絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

幸せな恋をしましょう

第六回ねちょこん参加作。



 
 藍が敗れたようだ。
 正直、ここまでやってくるとは予想していなかった。よほど才能と実力を兼ね備えているのか。
 面白い。私自らが相手をしてみるのも、楽しいかも。

「そろそろ本命かしら」
「物騒な人間。ゆっくりと眠ることが出来ないわ」
「あ、本命」

 指を差されるなんて、初めてかもしれない。
 私を恐れないのは、自信か無知か。
 彼女をじっと見つめる。身体にかすり傷のようなものはあるが、致命的なものは無いのが分かる。息も切れていない。
 藍があっさりと負けたというのだろうか。それとも、手も足も出ずに敗れたか。

「あなた、博麗神社のおめでたい人?」
「あ? 私は博麗霊夢。おめでたい人ではないわ」

 明らかに怒った表情になる。
 この程度の挑発に心乱すなんて。そんな未熟さで、よくここまで来れたものだ。
 軽い会話を繰り返す。

「それで、何の用かしら?」
「冥界の境界直しなさいよ」
「なんだ、そんなこと」
「あんたが直しに来ないから、わざわざ私が出向いたのよ。さぁ、早く直しなさい」
「眠いのよねぇ、私」
「なら眠気を吹き飛ばしてあげる」
「あら、ありがとう、で良いのかしらね?」

 霊夢がスペルカードを取り出すのを見て、私もスペルカードを取り出す。
 藍を倒したその力を見せてもらおう。





◇◇◇





「っ……最悪ね。疲れた」
「こっちのセリフなんだけど……」

 本当にこっちのセリフだ。
 ちょっと力を見るつもりが、いつの間にか本気を引き出された。しかも、この
私が敗れた。博麗の巫女とはいえ、人間相手に、負けたのだ。こんな展開は予想外。
 霊夢は、服がボロボロだが致命的なダメージはほとんど受けていない。

「この服、お気に入りだったのになぁ……」
「ただの巫女服じゃない」
「特注なのよ」

 自分のボロボロ具合を見て、溜息を吐いている。どちらかというと、溜息を吐きたいのはこっちなのだが。
 私にも一応、妖怪としてのプライドみたいなものがある。それを、勝つことは当たり前のような態度を取られては、ヘコむ。
 思わず、溜息を吐いてしまう。

「なに溜息吐いてるのよ。あんたの服はまだ修復出来る範囲じゃない」
「服はどうでもいいですわ」
「あっそ、あんたは全裸でいいのね」
「前言撤回。服は大切ですわ」

 全裸は嫌だ。
 しかし、不思議な人間だ。私を恐れ無かったのは、必ず勝てるという絶対的な自信からだったのだろうか。
 あぁ、今日はもう疲れた。ただでさえ眠かったのに、弾幕ごっこをして、しかも負けてしまった。疲れ倍増だ。

「境界直しといてよね」
「せめて今度にして欲しいのだけど。明後日までにはやるわ」

 脱力しきった感じで、そうお願いしてみた。
 物凄いジト目で睨まれる。え、何だろう。私、そんなに信用ならないのかしら。視線が痛い。

「うさんくさい」
「失礼ね」

 人の顔を散々睨んだ挙句、うさんくさいの一言は酷い。ちょっと傷付く。というか、ヘコむ。
 ジト目で未だに睨まれている。
 これは、どうしても今日中にやらなきゃならなくなりそうな雰囲気。仕方無い、なんとか頑張ってみよう。
 すると突然、霊夢が溜息を吐いた。

「はぁ……私に手伝えることある?」
「へ?」

 思わず変な声を上げてしまった。
 それほどまでに、霊夢の言ったことが予想外だったから。
 霊夢は、その綺麗な黒髪を手でくしゃっと荒く掻き、私の方をじっと見た。

「だから、手伝ってあげるって言ってるの! あんた、本当に疲れてるみたいだし。一応私は結界を扱えるし。一人より二人の方が早く終わるでしょう?」
「え、えと……」

 少しぽかんとしてしまった。

「嬉しいけど、境界と結界はまた違うから、あなたには無理よ」
「む……」

 手伝いを申し出てくれたのは嬉しいが、これは私にしか出来ない。

「……分かった。また今度で良いわ」
「え?」

 てっきり今日中にやらされるかと思っていた。
 霊夢の顔を見るが、何を考えているのかよく分からない。
 いや、ありがたいのだけど、少し申し訳ないような気持ちもある。

「あー私も疲れた……帰って寝よ」
「えーと……」
「なるべく早めに直してね。それじゃあ、またね」
「え、えぇ」

 軽く手をひらひらと振られて、去ってしまった。
 ふわふわと飛んで、遠ざかってゆく霊夢を、私はただぼうっと眺めていた。
 なんというか、不思議な子だ。

「またね……か」

 私にそんなことを言った人間は、初めてだった。





◇◇◇





 博麗神社には落ち葉一つ無かった。ちゃんと掃除をしているみたいだ。
 地面に敷いてある石が、茜に染まっていた。私の服も、同じように空の茜に染まっているだろう。
 さて、霊夢は何処に居るのだろうか。

「あ、居た」

 霊夢は縁側に居た。私には気付いて無いみたいで、目を瞑って幸せそうにお茶を啜っている。
 何だろう。ちょっと、驚かしてみたい衝動に駆られる。
 どんな表情をするのだろう。
 うん、妖怪は人を驚かすものよね。よし、やろう。

「ふぃ~……」

 息を吐いて、リラックスしている霊夢。
 隙間を使い、霊夢の背後へと回る。そして、横腹へと手を伸ばす。
 あと少しで、触れる。

「えいっ!」
「ひゃわぁっ!?」

 人指し指で、ゆっくりとなぞった。
 霊夢は予想以上に驚いたみたいだ。
 可愛らしい声を上げて、持っていた湯飲みを私に投げ付けた。顔に湯飲みの中身がかかる。

「……熱い!」
「やかましいわ! いきなり何するのよ!」
「ちょっと驚かそうとしただけなのに……あぁ、熱い」

 うぅ、熱かった。
 ハンカチを取り出し、顔を拭く。
 熱かったけど、霊夢の驚いた様子が少しだけ見れて嬉しかった。
 ただ、霊夢が本気で睨んでいるのが凄く怖い。
 拭き終えて、とりあえず霊夢の隣りに座った。未だに睨まれてるけども。

「あんた、何しに来たのよ?」
「何って、修復してきたことを一応伝えに来たの」
「え?」
「何、その意外そうな顔?」
「いや、予想以上に早かったから……」

 そう、私は霊夢に敗れた次の日に、境界を引き直した。私にしては、頑張った方だと思う。
 行動的な私に、藍が目を丸くして驚いていた。「病気ですか、紫様?」などと言ってきたから、軽くアッパーをくらわせといた。
 まぁ、その疲れで昨日から今までずっと眠っていたのだけど。

「ま、お疲れ様。でも何でこんな夕方に来たのよ?」
「夜行性だから、私」
「ふぅん……ところでさ」
「ん?」
「あんたの名前、何だっけ?」

 これは厳しい。私の精神的ダメージは、大きい。
 名前を覚えられていなかった、なんてことは長い間生きてきて初めてだった。
 私は、実際に会ったこと無い相手にまで噂で名前を知られていることが多い。
 なのに、まさか出会った相手に覚えられていないなんて。

「八雲紫。次からは、ちゃんと覚えてくれていると、嬉しいですわ」
「ん、分かったわ。紫ね」

 ぶつぶつと私の名前を何度か呟いている。もしかして、意外に物覚え悪いのかしら。意外すぎる一面だ。弾幕ごっこでは、あんなに才能があるのに。
 霊夢が顔を上げて、よし覚えた、と言った。
 良かった、ちゃんと覚えてもらえた。

「で、紫はそれだけを、直したことだけを伝えにわざわざ来たの?」
「えぇ、そうよ」

 いや、本当はそれだけじゃない。
 あの日、博麗霊夢という存在に興味を持った。もっと霊夢と話したい。霊夢を知りたいと、思ったのだ。
 だからこそ、わざわざ早く境界を引き直して、ここへ来るきっかけを作って、来たのだ。

「それじゃあ、もう帰るの?」
「へ?」
「だって用事は済んだんだし」

 あ、たしかにそうだ。
 もう用事は済んでしまった。
 どうしよう、まだ何も話していないのに。いや、そもそも私は霊夢と何故話したいと思うのだろう。霊夢の何を知りたいのか。
 私にしては珍しく、何も考えていなかったようだ。
 そんなことを考えていると、霊夢が立ち上がった。

「ちょっと待ってて」
「え?」
「せっかく来たんだから、お茶の一杯くらい飲んでいけば?」
「あ、そうするわ」

 霊夢がいなくなり、ふぅ、と息を吐く。
 良かった、一緒に居る時間が伸びた。
 と、安心してる場合じゃない。霊夢が戻ってくるまでに、どんなことを話そうか話題を考えておかないと。

「う~ん……」
「何唸ってるのよ」
「ひゃっ!?」

 早い。霊夢、戻ってくるの早いわよ。そんな気持ちは言葉に出来ず、ただ変な声を上げることしか出来なかった。
 霊夢は私の声に驚いたのか、目を見開いている。あぁ……出来れば忘れて欲しい。
 しばらくして、霊夢の顔がニヤニヤした表情へと変わった。
 うん、これは絶対に忘れてくれない雰囲気ね。

「意外……あんたって冷静なタイプかと思ってたわ」
「私だって驚きますわ」
「それにしても、あんな可愛い声出せるのね」
「っ!?」

 まずい。今日は帰って出直すべきだ、と私の本能が告げている。
 可愛いだなんて、初めて言われたかもしれない。なんというか、恥ずかしい。
 うん、今日は帰ろう。

「それじゃあ、霊夢」
「まさか帰るなんて言わないわよね? せっかく入れたお茶を無駄にする気かしら?」
「……いただきますわ」

 明らかに楽しんでいる。
 そんなニヤニヤと見ないで欲しい。もうさっさと飲み干して、帰ってしまおう。

「はぁ……」
「何溜息吐いてるのよ」

 いや、溜息も吐きたくなるだろう。
 こんな不覚、二度としない。

「大丈夫よ、誰にも言わないから」
「いっそのこと、あなたを潰して無かったことにしようかしら」
「返り討ちにしてあげる」

 お茶の温かさが、身体に染みる。そういえば、少し冷える。夕暮れ時だからか、風が冷たい。
 霊夢の服装は、見るからに寒いのだけど、大丈夫なのか。そんなに腋を出してどうするのだろう。
 じぃっと見ていたら、霊夢もこちらを向いて、視線が交わった。
 大きな瞳の奥に、私が映っている。

「何ジロジロ見てるのよ。見物料取るわよ」
「あら卑しい」
「うるさい」

 弾幕ごっこをしているときの真剣な表情とは違う、ムスッとした表情だ。こうしてみると、年相応の幼さが露になっているように見える。
 風が優しく、私の髪を撫でる。霊夢の黒髪も、ふわりと揺れていた。心地良い。

「ん、お茶ご馳走さま」
「帰るの?」
「えぇ、今日は帰りますわ」
「今日は、ってまた来るのか、あんたは」

 あ、別にそういうつもりで言ったわけじゃあ無かったのだけど。

「来たらダメかしら?」
「何も無いわよ?」
「あなたが居るじゃない。それだけで、充分来る価値があるわ」
「っ!? ふん、好きにしなさい」

 何故だか、霊夢の顔が少し赤くなった気がする。
 まぁ、これで今後も遊びに来れる。素直に嬉しい。
 なんだろう、霊夢には不思議な魅力があるんじゃないかと思う。
 こんなにも、知りたいと思う。
 こんなにも、一緒に居て楽しい。

「それじゃあ、またね」
「ん、またね紫」

 名前を呼ばれただけで、ちょっと嬉しい。
 霊夢は脱力したように、手をひらりひらりと振っていた。煎餅を口に含みながら。いつ煎餅を取り出したのだろう。
 そんなことを思いながら、私は帰路についた。
 ふと振り返ると、神社も霊夢も、茜に美しく染まっていた。
 どこか、神秘的だった。





◇◇◇





 あの日以来、私はよく神社を訪れていた。
 特に理由も無く、ふらふらと霊夢に会っては、からかったり適当な会話をする。
 そして、いろんなことを知った。
 好きな食べ物はたくさんあるし、嫌いなものはあっても残さないで食べる。そんな、どうでもいいことさえ、知るのが嬉しい。

「でも、どうしてここまで嬉しいのかしら?」

 一人ぽつりと呟いて、首を傾げる。
 考えてみるが、よく分からない。ただ単に、楽しいからだろうか。

「あ、久し振りに幽々子の元へ行こうかしら」

 幽々子に相談してみるのも良いかもしれない。
 そう思った私は、隙間を出現させてすぐ向かった。



「幽々子、ちょっと相談があるのだけど……」
「あら珍しい」

 幽々子は相変わらずぽやぽやとしていた。そして、今さら私が突然現れても全く驚かない。
 そういえば、妖夢がいない。いつもならば、すぐやってくるのに。

「妖夢は?」
「あの子は今おつかい中よ。主に和菓子を」
「あぁ、なるほど」

 また幽々子の頼みをきいているのか。妖夢も大変だ。まぁ、妖夢は幽々子に頼られるのがどんなことでも嬉しいらしいけど。
 そして、タイミングが良かった。
 ちょっと幽々子と二人で話したかったから、丁度良い。
 幽々子の隣りに腰掛ける前に、とりあえずお茶を持って来よう。

「幽々子も飲むわよね?」
「あら、紫が入れてくれるなんて珍しいわ」
「仕方無いじゃない、妖夢が居ないのだから。話を聞いてくれる幽々子に入れてもらうのは申し訳ないし、たまにはね」
「そう、ならお願いしちゃおうかしら」
「ちょっと待っててね」

 白玉楼の中はどうなっていのかなんて、そんなことはもう覚えている。
 お茶を探して、急須の湯飲みを用意。そういえば、自分でお茶を入れるのは久し振りだ。普段は藍がやってくれる。
 失敗しないように気をつけて、と。
 そうして慎重に入れたお茶を、お盆に乗せて運ぶ。
 戻ると、幽々子はまたぽやぽやとしていた。

「はい、どうぞ」
「ありがとう、紫」

 熱いから気をつけてね、と言って幽々子に手渡す。
 幽々子は、ふーふーと幼い子みたいに、息を吹いて冷ましている。そして、啜る。

「どうかしら? 久し振りに入れたのだけど」

 やっぱり人に飲んでもらうことは、ちょっとドキドキする。
 幽々子はしばらく目を瞑っていたが、少ししてゆっくりと開いた。

「うん、妖夢の方が美味しい」
「うぐっ!」

 やっぱりそうよね。
 妖夢のお茶は美味しいし。

「でも、紫のも美味しいわよ。ありがとう」
「ん、ありがと幽々子」

 にぱっと笑う幽々子を見ていると、ちょっとヘコんだ気持ちも和らいだ。まぁ、ヘコんだ原因は幽々子のズバッと斬った一言だけど。
 そうして、一息ついた後、幽々子が口を開いた。

「それで、紫の相談って何?」
「あぁ、それはね……」

 私は幽々子に全てを話す。
 霊夢が気になること。知るたびに、嬉しい気持ちになること。一緒に居て、楽しいこと。
 この気持ち、感情が一体なんなのか、幽々子に相談をしにきたこと。
 私の話を聞いている幽々子が、話が進むたびに何故かニヤニヤとしていくのが物凄く気になったけど、全てをちゃんと話せた。

「で、何だと思う?」
「うふふ~紫、それはアレね」
「アレ?」

 口元を扇で隠しているが、声のトーンや目で、笑っているのが分かる。
 妙に楽しそうだ。幽々子には私のこの気持ちが一体何なのか、分かっているのだろうか。

「そう、恋よ」
「っ!? ごほっ! がはっ!」

 口に含んでいたお茶を吹き出しそうになった。さすがに吹き出すなんて姿を、見せたくは無かったので、なんとか耐えた。
 しかし、吹き出すのは抑えられたが、気管に入ったのか、大きく咳き込む。
 幽々子を見るが、にぱっと明るい笑顔を浮かべている。
 いや、ちょっと待て!

「そんなわけないでしょう!」
「あら、今の紫の反応的にありえるけど?」
「な、何を馬鹿なこと……」

 私が霊夢に恋をしている? そんな馬鹿なことがあるものか。
 だって彼女は、霊夢は人間だ。そして私は妖怪。それも、強大な力を持つ妖怪だ。
 いくら霊夢が天才的強さを持っていても、もしもスペルカードルール無しなら
ば、この種族としての圧倒的差は、埋めることは出来ないだろう。
 そんな、ちっぽけで弱い人間に、私が心奪われるわけがない。

「ありえないわね」
「どうして?」
「だって、彼女は人間。私は妖怪よ」
「んー、紫は考えがふるーい!」
「痛っ!?」

 幽々子が私の額にチョップをしてきた。地味に痛い。

「今は種族なんて関係無いのよ。大切なのはハート、相手を想う気持ち……」
「幽々子……」
「って、この間読んだ『ラブラブちゅっちゅ大作戦』っていう本に書いてあったわ」

 ちょっと感動していた私の気持ちを返して欲しい。というか、幽々子どこでそんな本手に入れたのよ。
 幽々子は相変わらず、にぱっと明るい笑顔で、何を考えているのかよく分からなかった。
 思わず、溜息を吐いてしまう。

「でもね、紫。私もそう思うわ。種族の違いなんて関係無い」
「そう、かしら……」
「えぇ、恋っていうものは、好きで好きでたまらない気持ち。心奪われ、その相手のことで胸いっぱいな状態、ってこの前読んだ『あなたがーとぅきだからー!』っていう本にもあったわ」
「だから何の本読んでるのよ……」

 幽々子は、もうちょっと読む本を選んだ方が良い。まぁ、幽々子のことだからそんな本を読んだっていうのは嘘で、素直に幽々子の言葉なのかもしれないけど。
 本人は楽しそうに話しているが、私としてはどう反応すれば良いのか分からない。
 実は恋をした経験が無い。
 妖怪の賢者に好き好んで近寄る者は居なかったし、私も恐れられようが別にどうでも良かった。少し寂しかったけども、それは仕方無いと考えていた。
 だから、恋なんてものはよく分からない。

「紫は霊夢のこと、嫌い?」
「別に嫌いじゃないわ。でも、好きという感情なら、幽々子や萃香にも抱いているし。これは親友への情ではないの?」

 私は霊夢が嫌いじゃない。むしろ、好きだ。でも、幽々子だって萃香だって好きだ。
 私を、妖怪の賢者や力を持つ妖怪としてではなく、ちゃんと『八雲紫』という一人の存在としてちゃんと接してくれる。そんな彼女らが、私は大好きだ。
 幽々子は、珍しく少し難しい顔をしている。

「う~ん、紫は好きと恋の境界が分からないのね。そうね……チェックしてみましょう」
「チェック?」
「えぇ、質問に答えてくれれば良いわ。まず一つ目、一週間の内、何日霊夢の元へ行ってる?」
「五日くらいかしら」

 こう改めてみると、結構頻繁に行っているなぁと思う。
 鬱陶しいとか思われてないかしら。少し不安。

「二つ目、それは何をしに行ってる?」
「からかったり、一緒に居るため……かしら」

 からかったときの反応が、楽しい。
 それに、一緒に居るとリラックス出来る。

「最後、霊夢が紫以外の誰かと楽しそうに話していて、紫の相手をしてくれなかったら、どんな気持ち?」
「……もやもやというか、よく分からないわ」

 とりあえず、全て素直に答えてみた。それで本当に、この気持ちが何なのか分かるのだろうか。
 幽々子の言葉を、じっと待つ。
 時が止まっているのではないかというくらいに、静かだ。風一つ、吹いていない。

「完全、恋ね」
「えぇっ!?」

 しばらくして、幽々子が真剣な表情でそう言った。
 もしかして、結局恋に繋げたいだけじゃない?

「幽々子、楽しんでない?」
「それは大切な友人の恋だもの。応援したくなっちゃうじゃない」
「だから恋じゃないってば……」

 からかわれているようで、ムズムズする。
 からかうのは好きだが、からかわれるのは好きじゃない。というか、慣れていない。

「あぁ、からかってるわけじゃないわよ?」

 顔に出ていたのか、幽々子が笑顔でそう言った。
 本当だろうか……幽々子も他人をからかうのが好きだから、悪いけど素直に信じられない。

「あ、信じてないって顔ね。親友を信じてくれないなんて、酷いわ紫……うぅ」

 袖で目元を隠し、よよよ……とわざとらしく泣き崩れる真似をする幽々子。
 いや、そういうことをするから、素直に信じられないのだけどなぁ。
 あと、私はそんなに顔に出やすいタイプだったかしら。やっぱり、親友の前だからリラックスしているのかもしれない。

「紫はもうちょっと簡単に考えるべきよ。難しく考えすぎ」
「そう、かしらね」
「気持ちは考えるものじゃないわ。感じとるものよ」

 そんなことを言われても、思考をやめることは出来ない。
 難しいわね、気持ちって。
「仮に恋だとしたら、私はどうすれば良いのかしら?」

 もし、本当に幽々子の言うとおりだとしたならば、私はどうするべきなのだろう。

「そうね……告白するか、そのままか、じゃないかしら」
「こ、告白って……」
「好きって気持ちを伝えることね」
「い、いや、分かってるけど……」

 いやいや、まだ恋と決まったわけじゃあ無いのだから、落ち着こう私。
 幽々子の視線を軽く流す。目を合わせちゃいけない。合ったら、多分恥ずかしさやらで真っ赤になる。
 しばらくそうしていたら、むぅ、と呟くのが聞こえた。諦めてくれたようだ。
良かった。

「まぁ、私は紫じゃないから紫の心全てが分かるわけじゃ無いけど、後悔の無いようにね」
「後悔って?」
「後で自分の気持ちに気付いて、叶わぬ恋とかにならないように、ってこと。悲恋物語にあるような、そんなつまらなくて切ない結果は嫌でしょう?」

 たしかに悲恋は嫌だ。もし霊夢に、付き合う相手が出来たとしたら……なんだろう、想像してみたら少し苦しいかも。

「ありがとう、幽々子」
「いえいえ、どういたしまして。頑張ってね、紫」
「だ、だから別に恋と決まったわけじゃあ……」
「はいはい、分かりました分かりました」

 む……何を言っても無駄みたいだ。
 幽々子は柔らかい笑みを浮かべている。なんだか、その笑みがくすぐったく感じてしまう。

「そういえば、霊夢って今好きな人とか付き合っている相手とかいるのかしら?」
「え?」
「そういうの、ちゃんと調べといた方が良いって本に」
「もう本はいいから」

 霊夢の好きな相手がいるのか、などはたしかに気になるかも。
 思えば、そういう話はしたことない。
 ちょっと訊きに言ってみようかしら。
 霊夢もそういうの訊かれたら、恥ずかしがったりするのだろうか。どんな反応するのか、全く予想がつかない。

「それじゃあ、ありがとう幽々子」
「あら、もう行くのね」
「えぇ」
「告白に」
「違う!」
「まぁまぁ、頑張ってね」

 幽々子は楽しそうな声で私を見送った。
 というか、やっぱりただ楽しんでるだけじゃないのかという気がしてきた。
 けど、相談に乗ってくれたことだけは本当に感謝。





◇◇◇





 ふらりと神社へ着く。
 相変わらず、参拝客がいないわね。この前とは違って、まだ夕方でも無いのに。お賽銭状況は大丈夫なのだろうか。
 そんなことを考えながら、霊夢を捜す。
 捜すといっても、もうだいぶ慣れた。多分霊夢は、縁側でお茶でも啜っているのだろう。

「ほら正解」
「何よいきなり」

 突然の私の言葉に、意味が分からないといった表情だ。
 そんな霊夢を軽く流して、隣りに腰掛ける。

「珍しいわね、あんたがこんな時間に。夜行性じゃなかったの?」
「たまには早起きをしてみたのよ」
「本当は?」
「幽々子のところで遊んでいましたわ」
「なるほど、遊ぶときだけは睡眠を捨てても良いのね」

 まぁ、楽しいことに労力は惜しまない。
 自分が寝ている間に、何か楽しいことがあったとしたら悔しいじゃないか。そんな気持ちがある。

「で、今日は何の用よ?」
「あぁそうそう、霊夢に訊きたいことがあって」
「私に? 紫が?」

 きょとんとした表情をする霊夢。幼い感じで、可愛いなぁ。

「えぇ、霊夢は、その……す」
「す?」

 今気付いた。
 突然こんなことを脈絡無く訊いたらそれは、相手にあなたが気になります、と言っているようなものじゃあないか。
 そう考えると、ただ訊くだけなのに、恥ずかしくなってきてしまった。
 中々言葉が紡げない。

「す、すー……」
「あぁもうっ! ハッキリ言いなさいよ」

 言い出さない私にイライラしだす霊夢。
 これはまずい。
 えぇい、女は度胸だ!

「霊夢は好きな相手とかいるの!?」
「は?」

 時間が止まった。そんな気がした。
 風音も、鳥の鳴き声も、何も無い静寂。
 霊夢は、私の質問内容にか、それとも突然の大声に驚いたのか、ぴたりと止まったまま動かない。
 あぁ、女は度胸だなんて嘘っぱちだ。なんか、大怪我したような気分だ。

「えーと……」

 最初に口を開いたのは霊夢だった。
 いつも物事をハッキリと言う霊夢が、珍しくゴニョゴニョしている。
 少し、頬も赤いように見える。やっぱり、霊夢も女の子なんだなぁ、と思う。

「紫……私のこと、好きなの?」
「ふぇっ!?」

 やっぱり、そう思われるわよね。
 物凄く動揺しているのに、心だけは落ち着いていた。それは、霊夢が私以上に真っ赤だったからだろう。それを見て、私は落ち着けることが出来た。

「えと、いや……」
「嫌いなの?」

 あぁ、なんか霊夢の瞳が潤んで見えるのは気のせいだろうか。
 いや、嫌いなわけない。むしろ、好き。ただそれが、恋なのかどうか、まだ分かって無いだけで。

「いや、嫌いなわけない。好きよ」
「本当に?」
「えぇ、本当よ」

 この気持ちに偽りは無い。
 すると霊夢が突然、じわりと涙を滲ませた。って、えぇ!?

「ど、どうしたの霊夢!?」
「んっ……」

 私の胸に、顔を埋める霊夢。
 一体どうしたのだろう。好きと伝えたことが、いけなかったのだろうか。
 私はただ、手を空中でおろおろさせるしか出来ない。こういう場合、抱き締めてあげるべきなのだろうか。

「れ、霊夢……」
「っ!?」

 優しく、そっと霊夢の背に手を回した。
 一瞬、ぴくっと身体を震わせたが、特に嫌がる素振りを見せない。
 しばらくして、おずおずと霊夢が私の背中に手を回してきた。

「霊夢、落ち着いた?」
「……ん」

 しばらくして、霊夢が私の胸から離れた。

「ごめん、服汚して」
「良いわよ別に。で、泣いた理由は訊いても大丈夫かしら?」
「ん、ちゃんと言う」

 訊いてもいいのか、少し不安だったけど、大丈夫のようだ。
 霊夢は袖で数回、目をこすった。

「私ね、他人から好きって言われたの……初めてだったの」
「え?」
「幼い頃から、周りは私を博麗の巫女としてしか見ない。本当の私を見てはくれない。それが、とても寂しくて、辛かった。だから、紫が好きって言ってくれて、本当に嬉しかった……」

 もしかしたら、霊夢は私と同じだったのかもしれない。いや、私より辛かったのだろう。
 私には、幽々子や萃香が居てくれた。
 けれども、霊夢には誰も居なかったのかもしれない。それも、幼い頃からずっと。
 魔理沙やレミリアも、霊夢をどこか博麗の巫女として見ている部分がある。私みたいに、博麗霊夢という人間の存在を見ているわけじゃないのかもしれない。
 冷静に考えてみれば、霊夢の年齢的に、友達と遊んだりお洒落をしてみたりもしたいだろう。
 どれだけ、寂しかったのか。今までずっと、独りだったのか。

「霊夢、好きよ」
「ありがと、紫」

 霊夢はまた、じわりと涙を浮かべる。
 今度はさっきみたいに迷わない。ギュッと抱き締める。

「霊夢、好き。だからあまり泣かないで。どうすれば良いか分からなくなるわ」
「こうして抱き締めてくれるだけで良い……」

 互いにギュッと抱き締め合う。温かくて、心地良い。
 あぁ、認めよう。私は、博麗霊夢が好きだ。いや、恋をしている。心奪われていた。
 そうでなきゃ、こんなにも触れるだけで幸せな気分になれる理由がつかない。

「霊夢は私のこと、好き?」
「うん、好き」

 即答されるとは思わなかった。
 いや、嬉しいのだけどね。なんていうか、もう少し照れとか無いのかしら。
 そんなとても良い笑顔で言われたら、私の方が照れてしまう。

「紫……」
「ん?」

 霊夢が私の胸から離れ、ちょこんと座り、目を閉じた。私の方へ顔を向けたまま、ただ目を瞑って黙っている。
 一体何をしているのだろう。

「霊夢、何をしているの?」
「……馬鹿」
「えぇ!?」

 何故馬鹿なんだ、と問おうとしたが、それは出来なかった。
 唇を、唇で塞がれたから。
 目の前には真っ赤になった霊夢。一体何が起きたのか、最初理解出来なかった。
 数秒置いて、私も顔に熱がいくのが分かった。

「っ……」
「れ、れれいむ!?」
「待ってたのに、してくれなかったから……」

 少し怒ったように、そう言う霊夢。
 あぁ、じゃああれはキスを待っていたのか。
 キスを待っている相手に、何してるのなんて言われたら、そりゃあ怒るわよね。うん、これは私が悪い。

「ごめんなさい、霊夢。なんせこんなことするの、初めてだったから」
「え!?」

 霊夢が驚いた表情になる。そんなに私は慣れているように見えるとしたら、それはそれでヘコむ。

「告白自体、初めてよ」
「素直にびっくりなんだけど……」
「そんなに驚かれると、私もショックですわ」
「あ、ごめん。じゃあさ、今度はちゃんと紫からして」
「わ、分かったわ」

 おそるおそる霊夢の両肩に手を置く。
 そして、ゆっくりと顔を近付ける。
 目を瞑って待っている霊夢は、やっぱり顔が赤かった。でも、負けないくらいに私も今、真っ赤だろう。
 私も目を瞑る。高鳴る鼓動が、やけに煩い。

「んっ」
「っ……」

 そして、とうとう重なった。
 先ほどは、動揺していたせいで、ほとんど感触を覚えなかったが、今はちゃんと感じ取れる。
 ふにゅりと柔らかい弾力を帯びた唇が、とても心地良い。
 ただ重ねるだけの子どもみたいなキスなのに、幸せだった。
 しばらくして、ゆっくりと離す。
 互いに、はぁっ、と息を吐いた。

「ねぇ、霊夢……」
「ん……」
「続き、してもいいかしら?」
「……うん」

 唇を重ねるだけで、あれだけ幸せな気分になれた。
 ならば、この先はどれだけの幸せがあるのだろう。
 霊夢は、少し恥ずかしそうに頬を赤く染めながらも、頷いてくれた。
 まずは結界を張る。これで、霊夢と私の行為は誰にも見えないし、聞こえなくなった。
 本当は寝室に行けば良いのだろうけど、正直そこまで我慢が出来ない。

「脱がすわね」
「う、ん……」

 さっきは不甲斐なかったから、ちゃんとリードしてみようと思ったが、意外に服を脱がすのが難しい。
 というか、私自身冷静を振る舞おうとしているが、全く冷静じゃない。手が少しあわあわしている。情けないなぁ。

「ごめんなさい霊夢。手間取っちゃって」
「あは、紫もドキドキしてるのね」

 上半身だけはだけた霊夢が、クスッと笑った。その笑顔に見惚れそうになる。

「んっ」
「痛かったら言ってね」

 さらしの上から、感触を感じるように揉む。
 直に触れているわけじゃあないのに、とても柔らかくて、私の手の動きに合わせてふにゅりと形を変える。
 ぴくっと震える霊夢が可愛くて、ひたすら揉みしだく。
 すると、さらしの上からでも突起が分かるように固くなってきていた。
 それを引っ掻くように爪で弄る。

「ひゃ、ぅ……」

 さっきよりも、大きく震え、声を上げる霊夢が愛しい。
 直に触れたい。そんな欲求に従い、さらしをとく。

「綺麗よ、霊夢」
「うぅ、恥ずかしいこと言わないでよ」

 素直にそう思ったのだから仕方無い。霊夢は顔を真っ赤にして、俯いてしまったが。
 白い肌に、少し控え目な胸。その胸の先端にあるピンク色の突起は、ぴんと自己主張をするかのようになっていた。
 そっと、痛くしないように優しく触る。
 さっきまでとは、全然違う。直に触れると、より温かくて、より柔らかい。
 右手はふにふにと揉み、左手で突起をこねる。

「ふぁっ、やっ……んんっ」

 そういえば、吸ったりするのも気持ち良いと聞いたことがある。
 右手は霊夢の腰に回し、左手は胸を弄る。そして、もう片方の胸の先端を、口に含んだ。
 そして、ちゅうっと吸い上げる。

「やぁっ!? ふぁ、あっ、んぅ!」

 強い刺激から逃れようと、霊夢は身をよじるが、腰に回した私の手がそれを許さない。
 舌でこねたり、吸ったり、拙いけれども刺激を与える。もちろん、左手は弄るのを続けながら。
 ぴくっぴくっと、震え喘ぐ霊夢。ちゃんと感じてくれているんだと思うと、嬉しくなる。

「霊夢……」
「ゆか、り……」

 胸から口を離し、霊夢をゆっくりと押し倒す。
 そして、息が荒い霊夢にキスをする。
 最初は重ねるだけの幼いキス。それが、何度も何度もついばむようなキスに変わる。そして、最終的には、舌を進入させた。

「んぁっ、んんっ」
「んっ……はぁ」

 くちゅぴちゃと鳴り響く音と、舌を絡ませ合う刺激が、脳を麻痺させるかのように、頭がぼうっとしてしまう。
 それでも、行為は続ける。
 絡ませて、吸い合って、求め合う。
 霊夢が私の唾液を、こくんと喉を鳴らして受け取る。私も、霊夢の唾液を受け取る。
 霊夢は、目をとろんとさせていた。それが、私を興奮させる。きっと私も、同じような表情をしているのだろう。
 ぴりぴりとしてきたところで、名残惜しいけど唇を離す。
 私と霊夢の間を、唾液で作られた銀の糸がつうっと結んだ。

「霊夢、脱がすわね」
「うん……あ!」
「どうしたの?」

 残る衣服を脱がそうとしたら、霊夢が声を上げた。
 一体どうしたのだろう。

「紫も……脱いで?」
「え?」
「私だけじゃ、ずるい……」

 そういえば、私はまだ一枚も脱いでいなかった。
 霊夢ばかりに、恥ずかしい思いをさせてはいけない。
 そう思った私は、霊夢の言葉に頷いた。
 そして、互いに脱がせ合った。
 私も霊夢も、生まれたままの姿。

「それじゃあ……いい?」
「うん……して」

 軽くキスをする。
 そして、ゆっくりと下がり、霊夢の大切な部分へとゆく。
 ピンク色のそこは、今までの行為のせいで、ひくつき愛液を溢れさせていた。
 ごくりと唾を飲み込み、そこを舐める。

「ひゃぁぁ!?」

 ぴちゃくちゃと卑猥な音を立てながら、そこを刺激する。不思議な匂いと味だ。くらくらとしてくる。
 腰をぴくんと跳ね、暴れる霊夢を両手で固定する。
 私は、夢中で刺激を繰り返した。
 ぬちゃぴちゃりと、舌を差し入れた。

「んぁぁぁっ!? それ、強すぎ……る」

 霊夢を気持ち良くさせるため、何度も何度も舌を抜き差しした。
 声を上げて、腰をくねらせる霊夢に、私のそこもすっかりと興奮しきってしまっていた。

「ふぁっ……紫?」

 我慢出来なくなった私は、舌を抜いて愛撫を止めた。
 霊夢が息荒く、しかしどうして止めたのかと言う視線を投げ掛けてくる。

「最後は一緒が良いじゃない」

 そう言って、私は霊夢の片足を抱え、自分のそこと霊夢のそこを密着させた。

「ふぁぁぁ!」
「んぁっ!」

 ただくっつけただけなのに、強すぎる刺激。
 思わず腰が引いてしまいそうになるが、なんとか我慢し、擦り付ける。
 既に愛液が溢れているそこは、ぐじゅぬちゃと水音を立てる。

「ふぁっ、ん、紫……あぁっ!?」
「霊夢……んっ!」

 息を荒げて、擦り付ける。
 まるで下半身だけ別の生き物みたいに、くねらせぶつけ合う。
 霊夢も私も、身体をぴくっと震えるのが短くなってきた。
 互いに、限界が近い。
 これが最後、という勢いでそことそこをぶつけた。
 すると、ぴんとしこりきった、そこの突起が互いにくにゅりと潰し合った。

「やっ、ぁっ、ふわぁぁぁぁぁぁ!?」
「んぁっ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁ!」

 その刺激で、私たちは身体を大きく跳ねて、達した。
 私は疲労感で、霊夢の上に倒れ込む。

「大丈夫、紫?」
「……ちょっとダメかも」

 全く力が入らない。
 瞼が勝手におりてしまう。
 霊夢の温かさと、今までに無い幸せを感じながら、私の意識はそこで途切れた。





◇◇◇





「起きた?」
「……霊夢? 私どのくらい寝てた?」
「ほんの数分よ」

 霊夢の膝枕から、名残惜しいけど起き上がる。案外眠って無かったんだなぁ。
 けど、裸のままじゃ霊夢にも迷惑だし、すぐ起きれて良かった。

「ねぇ、紫」
「ん?」
「大好き」
「私も好きよ」

 えへ、と照れくさそうに笑う霊夢を見て、あぁ幸せだなぁと思う。

「とりあえず」
「お風呂入ろっか」

 そう言って、同じことを考えていたことに笑い合う。
 お風呂場へと向かう途中、私は霊夢に訊いてみる。

「ねぇ、霊夢」
「なに?」
「私は幸せ。霊夢も幸せ?」
「うん、幸せ」

 笑顔で言う霊夢に、私も笑みを返す。
 もうなんだろう。霊夢が側に居てくれるだけで、幸せ。
 その日一緒に入ったお風呂は、温かくて優しく感じられた。





全てを終えて~

あー不完全燃焼でしたw
あうあうあ。何気に自己最長作品。



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