絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

湯冷めに注意

ヤマメと霊夢でほのぼの。
こういう雰囲気の作品は、書いていて楽しいです。



 
「うわぁ……凄い降ってきたわねぇ」

 霊夢はいつもと同じように縁側に座っていたのだが、雲の動きや空気の重さで、なんとなく天気が荒れると思い、居間に引っ込んだ。
 すると、どうだろうか。数分後には大雨になっていた。
 相変わらず、霊夢の勘は凄かった。

「だぁれか! 居ませんか!」
「……誰かしら」

 雨音に混じって、声が聞こえた。
 聞き慣れない声だった。
 博麗神社に訪れる者は、お賽銭的に悲しいが限られている。
 なのに、霊夢には誰だか分からない声だ。
 首を傾げつつ、障子を開き、外を覗く。
 すると――

「あーあんたここに住んでたのね。土砂降りだから、助けてくれると嬉しいな?」
「帰れ疫病蜘蛛」

 ヤマメが立っていた。
 速攻障子を閉めた。
 何故か、それは面倒なことになりそうだったからである。

「あ、酷い! 風邪引いちゃうってば。助けて~」

 雨音に混じってヤマメの声が聞こえる。
 霊夢は小さな声で、関わらない関わらないと呟き続けている。

「ぅ……助けて、ょ……っ!」

 段々と涙声になってきた。
 次第に小さくなる声は、雨音にかき消されてゆく。
 霊夢は、うーうー唸った後、勢い良く障子を開いた。
 そこには、俯いたまま肩を震わせているヤマメが立っていた。

「あぁもう! 入りなさいよ馬鹿!」
「良い……の?」
「良いからほら! 風邪引く――」
「そんじゃあお言葉に甘えて!」
「……は?」

 さっきまでの雨模様顔はどこへいったのか。
 ヤマメは、にぱっと明るい笑顔で中に入って来た。
 しばらく呆然としていた霊夢だが、やがて騙されたことに気付く。

「いやいや、巫女さんは優しいねぇ」
「捻り潰すわよ?」
「おぉ怖い」

 ケラケラと笑うヤマメを見て、完全な敗北感を覚えた霊夢だった。

「ってあんた、服脱ぎなさいよ!」
「えっちぃ」
「潰すわよ? 床が濡れてるから、ほら!」
「水も滴る良い女だね」
「くたばれ!」

 霊夢の投げた針を、ひらりと身を翻して避けるヤマメ。ヤマメが避けたことにより、ヤマメの背後にあった、霊夢のお饅頭に刺さった。世界中のお饅頭が餡という名の涙を流した瞬間だったが、割とどうでも良いので省略。
 その後も、攻撃を仕掛けるがあたらない。
 無駄にすばしっこい。
 避ける度に、辺りに水滴が散る。

「はぁ……もう良いから、脱ぎなさいよ」
「うん、私も疲れた」

 えへへっと赤い舌を出して、恥ずかしそうに笑うヤマメ。早くやめたかったようだが、意地になってたようだ。

「何処で脱げば良いかな?」
「湯が沸いてるから、お風呂場案内するわ」
「ん、あんがとー」

 おとなしく霊夢の後を付いていく。
 脱衣所で服を脱ぐ。
 華奢で白い肌が、露になった。

「うわぁ……あんた華奢ねぇ」
「そうかい? ……ってどこ見てるのさ!」
「んー?」

 霊夢の視線の先には、ヤマメの未成熟ぼでぃ。控え目ながらも、ほわっとしている胸を凝視していた。
 そして、小さくガッツポーズをする霊夢。

「んなっ!?」
「私の勝ちね」
「もうっ! そんなジロジロ見ないでよ!」

 顔を赤くして、細い足で霊夢をげしげしと蹴る。
 霊夢は、あーはいはいと言って居間へと引っ込んだ。

「……はぁ」

 ヤマメは自分の胸に両手で触れる。ふにっとした感触があるが、小ささを痛感した。
 少し落ち込んだ様子でお風呂へと入った。





 少女入浴中~





「ふぃ~っとねぇ」
「ん、湯加減どうだった?」
「熱かったよ。身体の冷えが無くなったよ、あんがと」
「どういたしまして。って服置いといたでしょう? 着なさいよ」
「えー……巫女服じゃん。何か動き辛そう」
「だからって下着姿だと湯冷めするでしょうが」

 ヤマメは霊夢から借りたドロワーズ一丁だった。
 お風呂上がりなので、身体は火照っているのが良く分かる。
 だが、そのままの姿では湯冷めして風邪を引くのが目に見えている。

「あんたさ、さらしは?」
「使ったこと無いから分かんなくて」
「……はぁ。ならせめて巫女服着ときなさい。風邪引くわよ?」
「病気を操る能力の私が風邪を引くとでも?」
「もう勝手にしなさい」
「あ、でも」
「ん?」
「さらし巻いて欲しいな。さすがに、ちょっと……恥ずかしいし」

 頬を人指し指でかきながら、そんなことを言うヤマメ。顔が赤いのは、お風呂上がりだからか、それとも恥ずかしさからくるものか。
 卓袱台に湯飲みを置いて、溜息を吐きながら立ち上がる霊夢。
 霊夢はさらしを手に持ち、ヤマメの背後に回る。

「まったく……」
「にはは、申し訳ないね。って痛い痛い!」

 さらしをキツくする。もちろんわざとだ。
 ヤマメが痛い痛いと喚き暴れるが、霊夢は左腕をヤマメのおへそに回し、暴れても意味が無いように固定。

「ちょ!? 潰れちゃうってば!」
「元から無いでしょうが」
「酷っ! 一応あるもん! 小振りなだけだもん!」

 しばらくそんなやりとりをして、ギャーギャーと暴れた。
 数分後、結局ちゃんとさらしを巻かれたヤマメ。

「ふぇ……」
「ん?」
「ふぇ~……」
「んん?」
「ふぇくちっ!」

 ヤマメがくしゃみをした。
 少し、肩を震わせている。
 霊夢は、大きな溜息を吐く。

「ほ~ら、みたことか」
「あ、あれ? い、いや、風邪じゃないよ? ちょーっち湯冷めしちゃっただけで……へくちゅっ!」

 わたわたと焦った様子で、否定をするヤマメ。しかし、くしゃみが止まらない。
 霊夢は立ち上がって、居間から消える。
 ヤマメが首を傾げる。一体何処へ行くのだろうか、と。
 しばらくして、霊夢が毛布片手に戻ってきた。

「あ、あんがと」
「だから巫女の言うことは聞いておくべきなのよ」
「いや、それはどうだろう」
「毛布貸さないわよ?」
「あ、はい、ごめんごめん」

 霊夢が毛布を渡す。
 ヤマメは、毛布を身体にぐるぐると巻く。
 顔だけちょこんと出るような感じだ。小動物にしか見えない。

「あんた、蜘蛛っていうより、小動物ね」
「お? それは可愛いってことだね」
「いや、まぁ」

 霊夢はジッとヤマメを見つめる。
 改めて見ると、さらりとした髪、くりくりと大きな瞳など、可愛い要素盛り沢山だった。

「うん、可愛いんじゃないかしら」
「はへ?」
「何よ、変な声出して」
「い、いや……実際そう言われると、照れますなぁって感じで……え、えへ」

 照れ笑いを浮かべるヤマメ。その様子さえも、可愛らしかった。

「ふむ……というかさ」

 霊夢はすっかり冷めてしまったお茶を啜りながら、話す。
 ヤマメをちらりと見て、また啜る。

「あんた、何しに地上に来たの?」
「むぅ、あんたあんたって……私は黒谷ヤマメっていう名前があるんだけど」
「は?」
「人はちゃんと名前で呼びましょう!」
「えーと、ヤマメ」
「あい、良く出来ました」

 にぱっと笑顔を浮かべるヤマメ。

「そういうヤマメは、私の名前言えるの?」
「……え?」

 霊夢の言葉に、笑顔が固まる。
 それを見て、霊夢はぴくっと反応する。

「あんた、もしかして……」
「い、いやぁ……あはは」
「博麗霊夢、よ」
「そうそれ! 霊夢だかられむれむって呼んで良いかな?」
「普通に霊夢って呼びなさいよ。それで、結局何しに来たのよ?」

 にぱっと笑うヤマメを見て、霊夢は怒る気力が無くなった。

「いやぁ、前に霊夢にやられた時から地上に興味持ってね。いざ来たは良いけど、まさかの土砂降り」
「帰れば良かったじゃない」
「霊夢にどうしても会いたくてねぇ……」
「私の名前を知らなかったやつが何を言うか」
「えへ、ごめんごめん」

 ペロッと赤い舌を出して、笑うヤマメ。

 その後も二人はなんてことない話をし続けた。
 しばらくすると、ヤマメがうとうとしているのが分かった。

「眠いの?」
「んー……疲れたのかも」
「寝ても良いわよ、外はまだ大雨だしね」
「ん、あんがとー霊夢」

 ヤマメは緩い笑みを浮かべた後、糸が切れたように眠った。
 体育座りしながら、寝てしまった。
 毛布にくるまっているから、霊夢にはどんな座り方しているかは分からないが。
 地上に来て、疲れたのだろう。

「すぅ……」

 穏やかに眠っているヤマメを見て、霊夢は大きな欠伸をする。

「ん、私も寝ちゃお」
「んみゃ……すぅ」

 畳に転がる。
 雨音を子守歌代わりに、霊夢も眠りについた。
 雨は、まだまだ止みそうに無い。



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