絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

霊夢とアリス

5000HITリクエストSS第二弾!
名無しさんのリクエストで、レイアリでしたー。





「アリス、居るんでしょう?」

 霊夢がアリス邸前にて叫ぶが、返事は無い。
 窓から灯が見えるので、居ないことは無いだろう。つまりこれは、無視されている。

「せっかくこんな夜に、わざわざ来てやったのに……そんな態度とは良い度胸ね」

 ふふ、と妖しい笑みを浮かべ、ゆらりゆらりと扉に近付く霊夢。
 扉に両手をくっつけて、力を込める。良く見ると、手のひらと扉の間に、スペルカード。

「夢想――」
「あら、霊夢」
「ぶはっ!?」

 突然扉が開かれて、鼻をぶつける霊夢。残念ながら『夢想ぶはっ!?』というスペルは存在しないため、発動しなかった。
 顔を押さえ、俯いて唸っている。痛かったようだ。

「あー……大丈夫?」
「痛いじゃない!?」
「ごめんなさいね。で、こんな時間に何の用かしら?」
「とりあえず中入れてくれない?」

 霊夢が中へ足を踏み込もうとするが、

「さようなら」
「ちょ!?」

 扉が勢い良く閉められる。だが、霊夢が扉の隙間に足を入れたため、完全には閉まらなかった。

「っ~!? いっ……」
「そりゃあ、痛いわよね。大丈夫?」

 勢いが強かったため、霊夢の足に伝わる衝撃は尋常じゃなかった。
 霊夢が珍しく涙目になっているのを、アリスは見た。

「何で、閉めたのよ?」
「いや、嫌な予感がしたから。主に、霊夢を家に居れたら厄介なことになりそうだという予感」
「失礼ね! 入れなさいよ!」
「嫌よ。帰りなさい。もしくは来た理由を言いなさい」
「うっ……」

 霊夢はさっきも来た理由を誤魔化した。アリスはそれを見逃さない。何か企んでいるのではないかと、疑っているのだ。

「酷い……アリス」
「へ?」
「私、アリスの家に入ろうとしただけなのに……うっ、うぇ……」
「ちょ、霊夢!?」

 霊夢が瞳をじわりと滲ませていた。袖で涙を拭い、子どもみたいに泣いている。
 アリスにとって、これは予想外すぎた。

「それなのに、疑ったり……足も痛いよ……うぇぇぇぇん!」
「あ、ちょ、泣かないでよ! あーもう! ほら、中入って!」

 大声を上げて泣き始めた霊夢を、アリスは大慌てで家に入れた。

「かかったな、馬鹿め!」

 物凄く妖しい笑みで、目を光らせる霊夢。

「え? ってきゃあ!?」

 思い切りアリスを押し倒す。
 突然のことに、対応出来ないアリスは仰向けに倒れた。そのアリスの腹部に、馬乗りをする。

「いたた……霊夢、あんた泣いてたんじゃ!?」
「私があれくらいで泣くと思う?」
「だ、騙したわね!」
「騙しては無いわよ。足は痛かったわ」
「あ、ごめん……」

 押し倒されたまま、謝るアリス。お人好しな性格だ。

「一つ、お願いを聞いてくれたら許してあげる」
「お願い?」

 霊夢からの聞き慣れない単語に、眉をひそめる。
 霊夢は笑顔だが、何を考えているか全く分からない。

「そ、お願い。今からでも良いから、宴会に来て」
「嫌よ」
「あら、即答?」
「あんたがここに来たのは、それが目的?」
「そうよ」

 アリスは露骨に嫌そうな顔をする。
 霊夢がアリスの元へ訪れたのは、アリスを連れて来るためだった。
 最近、アリスが宴会に参加しなくなっていたから。ただでさえ、参加が少ないアリス。今現在も博麗神社で行われているであろう宴会にも、参加していなかった。
 それを、霊夢が連れ出しに来たのだ。

「宴会は参加自由じゃなかったかしら?」
「流石に心配するじゃない。ずっと顔見て無いとね」
「あら、霊夢が他人を心配するなんて珍しい」
「私は心優しいからね」
「本音は?」
「宴会後の後片付け、手伝ってくれるのはアリスだけだから」
「そんなことだろうと、思ってたわ」

 はぁ、と溜め息を吐くアリス。
 そして、霊夢らしいなぁ、などと考えていた。

「改めて訊くわ。私のお願い、聞いてくれる?」
「答えは変わらないわ。嫌よ」

 普段あまり見せないような、鋭い目付きで霊夢を睨み、言った。
 しかし、霊夢はニヤニヤとした笑みを浮かべたままだ。
 アリスにとっては、何がおかしいのかと苛々する。

「何がおかしいのよ?」
「アリス、あんた今の状況を理解してる?」
「状況?」

 未だに状況は、霊夢がアリスに馬乗りだった。
 しかし、これくらいなら妖怪であるアリスにとっては、そんな障害にはならない。
 力任せに起き上がったしまえば良いのだから。

「残念だけど、こんな状況一瞬で逆転出来るわよ」
「へぇ、やってみなさいよ」
「言われなくても、ね!」

 力を込めて、起き上がろうとするが――

「我が霊夢に代々伝わる奥義! くすぐり!」
「ひゃぁ!?」

 腋に手を差し込まれて、くすぐられた。力が抜け切ってしまう。

「ほらほら、くすぐったい?」
「やっ! んっ……にゃ、くすぐったく……ふわぁ、無いわよ!」
「意地っぱりねぇ」
「大体、博麗ならともかく……んっ! 霊夢って、代々じゃないでしょ! んゃ、そこ、くすぐった……」
「細かいこと気にしたら大きくなれないわよ。胸的に」
「あ、あんたよりは……くっ、んっ、ふ……あるわよ!」

 確かにアリスの胸は霊夢より断然あるわけで。というより、霊夢が小さ過ぎるだけなのだが。
 アリスの今の言葉は、霊夢を激しく怒らせた。

「ふ、ふふ……私を怒らせたわね?」
「ひっ!?」
「この胸か!? 私を見下すのはこの胸か!?」
「やっ! ちょ、どこ触って、やぅ……」

 霊夢は狂ったようにアリスの胸を右手で揉みしだきながら、左手はくすぐる。

「ちょ、くすぐった……あはは! んっ、みゃぅ……ん、あはは! くすぐったいって! わ、私の負け!」
「なら宴会来てくれる?」
「それは……」
「この胸が! くすぐってやる!」
「やっ!? わ、分かったから!」
「よし、なら後3分で許してあげる」
「えっ!? やぁぅ……」



 結局アリスが解放されたのは、10分後だった。
 笑いすぎて、息が荒く、汗で髪が額にくっついているアリス。少しだけ、涙目だ。くすぐりには弱いのだろう。

「立てる? 大丈夫?」
「こんな目に合わせた本人が……白々しい」
「でも、心配してたのは実は本当よ」
「え?」

 アリスの額に、霊夢は自分の額をぴたりと合わせる。
 鼻と鼻がぶつかり、吐息を感じてしまうくらいに近い。
 肩で息をしている状態のアリスの熱い吐息が、霊夢にかかる。

「研究も良いけれど、たまには顔見せてくれないと本当に心配するのよ?」
「……ごめんなさい」

 アリスが素直に謝ると、霊夢はふわりと優しい笑みを浮かべて離れた。

「さ、行きましょう。みんな待ってるわ」

 霊夢が手を差し出し、仰向けに倒れたままのアリスを引っ張って立たせた。

「あんまり飲まないわよ、私」
「良いわよ。後片付け手伝ってくれるでしょう?」
「……そうね、手伝ってあげる」
「ありがと。やっぱりアリスが居ると嬉しいわ」
「まったく……調子良いわね」

 額に手をつきながら溜め息を吐くアリス。だけど、口元は緩んでいた。霊夢も笑っている。
 二人、手を繋いだまま出発した。
 夜空にちりばめられた星屑は、二人を明るく照らしている。
 空飛ぶ少女たちを、幻想的に包んでいた。





あとがき

レイアリ初めてでした、リクエストの期待にそえられたか、心配です。
楽しかったー。
東方SS | コメント:2 | トラックバック:0 |
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コメント

わ、ありがとうございます。
期待に沿って無いはずが無いじゃないですか!くすぐり当たりでニヤニヤしてました。ご馳走様でした。
おもしろかっただと?なら、このまま霊アリに目覚めて大量せいさ(ry
2009-08-09 Sun 02:18 | URL | [ 編集 ]
それは良かったです。
リクエスト、ありがとうございましたー!
またいつか書くかもしれませんw難しかったですが、楽しかったですよ。
2009-08-09 Sun 13:23 | URL | 喉飴 [ 編集 ]

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