絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

頑張れ小さな女の子~番外編4.トリック・オア・トリート!

久し振りの頑張れ小さな女の子。ハロウィンSS。
今までの登場キャラ総出演です。



 
「お菓子をくれなきゃ、悪戯しちゃうよ!」
「あら、ルーミアじゃない」

 ノックの音に、アリスが扉を開くと、そこにはルーミアが立っていた。
 いつもの服装の上に黒いマントを身に纏い、右手には白い袋を持っている。もちろん、麦藁帽子も忘れずに被っている。これのおかげで、ルーミアは陽にあたらずにすむ。

「えーと、何?」
「ハロウィン!」
「あ、あーなるほどねぇ」

 納得、といったような声を出すアリス。

「でも、よく知ってたわね」
「前に文が教えてくれたの。お菓子を貰って回る日だって」

 楽しそうに話すルーミアに、アリスは思わず笑ってしまう。
 上海人形を使って、室内からクッキーの入った缶を持ってくる。

「これ、今日作ったやつだけど、これで良いかしら?」

 ルーミアの手には、少し大きいくらいのクッキー缶。
 それを受け取ったルーミアは、わぁっと嬉しそうに、顔を綻ばせた。

「ありがとう、アリス!」
「はい、どういたしまして」

 アリスは軽く笑みを浮かべた。
 ルーミアはクッキー缶を、持ってきていた白い袋へとしまう。もし衣装が黒じゃなくて赤だったら、ハロウィンよりもサンタに見える。

「どうする? 紅茶くらいはご馳走するけど」
「ぅー……ありがとう。でも、みんなの所、回る予定だから」
「そう、気をつけてね」

 ひらひらと手を振るアリス。
 ルーミアも、ぶんぶんと大きく手を振り、飛ぶ。

「ありがとう、アリス! またね!」
「ちょ、ルーミア! 危ない!」
「ふぇ? きゃうっ!?」

 飛んで行こうと浮遊した瞬間、何か黒い塊が超高速でルーミアに激突した。
 地面へと落ちてくるルーミアを、アリスが慌ててキャッチする。

「あいたたた、悪いなルーミア。急には止まれなかった」
「あんたか。ルーミアに謝りなさいよ」
「うぁぅ~……」

 黒い塊、では無く魔理沙だった。
 アリスは、ため息を吐く。そして、腕の中で目を回しているルーミアの状態を確認する。特に目立った外傷は無く、妖怪でもあるからすぐに回復するだろう。そう、判断した。
 魔理沙の方も、目立った傷は無かった。

「いやぁ、悪い悪い」
「あ、あはは、大丈夫だよ」
「大丈夫じゃないでしょう、ルーミア。ほら、魔理沙がお詫びに食べてくれて構わないって」
「ちょ、食われる趣味は無いぜ!」
「誰だってそんな趣味無いでしょ」

 なんとか回復し、アリスの腕から離れて自分の足で、しっかりと立つルーミア。
 魔理沙とアリスは、ぎゃあぎゃあと仲が良いのか悪いのか、良く分からない会話をしている。
 そんな二人を見て、ルーミアは思わず笑ってしまう。

「あはは、二人とも仲良いね」
「ルーミア、視力がおかしい恐れがあるわ。永遠亭へ行きなさい」
「同意だぜ。永琳なら治してくれる」
「同じことを前に、輝夜と妹紅に言われたよ。その時も言ったけど、私視力は良いよ?」

 悪戯っぽく笑うルーミアに、うぐっと詰まったアリスと魔理沙は、なんとなく顔をそらす。

「そ、そうだルーミア。お詫びにこれを貸してやる」
「え? うわっ!?」

 魔理沙が、少し乱暴にルーミアの麦藁帽子を取った。そして、代わりに魔理沙の帽子を被せた。
 ルーミアには大きいその帽子は、深く被ると視界がいつもの半分くらいになるほどだった。

「ハロウィンだろ? なら、そっちの方がハロウィンらしいぜ」
「あぁ、確かに。似合ってるわね」
「そ、そうかな?」

 見た目が魔女っぽくなったルーミア。
 確かに、麦藁帽子よりは断然こっちの方がハロウィンらしい。
 魔理沙は親指をグッと立てて、笑う。

「似合ってるぜ。さぁ、他にも行くんだろ? それで言ってきな」
「うん、ありがとう魔理沙!」

 麦藁帽子は白い袋にしまって、今度は誰ともぶつかることなく、飛んで行った。
 姿が見えなくなるまで、ルーミアはずっと手を振っていた。
 二人きりになる。

「アリス」
「ん?」
「マスタースパーク・オア・トリート?」
「はいはい、なんか食べてく?」
「お、ありがたいぜ」





◇◇◇





「トリック・オア・トリート!」
「あら、びっくり。永琳、翻訳して」
「お菓子をくれなきゃ毒殺するぞ、という意味です」
「こら、嘘教えるな」

 わざとらしくボケる永琳に、ツッコミを入れる妹紅。
 輝夜は、本当にハロウィンを知らないようだ。
 ルーミアが、一からちゃんと説明をする。

「まぁ、そんなことがあるの? 永琳、お菓子を持ってきてあげて」
「分かりました」

 一瞬で消える永琳。

「どうぞ」
「はやっ!?」

 数秒で、和菓子詰め合わせセットを持ち、戻ってきた永琳。
 本当に底が知れないやつだ、と妹紅は思った。

「どうぞ、ルーミア」
「わぁ、ありがとう!」

 永琳が詰め合わせセットを渡すと、ルーミアはふわりと柔らかい笑みを浮かべて喜んだ。
 そして、輝夜が妖しく笑った。
 何か嫌な予感、と身体を震わせる妹紅。

「妹紅はお菓子をあげないの? 詰め合わせセットは永遠亭からよ」
「あ、や、私は今手持ちが……」
「そう、なら……」

 輝夜のやろうとしていることが、永琳にも分かったらしい。
 ルーミアも、なんとなく分かったようだ。

「悪戯よ! ルーミア、やっちゃいなさい!」
「あはは、ごめんね妹紅」
「あ、こら、ちょ、くすぐった……きゃぅ」

 輝夜と永琳が妹紅を押さえて、ルーミアがくすぐる。
 謝ってはいるが、ルーミアは楽しそうだった。
 妹紅は、ルーミア相手に炎を出すわけにもいかず、ただただ耐えた。



「死ぬよりきついわ!」

 悪戯が終わり、妹紅が叫んだ。
 みんな、笑っている。

「それじゃあ、行くね。ありがとう、みんな」
「またね、ルーミア」
「おー気をつけてな」
「いつでもいらっしゃい」

 ふわりと浮き、ルーミアは永遠亭をあとにした。





◇◇◇





「お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぞぉ!」
「ふん、面白い。悪戯出来るものならしてみなさい!」
「お嬢様、ハロウィンですから。弾幕はお止め下さい」

 レミリアが弾幕を展開したが、咲夜が止める。
 パチュリーは、そんな友人の姿に、ため息を吐いていた。

「大体、なんで中まで連れてきちゃうかなぁ。美鈴?」
「ひゃう! いや、顔見知りですから良いかなぁと」

 レミリアの鋭い視線に、汗をかきながら、あははと苦笑い気味に答える美鈴。

「良いじゃない、お姉様」
「まぁ、別に良いんだがな。菓子だったか? 咲夜!」

 フランドールの言葉に、割と丸くなるレミリア。
 咲夜が、小さな袋を持ってきた。
 綺麗に包装までされていて、手作りということが分かるものだった。
 レミリアが、盛大なため息を吐く。

「ルーミアみたいなのが今日は多いのよ。妖精とかがトリックオアトリート、ってね。私の館をなんだと思ってるのか……いちいち相手するのが面倒だから、小悪魔と咲夜に菓子を大量に作ってもらった」

 疲れたように、そう言う。
 どうやら最初は、律義にもちゃんと相手していたようだが、さすがに面倒になったらしい。

「ま、美鈴が悪い子じゃない妖精だから、とか言って中に入れちゃうのも悪いのだけどね」
「ぅ……パチュリー様、お厳しい」
「あ、あは……私はそういう優しいとこ、美鈴さんの良いとこだと思いますよ」

 パチュリーの言葉にバッサリ斬られた美鈴を、苦笑い気味にフォローする小悪魔。
 ルーミアは、お菓子を受け取る。

「ありがとう、レミリア」
「だから様をつけろと……」
「ありがとう、様レミリア」
「お前、絶対わざとだろう!? あぁ!?」
「お嬢様、落ち着いて」
「あはは、みんなありがとう!」

 そう言って、背を向けて歩くルーミア。

「もう行くの? 紅茶くらいなら淹れるのに」
「ううん、まだ回らなきゃいけないから。ありがとう!」
「ふん、さっさと行け」
「素直じゃないなぁ、お姉様」

 ぎゃあぎゃあと騒ぐ紅魔館メンバーを見て、いつも賑やかで楽しそうだなぁとルーミアは思った。
 そして、次の場所へと向かった。





◇◇◇





「トリック・オア・トリート?」
「まさか、私の元へ来るとは思いませんでした……」

 文と向かい合った状態から、動かない。
 どうどうと正面から侵入してきたルーミアを、他の天狗たちに「顔見知りのお前が対応しろ」と言われた文。

「前にも言いましたが、せめて私の家に来て下さい」
「お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうよ」
「話、聞いてませんね。まったく、今日は何て厄介な日なのでしょう。鬼は来るし、ルーミアさんも来ますし……処理しなきゃならないのは、知り合いである私なんですよ?」

 文が愚痴を零した瞬間、何も居なかった筈の文の背後に、霧がすぅっと発生する。
 ルーミアは、それだけで霧がなんなのか、分かった。
 しかし、文は気付いていない。

「特に、あのチビ鬼ときたら……暇潰しとかいうくだらない理由で山に来ないで欲しいです。姿が見えただけで、山は大騒ぎ。見た目幼女のくせに、酒呑みまくるし……」
「文、後ろ」
「はい? あ、あはは~……これはこれは、萃香さん」

 笑顔で、そう物凄い笑顔で、萃香が立っていた。
 文は、汗びっしょりになるのが分かった。ルーミアは、ただ苦笑いを浮かべている。
 萃香が、文の首を片手で掴む。もちろん、眩しいくらいの笑顔で。

「す、萃香さん……聞いてました?」
「んー? 大丈夫、全然怒ってないよぉ」
「首の骨が、めしめしと音を立ててるのですが……ぅ」
「さすが文。まだ喋れるんだ」
「痛い痛い!」

 気を失うギリギリのラインで、手を離す。
 咳き込む文。
 ルーミアは、ただ見てることしか出来なかった。

「とりあえず、お菓子ならあげますから帰って下さい。ついでに、そこのチビチビ鬼娘、じゃなかった……萃香さんを持って帰ってくれるとありがたいです」
「よし、文。天狗が鬼の腕力に、どこまで耐えられるか試してみよう」
「ぎにゃぁぁぁ!?」

 萃香が、文を道具みたいに肩に担ぐ。
 暴れるが、鬼の力にはいくら天狗でも敵わない。

「ごめん、ルーミア。文は今から私と楽しい遊びをするから、お菓子の代わりにこれあげる」
「ふぇ? お酒だ」

 どこから取り出したのか、一升瓶をルーミアに手渡す萃香。
 文はぐったりとしている。

「霊夢によろしく言っといてね、ルーミア」
「うん、ありがと萃香! あ、文!」
「……はい?」
「えーと、頑張って?」
「何をですか! 助けてくださ……ぎみゃぁぁぁ! 人さらいだぁ! チビ鬼!」

 萃香が文を持ち、走り去った。物凄い速さで走っていた。あれは、担がれている文からすれば、たまったもんじゃ無いだろう。

「よし、帰ろう」

 空はいつの間にかもう、茜に染まっていた。





◇◇◇





「ただいま、霊夢」
「おかえりなさい」
「あ、ルーミアさん、おかえりなさい」
「あ、リリーだ! 久し振りだね」
「はい、えへへ……遊びに来ちゃいました」

 ルーミアが神社へ帰ると、縁側でリリーと霊夢がお茶を飲んでいた。
 白い袋の中身を、二人に見せる。

「あぁ、ハロウィンだったのね」
「ハロウィンって何ですか?」

 首を傾げるリリーに、霊夢とルーミアが説明をする。
 ほぇ~、とリリーは頷きながら、理解した。

「そうだったんですか」
「ねぇリリー、ちょっと耳貸して」
「はい?」

 霊夢から少し離れて、リリーに耳打ちをするルーミア。
 何を話しているのか、と首を傾げる霊夢。
 しばらくして、リリーとルーミアは軽く笑った。
 何をする気か、霊夢の前に二人並ぶ。

「霊夢、トリック・オア」
「トリートですっ!」
「……へ?」

 まさか自分が言われるとは思って無かった霊夢は、予想外で一瞬止まってしまう。
 ルーミアやリリーが、こんな戸惑う霊夢を見るのは初めてだった。
 二人とも、思わず笑ってしまう。

「……よし、二人とも来なさい」

 霊夢にそう言われて、二人とも近寄る。
 完全無防備な二人。

「そりゃあっ!」
「あぅひゃぅたっ!?」
「ひゃぁうぅっ!?」

 片手ずつでそれぞれに、一気にデコピンをくらわせた。四連デコピンをくらって、ふらふらとなるリリーとルーミア。

「霊夢酷い!」
「痛いです~」
「私に悪戯なんて、五年早いわよ」
「うぅ~、えいっ!」

 ルーミアが、霊夢の余裕たっぷりの隙を突いて、横腹をつついた。

「ひゃ、ちょっと何するのよ!」
「リリーも!」
「分かりました!」
「あ、こら、あんたら……後で覚えてなさいよ。くっ、あはは!」

 リリーとルーミアにくすぐられて、笑い声を上げる霊夢。
 もうそろそろ夜になるというのに、神社はいつまでも騒がしかった。
 







東方SS | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<PC頑張った!+拍手レス | ホーム | 懐かしいのだ!>>

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

| ホーム |