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絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

『ぐだらそーめん』

地球人撲滅組合さんからいただきましたー! 2万ヒットだからなのかな?
いやはや、とにかくありがとうございます!

『ぐだら そーめん』



「お姉ちゃん、流しそうめん食べに行こうよ」
「流しGメンなら地霊殿ででもできますよ」
「Gメン流すの!?」

 初夏のある夜、久々に地霊伝に帰ってきたこいしを待っていたのは、粘着テープのように床にへばりついたさとりだった。
 さとりは半袖・半ズボンのパジャマに身を包み、うつ伏せに寝ながら首だけこちらに向けていた。

「というかお姉ちゃん、その格好はいい加減どうにかならないの?」
「こいしこそ、そんな所に立っているとパンツ丸見えですよ。ピンクパンツ丸見えですよ」
「どこ見てるのよ」
「私はいつも貴方のことを心配そうに見ています」
「むぅ……」

 スカートの裾を押さえながら、こいしは言葉を詰まらせた。
 やっぱり心配させてるんだなぁという言葉には弱いのである。

「で?」
「ん?」
「流し……Gメンでしたっけ?」
「そうめん」
「流しそうめんですか」
「うん。今ね、旧都の大通りでやってるらしいよ。流しそうめん祭り」

 そう、たまたまこいしが地上から帰ってきたときに見つけたのである。
 一方さとりは普段なかなか外出しないから、こういう地域イベント情報には疎いのだ。

「ならうちも、明日あたり流れるプールを借りてやりますか?」
「規模がおかしいよ!」
「かき揚げの代わりにスワンボートでも浮かべれば上出来でしょう」
「もはや流しそうめんじゃないし!」
「こいし、なんでそんなに塗り塗りしてるの?」
「カリカリしてるの!」

 こいしは寝そべっているさとりを仰向けにすると、脇から手を通して上体を起こさせた。

「ほら、立って」
「私は寝ていたいです」
「一緒にそうめん食べに行こうよ」
「こんな夜中まで起きていると大きくなれませんよ。背とか胸とか奥歯とか」
「奥歯はどうでもいいし、背も胸もお姉ちゃんより大きいし」

 それを聞いて、さとりの顔が若干曇る。
 よく色んなところに行くこいしは、インドア派のさとりより色々と成長が早かった。
 そして気がつけばこの有様である。

「むぅ、こいしはそんなに私を苛めたいのですか?」
「いいから、そうめん食べに行こうよ」
「無視された、えぐえぐ」
「嘘泣きしても駄目だよ」
「うぐぐ」

 とうとう観念したのか、さとりはのっそのっそと立ち上がった。3秒くらいかかった。

「お姉ちゃん、その格好でいくつもり?」
「ほぇ?」
「そんなパジャマで行ったら、みんなになんて言われるか分からないよ」
「うぅ、でも今から着替えるというのも正直面倒ですし……」
「ほら、さっさと脱いだ脱いだ」
「ひゃっ」

 こいしがさとりのパジャマのボタンに手をかけると、さとりは慌てて後ろを向いた。
 ここ数年見ない機敏さであった。

「えっち! こいしのえっち!」
「別にいいじゃん。今でもよくお姉ちゃんと一緒に温泉はいったりするし」
「とにかく、ひ、一人で着替えてきますからこいしはそこで待っていてください!」

 そう言い残して、さとりは自分の部屋に戻っていった。
 数分後、

「お待たせしました」

 さとりは緑の怪獣の着ぐるみを着込んで、ずんずんと行進しながら現れた。
 こいしはひっくり返った。



   ◇   ◇   ◇   ◇



 結局さとりはこいしに着替えさせられ、いつもの格好で外に出ることとなった。
 地霊殿を出たばかりの時は2人きりであったが、旧都に行くと鬼やら土蜘蛛やらで芋洗い状態。
 旧都の大通りに通された竹の樋に沿って、流しそうめんを食べようと隙間なくずらりと並ぶ住人たち。
 もはや席は全くと言っていいほどなかった。

「むぅ、どこもあいてませんねぇ」
「お姉ちゃんの着替えに手間取ったからだよ」
「あ、あれでも私はベストを尽くしたんですよ!」
「じゃあ何で着ぐるみ着てきたのさ」
「彼女が私を誘ってきたのです。"ヘイユー、ベイビー、ミーを着てみないかい?"って」
「言い訳にしても無理があるよ!」

 受付で箸と麺つゆをもらいながら、そんなやり取り。
 それから2人で席を探したが、入り込めそうな隙はどこにもなかった。
 これはもう無理かもしれない、2人がそう諦めかけたとき

「あ、さとり様とこいし様だ」
「ほぇ?」

 先におくうを連れて来ていたお燐が、2人を見つけたのだった。

「あら、お燐におくう。2人とも来ていたんですね」
「そう言うさとり様は、もしかして今からですか? もうどこも開いてないでしょうに」

 言葉を交わすお燐と違って、おくうはわき目も振らずそうめんを食べている。

「そうだ!」

 お燐はそう声をあげると、おくうの手を引いて

「あたい達、結構前からいたんでもう帰ります。よかったらこの場所使ってくださいな。ちょうど2人ですし。ね、おくう」
「ふぇ?」
「さあ、帰るわよ。そもそもあんたさっきから何人分食べれば気が済むのよ」
「ぬあぁ!? ま、待って、せめてもう1本、1本だけでいいからぁぁ!」

 駄々をこねるおくうを引きずり、お燐はその場を後にした。
 後には、2人分の空席が残った。

「じゃあお姉ちゃん、ここに座ろうか」
「そうですね。でないとお燐とおくうが浮かばれない」
「死んでないからね!?」

 2人並んでそこに座る。
 上流からは絶え間なくそうめんが流れている。

「えいっ」

 さとりが箸を伸ばす、しかしそうめんはそれより早く流れてしまった。
 空振りという残念な結末に終わったさとり。

「お姉ちゃん、今のは明らかに遅いよ」
「そんなことないですよ。ならばこいしは取れるのですか?」
「ま、見てなって」

 こいしが箸をかまえる。
 その時、上流の方から小指サイズのにとりフィギュアが流れてきた。

"たすけてー、ながされるー"

 そんな台詞を何度も棒読みしながら、にとりフィギュアは流れて行くのであった。
 予想外のできごとに終始、こいしは硬直していた。

「ほら、こいしだって取れないじゃないですか」
「今のは違うよ! どうしろっていうのさ、今のフィギュア!」
「隙ありッ」

 突如、さとりが箸を伸ばす。
 今度こそバシッと、箸がそうめんの塊を捉えた。

「どうです? 私もやればできるんですよ」
「おおー、なんか当たり前な気もするけど感心した」
「でしょう?」
「じゃあ次は私も──」

 そしてこいしも箸を伸ばし、そうめんをつかむ。
 それから、2人で一緒に食べた。

「美味しいね」
「そうですね、来てよかった」
「でしょう?」

 二人立つのがやっとの席で、二人は冷たいそうめんに舌鼓を打つ。
 思わず同時に箸を伸ばし、肩と肩が触れ合う。
 貰ったわさびが強すぎて、思わず顔を曇らせる。
 拾った塊が大きすぎて、無理にほお張って顔の形が変に膨らむ。

「えへへ~」
「ふふっ」

 何気ないこともおかしくて、2人は笑った。
 こいしもきっと自分と同じ気分でいるのだろう。さとりはそう思った。

「美味しいね」
「うん」
「来てよかったね」
「ええ、来年も来たいですね」

 幸せな夏の夜は、そうめんのように流れ過ぎていった。






---- ○ あとがきコーナー ○ ----------------------------------------------------

どうも、20000Hitおめでとうございます。
『ぐだぐだだらだら』略して『ぐだら』。かつて喉飴さんが作中で語った素晴らしい言葉です。
それ故、今回は私のお気に入りである『ぐだらシリーズ』をリスペクトしてみました。
いいですね、ぐだら。私も絶賛ぐだら中です。
そう言えば、ラストシーンにピンと来てくれたら嬉しいのですがここもリスペクトしています。
『絶対あめだま宣言!』の"シーンは浮かぶのです+拍手レス"という記事から(結構改変を加えていますが)お借りしました。
実は、黙って借りました。飴さん、どうもすみません。
そんなこんなではありますが、楽しんでもらえたら嬉しいです。
地球人撲滅組合でしたー。
でしたー。
たー。



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