絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

寂しい夜に

レミフラです。
糖分は50パーくらいかな。

 
 私の吐く白い息が漏れて、ゆらりゆらりと空気が揺れる。
 この部屋は、ただ寒いだけ。
 暖かい毛布はある。頼めば飲み物だって出てくる。体は確かに暖かい。
 けど――誰も居ない。
 美鈴が居ない。小悪魔が居ない。パチュリーが居ない。咲夜が居ない。妖精メイドだって居ない。そしてなにより、大好きなお姉様が居ない。

「寒いなぁ……」

 心が寒い。
 無性に会いたくなることがある。
 寂しい。
 これは、どうしても慣れない感情だ。
 私、お子様なのかなぁ。

「会いたいなぁ……」

 ベッドに腰掛けながら、足をぷらぷらさせる。ふかふかなベッドは、私のお尻をしっかりと包んでくれた。
 会いに行くのは簡単。重い扉を開けて、飛び出してしまえばそれで良い。
 でも、会いに来て欲しい。
 私を想って、足を運んで欲しい。
 とは言っても、わざわざここまで来るのは、お姉様くらいだ。
 だから、お姉様に来て欲しい。
 寂しいくせに、自分からは会いに行きたくない我侭。
 うん、私やっぱり子どもっぽいかも。
 来てくれるかな。
 耳を澄ませる。足音がしたら、それは合図。

「あ、聞こえる!」

 想いが通じたのか、お姉様がこっちへ向かって来ている。足音が聞こえる。
 私は自分の髪をくしくしと整えた。
 服装も、おかしいところは無いか確認した。
 大好きな人には、やっぱりちゃんとした格好で会いたいからね。

「フラン、入るわよ」
「どうぞ、お姉様」

 重い扉を隔てたやりとり。

「こんばんは、愛しのフラン」
「こんばんは、愛しのお姉様」

 姿が見えただけで、にへらとしてしまうのが分かる。
 多分、今の私はだらしない表情をしているだろう。前に、ふにゃふにゃとした笑い方だ、とお姉様に言われたことがある。嬉しいのだから、仕方無いよ。
 勢いよく抱き付いてみた。
 少しよろけながらも、お姉様の暖かい腕は、私をしっかりと包んでくれた。

「えへへ~」
「どうしたの、フラン? 今日は妙に甘えん坊ね」
「お姉様に会いたかったから」
「会いにくれば良いじゃない」
「会いに来て欲しかったの」
「よく分からないな」
「お姉様には分からないよ、多分」
「む……」

 お姉様がムッとした表情になったけど、気にしないで胸に顔を埋めてみる。
 私もお姉様のこと言えないけど、小さいなぁ。けど、ちゃんと柔らかくて温かい。それに、ふにふにしてて気持ち良い。
 なんていうか、落ち着く。

「んー……小さい」
「フランも変わらないでしょう」
「私、お姉様の胸好き」
「それを言われて、私はどんな反応すれば良いのやら」
「私をもっとギュッとすれば良いよ」
「それじゃあ、ギュッ」

 ギュ~ッとされる。
 ちょっぴり痛いくらい。
 でも、それくらいがちょうど良い。温かいし、柔らかいし、なによりお姉様を確かに感じることが出来るから。

「お姉様、おねえ様、おねーさま」
「何?」
「呼んでみただけー」

 お姉様が少し呆れたような表情をした。
 それでも、まだギュ~ってしてくれている。なんだかんだで、やっぱり優しい。
 だから、そんな優しいお姉様に、一つ意地悪をしてみる。

「ねぇ、お姉様」
「んー?」
「私のこと、好き?」
「妹が嫌いな姉なんかいないわよ」
「じゃあ好きなんだね?」

 困ったように頬を掻くお姉様。
 そう、お姉様は意外に照れ屋だから、滅多に『好き』とハッキリ言わない。
 私の質問は、それを言わせるための意地悪な質問。

「う~ん……」
「嫌いなの?」
「いぁ、そんなわけは……」

 こうやって、おろおろとするお姉様を見るのも好き。
 わざと意地悪い笑みを浮かべて、お姉様を見る。
 お姉様は、うっ、とした表情になる。

「……私で遊んでるでしょう、フラン?」
「お姉様がたった一言、好きって言ってくれれば良いだけだよ?」
「くっ……」

 逃がさないように、お姉様の背中に回した腕に力を込める。
 こういうとき、お姉様はいつも逃げちゃうからなぁ。
 今回は逃がさない。

「す、すー……すー」
「す? はい、あと一文字だよ」

 面白いくらいに顔を真っ赤にして、口をすの発音で止めているお姉様。
 私は問題無用でその先を急かす。
 お姉様はしばらく唸っていたけど、ふぅと一息吐いて、決心したような顔で私を見つめる。
 さっきまでの照れが一切含まれていない、割と真面目な表情。
 たまに見せるこの表情も、好き。見た目は私とあんまり変わらない、幼い容姿なのに、こういう格好良い雰囲気は、私には出せない。

「フラン」
「ん」
「好き」
「ん、知ってるよ」
「フランは」
「え?」
「フランは私が好き?」
「んー……ひみつっ!」

 私がそう言うと、お姉様は顔をしかめた。

「ずるくない?」

 うん、お姉様の言うとおり、ずるいと思う。

「えへへ」
「笑って誤魔化さない」
「わっ!?」

 そおっと逃げようかと思ったら、抱き締める力を強められた。
 半目でお姉様が私を睨んでいる。
 あ、あはは~と笑って誤魔化そうとしても、逃げられそうにない。

「お姉様、ちょっと痛いよ」
「そんな言葉を求めているわけじゃあないのよ、フラン」
「ごめんなさい」
「そんな言葉でもないわ」

 お姉様が私に何を言わせたいかは、分かる。
 でも、恥ずかしいじゃない。
 いや、お姉様には言わせたけどさ。

「まさか私にだけ言わせて、あなたは言わないなんてこと、無いわよねぇ」
「ぅ……」

 お姉様が、とても良い笑顔でそう言ってくる。
 うぅ、言わなきゃ離してくれそうにない。
 すーはーすーはー深呼吸。
 胸がドキドキ高鳴るのが、よく分かる。

「お、お姉様!」
「はい、何かしら?」

 うぅ、その素敵すぎて腹が立つ笑顔が嫌だ。

「えーと、お姉様」
「んー?」
「そのー、お姉様」
「何?」
「うぅ、お姉様~」

 さっきの私より意地悪だぁ。
 もうなんか、殴りたくなってきた。殴らないけど。
 また、深呼吸。
 そして、しっかりと目を見つめる。恥ずかしいけど、頑張って見つめる。

「お姉様、好き」
「はい、よく言えました」
「ひゃぁ!?」

 頬にキスされた。
 突然のことに、思わず変な声を上げてしまう。
 好きって言うのは照れるくせに、こういうことはさらりとやってのけるお姉様が腹ただしい。
 うぅ、と唸りながら睨んでやる。

「そんな目しても、可愛いとしか言えないわよ」
「そ、そういう恥ずかしいことをさらりと言わないでよ!」
「可愛い可愛い、フランは可愛い」
「むぅ~!?」

 本当、なんで好きは中々言わないくせに、こういうことは大丈夫なんだろう。
 私だけ慌てて真っ赤で、なんか悔しい。
 お姉様は、余裕の笑みを浮かべている。
 むぅ、こうなったら。

「お姉様」
「んっ!?」
「っ……」

 唇同士を重ねる。
 突然のことに、目を大きく見開いて驚いているお姉様。
 うん、恥ずかしいけど、お姉様のこういう姿見れて良かった。
 マシュマロみたいにふにゅっと柔らかくて、抱き締めてるのと同じくらいに、ほわっと温かい。それに、なにより心地良い。
 自然と、背に回していた手に力が入る。
 しばらくして、ゆっくりと唇を離した。

「へへ、驚いた?」
「さすがに驚くわ。でも、嫌じゃないわ」
「んっ……」

 今度はお姉様からのキス。
 ついばむように、何度も何度も角度を変えてのキス。
 ふわふわしてちょっと怖いけど、心地良い。

「んーお姉様」
「何かしら?」
「今日一緒に寝てくれる?」
「フランが望むなら、いつでも」
「じゃあ……一緒に寝よ?」
「えぇ、喜んで」

 お姉様が笑顔でそう返してくれた。
 今日は一人きりじゃない。
 寂しくない。お姉様が居てくれるから。
 今日は、温かくなりそうだ。
 




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