絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

今日は何の日? 二本立て!

7月7日記念日SS。
永遠亭とゆかてん。






 『今日は何の日?』その1.七夕。



 今日は七夕。
 みんなが笹を用意し、慌てながらも、どこか楽しそうな雰囲気が漂う。



「輝夜よ」
「何かしら、妹紅」
「何故私は、永遠亭で短冊を作っているんだ?」
「妹紅、喋っている暇があったら手を動かしなさい」
「あ、悪い……って違う!」

 輝夜の自室で、妹紅と輝夜が短冊を作っている。
 膨大な数の紙を、丁寧にハサミで短冊の形に切り取る。

「妹紅、暴れないでよ。紙が飛んじゃう」
「あ、ごめん……ってだから違う! 何で私がこんなことを」
「お願い、手伝って……」
「う……」

 立ち上がった妹紅を、上目遣いで見つめる輝夜。幼さが残る顔立ちなのに、どこか言葉が発せられない程の美しさを帯びている。輝夜の存在の前には、男は平伏し、女は嫉妬すら出来ない美しさに、目を奪われる。
 それは、妹紅も例外では無かった。
 憎い筈なのに、たまに見せるこの表情には、弱かった。

「因幡たちを喜ばせたいの」
「えと……」
「お願い、妹紅」
「あー……」
「ね、妹紅」

 妹紅の右腕に、ギュッと抱き付く。

「あー、離れろ! 分かったから!」
「ふふ、ありがとう」

 先程までの美しさとは違い、今度は可愛らしい笑顔で笑う輝夜。

「くそぅ……反則だ」
「何が?」
「何でも無い! ほら、さっさとやるぞ!」
「えぇ、間に合わせなきゃ」

 作業を再開する二人。
 それをニヤニヤと、天井裏から見る永琳。
 仲良いことは美しきかな、と微笑みつつ二人を障子の隙間から眺める慧音。

「あーこら、ちょっとずれてるぞ」
「むぅ~」
「お前、器用に見えて不器用だよな」
「むむむ……」

 そんなことは気付かずに、仲良く作業する二人だった。




◇◇◇





「どーしたの、鈴仙」
「てゐ……」

 因幡たちが、きゃいきゃいと笹に群がっている中、鈴仙は因幡たちとは離れた場所に立っていた。
 どこかぼーっとしていたのか、話しかけられるまで、てゐが近寄っていたことに気付かなかったようだ。

「姫様も粋なことをするよね。みんなの短冊、わざわざ作るなんてさ」
「そうね……」

 てゐの言葉に、夜空を見上げたまま、ただぼんやりと返す鈴仙。
 そんな鈴仙の態度に、てゐはわざとらしく頬を膨らませる。
 そして、

「えいっ!」
「ぐっ……!?」

 割と本気で、鈴仙の腹部に飛び蹴りをかました。
 突然の痛みに、膝から崩れ落ちる鈴仙。

「て……ゐ、あんたねぇ!」
「鈴仙はさ、よく月を見上げているよね」
「え?」

 怒ろうとしたが、てゐに言われた言葉に固まってしまう。

「な、何で知って……」

 あたふたと忙しそうに、腕を上下に振る鈴仙を見て、てゐは額に手をあてながら、呆れたように溜め息を吐く。

「分からないわけないじゃん。分かり易すぎ」
「う……」

 ハッキリと言われて、ぐさりという効果音が聞こえるかのように、鈴仙はダメージを受けた。

「ねぇ、鈴仙。上を見るのも良いけどさ、たまには下を見ないとダメになっちゃうよ」
「下?」
「鈴仙が今立っているのは何処? 月じゃないよ。幻想郷だよ」
「それは……」

 ゆらりふらりと、鈴仙が不安定に見えた。

「あーもうっ! そんな表情禁止!」
「え、ちょ!? てゐ!?」

 鈴仙の手を、引っ張るてゐ。

「ほら、あっちでみんな待ってるよ!」
「だからって、そんな強引に……」
「私の前で暗い顔してた鈴仙が悪い! せめて今、ううん、これからずっと幸せにしてあげる」

 悪戯っぽい表情でそんなことを言うてゐに、鈴仙はぽかんとしている。

「何でそこで、ぽかーんなのさ」
「いや、だって……どんな反応したらいいか」
「う~ん、そうね……じゃあさ、笑ってよ」
「え?」
「笑ってくれれば、それで良いの!」
「……うん。ありがとう、てゐ」

 鈴仙は、笑ってみせた。
 それを見たてゐが、言葉を発する。

「うっわ、ぎこちない笑顔……気持ち悪っ!」
「な!? こら、てゐ!」
「あははー」

 笑って逃げるてゐを、追いかけ回す鈴仙。
 笹に群がる因幡たちを、整列させている永琳と慧音。
 輝夜をからかおうとして、逆にからかわれてしまっている妹紅。
 永遠亭は、今日も賑やかです。






 『今日は何の日?』その2.ゆかたの日。





「天子、今日は何の日か分かる?」
「きゃぅっ!?」

 自室で桃型お手玉を使い、遊んでいた天子の目の前に突然、紫が現れた。そして、驚きのあまりに、桃型お手玉を紫の顔に投げ付けてしまった天子。
 余談だが、桃型お手玉は天界の人気商品だ。しかし、発売当初、「これは桃では無く、お尻ではないか?」と発売禁止になりかけた。結果、お尻と発言した天人が、罰せられる形になった。
 つまり、お尻に見えなくもないそれが、紫の顔に直撃したわけで。

「え……と、紫?」

 冷や汗を流しつつ、声を掛けてみる。

「ふ、ふふ……」
「ひっ!?」

 ゆらりふらりと立ち上がり、気味悪く笑う紫は、ただ怖かった。思わず、天子は震えながら後ずさる。

「この天人は……人に物を投げるなんて、躾がなっていないわねぇ……」
「だ、大体あんたが変な登場の仕方をするから!」
「あら、素直に謝ることも出来ないなんてね。本格的に躾が必要かしら」
「きゃっ!?」

 紫に足払いをかけられ、背中から倒れそうになる――が、地に着く前に紫がふわりと抱き留めた。お姫様抱っこで。

「ちょっと! 降ろしてよ!」
「今日は何の日か当てられたら、降ろしてあげる」
「今日?」

 紫の腕の中で、むぅむぅ唸る天子。
 そんな姿は、とても長い時間を生きている天人には見えない。

「あ!」
「分かったかしら?」
「もちろんよ!」

 ふふん、と得意気に笑う天子。
 紫は、そんな天子を見て小さく笑う。

「では、チャンスは一度」
「今日は……七夕よ!」
「はい、ハズレ~」
「へ? ちょ、何でよ!? って、きゃぁぁぁ!」

 紫はニコニコと笑顔で、天子をベッドに降ろす。そして、服に手を掛けた。
 顔を赤くして、暴れる天子。

「何すんのよ!? やっ、離せぇ!」
「今日はね、ゆかたの日なのよ」
「は?」
「というわけで、分からなかった貴女に浴衣を着せますわ」
「意味分からない! こら、脱がすなぁ……わ、分かったから! 着るから! せめて自分で脱がせてよぉ……」
「貴女、浴衣の着方知らないでしょう。遠慮しないで、ほら。大丈夫、私は天子の残念な胸を笑ったりしないわ」
「誰が残念だ!」
「まぁ、大爆笑はするけど」
「余計にたちが悪い! きゃぁぁぁ!?」



 ~少女着せ替え中につき、ここからしばらくは音声のみをお楽しみ下さい~


「やっ……紫、ちょっとキツいよ」
「あら、ごめんなさい。でも慣れれば大丈夫だから、ね? ちょっとは我慢して」
「うぅ~……って痛い痛い!」
「あーもう暴れたら……ほら、また最初からに」
「え~……もう、今度は優しくしなさいよ」
「はいはい、分かりましたよ。我侭なお姫様」





 少女着せ替え終了。



「ど、どう?」

 天子の髪と同じ色、青を基調とした浴衣。帯は紫色で、浴衣には淡い水色の水玉模様が点々と付いている。天子の長い髪は、今だけ、首にかかるかかからないかくらいの長さに纏めてあり、いつもの帽子は着けていない。
 どこか、まだ少しだけあどけなさが残った今の表情は、浴衣姿の美しさとのギャップを感じさせるものだった。

「な……」
「な?」
「ナイス貧乳!」
「くたばれ馬鹿!」

 紫が親指をグッと立てて、そんなことを言った。

「まぁ、冗談は置いといて」
「冗談でも言うな!」
「本当に、可愛いわよ天子」

 そんなことを真顔で言われた天子は、

「っ!? な、何言って……」

 顔に紅葉を散らした。
 いつもは、ふざけてばかりの態度をとるくせに、こういう時に真顔でそんなことを言うのは反則だ。天子はいつもの軽口さえ、発せられなくなる。

「ぅー……」
「それ、やっぱり似合ったわねぇ」
「え? この浴衣、紫が選んだの?」
「えぇ、似合うと思ったのだけど、まさかここまで似合うとわね」
「そ、そういうこと平然と言わないでよ」
「何でかしら?」
「その……何か、恥ずかしいっていうか、照れるっていうか……ぅー」

 頬を赤くして俯くその姿からは、いつものような天子は伺えない。

「あらあら、浴衣効果かしら。貴女が大人しい」
「な、悪い!?」
「いえいえ、悪くありませんわ。それと、まだ罰ゲームは終わってないわよ」
「え? まだ何かあるの?」
「えぇ」

 扇で口元を隠す紫。
 天子は、他に何をするのだろうかと、小動物のように首を軽く傾げる。

「一週間後、人里でお祭があるのよ」
「へぇ~そうなんだ」
「その時に、その浴衣を着て私と一緒にお祭に参加するまでが罰ゲームよ」
「ふぇ?」

 きょとんとしてしまう天子。

「ほら、返事は? まぁ、貴女に拒否権はありませんわ」
「えと……私、行って良いの?」
「拒否権はありませんわ」

 紫は、ただ素っ気無くそう言った。
 その言葉に、天子は次第に笑顔になり、

「ありがとう、紫」

 そう言った。
 紫は目を合わせず、顔ごと扇で隠す。

「罰ゲームにお礼を言うなんて、天人はよく分かりませんわ」
「えへへっ!」

 日々退屈な天子に、一つ大きな楽しみが出来た。




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