絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

目をこすってはいけません!

10月10日に仕上げた作品。10日は目の愛護デーでした!


 
「んぅ~……」

 木製の机に、同じく木製の椅子。それと小さなベッドがあるだけの簡素な部屋。
 その部屋で、ベッドにちょこんと座り、ごしごしと袖で目をこすっている水蜜。ここは村紗水蜜の部屋だ。

「んーあー!」

 最初は弱くこすっていたが、かけばかくほどかゆみが増してしまい、次第に強くこすってしまう。

「かゆい! こすっちゃダメって分かってるのに~!」

 目を真っ赤にして、唸る。

「えぇい、うっさい! 何悩ましい声上げてるの!?」
「うぇっ!? い、一輪!?」

 一輪の部屋は、水蜜の部屋の隣りにある。これは侵入者が現れた場合に、実力者である一輪と水蜜がすぐに相談、そして状況判断し、侵入者撃退へと行くためだ。
 隣り合わせの部屋だからか、水蜜のよく分からない声が聞こえてきたのだろう。
 この原因不明の声に、耐えられなくなった一輪が入ってきた。

「って……村紗、あんた!?」
「ぇ?」

 一輪が入って見たものは、村紗の姿。しかし、それは普通の様子では無かった。
 ベッドの上にちょこんと座り込み、目に袖をあてている。さらに、こすっていたせいで、瞳を真っ赤になり、潤んでいた。
 どう見ても、泣いていたようにしか見えなかった。

「どうしたの村紗!? 失恋か!? 失恋したのね!?」
「ち、違うよ!」
「いやいやいや! 隠さないで良いって。私たち長い付き合い、親友じゃない。言わなくても分かるのよ」
「だったら親友やめた方が良いよ」

 水蜜の肩に手を置いて、真剣な顔でそう言う一輪。
 水蜜からすれば、一輪のこういう一人で突っ走ってしまって人の話を聞かないところは、改善して欲しいなぁ、と思っている。

「だから違うの。話を聞いて、一輪」
「失恋じゃないの? なら……はっ! 分かった、目ね」
「そうそう」
「目が増えたのね」
「違う! 目がどうやったら増えるのよ!」
「じゃあちゃんと説明してよ!」
「何で逆ギレ!?」



 少女説明中。



「なるほど、目がおかしくてそうなっていたと」
「そうそう」
「いや、親友だから分かってたわよ? もちろん」
「……うそつき」

 にははーと頭をかきながら笑う一輪を、ジト目で睨む水蜜。
 そんな水蜜の視線から逃げるように、ふいっと目をそらす。
 はぁ、と水蜜は大きな溜息を吐く。
 そして、無意識に目をこすろうとする。

「はい、だめー!」
「って、あれ?」

 その腕を一輪に掴まれてしまった。

「村紗、かゆいのは分かるけど、こすっちゃダメよ」
「ぅー……だってぇ」
「ちょっと動かないで」

 一輪は、水蜜の頬にそっと触れる。
 突然顔に触られて、びくっと震えたが、一輪に動くなと言われてぴたりと止まる。

「ちょ、一輪……」

 一輪は顔を近付ける。
 鼻と鼻が触れてしまいそうな、そんな距離。
 思わず、かぁっと顔が熱くなるのが分かる水蜜。

「一輪、何す――」
「あー、本当に真っ赤ねぇ」
「へ?」

 目を指で、大きく開かれた。
 一輪は、水蜜の目をじっくりと見るために近付いたようだ。

「でもね、村紗。これくらいなら目薬さしちゃえば治るわよ、多分」
「え? 目薬?」
「ちょっと待ってて」

 ぽかんとしている水蜜。
 一輪は勢い良く部屋を出て行った。水蜜がそのままぼうっとして待っていると、一輪が帰って来た。右手には、目薬を持っている。

「はい、村紗」
「これが目薬?」

 一輪に手渡された小さな容器を、じっと見つめる水蜜。

「どったの村紗?」
「いや、これどうやって使うの?」
「……は? もしかして、使ったこと無い?」
「う、うん」

 しばし無言。
 先に動いたのは、一輪だった。

「よし、私がやってあげる!」
「え?」
「さぁさ! 私の膝に頭を乗せなさい!」
「え、ちょ、わわっ!?」

 ぐいっと肩を掴まれ、倒される。

「って俯せじゃない! 仰向け!」
「い、一輪が寝かせたんじゃない!」

 慌てて仰向けになる。一輪も、さすがに少し顔を赤くする。
 枕よりも柔らかい感触に、水蜜は心地良い温かさを感じていた。
 ふと、一輪と水蜜の視線が交わる。

「目開けてね」
「こ、怖いのだけど」
「大丈夫、痛くないわ」

 一滴、目薬をさすが、水蜜は反射的に目を瞑ってしまう。

「ちょっと、一滴無駄になったじゃない」
「だ、だって~」
「次はしっかり開けといてね」

 再び、挑戦。
 結果、同じ。
 沈黙が痛い。

「村紗、わざと? ねぇ、わざと?」
「い、一輪、顔が怖い……ちょ、頭掴まないで! 痛い痛い!」
「次、目瞑ったら目薬鼻に入れるからね」
「嫌よ!?」
「嫌よ嫌よも好きのうちって言うじゃない」
「この場合、明らかに嫌でしょ!?」
「えいっ」
「あっ!」

 目を大きく見開いて、抗議している水蜜の隙を突いて目薬を素早くさした。
 無事、水蜜の両目に目薬が入った。

「はい、終了」
「もしかして、作戦だった?」
「さぁ、どうかしらね~」
「むぅ……」

 水蜜の言葉に、一輪は笑顔でそう返すだけ。

「ま、これで一日、目をこすったりしなければ、治ると思うわ」
「ん、ありがと一輪」
「いえいえ、どういたしまして。目瞑って楽にしてな」
「うん、分かった」

 そっと膝から下ろす。
 水蜜はそのままベッドに横になる。

「村紗の日記はどれだっけかね~」
「ちょっと待て!」
「あぁ、寝てなって」
「寝てられるか!」

 起き上がろうとする水蜜に対して、肩を押し、ベッドに戻す一輪。

「離してー!」
「良いから良いから。村紗が寝てる間にちょいと日記見るだけよ」
「やめてよ!?」
「ちょっと騒がしいですよ~って……」

 あまりに騒がしく、白蓮が部屋に入ってきた。
 嫌がり暴れている水蜜の肩を掴み、ベッドに押し倒そうとしている一輪。しかも水蜜は目が赤い。
 凍る空気。

「えーと、そういうのは同意を得てからの方が良いと思います!」
「違うから!」
「いやぁ、ばれちゃいましたか。私と村紗の関係」
「一輪は黙ってて!」
「愛には数々の障害が待ち受けているでしょうが、あなたたち二人なら大丈夫。頑張ってね」
「聖も信じないで!」

 本気で信じている白蓮の誤解を解くために、大声でツッコム水蜜。一輪はわははーと笑っていた。
 結局、水蜜は目が治ったが、今度は大声で喉が潰れたそうな。
 




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