたのはまともな人材を雇うことだった。 しかし、咲夜一人の考えで出来ることではない。まずは当主であるレミリアに許可を貰いに来たということだ。 レミリアは顎に手を添えて、何やら考えている。うーむ、と時折唸ってもいる。 「うん、まぁ良いんじゃないか? それで咲夜の負担が減るなら、好きにしな」 「ありがとうございます。ですが、給金とかはどのように設定すれば良いでしょう?」 「あーそっか。待遇とか、当主の私次第みたいなもんか。なら私が書こう、アルバイトの広告」 「え? お嬢様自ら、ですか?」 「その方が手っ取り早いだろ? ちょうど暇だし」 レミリアは咲夜に紙とペンを用意させる。 そして、いろいろと考えながら、筆を進め始めた。 咲夜はその傍で、ただただ仕上がるのを待つことにした。 ~少女作業中~BGM:亡き幼女の為のポリデント 「出来たぁ!」 約1時間後、レミリアがそう叫んだ。ちなみに、この場合の「出来た」とはアルバイト広告用の案が出来たわけであって、決して性的な意味ではない。勘違いしてはいけない。 「咲夜、出来たわ」 「見てもよろしいですか?」 「もちろんよ、はい」 咲夜に紙を手渡した。 その紙に、咲夜は目を通す。 『紅魔館アルバイト募集』 仕事内容:メイド服を着て雑用など。詳しくはメイド長の咲夜が教えます。 給与:一ヶ月金貨三枚固定。 休暇:年に二、三回。 年齢:0歳~499歳まで。当主より年上は認めません。 <その他> 経験者優遇! 未経験者くたばれ! 妖怪人間神様問いません。生死問いません。もう何も問いません。 住み込み可能。通いも可能。命の保障不可能。交通費支給。メイド服支給。 愛想笑いの絶えない、素敵な明るい職場です。あなたもこんな素晴らしい職場で働いてみませんか? 是非、気軽に面接へいらしてください。 「どうかな、咲夜?」 「まず、金貨三枚が高いのか安いのか分かりません。それと休暇がたったのこれくらいでは、かなり悪条件です。そして年齢、0歳は無理があります。次に未経験者くたばれって……未経験者の方多いと思います。あとは、いえ、もう突っ込むのも面倒なので何も言いません」 「破かれたー!?」 笑顔で、レミリアの作ったアルバイト広告をびりびりに破く咲夜。しかも、レミリアの目の前で。割と鬼畜である。 膝をついて、うぅ……とへこむレミリア。 「だって私こんなの書いたことないんだもの……」 「ならなんで自分から申し出たのですか……はぁ」 「そ、そんな呆れたようにため息を吐かなくても良いでしょ! それにこういうことは、パチェの方が上手いと思うわ」 「あぁ、確かにパチュリー様ならしっかりとしてそうですね」 「パチェに任せて良いよ」 「分かりました、では」 ぺこりと一礼。 そして一瞬で、レミリアの目の前から消えた。時を止めて移動したのだろう。 パチュリーが居る大図書館。 相変わらず、陽が当たることのないこの大図書館は、少しじめっとしている。 「パチュリー様、いらっしゃいますかー?」 「どうしたの、咲夜」 何度もお茶を運びに来ている咲夜にとって、広い図書館内でもパチュリーの居場所は大体把握出来ている。 木製の椅子に腰かけ、いつも通り本を読んでいるパチュリーを発見した。 「実はお願いがありまして――」 咲夜はここにやって来た理由を伝える。 正直、パチュリーがこんなことに手を貸してくれるのか、望み薄であった。 だがしかし、事情を聞き終えたパチュリーは、すぐに了承の返事をした。 「あなたにはいつも世話になっているからね。これくらいのこと、どうってことないわ。ちょっと待っていなさい。簡単に仕上げちゃうから」 ~少女作業中~BGM:パチュリー・ノーレッジマーチ 「ん、こんなもんかしらね」 「出来たのですか?」 「まぁね。はい、どうかしら?」 パチュリーから、出来上がったアルバイト広告を受け取る。 『紅魔館でアルバイトしませんか?』 仕事内容:紅魔館内の清掃や雑用その他いろいろ。 給与:仕事の働きに応じて。 休暇:週休2日制度。(火曜日と木曜日) 年齢:問わず。 <その他> 吸血鬼に襲われても大丈夫という方大歓迎! 魔女の実験台になっても良いという方大歓迎! ナイフでお尻を刺されたり、体が破壊されちゃっても良いや、ぐへ♪という方大歓迎! 経験者調子に乗るな。未経験者優遇。 住み込みで働き推奨。通いも可能だが、道中で襲われる恐れあり。 交通費支給。制服支給。賢者の石支給。住み込みの場合は、八食昼寝付き。※ただし、昼寝しているとメイド長にナイフで刺されます。 お金がもっと必要だという方は、特別にしっぽりムフフな夜のお仕事も提供しています。(※夜型である吸血鬼の弾幕ごっこの相手。当たり所が悪くて死んでも文句は受け付けません) 労働員みんなが、笑顔でため息を吐くようなとっても楽しい職場です! 辞めるときは死ぬときですが、是非とも気軽に連絡ください♪ 「パチュリー様、火あります?」 「マッチとロイヤルフレアがあるけど、どっちがいい?」 「マッチで。あ、はい、ありがとうございます」 パチュリーからマッチを受け取った咲夜は、アルバイト広告に火をつけた。とっても、清々しいまでの笑顔で、火を放った。 驚きのあまり、思わずぶふぁっ、と賢者の石子供用サイズ(お子様が口に入れても安心)を噴き出すパチュリー。 「ちょ、咲夜!? なんかダメだった!?」 「全てがダメですこんちくしょう」 何かいけなかったかしら、と小動物のように可愛らしく首を傾げるパチュリーを見て、咲夜は割と本気でナイフを投げたくなった。 結局、広告は咲夜が書くことにした。 結果はもちろん、誰も悪魔の館に好き好んで働きに来るわけがありませんでしたとさ。 ~あとがき~ めでたし、めめめめ♪ というわけで、ちょっと昔のノリを思い出しつつ書いてみました。 どうも、喉飴です。 今更ながら、あとがきとは何か調べました。 そうしたら、文章の末尾に書き記す言葉、付け足す文と出ました。ですが、『付け足す』とはそもそも何か? 調べてみたところ、付け足すというのは、簡単に言ってしまうと『プラス(+)』と言い換えることができます。ですが、『プラス(+)』とは何か? 実はこれ、分かりやすく東方キャラに置き換えることが出来るのです。-をルナサ、±をリリカ、ということは+はメルランなのです。 つまり、あとがき=付け足す文=+=メルラン、らしいです。極端に言ってしまうと、あとがき=メルランなのです! いやはや、世の中は知らないことだらけですね。 とまぁ、そんなこんなではありますが、少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。 |
コメント
いつも楽しく観ております。
また遊びにきます。 ありがとうございます。 |
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