絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

明けメリ

アリスと魔理沙。1月11日くらいに書いたものです。


「メリークリスマス!」
「もう新年よ」
「アリスは良い子にしてたから、マリサンタからプレゼントをやろう」
「新年だってば」
「はい、プレゼントの土偶詰め合わせ」
「そしてチョイスがおかしい」
「これは私特製の土偶でな、お腹の部分を押すと『土器!』って叫ぶんだ」
「もう帰れ」

 サンタクロースの格好をした魔理沙を(帽子だけはいつもと同じ)見向きもせず、アリスは人形を製作中。
 アリスの言った通り、今はもう年が明け、クリスマスなんてとっくに過ぎていた。
 だからこそ、普通なら魔理沙の言動はおかしい、と疑問を持つのだが、アリスは「まぁ魔理沙だし」と考えて疑問を持つのを放棄している。

「……せめて、私がどうしてこんなことをしているかくらい訊いてくれよ。なんか流されると恥ずかしいだろ」
「知らないわよ。あんたの言動がおかしいのはいつものことだし、疑問に思うほどじゃあないわ」
「アリスは冷たいな。冬なんだから、もっと温かくいこうぜ。そういえば、お茶はまだか?」
「本気で帰れ」

 アリスはいつも以上に冷めた態度だ。
 別に魔理沙の勝手な行動は慣れてしまっているから、どうでもいい。それよりも、アリスにとっては、人形製作の時間を邪魔されていることの方が、嫌なものだった。
 このまま相手にしなかったら、ぎゃあぎゃあ勝手に暴れ出しそうだ。そう思ったアリスは、ため息を吐いて一旦作業を停止した。

「以前、八雲紫から外の世界の飲み物だって渡されたお茶だけど、それでいいかしら?」
「お、外の世界ってことは、レア物じゃあないか。飲んでいいのか?」
「えぇ、私には飲めそうに無かったから」

 アリスの言葉に、疑問を覚えつつも、おとなしく椅子に座って待つ魔理沙。
 魔理沙が体を椅子に目一杯預けると、木製の椅子がぎぃと音を立てた。
 アリスは立ち上がり、部屋を出たかと思えば、数分で戻ってきた。アリスの手には、魔理沙が見慣れない容器を持っている。

「はい、冷たいけどね」
「それがお茶か? なんだその容器は?」
「外の世界ではペットボトルとかいう名前らしいわ」

 ペットボトルには『お~いぬ茶』という文字が書かれていた。
 魔理沙はそれを手に取って、蓋を開けてみることにした。

「美味しいのか?」
「私はコップに注いだ瞬間、無理って思ったわ。だから飲んでいない」
「それを私に飲ますのか」
「私は紅茶派だけど、あんたはお茶好きじゃない。飲めるわよ、多分ね」

 魔理沙はなんとなく、不安になる。
 アリスは、ただジッと見ている。それを飲んでどういう反応をするか、見るつもりなのだろうか。

「えぇいっ! 死にはしないだろう!」
「あ、本当に飲んだ」
「ぶはぁっ!?」
「あ、噴いた」
「げほっ、な、な、なんだこれ!?」

 魔理沙が飲んだ『お~いぬ茶』は、その名のとおり、ぬちゃぬちゃしているお茶だった。
 まるで納豆のように、魔理沙の口とペットボトルをお茶の糸が繋ぐ。
 さらに、魔理沙の口内は、ぬちゃぬちゃとした奇妙な感覚で一杯だった。

「お茶好きでも飲めないのね」
「当たり前だ! お茶を侮辱してるぞ、この飲み物! うぅ……口の中が粘っこいぜ」
「はい、ティッシュ」

 アリスからティッシュを受け取り、魔理沙は急いで口を拭く。
 そしてその後、ペットボトルに蓋をした。間違って零したら大変なことになるからだ。

「ぅ~……最悪の気分だ」
「口直しにクッキーでも食べる?」
「おぉ、ありがたいぜ」
「八雲紫がくれた物なんだけどね。確かどっかの名物クッキーで、『赤い恋人』とか」
「なんか気持ち悪い恋人だな。紫のはもういらん。どうせ変なのばっかりだ。アリスのクッキーが食べたい。別にアリスのクッキーが大好きなわけじゃ無いぜ。紫のを食べたくないから、仕方無くアリスので我慢するだけだぜ」
「何わけ分かんないこと言ってるのよ。昨日焼いたクッキーがあるけど、それで良い?」
「あぁ、もちろん。まだ口の中粘っこいから、早く持って来てくれ」

 再び部屋を出て行くアリス。
 魔理沙は口をぱくぱくと動かし、粘っこさをとろうとする。よっぽどぬちゃぬちゃだったようだ。
 椅子をぎぃぎぃ鳴らしながら、魔理沙は待つ。
 魔理沙の視界に、さっきまでアリスが作っていた人形が映る。

「やっぱり、あいつ器用だなぁ」

 魔理沙はそれに触れようと手を伸ばし――やめた。自分が簡単に触れて良いものでは無い。そう、魔理沙は思ったのだ。
 とりあえず、アリスが来るまで魔理沙はじぃっと人形を見ていることにした。

「ほら、持って来たわよ。ん? なんで人形見てるの?」
「お、さんきゅ。いや、やっぱり器用だなぁって思ってさ」
「そう?」

 アリスは首を軽く傾げ、そう言った。
 周りから見れば、凄いとしか言えない技術だが、アリスにとってはこれが出来ることが普通なのかもしれない。魔理沙はそんなことを思いながら、クッキーを口にした。

「あー生き返る。口の中が清々しいぜ。でも、口の中の水分が無くなるな」
「さっきの、ぬ茶飲む?」
「お前は鬼か。捨てておけよ、ぬ茶」

 物凄く嫌そうな顔をする魔理沙。
 アリスは、ここまで魔理沙が嫌がるのなら、今後の魔理沙対策に使用してみようか、などと考えていた。

「うん、美味い。あれだな、アリスは良い嫁さんになれるな」
「結婚願望なんて無いわ」
「そうか。ならこれからも私のためだけにクッキーを作りたまえー」

 もふもふと小動物のようにクッキーを食べながら、そんな冗談を言う。
 アリスは「はいはい」と、軽くあしらった。

「そういえばアリス、人形作らなくて良いのか?」
「あんたが居るから、したくても出来ないわよ」
「お前の器用さなら、人形作りながら会話しながらクッキー食べながら弾幕ごっこも出来るさ」
「そこまでいったら器用じゃなくて変人でしょ」
「あっはっは! アリスは充分変人だろ!」
「上海おいで。よし、構えて……一緒に目の前の馬鹿を消し去りましょう」
「待てアリス、私が悪かったから」

 ひらひらと手を振って、そう言う魔理沙は、反省している様子は無い。
 アリスは別に本気では無かったので、すぐに矛である上海を引っ込めた。
 ため息を一つ吐きながら、アリスもクッキーを食べる。

「うん、美味しい」
「自分で言うか、普通? いや、これを不味いとか言うやつがいたら、私がぶっ飛ばすけどな。作ったアリスでも」

「物騒ねぇ。もっと優雅に美しくなれないのかしら」
「私はほら、美しいっていうよりは可愛いタイプだろ?」
「それこそ、自分で言うかしら普通。いや、まぁ可愛いけどね」
「……え? や、ぇ、うぇ?」

 魔理沙からすれば軽い冗談のつもりだったので、可愛いなどと本当に言われるとは思っていなかった。思わず、少し慌ててしまう魔理沙。
 逆にアリスは、特に慌てた様子も無く、至っていつもと変わらない。

「自分で言ったくせに、何慌ててるのよ。いや、照れてるのかしら?」
「ばっ!? だ、誰が照れるか! ただ、ちょっと驚いただけだよ。そんなこと言われたの、ほとんど無いから」
「だとしたら、周りのやつらはよっぽど鈍感なのよ。私の目には、魔理沙は立派な少女よ」
「む……例えば?」

 魔理沙は正直、自分がアリスにここまで言われるほど、少女らしいと思える要素が特に思い付かなかった。なので、少し恥ずかしいことではあるが、尋ねる。
 アリスは、魔理沙をジッと見つめた後、口を開いた。

「そうね、まずは髪」
「髪? うわっ!?」

 アリスが手を伸ばして、魔理沙の髪に触れた。
 突然のことに、魔理沙は驚いた。

「こんなにも、さらさらでふわふわで綺麗。手入れに気を使っていることが良く分かるわ。それと座り方。必ず裾を気にしながら座る。他には――」
「もういいから。なんか恥ずかしい……」
「そう? ま、あんたも立派な女の子よね」

 珍しく、いつもの強気な態度では無くなっていた。
 帽子を深く被り、顔を見えないようにしているが、アリスには魔理沙が今どんな顔をしているか容易に想像出来た。

「大体なんでそこまで観察してるんだ……」
「癖とか見抜いたりして、戦闘に役立てることも出来るからかしら。私にとっては、相手を観察するのが癖みたいなものなのかもしれないわ」

 魔理沙は無言でクッキーに手を伸ばす。
 そして、口に含む。何故か、さっきよりも味が甘く感じた。



「そういえばさ、アリス」
「んー?」

 しばらく無言だったが、魔理沙がぽつりと言葉を発した。

「結局、私が何故サンタ服なのかは訊いてくれないんだな……」
「えぇ、どうせしょうもない理由だろうから」
「冷たいぜーそんな冷たいアリスは、ぬ茶を一気飲みすることをお勧めする」
「誰が飲むか!」

 ぬ茶のペットボトルを持ち、アリスに迫る魔理沙。蓋は開けていて、無理矢理飲ます気満々だ。

「ちょ、やめなさいよ!」
「私が味わった苦しみを受けろー!」

 アリスは飛び掛かって来る魔理沙の手首を押さえ、ぷるぷると震えながら対抗する。
 ぎゃあぎゃあと暴れた後、結局アリスの腕力に負けた魔理沙が、ぬ茶を零してしまい、サンタ服がぬちゃぬちゃになってしまったそうな。





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