絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

……!?――♪

プチ投稿作品『……!?――♪』 アリパチュです。
結構初期の作品かも。初期作品群の中では、地味に気に入ってます。




「パチュリー大丈夫?」
「……」
「いや、駄目なようね」

 パチュリーが風邪をひいてしまった。しかも今回は、喉からのようで、あまりの痛みに声を発することが出来ない。
 アリスはたまたま本を返しに来たら、そんな状態のパチュリーに会った。会話をしてくれないので最初は無視されてるのかと思ったアリスだったが、小悪魔から事情を聞き、納得した。
 その小悪魔は薬を求め外に行ったため、今図書館には居ない。

「パチュリー、水を持ってくるわね」
「♪」

 最初はパチュリーの伝えたいことが分からなかったものの、次第に雰囲気や微かに変化する表情を読み取ることによって、アリスはパチュリーと意思疎通が出来ていた。

「はい、パチュリー。大丈夫? 一人で飲める?」
「!」
「あー怒らない怒らない。別に子ども扱いしてるわけじゃないから」
「……」

 何やら納得しない表情で、パチュリーは水を飲む。
 熱くなっている喉に、冷たさが心地良い、がすぐにまた熱くなる。しゅん、とした表情になるパチュリーを見てアリスは立ち上がる。

「?」
「ちょっと待ってて。あ、ちゃんとベッドに横になってなきゃ駄目よ?」

 コクリと頷くパチュリー。普段とは違って、何やら可愛らしい小動物のように見える。しばらくすると、アリスが手にタオルを持って、やってきた。

「ほら、どうかしら?」
「~~♪」

 アリスは濡れたタオルを、横になっているパチュリーの首に優しくそっと置く。
 パチュリーは冷たさが心地良いのか、微笑を浮かべて穏やかリラックスした表情を浮かべている。

「全く……普段からこれだけ可愛げあれば良いのに」
「……!」
「はいはい。冗談よ。さっさと寝なさい」

 少し頬を膨らませ睨んでくるパチュリーは、ハッキリ言って怖いというより可愛かった。とても百年生きている魔女には見えない。
 そんな様子をクスッと笑ってアリスは立ち上がる。

「それじゃあ、邪魔になるでしょうし今日は帰るわ。安静にね」

 そして帰ろうと一歩踏み出すが――前に進めない。

「えと、パチュリー?」

 パチュリーがアリスの服の裾を掴んでいた。意思を読み取ろうと表情を覗くと、瞳の奥は寂しさを訴え、雰囲気は不安を漂わせていた。

「寂しいの?」
「……」
「不安なの?」
「……」

 パチュリーは何も反応しない。ただ、掴んだ手は離してはくれなかった。しばらくその状態が続いた後、アリスは溜め息を吐いて、再びパチュリーのベッドの横にある椅子に座る。

「せめて小悪魔が帰って来るまでは一緒に居てもいいわよ」
「――!」

 さっきとは打って変わって明るい笑みを浮かべるパチュリー。
 弱っている時に心細くなるのは誰にでもあるだろう。一人は辛い。それを理解出来るアリスは、どうしてもパチュリーを放って帰ることが出来なかった。
 パチュリーとそこまで親しいのかと訊かれたら肯定も否定も出来ない。確かに本を貸して貰ってはいるが、会話をしたことは数える程度である。
 友達というような関係でも無いし、友人と言う程深い仲でも無い。中途半端な関係だ。
 でも、そんなこと関係無かった。ただ、アリスは純粋にパチュリーのことが心配だったから。

「寝てもいいわよ。パチュリー」
「……」

 瞼が重たくなってきているのか、辛そうだ。アリスはパチュリーの手をギュッと握る。柔らかくて、今は熱をもっているから熱くて、それでも肌は雪の様に白いパチュリーの手。指を絡め、しっかりと握る。

「大丈夫よ。貴女が目を覚ましても、私はまだここに居るから、ね? 安心して眠りなさい」
「……♪」

 微かにだが、微笑した。それは穏やかに、美しく、それでいて子どもの様に無邪気な笑顔である。
 パチュリーもギュッと握り返す。それに反応して、アリスもギュッと握る。それを繰り返す。そこに言葉は無いけれど、二人の間には確かに通じ合う何かが存在していた。
 しばらくして、パチュリーは眠った。アリスは空いてる方の手で、パチュリーの髪を撫でる。
 艶があり、流れるように梳ける紫色の髪。綺麗だった。それは、ただただ美しかった。
 静かな寝息を立てるパチュリーの表情を見ると、それは穏やかで安心しきっていた。子どもの様な笑みを浮かべて。
 そして、小悪魔が帰って来た時に見たものは、聖母の様な笑みを浮かべたアリスが、幼子の様で、それでいて大人の美しさの雰囲気を醸し出すパチュリーの手を握りつつ、髪を指で梳いている場面だった。
 その不思議な空気に小悪魔はしばらく見惚れていたという。
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