絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

惚れ薬騒動~神社組編

惚れ薬騒動シリーズ3番目の作品。
早苗と霊夢で、さなれいです。





「霊夢さーん?」

 早苗は博麗神社に足を踏み入れると、神社の主、霊夢を捜す。
 しかし、境内では霊夢の姿を発見することはできなかった。

「と、なると……」

 早苗は縁側の方へ向かう。するとそこには早苗の予想通り、お茶を啜っている霊夢が居た。

「居るなら返事くらいして下さい」
「面倒な。あ、私のお茶する時間を邪魔したら潰すわよ」

 早苗と目すら合わせないでお茶を啜る。
 その態度は真面目な早苗からすれば、多少不愉快になる態度だったが、勝手に訪れた身であるから文句は言えない。
 早苗は、仕方無く霊夢がお茶を飲み終えるのを待つことにする。

「隣り、いいですか?」
「勝手にしなさい」

 早苗は、霊夢の隣りに腰を下ろした。
 天気は良好。日差しがぽかぽかする。微風が早苗の髪を優しく撫でた。木々が風に吹かれ、静かに音を奏でる。
 心地良い空間が、そこにはあった。

「で、一体何しに来たのよ?」
「ふえ?」

 心地良さに浸っていたら、突然霊夢に話しかけられた。どうやらお茶を飲み終えたらしい。

「用もないのに来たとか言ったらあんたの眼球増やすわよ」
「怖っ! 何する気ですか!?」
「ん? ナニして欲しいの?」
「~っ!?」

 顔を真っ赤にして霊夢を睨む早苗。霊夢にからかわれているのに気付いたのは霊夢の顔がニヤついていたのを見たときからだ。

「はいはい、怒らない怒らない。本当に何の用?」
「怒らせたのはあなたでしょう! 用事は分社の様子を見に来たのです!」
「それだけ? 勝手に見れば良いじゃない」
「霊夢さんから見てどういう様子かを知りたかったんです」
「別に~繁盛してんじゃない~?」
「商売みたいに言わないで下さい。ていうか何で疑問系なんですか……」

 霊夢は分社をあまり快く思っていなかった。霊夢曰く、なんか嫌だったそうな。

「用はそれだけ? なら帰りなさい。わざわざ遠い所からお疲れ様」

 手をひらひらと振り、早苗を追い払おうとする霊夢。
 早苗はその態度にムッとする。

「霊夢さん」
「んー?」
「私のこと、嫌いですか?」
「は?」

 早苗の言葉にきょとんとする霊夢。

「嫌いですか?」
「いや、特には……」
「じゃあなんでそんなに素っ気無いんですか?」
「平生変わらずこんな感じよ」
「むむむぅ……」

 早苗はイマイチ納得出来ないような様子だ。

「なによ? あんたは私に優しくされたいわけ?」
「別にそういうわけじゃ……ただ、仲良くはなりたいです」
「ふーん」

 早苗が少ししょんぼりして俯いたのを見て、霊夢は巫女服から小さな瓶を取り出し、差し出す。

「なんですかこれ? ていうか何処から出してるんですか」
「一緒にお菓子でも食べる?」
「は?」
「食べないなら別にいいわよ」
「あ、いえ!? 食べます食べます!」

 霊夢の行動は素っ気無いものだったが、早苗は気付いた。これが霊夢なりの優しさなのだと。

「ところでこれ、なんです?」
「ん~何か寝てる間に置いてあったわ」
「え……大丈夫なんですか?」
「見た目は金平糖だし……大丈夫じゃない?」
「そんな無責任な……」

 透明な小瓶の中には、不思議な形をした粒――確かに見た目は金平糖だ。

「ほら早苗、食べて」
「わ、私からですか!? 先に霊夢さんどうぞ!」
「早苗、私が食べさせてあげようか?」
「遠慮します! 自分で食べれます!」

 早苗は一粒手に取り、じっと見つめる。

「多分死にはしない……死にはしない……」

 ぶつぶつ小さな声で呟き、口に含んだ。
 口内に甘く、どこか懐かしい味が広がる。

「あ、美味しい」
「ほら大丈夫じゃない。もう一個いる?」
「いえ、今度は――」

 早苗が急に霊夢の方向へ向き、霊夢を押し倒した。
 霊夢は頭部をぶつけ、体に痛みが走った。抗議の声を上げようと早苗を睨もうとするが、

「今度は霊夢さんを食べたいです」

 そんな早苗の言葉に、睨むよりまず脳内が混乱した。そして意味を理解して、

「なっ!? 何言ってんのよ!?」

 顔を真っ赤にする。
 そんな霊夢の様子を、クスッと笑う早苗。

「大丈夫です。優しくしますから、ね?」
「ね? じゃなーいっ! やっ……」

 早苗に首筋を指先で撫でられる。
 くすぐったさに身動ぎをするが、早苗はそれ以上の動きを許さない。

「早苗っ……突然どうしたのよ!?」
「私、前から霊夢さんと仲良くしたかったんです」
「それはもう分かったから!」

 霊夢は動こうとしても、早苗に両手首を押さえ付けられ動けない。仰向けに早苗を見つめるしかない。

「私、今まで完璧を演じてました。本当の自分を抑えて、周りの期待に応えれる
ように。そんな私の完璧を壊して、救ってくれたのは霊夢さんです」
「いや……私そんなことしたつもりは……」

 霊夢が早苗に目を合わせない為にチラリと横を見ると、さっきの金平糖らしき物が入っていた小瓶の底が目に入った。
 底には文字が書いてあった。

 『金平糖型惚れ薬――初めに見た者に惚れ、効果は半日程度』

「なっ!?」
「どうしました霊夢さん?」
「早苗! あなたは惚れ薬のせいでおかしくなってるのよ!」
「私の霊夢さんに対する想いを……馬鹿にしないで下さい!」

 怒られた。霊夢はこの理不尽になんか泣きたくなったそうな。正直、食べさせた霊夢の自業自得だが。

「霊夢さん……私、あなたのことが……」
「あー!? そんな恋する純情乙女みたいな目で私を見るなぁ!?」

 霊夢は正直色恋沙汰には疎い。顔を真っ赤にして抵抗するが、全く動かない。

「そんなに嫌ですか?」
「え?」

 早苗が目に涙を浮かべて尋ねる。
 霊夢がここでハッキリ嫌だと言えば、早苗はここで止めるかもしれない。
 そう、霊夢がハッキリと言えば。しかし、

「負けた……」
「え?」

 霊夢は言うことができなかった。
 言っていれば、自分は助かるが早苗を酷く傷付けることになるだろう。
 早苗を傷付けることが、霊夢にはできなかった。
 それが何故かは、霊夢にもよく分からなかった。
 ただ、早苗が傷付くくらいなら、自分を犠牲にした方がマシだ。そう思ったのだ。

「霊夢さん……私と仲良くなって、くれますか?」
「好きにしなさい……あんたがそうなった原因は私だし、ね」
「霊夢さんっ!」

 早苗はギュッと霊夢に抱き付く。強く強く、抱き付いた。
 霊夢もなんとなく、早苗の背中に腕を回す。そっと、優しく。
 そして二人は視線を交わす。潤んだ大きい早苗の瞳に、霊夢は自分自身が映っていたのを見た。

「霊夢さん」

 意味も無く、名前を呼ぶ。早苗の次第に近付く顔。霊夢はそれに対して動かずに、受け入れた。
 唇に温もり、甘い匂い、密着した体から伝わる心音、全てが二人を包みこんでいた。



◇◇◇



「えと、大丈夫?」
「なんとか……霊夢さんは?」
「大丈夫よ」

 半日効果が切れるまでなんか色々頑張った結果、ぐったりした早苗と霊夢が博麗神社の縁側に居た。
 それまでの全てを隙間から紫が、木の上から文が見物していたそうな。
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