絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

遊びも必要です

ムラサキャプテンと一輪メイン。
でも聖と星さんも出るよ! ほのぼのです。
 
「ねぇねぇ星、あの子たち真面目すぎやしません?」
「いや、真面目は良いことじゃないですか」

 白蓮の言葉に、星は普通に返した。
 二人の視線の先には、真面目に働く水蜜と一輪。白蓮の封印が解かれてからというもの、水蜜も一輪も、白蓮へ尽くしてくれている。
 自動運航のため、手が空いている水蜜は、手料理を振る舞ったり掃除をしたりする。一輪は侵入者撃退に神経を集中させている。もっとも、侵入なんて愚かな考えは、一部の低レベルな賊くらいしかしない。一輪がわざわざ撃退に向かわなくても良いレベルだ。
 そんな二人を見た聖は、少しくらい休ませてあげたいと思っていた。

「たまにはあの子たち、遊ばせてあげたいと思うのだけど」
「聖がそう思うなら、好きなように。ただ、村紗も一輪も承諾しなさそうですけど」
「むみみ……なら」

 星の言うとおり、突然たまには遊べと言われても、二人はやんわりと断るだろう。
 そこで白蓮は考える。何か良い考えは無いだろうか、と。

「強制的に休ませちゃいましょう」
「……え?」
「村紗、一輪、ちょっと来て~」

 凄く良いアイディアを思い付いた、という表情の白蓮だが、星はぽかんとしている。
 呼ばれた水蜜と一輪が、やってきた。

「何ですか?」
「一輪、雲山を貸して」
「はい?」
「村紗は、錨と柄杓を貸して」
「え、え?」
「良いから良いから、私を信じて」

 水蜜は錨と柄杓を渡し、一輪は雲山に白蓮の方へ行くよう命令する。
 ニコニコと無邪気な笑顔を浮かべて、受け取る白蓮。

「はい、それじゃあ二人とも行ってらっしゃい」
「は?」
「え? 何処に……」
「んー地上?」

 無茶苦茶にアバウトだった。

「まぁ何処でも良いです。あなたたちは、少し休んだ方が良い。今日一日、思う存分遊んで来なさい」
「いや、別に大丈夫です」
「私も、いらないです」
「遊んで来なさい。さもないと、雲山と柄杓と錨がどうなってもしりませんよ?」
「はぃっ!?」
「えぇっ!?」

 水蜜も一輪も、驚きやらいろんな感情が混じった良く分からない声を上げた。
 そんな様子を見ていた星は、呆れていた。己の額に手をあてて、溜息を吐いている。もしもナズーリンがこの場に居たら、馬鹿だなぁと呟いているだろう。
 ただ一人、白蓮だけ凄い笑顔だ。

「ちょ、ちょっと待って下さい!」
「待ちません。行ってらっしゃい、気をつけてね」
「雲山ー!?」

 一輪が声を上げると、雲山は心配そうな目を向けていた。

「さぁさぁ、行ってらっしゃい。夕飯までには帰って来るのよ」
「ぅ……行って、きます」
「く、行ってきます」

 渋々と行った感じで、二人は一緒に出掛けた。

「どう? 最高のアイディアじゃなかった?」
「とりあえず、二人が帰ってきたら聖はちゃんと謝りましょうね」





◇◇◇





「何処へ向かえば良いのかしら」
「遊べって言われても……ねぇ」

 とりあえず、地上に来たは良いが、目的地が無い。
 空はまだお昼前だから明るく、太陽の光が少し眩しく感じられた。
 日光にあてられ、右目を軽く瞑る水蜜。一輪は、何処へ向かうか悩んでいる。

「うーん……人里行く?」
「そうね、無難かも」

 一輪の提案に乗る。
 人里へ向かえば、必ず店やらいろんなものがある。時間潰しには最適だと考えたのだった。
 ちなみに、二人一緒に動く必要は無いのだが、二人は一緒が当たり前かのように動いていた。

「ねぇ、一輪」
「ん?」
「人里の場所、分かる?」
「……」

 地上に遊びに来ることなど、全く無いため、何処に何があるかなんて二人には分からなかった。
 しばし、膠着。
 そして無言。
 少しすると、一輪が歩き出した。慌てて水蜜も一輪の後を追う。

「ちょ、一輪?」
「こっちよ」
「本当に?」
「……えぇ」
「根拠は?」
「女の勘」
「うわぁ……頼り無いんだけど」
「だったら村紗は別方向行けば? 私はこっち行くから」
「ゃ、ま、待ってよ! 私も一緒に行くからぁ!」

 水蜜は、わたわたと一輪の後を付いて行く。
 やはり慣れない土地で一人は少し心細いのだろう。
 おとなしく一輪の、女の勘とやらを信じてみることにした。



「ほらね、私の言ったとおり!」
「ほ、本当……凄い」

 十数分、歩いただけで人里は簡単に見つかった。
 素直に驚いている水蜜。一輪も、まさか本当に目的地へ着くなんて、と内心思っていたが、決して態度には出さなかった。
 人里へと足を踏み入れる二人。
 道行く人、皆騒がしげだ。

「あ、あそこにカフェがある」
「そういえば、お昼はまだだったね」
「それじゃあひとまず、何か食べようか」
「うん、そうしましょう」

 一応、金銭は持っている。多いわけでもないが、少ないわけでもないくらいを、持ち歩いていた。
 他の店よりも、少し小洒落だ店内へと足を踏み入れた。
 店員に案内され、店内の少し奥へと座る。
 メニューを置き、お勧めを紹介した後、店員はごゆっくりという言葉を残して居なくなった。

「う~ん、どれにしようか」
「私はー……苺パフェにしよう。一輪は決まった?」
「大盛りあんみつ」
「そっか、じゃあ店員さん呼ぶよ」

 水蜜が店員を呼び、注文を伝えた。

「ふぅ」
「ん? どうしたの?」
「いや、なんかねぇ……」
「んん?」
「慣れないことだから、少し気を張ってたのかも」

 少し苦笑い気味に一輪が言う。
 簡単に言えば、緊張していたのだろう。
 それは水蜜だって同じだった。一輪が一緒じゃなければ、こうやってカフェに入らなかったかもしれない。一人ぽつんと、ただ人里にも行かないでぶらつくだけだったかもしれないのだ。

「私もそう。でも、一輪が一緒で良かった」
「あぁ、それ私も同じ。村紗が一緒で良かった」

 なんとなく、恥ずかしくなって互いに目を逸らし、頬を赤くして小さく笑った。
 一輪は、ちょっと不思議なこの空気に、照れくさそうに人指し指で頬を掻く。水蜜も照れくさそうに、あははと笑っている。

「あ、あはは」
「へへ」
「お待たせしましたー!」

 そんな空気を壊してくれたのは、店員だった。注文の品と伝票を置いて、ごゆっくりという言葉を残し、去った。

「いただきます」
「いただきます」

 苺パフェのバニラアイスを、スプーンで少し運ぶ。あむっと口に含むと、甘くて冷たい美味しさを水蜜は感じた。
 よほど美味しかったのか、目を大きく見開いて、身体をぷるぷると震わせていた。

「ん~あまうまっ!」
「なにそれ?」
「甘くて美味しいってこと」
「そ、良かったね」

 幸せそうな笑みを浮かべる水蜜を見て、一輪も自然と頬が緩む。
 一輪もあんみつに手を掛ける。
 口に含んだ瞬間、ピタッと止まった。そして、しばらくして動きだし、叫ぶ。

「あ~……あんっみつぅっ!」
「ちょ、一輪なにそれ!?」
「え? あんみつ美味しいなぁってこと」
「……その叫びはどうかと思うよ」
「む、そっか……」

 続いて、水蜜が苺を口に運ぶ。

「うみゅー!」
「ちょ、村紗どうした!?」
「いや、苺食べたら言いたくならない? うみゅーって」
「ならないわよ、普通」
「えー……あむっ」

 そんな馬鹿みたいなやりとりを交わしながら、二人は食べていった。
 もちろん、周囲の客や店員から物凄く注目されていたのは言うまでもない。
 食べることに夢中になって、そのことに気付かなかった二人。
 甘いものが好きな辺り、立派な女の子である。
 食べ終わった後、少しだけ休憩をする。
 美味しかったねーとか、良い天気だなとか、そんな何気ない会話をした。
 その後、会計を済ませて店を出る。

「ふぃ~っと」

 一輪が、伸びをする。座っていたからか、少し鈍っていたらしい。身体から、小枝を踏み付けたような軽い音が鳴っていた。

「さぁ、まだ時間はあるけど、どうしようか」
「そうね……とりあえず」
「とりあえず?」
「歩きましょうか」
「ん、そうだね」

 ぶらぶらと、特に目的も無く歩く。
 相変わらず人は多く、慣れない人込みに、はぐれてしまいそうになる二人。

「わわっ!」
「ちょ、大丈夫村紗?」
「ん、ありがとう一輪」

 転びそうになった水蜜の手を掴んで、引き寄せる。それのお陰で、水蜜が転ぶことは無かった。

「一輪、もう良いよ」
「……いや、なんか村紗見てて危なかっしいから、このままね」
「む、子ども扱い?」
「さっきから、はぐれそうになるのも転びそうになるのも村紗ばっかりじゃん」
「うっ!?」
「だから、最初から予防線を付けておくことにするよ」
「うぅっ!?」

 事実だから反論出来ない水蜜は、おとなしく手を繋いで歩くことにした。
 柔らかくて温かい感触が、安心感と心地良さを与えてくれる。
 でもやっぱり、少し恥ずかしいから頬を赤く染めていた。
 一輪は平然としているが、水蜜は恥ずかしそうだった。

「んー? どったの村紗?」
「へ!? な、何が!?」
「急に黙り込んだから」
「あ、ううん! 何でもない!」
「そう、なら良いけど。あ、服でも見る?」
「そ、そうね!」

 その後、二人はいろんな所を回った。
 服屋では、二人にとっては珍しい和服を見たりもした。似合う和服を発見し、いざ値段を見たら所持金との桁の違いに慌てて店から飛び出した。
 乾物屋や、硝子細工屋など普段は絶対に行かないような場所まで見て回った。そこの乾物屋で、白蓮たち、仲間たちへのお土産を買った。



 そして、気が付けば空は茜に染まっていた。

「う~ん、なんだかんだで楽しかったかも」
「あはは、私も」

 予想外だったなぁ、と呟きながらも笑顔の一輪を見て、水蜜もえへっと笑う。

「そんじゃあ、帰ろっか。村紗」
「うん、そうね。一輪」

 未だに手は握ったまま。
 今回の休みをきっかけに、二人はより距離が縮まった感じがしていた。
 でもなんとなく照れるから、互いにそんなことは何も言わない。

 二人が戻る頃には、白蓮と星の温かい手料理が待っていることだろう。
 
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