絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

本の整理

パチュリー、フランで、軽いなんてことのないお話。

 
「ごめんなさいね、妹様」
「ううん、別に良いよ。どうせ暇だったし」
「妖精メイドだと仕事が粗いし、レミィの世話で忙しい咲夜は使えない。美鈴は門番の仕事があるしね」
「そういえば小悪魔は?」
「私が出来ない、ほこりっぽい奥の棚を担当しているわ」
「そっか」

 パチュリーとフランドールは、本の整理をしていた。
 普段、パチュリーは図書館の簡易ベッドで身体を休めることが多く、滅多に自室を使わない。本が無いと落ち着かないらしい。たまに自室を使っても、必ず数十冊本を持って行く。
 それを何度も繰り返していたら、自室が今まで持ち出した本で溢れてしまった。
 パチュリーは、一度持ち出した本を図書館へ持って帰らず、自室に並べていた。理由は面倒だったからだそうな。

「小悪魔にこっぴどく怒られたわ」
「あは、そりゃそうでしょ」

 それを小悪魔に見つかり、叱られた。
 そして今、それらを図書館へと運び終え、分類しつつ棚に並べている最中。
 あまりの量に、たまたま図書館へ遊びに来たフランドールも手伝っている。

「でも、いろんな本があるね」
「えぇ、私の書き記した魔法研究書から膨大な魔力を秘めた禁書まで、様々よ。怪しい本は一回私に見せて。禁書の類だったら危険だから」
「うにゃ、分かったよ」

 絵本のようにファンシーなデザインの本から、触れるだけで危険と分かるような魔力を帯びた本まで、本当に多種多様だった。

「パチュリー、これは危険?」
「んー……たしか罠が仕掛けられた本ね。開けると身体が吸い込まれたりする。前に小悪魔が吸われたわ」
「えぇっ!?」
「私が召喚して、普通に助かったけどね」
「あ、そうなんだ。というか、何でそんな本保存してるの?」
「処分に困ってるのだけれど、他者の魔力を弾く力を持っていて私じゃあ無理だったのよ。かといって、普通に燃やしたり切ったり出来る類でもないから」

 はぁ、と溜息を吐いてそういうパチュリー。
 フランドールは、ふぅんと聞いていたが、ふと良いアイディアを思い付き、声を上げる。

「あ! なら私が処分しようか?」
「……あぁ、たしかに妹様の力なら。でも、そんなことにわざわざ力を使うまでも……」
「パチュリーが困ってるのだから、そんなこと、じゃないでしょ。任せて」

 笑顔で話すフランドールが、すうっと目を細めた。問題の本を見据える。そして、それを簡単に破壊した。たった一瞬の出来事で、本は原形を無くした。
 それは純粋な破壊の力。

「妹様」
「んー?」
「ありがとう、助かったわ」
「え、あ、うん。どういたしましてっ」

 パチュリーの珍しい感謝の言葉に、少し戸惑いつつも、嬉しさを覚える。
 フランドールが破壊の能力を使って感謝されたことなんて、初めてだった。少し、不思議な感じがした。

「さ、続きをしましょうか」
「うん。あ、パチュリー、これも危険?」
「それは安全」
「ん、分かった」

 禁書はパチュリーに渡し、安全な本はフランドールに任せる。
 少しそれを繰り返し、ある程度溜まれば棚に移す。その作業の繰り越しだ。
 その途中、ふと今までとは厚さも見た目も違う本が出てきた。
 本にしては薄く、表紙にパチュリー・ノーレッジと記された淡い紫色の書物だった。

「パチュリー、これって?」
「……あぁ、懐かしい。こんなところにまぎれてたのね」
「うにゃ?」
「これは私の日記帳よ」
「へぇ、日記なんてつけてたんだ」
「何年も前に無くしたと思ってたけど……」

 すっとフランドールの手からその日記帳を受け取り、ギュッと胸に抱き、目を瞑る。
 昔を、懐かしい過去を思い出すかのように。

「これはね、私が紅魔館にやって来た時から書いていたの」
「っていうことは、パチュリーがお姉様に出会った時からでもあるんだ?」
「そう、レミィや美鈴と出会った頃、咲夜や小悪魔と出会った頃、そして妹様に初めて会った時のことも全て……ね」
「私と出会った時かぁ……」
「そう、懐かしいわ。今でもハッキリと覚えている」

 パチュリーは目を瞑ったまま、柔らかい笑みを浮かべる。
 そう、あの時を思い出しながら――





◇◇◇














◇◇◇





「ま、もちろん回想シーンなんか入らないけどね」
「入らないの!? 今の静かな時間、凄い無駄だよね!?」
「いえ、今の間に私はゆっくりと昔を懐かしんだわ。さ、作業をやりましょう」
「何事も無かったかのように!?」

 フランドールを軽く無視しながら、作業を再開するパチュリー。
 はぁ、と大きい溜息を吐いてから、フランドールも作業を再開する。

「でもさぁ、今日中に終わる?」
「さぁ?」

 どうかしらね、と呟きながらパチュリーは首を傾げる。

「小悪魔の方は、数が少ないからそろそろ終わると思う。そうしたら、妹様は終わってくれて構わないわ」
「いや、ここまで手伝ったんだもん。最後まで付き合うよ」
「気持ちはありがたいわ。でもレミィと一緒に居た方が楽しいわよ?」
「んじゃあ、お姉様も手伝わせよう!」
「必然的に咲夜も手伝うはめになるわね」
「でも、そうしたら多分今日中に終わるよ」
「そうね」

 パチュリーとフランドール、二人笑い合う。

「それじゃあ、巻き添え連れてくるね!」
「えぇ、分かったわ」

 フランドールは笑顔でちょっと黒いことを言いつつ、図書館から出て行った。
 この後、おそらくレミリアたちを巻き添えにして、なんとか本の整理は終わるだろう。
 一人になったパチュリーは、フランドールが去った方を見て、小さく呟く。

「妹様、変わったわね……」

 そして、パチュリーは近くにある本を手に取り、整理をしないで読書を開始した。




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