絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

空の日

9月20日空の日に慌てて仕上げて投稿したもの。
慌ててたせいか、いつもに比べて粗いです。


 
「あ! おくう、あのさぁ……」
「話し掛けるな愚か者」
「へ?」
「頭がたかぁい! 今日は私の日よ! 静まれ静まれぇ! この制御棒が目に入らぬかぁ!」
「お、おくうが、とうとう壊れた……」
「くっ……静まれ私の制御棒……」
「お、おくう? 完全に壊れた……」

 友人の壊れっぷりに、膝から崩れる燐。
 残念な部分も多いけれども、それでも、いざというときは頼りになり、心優しい良き友人だった、と涙ぐむ。
 目を閉じれば思い出す。
 優しかった空、ちょっと馬鹿っぽい仕草が可愛かった空、喧嘩したけど最後は仲直りした想い出、何もかもが懐かしく感じた。

「せめて最後はあたいの手で始末してあげる……」
「ちょ!? お燐、何それ!」

 右手に死体、左手にも死体。
 それで涙を流しつつ、迫ってくるお燐は、何と言うか恐ろしい。
 子どもが見たら、軽くトラウマになるだろう。
 さすがに空も、これには慌てる。

「大丈夫、痛くない痛くない」
「お燐の言動が痛い!?」
「壊れた友人を救うため、あたいは鬼になる!」
「鬼と聞いて飛んで来たよ!」
「帰れ! 呼んで無いから!」

 鬼と聞いて飛んで来た勇儀を軽くあしらう空。しゅんと俯いて、勇儀は去って行った。

「さぁ、右手の死体と左手の死体、どっちが良い?」
「ど、どっちもいやー!?」

 空の今の心情を例えるなら、新婚生活で仕事から帰ってきたら奥さんに「お帰りなさい、あなた。先に死体にする? 死体にする? それとも、し・た・い?」と迫られてるような心情だ。
 どれを選んでも、バッドエンドにしかいかない。

「わ、私が悪かったからお燐!」
「ごめん、あたいは地獄烏の言葉は分からない。ほら、あたい猫だから」
「さっきまで会話してたじゃん!?」
「過去を振り返ってばかりはいけないよ。あたいたちは、未来を見ないといけないんだ!」
「無駄に格好良いこと言って誤魔化してる!?」

 燐を攻撃したくない、そんな思考があるせいで、空は追い詰められていた。

「くっ……やめてよ! 私、お燐と争いたく無い!」
「呪精『ゾンビフェアリー』! 妖怪『火焔の車輪』!」
「容赦なさすぎ!? うにゅー!?」





◇◇◇




「――と、言うわけで、おくうを倒しました」
「やりすぎでしょう」
「……うにゅー」

 縄でぐるぐると巻かれて、正座している空。
 燐がさとりに今までの経緯を説明し終えた。
 さとりは、引きつった笑みを浮かべている。

「ただ、いつも以上に浮かれていたってことでしょう?」
「で、でも! あたいはあんなおくう、見たくなかったから……」
「はぁ……難儀なものね」
「……うにゅー」

 燐からすれば、空が大好きだからこそ、みっともない姿を見るのが嫌だったのだろう。
 伝わってくる心の声に、さとりはただただ溜息を吐くだけ。
 空は完全に落ち込んでいる。

「おくうは、何で浮かれていたのかしら?」
「……私の日だから」
「おくうの日?」
「ね? さとり様、おかしいでしょう?」

 浮かれていたのは私の日だったから、と言う空。
 さとりに伝わる空の心は、確かに嘘は吐いていないようだった。

「おくうの日……あぁ!」
「どうしたんですか、さとり様」
「なるほど、ね……ふふ、確かにおくうの日ね」

 全てが分かった、というように笑うさとり。

「おくう、カレンダーを見たのね」
「カレンダー?」
「えぇ、お燐も見てみなさい」
「んー……あっ!」

 カレンダーには、空の日と書いてあった。

「本当におくうの日だ!」
「正しくは、空の日(そらのひ)ね。それを読み間違えたのでしょう」
「うにゅー……」

 燐は空の縄を解き、解放する。

「ごめんね、おくう。あたい間違ってた」
「ううん、私も浮かれすぎてた」
「別におくうの日では無いですから、お燐は間違ってませんがね」

 ひしっ、と抱き合う二人を見て、余所でやれや、と心の中で呟くさとり。
 でも、そんなことは一切表情に出さずに、

「仲直りおめでとう」

 とだけ言った。

「ありがとうございます」
「ありがとうございます」

 なんだかんだで、大したことじゃないもので騒いで、呆気なく解決。
 そんなドタバタが、地霊殿の日常だった。




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