絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

おやすみ

プチ投稿作品。かぐもこ。
この組み合わせは好きなのです。





 目が覚めると、眼前に輝夜が眠っていた。
「すぅ……」
 さぁ、どうしようか……うん、とりあえずは、

「おらぁっ!」
「きゃふぁぅ!?」
 殴り飛ばしてみた。
 吹っ飛んだ輝夜は箪笥に頭をぶつけ、そのショックで目を覚ましたみたいだ。
「いったぁ~い!」
「お前の存在がか?」
「後頭部が!」
 涙目の輝夜が、私を睨む。はは、ざまぁみろ。
「大体何でお前が居るんだよ?」
 疑問に思ってたことを投げかける。
 すると、輝夜はきょとんとした表情で私を見る。内股でぺたりと座り込んでいる今の状態の輝夜が、そんな表情をすると、なんだかちょっと可愛らし……じゃなかった! 気持ち悪い! あぁ、気持ち悪い!

「妹紅……いえ、モコモコ」
「焼くぞ?」
「ジョークよジョーク、蓬莱山ジョーク」
「どんなジョークだ。で、理由は何なんだ?」
「酷いわ妹紅、忘れたなんて……昨日あんなに激しく、でも優しくしてくれたのに」
「何をしたんだ私は!?」
「わ、私の口から言わせないでよ……」
 頬を少し赤らめながら、目を逸らす輝夜。
 ……何をしたんだ私。

「な、なぁ輝夜、本当に私は何をしたんだ?」
「え、ナニをしたかですって?」
「くたばれ」
「あ、あまり大きな声で言うのは恥ずかしいから……耳貸して」
「……分かった」

 輝夜は私の耳元に、子どもが秘密話をするかのように口を近付ける。
「はむっ!」
「うひゃぅっ!?」

 いきなり耳たぶを唇で挟まれた。
 突然の刺激に、思わず変な声を上げる。
「あら、可愛い声をあげるのね」
「死んでしまえ!」

 とりあえず輝夜の右手だけ焼いた。

「次はふざけるなよ?」
「分かってるわよ。ほら、耳貸して」

 再び輝夜に耳を貸すかたちをとる。
 輝夜が何か言葉を紡いでいるが、あまりにも小さい声で聞き取れない。
「……け……ん」
「は? 聞こえないって」
「じ……」
「だから聞こえない! 一体私は何をしたんだ!」
「ジャンケンをしたのよ!」
「別に耳うちするような内容じゃないだろぉぉぉ!」
「ぎゃぅっ!」

 あまりにも腹がたったので、喉を突いてやった。
 変な声を上げて、吹っ飛ぶ輝夜。
「……」
「ん?」

 輝夜がこちらを向いて小さな口をパクパク動かしている。
 もしかして……

「今ので喉潰れたのか?」
 激しく首を上下に動かす輝夜。小動物みたいで可愛……じゃなかった! うっとうしい! うん、うっとい!

「うっそ~! 喉なんか潰れてましぇ~ん」
「……」
「目ガァ目ガァぁぁぁぁ!?」

 いちいち相手を怒らすのが上手いやつだ。ご褒美に目を燃やしてあげた。
 輝夜は燃やしてくれて嬉しいのか、顔を両手で抑えながら床をゴロゴロしている。あはは。
「何するのよ妹紅!」
「流石不死、もう復活か」
「再生するの疲れるんだから!」
「なんか宇宙人が言いそうな台詞だな」
「いや、私実際宇宙人だし」
「あ、そっか。月から来たんだもんな」
「そうよ。全く妹紅ったら」
「あはは、いっけね~」
「あはははは」
「あはははは」
「あはははは」
「あはははは……って何だこの空気!?」

 危ない危ない、輝夜・THE・ワールドに片足突っ込んでた。

「まぁ冗談はさておき」
「今まで全部冗談だったのか……」
「私がここに居る理由、教えてあげるわ」

 輝夜が真剣な表情をして、私を見る。
 背筋を伸ばし、正座をし、全てが凜としている。
 その瞳は透き通る程繊細で、それでいて美しく、そのあまりの美しさに、私の身体は氷のように冷え、そして固くなった。
 輝夜の時折見せるこの表情は、昔と変わらない。
 その美しさは、男が恋い焦がれ、女は嫉妬することすら出来ない程。
 私も、この輝夜の表情だけは、慣れなかった。

「私がここに居た、その理由はね……」

 唾を飲み込みことすら忘れてしまう空気。それを作り出しているのは目の前の、憎くて憎くて仕方が無かった、私の敵。
 そう、憎くて仕方が無かった。つまり、もう過去なのだ。
 認めたくは無いが、私は多分もう、輝夜を憎んではいない。
 ただ時折見せる、この輝夜の表情だけは、本当に、慣れない。

「妹紅の家に遊びに来たら、まだ妹紅が寝てたから私も一緒に寝ちゃったのよ!」
「…………は?」

 ちょっとまて。
 さっきまでの空気はどこへいった!

「おいこら輝夜」
「あえてシリアスな雰囲気を醸し出してみました、てへっ☆」
「てへっ☆、じゃねぇ!」
「じゃあ、ぐへっ☆」
「可愛くないわ!」
「どう? たまには格好いい私に惚れた?」
「ばっ!? 誰が惚れるか!」

 えへ~と抱き付く輝夜を見て、自然と頬が緩くなるのを感じる。
 それを誤魔化すために、自分の顔を燃やしてみた。
「ちょ! 妹紅!?」
「あぁ、顔にハエがいたんだ。多分」
「叩けばいいのに……」
「無暗に生き物を叩いて殺しちゃいけないって慧音が言ってたぞ」
「燃やす方がタチ悪い気がするけど」
「まぁ気にするな」

 よし、誤魔化し成功だ。
 輝夜が呆れた顔してるから燃やしてやろうかと思ったが、今回は止めといた。

「さぁ、妹紅遊びましょう!」
「って何でだよ?」
「言ったでしょ? 遊びに来たって」
「知らん、私は寝る」
「あーそんなに寝たら武士になるわよ」
「ならないよ! 食べてすぐ寝ると牛になる、だ!」
「流石妹紅ね。私の期待以上のツッコミ(ここでは性的な意味は含まない)をしてくれるなんて」
「くたばれ、私は寝る」

 適当に寝転がることにする。大体遊びといっても、私は今の遊びとやらは知らないし。相手出来ない。
 そうしていると、背中にピッタリと添えられる何か――輝夜だ。
「おい」
「えへ~」
「何してんだ」
「添寝ごっこ。立派な遊びよ」
「なんだそりゃ」
「妹紅は黙って寝てればいいの!」
「……ふん、勝手にしろ」

 背中から伝わる心地良い温度。
 決して熱くはないのに、私の身体は、凄く熱くなっていた。
 しばらくそうしていると、背中から、寝息が聞こえてきた。

「お前が先に寝るのかよ……」
 なんとなく、苦笑いを浮かべながら、私も眠りに沈んでゆく。
 輝夜の寝息と、背中から伝わる鼓動を子守歌代わりにして。
 そして――おやすみ。
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