絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

女の子だもん

リグル初書きだったりします。
リグルも立派な女の子!




「私は男の子なんかじゃなーい!」
「うるさい黙れ」
「きゃうっ!?」

 神社のお賽銭箱の上で叫ぶリグルを、霊夢がお子様からお年寄りまで安心の簡易夢想封印を放った。
 それはリグルのお尻に命中し、リグルはお賽銭箱から地面へと強制的に、顔面ダイブをさせられた。

「痛いじゃない!」

 顔から偉大なるアースへと突っ込んだリグルは、鼻が痛かったらしく、少し赤くなっていた。

「お賽銭箱の上なんかに立つ罰当たりなやつに、お仕置をしただけよ」
「むむ~鼻が潰れたかと思ったじゃない!」
「あんたを潰してあげようか?」
「鬼巫女!」
「キモリグル! 略してキモグル!」
「名誉毀損だ!」
「黙れキモ虫」
「キモ虫!? 何よ、その新しいイモムシみたいな名前!? 私は蛍よ!」
「蛍なんて、こうプツッと潰せるわね」

 人指し指と親指で摘むような動きを見せる霊夢に、リグルはぞくりとした。

「やめてよ。ちょっと想像しちゃったじゃない」
「想像とか……見掛けによらず、えっちぃわね」
「何の話だよ!?」
「まぁ、そんな話は置いといてさ。あんた、結局何しに来たわけ?」
「あ、そうそう。ちょっと相談したいことがあって……」
「なら、まずは素敵なお賽銭箱へ行きなさい」

 お賽銭箱を指差す霊夢。

「相談料を払えと?」
「そう」
「……仕方無い、とっておきをあげるよ」
「いやっほぉ!」

 リグルはお賽銭箱へと歩み寄る。そして、明らかにお金じゃない物を大量に入れた。
 霊夢のドロップキックが炸裂した。
 リグルは、軽く数メートルは吹っ飛んだ。

「何するのさ!?」
「こっちの台詞よ! あんた、今何を入れた!?」
「カブトムシとクワガタの幼虫だよ! 嬉しいでしょ?」
「くたばれ! 賽銭箱に、変な物入れるな馬鹿!」
「なぁ!? 変な物とは何よ! 虫だって生きてるのよ! 土下座して謝ってよ、虫に!」
「誰が虫相手に土下座なんてするか!」

 がるる、ぐるる、と唸り睨み合う二人。

「こうなったら」
「弾幕で勝負ね!」

 リグルも霊夢も、スペルカードを取り出して、距離を取る。
 暑い陽射しが、二人を包んでいた。

「あ……」
「え?」
「リグル、あんたさ」
「う、うん?」
「さっきの攻撃のせいで、ズボン後ろ破れてるわよ」
「ふえぇ!?」

 リグルが、慌てて自分のお尻部分を見る。
 だが、別に破れていなかった。

「何よ、破れて無いじゃない」
「夢想封印」
「へ? きやぁぁぁぁぁぁう!?」

 前に向き直った瞬間、既に夢想封印が零距離。
 リグルは、ただ叫ぶしか無かった。そして、綺麗な放物線を描きながら、吹っ飛んだ。

「ひ、卑怯すぎる……」
「よそ見なんかするからよ」
「あんたのせいでしょ!」
「あら、まだ喋る元気があるのね。もう数発、いっとく?」
「ひぅっ!? な、何で私がこんな目に……相談に来ただけなのに」

 うぅ、と涙目で丸くなるリグル。
 そんなリグルに、霊夢は――

「はぁ、仕方無いわね」
「え?」
「えいっ!」

 針を投げた。
 リグルがギリギリで避けたことにより、頬を掠めるだけで済んだ。

「な、なな何するの!?」
「いや、悩まなくて良いようにとどめを刺してあげようかな、って」
「相談に乗るという選択肢は無いの!?」
「えー……面倒。大体、あんたの悩みって何かどうでも良さそうだし」
「せめて相談内容聞いてよ……」
「じゃあ5秒だけ。はい、どうぞ」

 突然の時間制限に、戸惑うリグル。

「ええっ!?」
「あと3秒」
「え!? ちょ、わ、私を女にして欲しいの!」
「……」
「……」

 無言が、痛い。
 リグルはリグルで、自分の言った言葉に顔を赤くして固まる。
 霊夢は、口を開けたまま、ぽかーんとしている。
 虫の鳴き声だけが、妙に五月蠅い。

「えーと……それって」
「ち、ちが!? 私を女にして欲しいわけで、いや、違くて、えと、あぅ……」
「あぁ、もう! 落ち着きなさい。とりあえずさ」
「う……」
「部屋、行く?」
「う、うん」

 この霊夢の言葉も、意味を取り間違えると大分恥ずかしい言葉なのだが、二人とも気付かない。

 そして、床の間。
 卓袱台前に、ちょこんと正座しているリグル。
 霊夢はお茶を入れに行った。
 珍しいものを見るかのように、目を輝かせて部屋を見渡す。

「別に何も珍しいものは無いわよ」

 霊夢が、お茶をリグルの前に置く。
 熱い湯気が、少し鬱陶しい。

「私からすれば、全部珍しいから」
「ここ、かなり簡素よ?」
「それでも、普段は見ないものばかりだし」

 畳に卓袱台、木製の箪笥に、先日河童に取り付けて貰った新しい明かり一式。それくらいしか無い。年相応の女の子らしいお人形やらは、一切無い。
 それでも、普段こういう物に触れることの無いリグルにとっては、十分珍しかった。

「で、えーと……女にして欲しい、だっけ?」
「え、ゃ、だから違くて……」

 リグルは顔に紅葉を散らして、わたわたと慌ただしく両手を動かす。

「落ち着きなさい。はい、深呼吸」
「し、しんこきゅー……」
「吸ってー」
「すぅー」
「吐いてー」
「ふぁー」
「吸って吸って吸って吸って吸って!」
「すぅーすぅーすぅーすぅーすぅー……ごふっ!」

 せき込むリグル。ちょっと涙目になっていた。霊夢からすれば、こんなことに引っ掛かるとは……といった感じだった。
 呼吸が正常に戻ったリグルが、涙目のまま霊夢を睨む。

「そんな熱いまなざしを向けられても、ごめんなさい。私はリグルの気持ちに応えられない」
「何の話さ! というか話を戻そう!」
「キモ虫」
「戻しすぎ!? 真面目に聞いてよ!」
「はいはい、分かったわよ」

 うー、と唸るリグルを軽く流す。

「で、本当はどういう意味なわけ? 女にして欲しいって……」
「私、男の子に見られることが多いの」
「あぁ……ぺったんこだもんね」
「うぐぐ……否定出来ない。それで、どうしたら女の子っぽくなれるかなぁ、って」
「……何で私に相談?」
「妖怪人間問わず、みんな霊夢に相談来てるって聞いたから」
「あー……」

 確かに妖怪人間種族問わずに、みんな霊夢の元へよく訪れる。霊夢からすれば迷惑なだけなので、適当に相手をして、帰らせるのだが。

「じゃあ、服装を変えれば良いんじゃない?」
「服装を? でも、これ以外の服持って無いし……」

 俯くリグル。

「私の服着てみる? 巫女服でも、大分印象変わるわよ」
「え、でも……」
「私も巫女服以外を着てみたいし」
「え? 私の服着るの?」
「交換で」
「……分かったわ」



 少女、着替え中につき、しばらく音声のみでお楽しみ下さい。

「んっ……ちょっとあんたの服キツいわね」
「破かないでよ」
「大丈夫よ」
「霊夢、巫女服ってどうやって着るの?」
「あぁ、分からないのね。ほら、動かないで」
「ひゃあ!? な、何して……」
「さらしを巻いてるの」
「うわっ……ちょっと擦れるって!?」
「慣れれば大丈夫よ」
「んっ、キツいキツい!」
「あ、ごめん。はい、次は巫女服ね」
「う、うん」



 少女、着替え終了。



「あら、似合ってるわよ」
「ん、ちょっとぶかぶかだけど」

 霊夢より少しだけ、リグルは小さい。胸も。そのせいで、ぶかっとさせた巫女服を身に纏っているリグル。手が半分しか出ていない。
 それとは逆に、霊夢はちょっとキツそうにリグルの服を着ている。
 なんというか、巫女服以外の霊夢は凄く新鮮で、しかも意外に似合っていた。

「やっぱり服も原因の一つだったんじゃない? 私、何か男の子になった気分よ」
「私は、自分じゃ分からないけど……どうかな?」
「ん、可愛い可愛い。ちゃんと女の子ね」
「そ、そう? えへへ~」

 少し頬を赤くして、その場で一回転する。
 霊夢は、自分自身の身体を見ている。
 互いに珍しいのだろう。

「でも、下がちょっと……」
「ん?」
「す、スースーして……は、恥ずかしいかも」
「あー……ズボン派にはちょっと違和感あるかもね。そう言えば、あんたはドロワーズじゃないしね」
「ちょ、そういうこと言わないでよ。仕方無いじゃない。ズボンじゃあ、ドロワーズはちょっと……」
「それにしても意外だったわ。あんな可愛い純白のショーツだなんて」
「だから言うなぁ!」
「ふむふむ、なるほど」
「ふぇ!?」

 霊夢とリグルの間に、文が居た。
 いつの間にやら文が居た。
 ニコニコ笑顔で文が居た。
 リグルと霊夢、二人揃って蹴り飛ばした。

「いきなり何するんですか!?」
「こっちの」
「台詞だ!」

 抗議をする文に、霊夢とリグルは怒る。

「いえいえ、何か面白いそうでしたから」
「どこから居たの?」
「ついさっきです」
「本当は?」
「着替えのシーンから」
「くたばれ!」

 霊夢が、かかと落としをしようとするが――

「ま、待って下さい! 良いアイディアがあるんです!」
「良いアイディア?」

 ぴたりと止める。
 リグルも霊夢も、文の言葉に耳を傾ける。

「リグルさん、あなたは女の子らしくない、と悩んでいましたね?」
「う……うん」
「私が新聞で今日のリグルさんを広めたら、リグルさんの女の子イメージが幻想郷中に広まりますよ!」
「あー! 良いんじゃない?」
「え、でも……ちょっと恥ずかしい、かな」

 顔を赤くして、頬を指でかくリグル。
 巫女服効果もあって、とっても可愛らしかった。

「リグルさん! 今のあなたは可愛いです! 自信を持って!」
「ぅ……でも」
「良いんじゃない? 私も可愛いと思うわよ」

 霊夢は逆に、服の効果があってか、白い歯を見せながら笑うその仕草は、格好良かった。

「じ、じゃあ……その、お願いしよう……かな?」
「分かりましたぁ! それじゃあ、作って来ます!」
「あ……逃げたわね」

 文は敬礼し、速攻で二人の視界から消えた。
 霊夢は、結局とどめを刺せなかったことに、小さく舌打ちした。

「あの、霊夢」
「んー?」
「今日はありがと」
「お礼を言うなら賽銭箱へ」
「お金持ってないよ」
「でしょうね」

 互いに、小さく笑った。
 結局、霊夢は予備の巫女服を一着だけリグルにあげた。
 少し遠慮はしていたものの、最終的には霊夢が強引に押し付けるようにして渡した。
 リグルは、良い笑顔でお礼を言って帰って行った。





◇◇◇





「リグル、女の子っぽいね」
「リグル、お前ってこんなにも女の子だったんだな」
「見事な女の子ね。リグル」
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁん!」

 次の日、リグルは新聞を読んだ魔理沙やらいろんな人物に女の子だね、と言われた。
 それもそうだろう。
 新聞の一面には、リグルが純白のショーツとさらしのみの姿で、綺麗に写っていたのだから。やはり主にショーツが、衝撃的だったようである。
 リグルは泣きながら、味方になってくれるだろうかつ、事情を知っている唯一の人物、霊夢の元へ向かった。

「霊夢ぅ~」
「うん、立派に可愛い女の子ね」
「ふわぁぁぁぁぁん!?」






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