絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

頑張れ小さな女の子~番外編2.勝負

1ヶ月以上振りの、頑張れ小さな女の子。
鬼と巫女と妖怪です。



「あはっ、おらえり~れいむぅ」
「お、霊夢お帰り」
「……何この状況?」

 霊夢が買い出しから帰宅すると、顔を赤くして呂律が回っていないルーミアが居た。部屋中に充満しているお酒独特の匂いに、霊夢は顔をしかめる。

「原因は……明らかにあんたね」
「うん。ま、お酒飲ませただけだよ」

 ルーミアの肩に手を回して、けらけらと笑っている萃香。
 霊夢が出掛ける前には居なかった筈だった。つまり、出掛けている間にやって来て、ルーミアにお酒を飲ませたのだろう。
 額に手をあてながら、溜め息を吐く霊夢。とりあえず、買って来た品物を部屋の隅に置いた。

「あんたねぇ、ルーミアに飲ませるんじゃないわよ」
「勝負しただけだよ。呑み比べの」
「あんたと呑み比べ勝負出来るのなんか、文くらいでしょ」
「いやいや、この、えーとルーミアだっけ? 前回宴会の時に、全く飲んで無かったから気になってさ。どれくらい飲めるのかな、と」
「そして、見事に出来上がったわけね。ま、私もルーミアが飲んだところは一度も見たこと無かったけれど」
「うみゃ~! ぐるぐる回ってる~」
「酔うとこうなるわけね」

 ふらりふらりと立ち上がって、その場でぐるぐる回り始めるルーミア。
 その様子に、溜め息を吐く霊夢と笑う萃香。

「霊夢! 暑い!」
「とりあえず、落ち着きなさい」
「霊夢、私もっと……お酒が飲みたい!」
「ダメ」
「え~……お願いだからさぁ」

 言葉をハッキリと話せるようになったかと思えば、次はやけに絡んでくる。
 霊夢の肩を掴んで、物凄い勢いで揺らす。

「ちょっと……酔うと絡むタイプなの?」
「お酒! 暑い!」
「鬱陶しいから手を離しなさい」
「お酒!」
「話を聞きなさいって……」
「お酒~」
「話を聞けと言ってるでしょうが!」
「ふわぁっ!?」
「おー!」

 痺れを切らした霊夢が、ルーミアに足払いをして転ばせた。その素早く、無駄の無い動きに萃香は感嘆の声を漏らした。
 ルーミアは、仰向けに倒れたまま動かない。
 怪我でもさせてしまったかと心配した霊夢が、ルーミアを覗き込むと、目に涙を浮かばせていた。

「え!? る、ルーミア!?」
「ふぇ……」

 じわりじわりと涙が浮かび、最終的には子どもみたいに泣き始めてしまった。
 流石に慌てる霊夢。萃香は冷静に、今度は泣くタイプか、と呟いていた。

「痛いよ……ふぇ、ぅ」
「あー……ゴメン。泣かないの、ほら」

 ルーミアを少し起き上がらせて、優しく抱き締める。右手でルーミアの髪を梳くように撫で、左手では子どもをあやすように、ぽんぽんと優しく叩く。
 すると、ルーミアはちょっとずつ泣きやみ、安心したような表情を浮かべた。
 相変わらず華奢な身体だ、妖怪なのに。そんなことを思いながら、霊夢はしばらくその状態を続けた。

「へー、霊夢変わったねぇ」
「そう?」
「うん、随分とね」

 笑顔で萃香にそう言われて、なんとなくそっぽを向いてしまう霊夢。そんな霊夢を、萃香は小さく笑う。
 ルーミアは安心感からか、霊夢の腕の中で穏やかな寝息を立てていた。

「まるで姉妹みたいだな、霊夢とルーミア」
「それ、前に魔理沙にも言われたけど、全然そんなんじゃないでしょう」
「いやいや、自分だから気付かないだけだって」
「じゃあ、どこらへんが姉妹っぽいのよ?」

 うんうん唸って首を傾げる萃香。
 胡座をかきながら腕を組んで、お酒の瓢箪を横に置きながら唸っている姿は、見た目少女なのに全く少女らしくは見えなかった。

「良く分からないけど、雰囲気かな」
「それも、魔理沙と同じ理由ね」
「あ、やっぱり? 何だか、言葉で表せないのよ。でも、良いと思う」
「雰囲気が妖怪に近い人間ってどうよ……」
「逆かもよ? ルーミアが人間に近いのかもしれない」
「ルーミアを毎日見てると、人間と妖怪の違いが良く分からなくなってくるわよ」

 ルーミアを腕の中から解放し、そっと横に寝かせる。お酒のせいか、少し紅潮していた。穏やかに眠るその姿は、ただの幼い子どもにしか見えない。
 萃香は瓢箪を持ち、お酒を飲んだ。

「でも、忘れちゃあいけない。妖怪は人を食らう」
「そうね。ルーミアだって、過去にそうして来たでしょうね」
「霊夢は、ルーミアが怖い?」
「全然」

 萃香の問いに、霊夢は即答した。

「それは、信頼してるから?」
「んーそれもあるけど、私が負けるわけないでしょう」
「あははっ! 霊夢らしいね」

 萃香はけらけらと笑った。霊夢も、笑った。
 お酒の瓢箪を、ぐいと霊夢に突き出す萃香。
 目を開いて、一緒きょとんとしたが、すぐに意図が分かった霊夢はコップを用意する。

「さぁ、霊夢も飲もう」
「そうね、飲もうかしら」

 コップにお酒を注ぐ。
 溢れるか溢れないか、ギリギリまで。

「それじゃあ」
「乾杯、ね」

 霊夢は、コップに注がれたお酒を一気に飲み干した。萃香も瓢箪に口をつけて、飲む。
 二人とも、ぷはぁ、と息を吐いた。

「霊夢」
「んー?」
「幻想郷は良いねぇ」
「何よ突然」
「いんや、別にー」

 けらけらと笑う萃香。それはどこか、嬉しそうにも見えたし楽しそうにも見えた。

「萃香、今日は久し振りに泊まってく?」
「お? 良いの?」
「良いわよ、別に」
「なら、お言葉に甘えちゃおっかなー」

 にゃはは、と笑う萃香を見て、霊夢も笑う。
 また、コップにお酒が注がれた。

「さぁ、朝まで飲もう!」
「晩ご飯の支度しなきゃいけないんだけどね」
「良いじゃない。久し振りに二人で飲もうよ」
「ルーミアがお腹空かしたらどうするのよ?」
「おにぎり作れば良いじゃない」
「あんたは?」
「おにぎりで良いよ」
「まぁ、あんたにご飯作るとは言って無いけどねぇ」
「あ、霊夢酷いぞ!」

 わざとらしくふざけたように言う霊夢に対して、萃香もわざとらしく非難の声を上げる。
 そんな騒がしい二人の側で、ルーミアは未だに眠っていた。





◇◇◇





「今日の仕事を言い渡ーす!」
「れ……霊夢、頭に響くから小さな声で」
「今日の仕事はー!」
「うぁぅ~痛い痛い!」
「あっはっは!」

 次の朝、お酒に慣れていなかったルーミアは、やっぱり二日酔いになっていた。畳に俯せになって、大の字のまま動かない。
 萃香は勿論、二日酔いにはなっておらず、大爆笑している。霊夢も明け方まで飲んではいたが、慣れているのか、正常だった。

「今日の仕事はー!」
「ふぇぅ……」

 霊夢はわざと大声を上げる。既に文句を言う気力さえ無いのか、ルーミアは可愛らしく良く分からない声を上げるだけだった。

「今日の仕事は……無しよ」
「ふぇ?」
「気分良くなるまで休んでなさい。ま、これに懲りたら慣れてないくせに、お酒飲み過ぎるんじゃないわよ?」
「ふぁ~い……霊夢、ごめんね」
「良いわよ、別に」
「あと、ありがと」

 そう謝罪とお礼を言った後、ルーミアは完全にダウンした。
 そんなルーミアを見て、苦笑いを浮かべる霊夢。萃香は相変わらず笑っているが。

「しっかりした良いやつじゃないか」
「何故か最初から、感謝や謝罪はちゃんとするやつだったわ」
「霊夢の周りにそんなやつ、今まで居なかったね」
「あんたも含めて、大体が自分勝手ね。リリーとかアリスとか、そこらへんね。常識あるの」
「失礼な……って何処行くのさ?」
「永遠亭よ。一応薬貰って来てやるの」
「やっさしーねぇ」
「うるさい元凶が」

 そう言って、霊夢は永遠亭へ向かった。
 部屋に残ったのは、ルーミアと萃香だけ。

「ねぇ、ルーミア」
「……んー?」
「二日酔いには迎え酒、だ」
「ふぇ?」

 霊夢が帰って来た時、再び部屋中がお酒の匂いで充満していたという。









オマケ



「ルーミア、勝負しないかい?」
「でも飲み比べは、一週間前に霊夢が禁止してるよ?」
「なら弾幕は?」
「弾幕も、萃香とは禁止だって言われた」

 いくらルーミアが輝夜や妹紅に鍛えてもらっているからといっても、萃香に勝てるレベルでは到底無い。
 それに、萃香の弾幕は強力だから、神社が破損するのを恐れて、霊夢は禁止令を出していた。

「うーん、ならどうするか」
「萃香……弾幕……そうだ! こんなのどう?」

 ルーミアが萃香に耳打ちをする。
 萃香は一瞬、きょとんとしたが、すぐにお腹を抱えて笑い出した。

「あははっ、良い発想じゃないか。良いよ、やろう」
「じゃあ……霊夢ー! 西瓜頂戴!」
「今ちょうど切ってたとこよ」

 台所から霊夢が切られた西瓜を皿に乗せて、持って来た。

「よし! 勝負だ、ルーミア!」
「負けないよ!」
「ん?」

 二人が何を勝負するのか分からない霊夢は、ただ首を傾げる。
 萃香とルーミアが、数秒で西瓜を一切れ食べた。

「ちょ、あんたたち、もうちょっと味わって食べなさいよ」

 霊夢の言葉を無視して、二人とも突然立ち上がった。
 口をもごもごと動かしながら、素早く部屋中を動き回る。

「ぷっ!」
「ふっ!」

 互いに西瓜の種を飛ばし合って、戦っていた。
 二人とも真剣な表情をしていたが、傍から見たら実に滑稽だ。

「萃まれ! 西瓜の種!」
「あっ!? ずるい!」
「これで終わりだ!」

 大量の西瓜の種が、萃香の手のひらに集まる。
 それを全てルーミアへ向けて放とうとした瞬間、背後に霊夢。

「終わりはお前だ! 行儀悪い! 馬鹿なことをルーミアにやらせない!」

 萃香の首を全力で蹴り飛ばす。大量の西瓜の種が、行き場を失い、萃香に降り注いだ。

「ちょ、霊夢! アイディアはルーミアだぞ!?」
「……ルーミア、おいで」

 気持ち悪いくらいの笑顔で、手招きをする霊夢。
 萃香もルーミアも震える。

「お、怒ってる?」
「ごめんなさいは?」
「ご、ごめんなさい!」
「良し! 良く言えました。褒めてあげるから、おいでルーミア」
「わーい!」
「ルーミア、罠だー!」
「黙れ」

 危険を知らせた萃香の喉を、ルーミアに見えないように突く。萃香、気絶。
 無邪気に近寄るルーミア。
 笑顔で抱き留める霊夢。

「はい、八連デコピンよ」
「ふぁひぇほぁっ!?」

 ルーミア、ダウン。
 西瓜弾幕勝負、生き残りは霊夢に決定した。




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