絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

一日ツッコミ禁止令

突っ込んだら負けですよー。ここでのみ公開ss。ギャグ系かな?


『一日ツッコミ禁止令』

 紅魔館全体に出された命令。発案者はパチュリー。それに乗ったのがレミリア。両手をわきわきと動かしたのは咲夜。
 そして、レミリアが直々に命令を出した。
 ルールは簡単。
 ツッコミをしてしまうと敗北。お仕置きが待っている。ゆえに、皆ボケ続ければいい。もしくは、普通の生活をすればいいだけの話である。時間は一日。ただの遊びだと思えば良い、とレミリアは紅魔館の皆に話した。
 遊びが好きな妖精メイドたちは、楽しそうと笑顔でわいわいがやがやしている。
 しかし、ツッコミ気質の者には地獄の一日だ。妖精メイドの一部は、ツッコミタイプと自覚している者が、嫌そうな顔をしている。このゲームの恐ろしいところは、お仕置きの内容が明かされていないことだった。
 お仕置きの内容をレミリアに訊ねた妖精メイドが居たが。

「あら、知りたい?」
「は、はい」
「そう、咲夜ーこの子連れてっちゃって」
「はい」
「え、ちょ!? な、なんでですか!?」
「知りたいのでしょう? 咲夜が教えてくれるわ。ねっとりじっくりと体験させて、ね」
「あなたに教えてあげる。その体に、忘れられない最高のお仕置きを」
「ひっ!? きゃあああああああああああああ!?」

 と、最初の犠牲者になって、帰って来ていない。
 それを目の当たりにした他の者は、決して内容を訊ねてはならない、と心に思った。

「では、今から開始する! 皆、いつも通り仕事に戻れ!」

その声とともに、集まっていた紅魔館の住民は皆それぞれに散った。
 長い一日の、始まりだ。





 ◇◇◇





「はあ、面倒そうな一日だね」
「そう? 刺激的で良いと思うけど」
「本当にパチュリーの考えること、理解できないや」
「簡単に他人を理解出来たら、人は苦労しないわ」

 ツッコミ禁止令は、もちろんフランドールやパチュリーも対象だ。
 フランドールは、とりあえず本でも読んで一日を潰そうかと考えて、図書館へやってきた。今はパチュリーと向かい合わせで座り、適当な本を読んでいる。魔力の流れ、とやらが書かれている本だったが、あまり興味を引くものではなかった。

「うーん、なんか面白い本ないかなぁ」
「私にとっては、どれも面白いものばかりよ」
「いや、私でも楽しめそうなもの、ないかなーって」
「ふむ、妹様が楽しめそうなもの……ね」

 パチュリーは、読んでいた本を一度閉じて考える。そして、小悪魔を呼んだ。小悪魔の方が、配置場所などの把握をしているからだ。小悪魔の耳元で、本のタイトルを呟く。すると、小悪魔は「分かりました、少しお待ちを」とだけ言って、飛んで行った。

「何を頼んだの?」
「妹様が楽しめそうな本を思い付いてね。小悪魔に取りに行かせたわ。あいにくと、私はその本の配置場所が分からないから」
「ふーん、そっか」
「お待たせしましたあああああああああああああああああああああ!」
「なんで小悪魔ハイテンショ――はっ!?」

 何故か無駄にテンションの高い小悪魔に、思わずツッコミを入れそうになってしまった。フランドールは、言いきる寸前で気付き、慌てて自分の口を手で塞いだ。
 それを見て、パチュリーと小悪魔は小さく舌打ちした。

「パチュリー、嵌めようとしたね?」
「ふふ、だって穏やかに過ごすには勿体ないじゃない。小悪魔にも協力してもらったのだけど、さすが妹様。この程度のボケにはツッコミを入れてくれないわね」

 互いに視線を交わす。ふっと薄く笑うパチュリーに、フランドールも口の端を少しだけ釣りあげて、笑みを作ってみせる。そう簡単に突っ込まないぞ、という意思の表れなのだろうか。小悪魔一人だけ、欠伸を浮かべている。そんなはたから見たら実に滑稽な空間が、そこにはあった。

「パチュリー様、私眠いので寝て良いですか? 徹夜作業だったので」
「あなたはこの面白そうな日を眠って過ごすというの?」
「んーさっきは協力しましたが、正直あんまり興味ないです」

 人指し指で頬を掻きながら、言った。

「ふむ、そう。なら仕方ないわね。おやすみなさい」
「はい。では休ませていただきます」

 小悪魔がそう言って、パチュリーに背を向けた瞬間――

「っ!? 危ない小悪魔!」
「えっ――」

フランドールが声を上げた。
小悪魔が背後を振り向くと、そこにはパチュリーが賢者の石を構えていた。
しかも、ただ構えているわけではない。
それは、見る者を確実に驚かせる光景。
それは、もはや異変と言っても過言ではないくらいのもの。
賢者の石が――数えられないくらいたくさん。そして、それら全てに、両手が生えていた。

「ちょ!? 気持ち悪っ! なんですかこの賢者の石の数!? いや、それよりもなんで両手生えているんですか! わけが分かりません! というか、私にそれを向けないでください!」
「小悪魔、だめっ!」

 フランドールは制止の声を上げたが、もはや遅い。
 パチュリーは、全ての賢者の石を引っ込める。そして、口元には妖しい笑みを浮かべていた。

「小悪魔、あなた今、ツッコミを入れたわね?」
「え――? あっ!?」
「今の異様な光景を前にして、思わずツッコミを入れたわね?」

ニタァという嫌らしい効果音が付きそうな、そんな笑みを作る。
小悪魔は今まさに、自分が嵌められたことに気付いた。
次の瞬間には、小悪魔の後ろに咲夜が立っていた。

「ひっ!?」
「大丈夫よ、優しくするから」

 何を優しくするのか。そんなこと、誰も知っていないし、知りたくもない。
 怯える小悪魔を、優しくお姫様抱っこするメイド長の姿は、まさに完璧だった。何が完璧かは誰にもよく分からないけども。

「では、失礼します」
「フランドール様、お助けを――」
「小悪魔ー!」

 涙目の小悪魔が、目の前から消えてしまった。言葉を最後まで紡ぐこともなく、消え去ってしまった。確実に、咲夜の時間停止による移動だろう。それを使われては、いくらフランドールでも助け出すことは出来なかった。散っていった仲間(ここでは比較的良識人のことを示す)の最期の姿は、いつまでも脳裏に焼き付いていた。

「パチュリー! どうして、なんで小悪魔を!」
「彼女は休みたいと言ったから、休ませてあげただけよ」

さも当然かのように言うパチュリーの瞳は、まさに冷徹な魔女といった感じだ。

「妹様、あなたは今日一日耐えられるかしら? この地獄から」
「耐えてみせるよ。小悪魔の仇をとってやる!」

 こうして、二人の戦いが始まった。





 ◇◇◇





 そんなこんなで、一日ツッコミ禁止令が発表されてから23時間55分経過。

「くっ……突っ込まないよ」
「ふっ、さすがね。妹様」

 残り5分。
 館の妖精メイドは3分の1が減った。
 美鈴はなんやかんやで散った。あと、たまたま紅魔館に来たアリスと魔理沙も散った。ルールを聞かされてないまま、散った。

「ねえ、パチェリー」
「っ!?」

 パチュリーは思わず「私はパチュリーよ」と言いそうになるが、堪える。
 フランドールの罠は、通用しなかった。少しだけ、悔しそうな表情を浮かべる。おそらく、パチュリーを倒すための手段として自信があったのだろう。もはや一日ツッコミ禁止令の趣旨が変わっていることには、誰も突っ込まない。突っ込んだら負けだからだ。

「さあ、あと3分弱だよ。もうネタ切れ? パチュリー」
「ふっ……馬鹿言っちゃいけないわ。私には秘伝の武器があるのよ」

 パチュリーがポケットをまさぐる。ポケットに何があるのか、フランドールはここにきて一番の警戒心で挑む。
 この残り少ない時間で、一体どんな奥の手を出してくるのか。
 フランドールの背中に、嫌な汗が伝う。
 そして、パチュリーがポケットから取り出したものは――

「なっ!? それは……」
「そう、お察しの通り、だしまきたまごよ」

 だしまきたまごだった。ポケットに入っていたせいか、ぐちゃぐちゃになっている。
 何故このタイミングでそんなものを出してくるのか。
 何故手掴みなのか。
 何故ポケットにそんなものが入っているのか。
 そもそも、そのチョイスはなんなのか。
 フランドールの脳内に、数々のツッコミたいことが思い浮かぶ。口が言葉を発想と、動く。
 パチュリーはそれを見て、勝利を確信した。
 だが、フランドールが発した言葉は、パチュリーの想像していたものとは違った。

「な、なっふう……」

 それは、フランドールが堪えに堪えた結果、漏れてしまった言葉になっていない言葉だった。
 予想外のことに、ぽかんとするパチュリー。
 そして――

「何よ……その情けない鳴き声みたいなのは」

 溜息交じりに、そう呟いた。
 そう、思わず呟いてしまったのだ。
 次の瞬間、咲夜が登場した。そして、パチュリーを小悪魔のとき同様に、お姫様抱っこ。

「え? あ、あれ?」
「ふふ、私の勝ちだね、パチュリー」
「や、今のはツッコミじゃなくて――」
「パチュリー様、言い訳はベッドの中で聞かせて貰いますわ」
「ひぅっ!?」

 咲夜は一度、フランドールの方を向いてニコッと笑った後、目の前から消え去った。
 そして、それと同時に一日が終わった。
 ツッコミ禁止令は、役目を終えたのだ。

「はぁ~……疲れた」

 ばたんきゅう、と椅子に座りこむフランドール。

「パチェいるー?」

 そこに、レミリアがやってきた。

「あ、お姉様」
「ああ、フラン。パチェを捜してるんだが、知らないか?」
「お仕置きちゅーだよ」
「ん? パチェ、ツッコミしちゃったのか」
「うん。お姉様、パチュリーに何か用事あったの?」
「ああ、実は次は『一日ボケ禁止令』というものをやってみようかなと――」
「いいかげんにしろ!」

 フランドールの一日耐えていた分、激しくなったツッコミがレミリアを軽く吹っ飛ばした。





 ※だしまきたまごは、あとでスタッフが美味しくいただきました。





あとがきらしきもの~

久し振りにはっちゃけたいなあ、と思いつつ書きました。
ギャグ系を久し振りに書いたので、中々感覚が鈍くて鈍くて困りますねw
もっと暴走させたかったのですが、いかんせん鈍っている今ではこれが限界でした。
ボケ数も増やさないと、うーん。
ちなみに、これ書き上げたの夜中の3時30過ぎでして、今まさに寒い寒い。おこたが最高です、はい。
そんなこんなで、ここまで読んでくださった方に感謝を。
わふー!





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コメント

>たまたま紅魔館に来たアリスと魔理沙も散った。ルールを聞かされてないまま、散った。

ひでぇw


まあ、とりあえず、お仕置きの内容を書いてから話を始めようか。
2010-02-17 Wed 03:26 | URL | tukai [ 編集 ]
紅魔館内に居る者全てに無条件で適用されます。

お仕置きの内容を書いたら、咲夜さん無双のネチョネチョ話になりますw
何人が犠牲になったか……
2010-02-17 Wed 14:31 | URL | 喉飴 [ 編集 ]
ここで掲載するからお仕置きがアレなことだと思ってたのにノーマルじゃないですかww
いつもツッコミに回ってるふらんちゃんには辛い一日だったことでしょう。

先にここで掲載したらクーリエには載せられないし……もっとたくさんの人に読んでもらいたいのになんかもったいない気分。
2010-02-17 Wed 23:40 | URL | ぺ・四潤 [ 編集 ]
はい、ノーマルですwwお仕置き描写したら、私の気力がほとんどなくなっちゃいますからw

たしかにあちらの方がたくさんの人に読まれるでしょう。ですが、たまにはブログ限定のssを書くのもいいかなーと。ここ見てる人の特権!(特権と言えるのか?
もったいないなんて言ってくださって、そして感想、ありがとうございますw
2010-02-17 Wed 23:47 | URL | 喉飴 [ 編集 ]
咲夜さんのおしおきかー気になるなーw

次の作品は一日ボケ禁止の予定ですか?w


飴玉さんのツッコミフランチャン可愛すぎるーー
2010-02-18 Thu 22:26 | URL | かーい [ 編集 ]
お仕置きはみんなの心の中にあります。

フランちゃん、久し振りにツッコミに回ってもらいましたw
気に入ってもらえてなによりです。
2010-02-19 Fri 00:55 | URL | 喉飴 [ 編集 ]

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