絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

BAR

7月3日プチに投稿し、1時間もしないで削除してしまった作品。
ここで保管だけしておきます。
もし、読みたいという物好きな方がいらっしゃったら、続きからどうぞ。責任は持てませんが。





「いらっしゃい」
「やぁ、マスター」

 ここは人里に最近出来た店、『あずきBAR』だ。
 人里にあるとはいえ、ギリギリ人里から出るか出ないか微妙な位置にこじんまりとあるお店。
 内装は、木製の丸テーブルと椅子のセットが三つ、あとはカウンター席。お店自体が小さい。灯の役割を果たす物は、蝋燭とアルコールランプのみで、どこか少しだけ薄暗い。店内には静かなメロディーが流れており、どこか落ち着いた雰囲気が漂っている。

「どうしたんだい、お客様」

 バーテンダーの衣装に身を包むこの人は、ルナサ・プリズムリバー。このお店を経営しているマスターだ。
 なんでも、お金が貯まりすぎたから、プリズムリバーたちみんなで何かをしようと考え、この『あずきBAR』を経営することにしたらしい。

「マスター、私また喧嘩しちゃったんだ……」
「それはそれは……」

 帽子を深く被り、ルナサにそう告白するのは魔理沙。
 表情は帽子のせいで、良く見えなかった。
 ルナサは、缶ビールをシェイクしながら聞いている。

「マスター、何か強い酒頼むぜ」
「ちょっと待ってね」

 シェイクされた缶ビールを、河童に作って貰った冷蔵庫へしまう。
 そして、ルナサはカウンターにしゃがみこみ、何かを探しているようだ。

「お客様、お待たせしました。珈琲です」

 ルナサが差し出したのは、珈琲だった。

「おいおいマスター、冗談はよしてくれ。私は酒を頼んだんだ」
「だって、これからその喧嘩した相手に謝りに行くのでしょう?」
「……」
「だったら、お酒の力を借りちゃいけない。時には素直にならないと」
「マスターは厳しいな。でも、何で珈琲なんだ?」

 酒じゃなかったら、紅茶や水やお茶でも良かっただろうに。そう魔理沙は思った。

「この珈琲は、ブラックよ」
「だからどうしたんだ?」
「お客さんの沈んだ心を表している。黒くて深い色。苦いだけの嫌な気持ちを、飲み干してしまえば良いんじゃないかと思って」
「……良く分からないが、とりあえずありがとう、マスター」

 カップの中に、ゆらりやらりと揺れる闇。確かに魔理沙の心情を、表しているかのように見える。
 それを、一気に飲み干す魔理沙。

「あっつ!」
「言い忘れたけれど、熱いよ」
「言うのが遅いぜ。マスター、今日はもう帰る」
「そう」
「アリスにちゃんと謝ってくる」
「それは良いことね」
「お代は幾らだ?」
「118円、次回払ってくれれば良いよ」
「何でだ?」
「さぁ? 気まぐれかな」
「そっか」

 軋む扉を開いて、魔理沙は帰った。
 それと入れ替わりに、新しい客が入って来る。





「マスター、お酒を」
「どうしたの? お客さん、随分ボロボロだけど」

 新しく来た客は、妹紅だった。何故か服がボロボロだが。

「輝夜にやられてさ。前にマスターにも話したろう? 私の永遠の敵」
「蓬莱山輝夜さん、でしたっけ?」
「そうそう。そいつが、いきなりちょっかい出してきたから」
「争いになった、と」

 袋に入ったフライドポテトをシェイクしながら、妹紅の話を聞いている。

「まったく、嫌になるね」
「でもお客さん、輝夜さんのお話をしている時、笑顔だよ」
「な!? か、からかわないでよマスター!」

 顔を赤くして声を上げる妹紅。
 ルナサは柔らかく微笑み返す。

「私はあいつが大嫌いなの!」
「そう……なら、このお花を輝夜さんに渡せば良いよ」

 どこから出したのか、花を渡す。

「な、何これ?」
「ハナキリンというお花。花言葉が、今のお客さんにピッタリだよ」
「大嫌いとかそういう意味? よし、早速渡してくる! ありがとうマスター!」

 勢いよく扉を開いて、妹紅は帰った。
 一人残った店内で、ルナサは呟く。

「ハナキリン、花言葉は『早くキスして』だよ」

 ルナサはいらんことをした。





 もう時刻は深夜だ。
 閉店間際になって、新しく客がやってきた。

「まだ大丈夫ですか?」
「どうぞ、いらっしゃい」
「マスター、他のお二人はどうしたの?」
「メルランもリリカも、お店に飽きたと。だから私一人で経営中」

 やってきた客は妖夢だった。

「はぁ……」
「悩みがあるなら聞くよ?」
「マスター、私は従者失格なんです」
「どういうこと?」
「幽々子様の気持ちが、主人の気持ちが分からないんです」
「人の気持ちが分かるなんて、普通はありえないよ」
「でも、私は幽々子様に仕える者だから……理解しなきゃいけないんです。マスター、バーボンロックで」
「止めといた方が良いよ。お客さんはお酒に弱かった筈。いつもと同じ、炭酸水水割りにした方が」
「良いんです。酔えば、理解出来るかもしれないから」

 妖夢、ネガティブモードに突入。
 ルナサは、青酸カリ入りお酒をシェイクしながら、妖夢の話を聞いている。

「ふむ。どうしても理解しなきゃいけないの?」
「はい」
「それは、『理解したい』という気持ちじゃなくて、『理解しなきゃいけない』という気持ちなんだね?」
「え?」
「お客さんは、従者としてと義務っぽく言っているけど、本当は従者とか関係無く、自分自身が理解したいと思っているのでは?」
「私自身が……?」
「うん。お客さんは、もう少し肩の力を抜いたほうが良い。自分の気持ちに素直になれば、今まで見えなかったものが見えるかも」
「見えなかったものが……か」

 ルナサは、カウンターにしゃがみこみ、何かを探す。

「はい、お客さん」
「これは?」
「びや……じゃなかった。素直になれるお薬。副作用でいろいろと身体が熱くなるけれど、これを幽々子さんの前で飲むと良いよ」
「素直になれるお薬なんて、あるんですか?」
「まぁ、無いよね。だからこれは、お客さんの背中を少しだけ押してくれるお薬と考えて」
「……いろいろとありがとう、マスター」
「今夜辺りに試してみると良いよ。幽々子さんとの距離が、凄く縮まると思う」

 妖夢は、悩みを聞いてもらえて元気になり、危ないお薬改め素直になれるお薬を持って、帰った。

「閉店だ……」

 ルナサは、表に下げてある『OPEN』の文字が書かれた小さなプレートを『GAME OVER』に切り替える。

「ふぅ、今日もまたお酒を飲む人がいなかったな」

 人里に、ほとんど知られていないルナサ経営の『あずきBAR』は、いつまでも皆さんをお待ちしています。




以下、削除後のあとがき。

読み直してみて、なんだかどうしてもしっくりこなかった。私自身、よく分からない作品になってしまったため、削除に至る。
東方SS | コメント:3 | トラックバック:0 |
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コメント

足運んでよかった。どうも、この場でははじめまして。

喉飴さんが言う没作ってどんなのだろう、と思ってみてみたら、なんか、なぜ削除した、みたいな。
(願わくば創想話の場で見たかった)
普通におもしろかったです。ルナサ姉さんかっこよくて。

まあ、自分で納得できる作品っていうのは難しいですよね。
応援してるぜ、これからもガンバ! つ[栄養喉飴]


2009-07-06 Mon 20:32 | URL | ぼくめつ。 [ 編集 ]
なに毎回変なのシェイクしてるんだルナサ~ww

俺こういうルナサ好きですよ~♪
2009-07-09 Thu 06:42 | URL | [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009-07-25 Sat 14:56 | | [ 編集 ]

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