絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

まだまだ知らない

ぱちゅこあー。




「パチュリー様、愛をねっちょり込めた紅茶です」
「そう、淹れ直して来なさい」
「愛って聞くと美しいけど、ラブって聞くと何かえっちく感じません?」
「淹れ直して来なさい」
「愛をですか?」
「紅茶よ」

 何故か七色に光る紅茶。

「パチュリー様にレインボー! そんな気持ちで淹れました」
「そんなことどうでもいいから、早く淹れ直して来なさい」
「文句言うならたまには自分で淹れて下さい!」
「何で貴女がキレるのよ……普通、今の状況では私でしょう」
「そんなことどうでも良いです! 初めてのキスと初めてのブスを聞き間違えるくらい、どうでも良いです!」
「それは耳の手術をオススメするわね」
「喧嘩です!」
「喧嘩って宣言するものかしら……」
「絶対喧嘩宣言です!」

 小悪魔は、パチュリーの言葉を無視して消えた。
 パチュリーは、溜め息を吐いてティーカップを見る。

「仕方無い、自分で淹れるしか無いわね」

 立ち上がるパチュリー。
 それを、気配を消しながらひっそりと本棚の影から見つめる小悪魔。

「私の作戦に上手く嵌まったようですね……ふふ」

 小悪魔がニヤニヤと笑っている。

「この作戦に……穴は無いです!」

 小悪魔にときめき☆めきめき☆むきむき作戦~

 1.喧嘩する。
 2.パチュリー様が一人で全てのことをやらなければならない。
 3.慣れていないパチュリー様は失敗ばかり。※チラリズムポイント。
 4.泣きながら私を呼ぶパチュリー様。
 5.そんなパチュリー様のお願いを引き受ける。
 6.私に惚れる。
 7.うひゃひゃ。

「あぁ、もう! 私は天才ですね!」

 うひゃひゃと笑いながら悶える姿は、傍から見れば危ない人物にしか見えなかった。天才というよりは、変態だ。

「さぁ、後はパチュリー様が私に泣きすがるまで待てば……」

 しかし、小悪魔の予想は大きく外れる。

「な、なんですと……?」

 小悪魔の視界には、パチュリーが一人で紅茶を淹れる姿。
 優雅で、繊細で、それでいてかなり上手に淹れていた。
 小悪魔は、頭をぶんぶんと振る。

「いやいや、私の計画が失敗することはありえません。きっと、見た目だけで中身は不味い紅茶というオチです! チビ小悪魔ーズ、カモン!」

 小悪魔が指を鳴らすと、見た目小悪魔そっくりの、手のひらサイズ小悪魔が現れた。11人現れた。
 このチビ小悪魔ーズは、小悪魔が造った野球チームだ。ちゃんと監督役とかも居る。そして普段は主に、紅魔館裏で野球練習をしている。

「チビ小悪魔ーズ、投手のチビデビル、略してチビル!」
「は、はい!」
「任務を与えます!」
「はいっ!」
「パチュリー様の紅茶を、味見して来て下さい!」
「わ、分かりました!」

 チビ小悪魔ーズがチビルに敬礼をする。健闘を祈る、とのことだ。
 チビルがパチュリーの紅茶に近付く。幸い、パチュリーは読書に集中しているため気付かない。チビルが、んしょんしょ、とカップを上り、小さい舌を出して紅茶をペロペロと舐めた。
 そして、急いで戻って来る。

「ど、どうでしたか!? 不味かったですよね?」
「凄く美味しかったです! こんなの初めてでした!」
「……嘘だぁぁぁぁぁ!」

 小悪魔がチビルをガシッと掴む。そして勢いのまま、何処か遠くへと思い切り投げた。

「チビルー!?」

 チビ小悪魔ーズは、チビルを追って消え去った。
 一人残された小悪魔。計画はもう全て崩れさった。小悪魔の予想では、パチュリーは紅茶も淹れられないほど不器用だと考えていたのだ。
 だが現実は、厳しかった。

「……普段紅茶淹れるか本整理しかしない私、要らなくないですか」

 紅茶はパチュリー自身淹れられる。しかも、凄い美味しいらしい。さらに、本の整理だって妖精メイドを使役すれば済みそうではある。
 それに気付いた小悪魔は、膝から崩れた。

「私の存在意義は……一体」
「あなたの存在意義は、私そのものよ」
「ひゃわっ!? ぱ、パチュリー!?」

 膝をついている間に、パチュリーが小悪魔の正面に立っていた。
 予想外のことに、驚き慌てて立ち上がろうとするが、

「うひゃう!?」

 慌てすぎたのか、尻餅をついた。

「あなた……意外ね」
「ふぇ? 何がですか?」
「水色の下着なんて……」
「~っ!? ど、何処見てるんですかぁ!」

 急いで長いスカートを押さえる。
 小悪魔は基本、人をからかう側なので、あまりこういう風に弄られるのは慣れていない。
 頬を赤く染め、ちょっとだけ涙目でパチュリーを睨む小悪魔。
 パチュリーは、そんな小悪魔を小さく笑って流した。

「ぅ~……パチュリー様、意地悪だぁ」
「あら、そうかしら?」
「そうですよ! って……あれ? 私の存在意義がパチュリー様そのものって、
どういう意味ですか?」
「反応遅いわね」
「し、仕方無いじゃないですか! パチュリー様が、その、私の……し、した」
「水色?」
「にょわぁぁぁぁぁ!? 言わないでください!」

 顔を完全に赤くして、両手をぶんぶんと上下に振りながら喚く小悪魔。そんな小悪魔が珍しくて、パチュリーは思わずちょっと楽しいな、と思っていた。

「私は、小悪魔が居ないと駄目なのよ。だから、あなたの存在意義は私そのもの」
「う~ん、良く分かりません。紅茶だって淹れられるでしょう? 本の整理だって妖精メイドさんに任せれば……」
「紅茶は、もう舌が小悪魔の淹れる紅茶にしか合わなくなったわ。責任取りなさい。それと妖精メイドはあくまでも、レミィのもの。だけど小悪魔は私のもの」
「ものですか」
「そうよ、絶対に手放したりなんかしないんだから。覚悟しておきなさい」
「こっちだって……ずっとパチュリー様と一緒に居たいですよ」

 互いに視線が交わる。
 しばらく無言の後、二人して笑った。何がおかしいのかなんて、良く分からないけれども。

「パチュリー様、抱き付いて良いですか?」
「駄目。だって私たち、喧嘩してるのでしょう? 凄く一方的な喧嘩だけどね」

 意地悪く小悪魔に言う。

「むぅ……やっぱり、今日のパチュリー様は意地悪です」
「そうかもね。でも、たまには良いじゃない」
「むぅ~!」

 頬を膨らませながら、パチュリーを睨む。
 パチュリーは、そんな小悪魔を見たのは初めてだったので、思わず笑ってしまった。

「笑わないでくださいよぉ~!」
「小悪魔、あなた可愛いわよ」
「はひっ!?」

 小悪魔は一瞬驚きの表情を浮かべた後、顔に紅葉を散らした。

「な、なな何言ってるんですか!」
「ふふっ。可愛い可愛い」
「連呼しないでください!」

 今日はいろんな小悪魔が見れたなぁ、とパチュリーは思った。
 照れながら怒る小悪魔や、恥ずかしがる小悪魔。まだまだ知らない小悪魔があるのだということも知った。

 いつか、全てを見てやろう、と決心したパチュリーだった。


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