絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

愛するあなたへ届け、パンツ

パンツの日SSでした。
変態と言われました。





「私のパンツを受け取って下さい」
「とうとう変態にまでなったか」

 にとりの家に訪れた文の第一声が、冒頭の言葉だった。
 軽蔑するような目付きで、文を睨むにとり。

「ノンノンノン!」

 文は人指し指をピンと立てて、甘いですよにとり、と言う。
 にとりからすれば、いきなりパンツを受け取ってくれと言うやつが変態以外の何者なんだという感覚だ。

「今日は何の日だか、にとりみたいに引き籠もって機械やら自分の身体やらを弄り、楽しんでいる人には分からないでしょう!?」
「弄ってるのは機械だけだ、馬鹿!」

 にとりがドライバーを投げ付けるが、幻想郷最速の文には掠りもしなかった。
ドライバーはそのまま、文の背後にある箪笥に刺さった。

「あー!? 箪笥がぁ!」
「今日が何の日かと言いますと……」
「箪笥ぅ……」
「パンツの日です!」
「あぁ、箪笥……仕方無い、直そうかな」
「あやややや? 無視? あややは寂しいと揉んじゃうんですよ?」
「何をだよ!?」

 わざとらしく頬を赤らめて、きゃっきゃっしている文を、心底嫌そうな顔で見ているにとり。

「うわ……凄く嫌そうな顔ですね」
「パンツの日っていうのは、まぁ分かったよ。けど、主に何する日なの?」

 にとりの疑問に、文は待っていました、という感じに目を光らせる。
 その目を見て、嫌な予感を感じたにとりは身体をぞくりと震わせた。

「女性が好きな男性にこっそりパンツを渡す日よ!」
「……さようなら、文。なんだかんだで、私は文に会えて、微妙に嬉しかったよ」
「ちょ!? にとり、何それ!?」
「これは核符『ミサイル』だよ。文を殺して、私は生きる」
「ストレートなネーミング!?」

 核符を発動しようとするにとりを、押さえ込む文。
 ぎゃあぎゃあと暴れた結果、なんとか核符を凍結した。
 息も乱れ、汗をかいている二人。

「大体、男性に渡すんでしょ?」
「だから甘いと言うのです。バレンタインだって女の子同士渡したりする時代! なら、パンツだって同じよ!」

 握り拳を天に掲げて叫ぶ文を見て、にとりは何でこんなやつと仲が良いのかを真剣に考えた。
 真剣に考えているうちに、文の握り拳がふと目に入る。よく見ると、握り拳にはピンク色のパンツが握られていた。

「文、物凄く帰って欲しいんだけど」
「なら、受け取ってくれますか」
「一応訊こう。何をさ?」
「パンツ」
「くたばれ」
「こ、こんなにも好きだと意思表示をしているのに!」
「愛の表現方法が変態的過ぎるんだよ!」
「あやややや? 好意とは言いましたが、愛してるとは言ってませんよ~?」
「んなぁっ!?」

 一気に顔を赤くするにとり。それをニヤニヤとした表情を浮かべながら、眺める文。
 ただでさえ恥ずかしがり屋なにとりには、今の自爆はかなり堪える。

「ぅ~……」
「あはは、見事に虎穴を掘りましたね!」
「墓穴だ馬鹿! 虎穴掘ったら大怪我するよ!」
「今、まさに大怪我じゃないですか」
「あぅ……」

 顔を赤くして、俯いたままになる。
 少し苛め過ぎたかな、と反省。
 にとりは元から恥ずかしがり屋だ。文と初めて出会った時も、今みたいに砕けた感じでは無かった。文を『射命丸様』と呼び、適当な相槌と曖昧な愛想笑いしか向けていなかった。それを、文が何度もにとりの元へと通い、今みたいな関係に至る。

「少し苛め過ぎたかしら」
「……馬鹿文」
「はいはい、ごめんなさい」
「~っ!?」

 俯くにとりを抱き寄せる。文の胸にぽふっと埋まる。うーうー恥ずかしそうに唸るにとりの髪を、優しく梳くように撫でる。

「あやや?」

 にとりが文の背中にギュッと腕を回した。
 抱き締め合う形になった。

「にとりが抱き締め返すなんて、珍しい」
「……たまには良いでしょ」
「たまには、なんて言わずに毎回でも良いです」

 文よりも小さい背丈のにとり。腕をにとりの腰に回して、より強く抱き締める。
 腕から伝わる確かな温かさ、見た目以上に華奢な身体。
 にとりの表情を見ようとするが、文に強く抱き付いているため、見ることが出来なかった。恐らくは、恥ずかしいのだろう。

「にとり、こんな時に言うのも何なんですが」
「うん……何?」
「私、まだ右手にパンツ握ったままです」
「……おらぁ!」
「ごふぁ!?」

 文の胸に、思い切り頭突きをかました。

「空気読んでよ!」
「だから言ったじゃない! こんな時に言うのも何だけど、って!」
「本当に今言うことじゃないだろ!」
「にとりが早く受け取らないから悪いんです!」
「あぁ分かったよ! 受け取れば良いんでしょ!」

 勢いに任せて、パンツを受け取ってしまうにとり。
 数十秒停止。

「とうとう受け取ってくれましたね」
「いや、その、これは……」
「私もにとりからパンツが欲しいです」
「ふぇ?」
「というわけでいただきます」

 押し倒す。涎を垂らしながら、超笑顔で。

「ばっ!? こら……ひゃうんっ!? そんなとこ……手入れるなぁ!」
「はーい、脱ぎ脱ぎしましょうね」
「やっ、あぅ……んっ、だ、誰か助けてー!」





以下投稿時のあとがき。


パンツの日の内容で、真っ先に『1度でも使用した下着』を思い浮かべた人は私と同じ、残念な思考を持っています。
普通はそんなの渡しませんよね。新品だよね、多分。
というわけで、今日の午後に思い出したパンツの日。
慌てました。
そんにゃこんにゃではありますが、少しでも楽しんでくださったなら嬉しいです。




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