絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

地霊ショート

小さなボケの詰め合わせ? そんな感じです。

 
 ~地霊組ショート~


 その1~『ちょっとだけなら……ね』~



「お姉ちゃんーこれ見て!」
「あら、こいし。何それ、どうしたの?」

 こいしが手に持つのは、少し大きな白い紙袋。
 さとりの問いに、こいしはなにやら「えへへ」と笑う。いつも笑顔だけど、今日のは違う何かを含んだ笑みのように思えた。

「これね、お姉ちゃんにお土産」
「……え?」
「え? じゃなーいっ! だーかーらー、お姉ちゃんへのお土産っ!」

 ぽかん、と口を開いてしまう。
 こいしが地上へふらりふらりと出掛けに行くのは、今までに何度もあった。それこそ、数えきれないくらいに。
 しかし、こいしが誰かにお土産なんて物を持って帰ってきたのは、今回が初めてだった。

「いや、そもそもあなたお金持ってた?」
「あはは、大丈夫。これね、地上で知り合った人に貰ったの。可愛い人形作ってる人に。ね、早く中身を見て」
「え、あ――これは」

 さとりが紙袋の中身を覗いてみると、中には服が何着か入っていた。
 着物、巫女服、ピンクのフリルがたくさんついた所謂ゴスロリ系の服など。

「どう? お姉ちゃんに似合うと思って」
「いやいやいや!? こいし、なんか服の種類偏ってない?」
「え? もしかして、迷惑だったかな……」
「ぅ……」

 こいしは少し俯いて、しかしそれでも表情は笑顔を保っている。

「いや、嬉しいわ。もちろん」
「本当!?」
「ええ、本当よ」

 大切な妹が、一生懸命姉のことを考えてお土産を持って帰って来てくれた。その事実に、喜ばない姉がどこにいようか。否、喜ばない姉はもはや姉ではない。例え、くれた物が特殊でも。そう、さとりは思った。
 こいしは、にぱっと可愛らしい笑みで、さとりを見つめる。何かを期待する目だ。

「えーと……こいし? どうしたの?」
「ねえ、着てみてー」
「っ!?」
「まずはこれ、巫女の衣装。お姉ちゃん、似合うと思うんだ」
「ごめんなさい、こいし。私ね、巫女アレルギーなの」
「むう、そっかあ。じゃあこれは駄目だね」

 巫女服が紙袋にしまわれる。
 さとりはなんとか素晴らしい機転で乗り切ることが出来た。だが、こんな言い訳は一時凌ぎにしか過ぎない。服はまだ何着か残っている。その分だけ言い訳を考えなければならない。

「クールになりなさい……古明地さとりっ」
「お姉ちゃん、何ぶつぶつ呟いてるの?」
「ああ、ごめんなさいこいし。なんでもないわ。ただの呟き症候群よ」
「ふーん……あ、これはどうかな?」
「ぶはっ!?」

 こいしが取り出したのは、あやややや的な某天狗の服だった。
 ひらひらとした短いスカート。それを見たさとりは、思わず噴き出した。さとりからすれば、そんな短いスカートを身につけるなんて、考えられないことだった。

「こいし、そんな短いスカート、風邪引いちゃうわ」
「引いたら看病してあげるよ」
「こいしに風邪が移っちゃう」
「そうしたら、お姉ちゃんが看病してくれるでしょう?」

 言い訳その1失敗。
 嫌な汗がさとりの背中を伝う。

「じ、実はね、こいし。私今――穿いてないの」

 下着を。
 そう、言った。
 いろいろ残念な言い訳ではあるが、これならばこいしも退いてくれるだろうとさとりなりの考えだった。

「え……お姉ちゃん、穿いてないの? いや、本当に? ぅあ……きっつ、ないわぁ……」
「嘘です穿いてますごめんなさい」

 こいしは退いてはくれずに、普通に引いた。
 さとりはそんな妹のマジリアクションに、軽蔑の視線に、姉としても人としても耐えられなかったため、前言撤回。

「あは、そうだよねー」
「そ、そうそう、冗談よ」
「じゃあ、着てみようか」
「ちょっとだけなら……」
「やったあ!」

 観念したさとりは着替えることにした。



 ~少女着替え中~



「ど、どう?」
「わあ! 可愛いよ、お姉ちゃん」
「そ、そうかしら?」

 さとりだって立派な女の子。恥ずかしさはあるが、褒められて悪い気はしない。
 少し、照れたようにはにかみ、人指し指で頬を掻く。

「あ、そうだ。私ちょっと用事あったんだった」
「え?」
「ごめんね、お姉ちゃん。また来るからね」
「え、ちょ、こいし!?」

 さとりが声を掛けるが、こいしは既に大きな音を立てて部屋を飛び出して行った。
 一人、部屋に取り残されるさとり。
 すぐそばには、こいしがくれたたくさんの服。

「ちょ、ちょっとだけなら……ね」

 そう、さとりだって女の子なわけで。いろんな服に興味はある。
 ただ、着るのが恥ずかしいだけ。
 今はこいしが出て行って、部屋には一人。
 きょろきょろと辺りを確認するさとり。

「え、えへへ」

 3分後、そこには巫女服(博麗バージョン)に着替えたさとりが!
 全体を写す鏡の前で、ちょっとポーズをとってみる。なんだかんだで、楽しんでいる。

「やっぱり、ちょっと恥ずかしいですね」
「そうかな? 似合ってるよ」
「え、そうですか――ってこいし!?」

 いつの間にやら、隣にこいし。

「いや、その、これは違うの! えーと、あぅ……」
「巫女アレルギーって嘘だったの?」
「つ、ついさっき治ったのよ。そ、それよりこいし、何か用事があったんじゃないの?」
「ああ、あれ嘘」
「ええ!?」
「お姉ちゃん、私がいたら恥ずかしいかなーって思ってね。んで、出てってみたら、案の定楽しんでいたみたいだし」
「いや、それは、その……」
「ちなみにカメラに収めたからね」
「ちょ!?」

 笑顔で中々にとんでもないことを口走ったこいし。
 右手にはカメラ。

「それを渡しなさい、こいし!」
「あはは、やだー」

 地霊殿の中を走る二人。
 さとりは気付いていない。自分が今、巫女服だということを。
 こいしは旧都の方まで逃げる。
 もちろん、追いかけるさとり。
 後日、旧都でのさとりのイメージが大きく変わったそうな。





 その2~『出会い』~



「そういえばさ」
「はい?」
「おくうとお燐は、いつ出会ったの?」

 こいしが何気なく訊いてみる。
 地霊殿にはたくさんのペットが居るが、空と燐はその中でもかなりの力を持ち、そして互いに一番の親友だ。
 それは知っていたが、一体いつ二人は出会ったのだろう。
 そう、こいしは思った。
 燐は、懐かしそうに目を細める。

「ああ、懐かしいですね。実はですね、おくうを拾ったのはさとり様じゃなくて、あたいなんですよ。おくうは覚えてないだろうけど」
「むー、私ちゃんと覚えてるもん! お燐との最初の出会いだもん。忘れるわけ、ないよ……」
「へー、お姉ちゃんが拾ったんじゃないんだ」

 こいしは、てっきりさとりが拾ってきたものだと考えていた。
 空も忘れていないようだ。鳥頭の親友が、そんな前のことをしっかりと覚えてくれている。その事実に、燐は少し嬉しくなる。

「そう、あれは随分と前のお話です」

 燐は思い出す。
 あの初々しい出会いを――





◇◇◇





(∵)





◇◇◇





「いやあ、懐かしいね、お燐」
「ちょ、お燐! 今の何!?」

 空は笑ってそう言うが、こいしにはわけが分からない。

「いや、あたいと初めて出会ったときのおくうの表情ですけど?」
「表情!?」
「懐かしいねー」
「ねー」

 こいしは何か言いたかったが、幸せそうな二人を見て、もうどうでもいいやと思うことにした。





 その3~『次回予告!』~



「さて、そろそろ締めるとしましょう」
「何を?」
「このお話を」

 そう言って、さとりはフリップを取り出す。
 こいしがそれを見ると、何やら文字が書いてあった。

「さあ、次回のお話は――」



 『古明地さとりのズバリ言うわよ!』
 『四季映姫の正直しんどい』
 『小野塚小町のすべらない話』



「の、3本でお送りします。次回もまた、お会いしましょう」
「ばいばーい!」


 

以下、あとがき
 
やあ、ようこそあとがきへ。
この飴はハッカ味だからまず舐めて落ち着いて欲しい。
うん、ショートなんだ。済まない。
四季様は顔も可愛いって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でもこのSSを見たとき、君はきっと言葉で言い表せるような『馬鹿らしさ』みたいなものを感じてくれたと思う。世知辛い世の中で、そういう大切な気持ちを忘れないで欲しい。
そう思って、このSSを書いたわけでもないのですけどね。じゃあ、注文を聞こうかにゃ。






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