絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

王様ゲーム

ゆかてん話。創想話投稿作品。
さとりんも出るよ!





 現在宴会中。
 今までで、一番かもしれないくらいに、大規模な宴会だ。
 普段と違い、今回は地霊殿のメンバーや我侭天人までもが参加している。場所はもちろん博麗神社。
 みんながみんな、好きなように酒を飲み、ギャーギャーと騒ぐ。
 そして場が盛り上がってきたところで、魔理沙が叫んだ。

「よーし! 王様ゲームやろうぜ!」
「いえーい!」
「にゃーん!」
「やろうやろう!」
「何それ?」

 知らない者も複数居たため、魔理沙は一度全員にルール説明をする。
 そのルール内容やゲーム性を聞いた者たちは、面白そうだと目を輝かせていた。
 大量の割り箸を使い、準備を始める。

「先日はどうも」
「古明地さとり……貴女のとこのペットのせいで、本当に大変だったわ」

 紫とさとり。珍しい組み合わせが、お酒の入ったコップ片手に会話をする。

「どうしましたか? 一点ばかりを見つめて」
「……別に」

 紫の視線の先には楽しそうにはしゃぐ天子がいた。今はレミリアとワインを飲みながら話をしている。これもまた珍しい光景だ。宴会という場だからこそ見れる場面である。

「あぁ、なるほど。彼女が気になると」
「本当に嫌な能力ね」
「ふむふむ、『いつもは私にばっかりくっついて来るくせに、他のやつとあんなに楽しそうにしちゃって……』ですか。案外独占欲が強いのですね」

 実際、紫と天子はそんなに仲は悪く無い。
 天子はしょっちゅう紫に付きまとうようになったし、紫は溜め息を吐きながらも、なんだかんだで拒絶はしない。
 傍から見れば、仲良い二人だ。
 ただ、それを指摘すると必ず二人揃って、ありえない、と認めない。素直じゃない二人なのだ。

「捻り潰しましょうか?」
「女の子に暴力はいけませんよ。そんなんじゃ、彼女に嫌われてしまいますよ」
「……潰す」

 紫が顔を少し赤くしながら呟く。
 さとりはニコニコと余裕のある笑みを崩さない。
 ここまで紫が感情を激しく表すのも、珍しい。しかし、さとり相手だからこそ、紫はこうなってしまう。やはりそれほどまでに、さとりの能力は厄介なのだ。

「ほうほう、『天子なんて気にならないし、好きじゃない』ですか。確かに私は彼女が気になるのですか、と尋ねましたが、彼女が好きなのですか、とは訊いてませんよ」
「くっ……」
「あらあら、『この女、いつか潰す』ですか。そこまで必死なのでしたら、まぁ彼女のことは気にならないし好きでもない、ということにしておいてあげましょう」

 紫は悔しそうにさとりを睨むが、さとりは滅多に見せない爽やかな笑顔で返した。その態度に、さらに悔しそうにする紫を見て、さとりは楽しそうだった。

「おーい! さとりに紫、早く引いてくれ」
「え?」
「王様ゲームだぞ、ほら」

 魔理沙が二人の前にやってきて、割り箸を差し出す。
 さとりも紫もそれを引いた。
 どうやら二人で最後だったらしく、割り箸は無くなった。

「さぁ! いくぞみんなー!」
「おー!」
「ヒャッハー!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 みんなハイテンションだ。
 ちなみに最後の凄い叫び声はパチュリーだ。

「王様だーれだぁぁぁぁぁ!?」
「あぁ! 違ったぁ」
「う~ん残念」
「違ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 みんながそれぞれの割り箸を見て、わいわい騒ぐ。
 ちなみに最後の凄い叫び声はパチュリーだ。
 王様は誰だ誰だと、ざわざわし始めた時、さとりが静かに手を上げた。

「王様です」
「さとりかー」
「面白そうな展開」
「あやややや」
「妬ましいわ」
「お姉ちゃんすごーい」
「運命を操れば良かったかしら……」
「あっぱれ!」

 みんなが楽しそうに声を上げる。
 ちなみに上から順番に、さとり、勇儀、魔理沙、文、パルスィ、こいし、レミリア、妖忌。
 紫は別に興味なさげに、ただ目の前をぼーっと見ていた。そんな紫を見て、さとりは妖しい笑みを一瞬浮かべる。

「紫さん。彼女のこと、好きでもないし気にもならないのですよね?」
「そうよ、むしろ嫌いなくらいだわ」

 バレると分かっていても、そう言う紫。もちろんさとりには本心が分かっている。

「おい、さとり。命令は何にするんだ?」
「そうですねぇ……」

 魔理沙の言葉に、わざとらしき考える素振りをするさとり。本当はもう決まっているのだが。
 みんながドキドキと待つ。

「なら……21番の人が私にキスで」
「うぉぉぉぉぉぉ!」
「さとりからそんな命令が聞けるとは」
「大胆だなぁ」

 普段のさとりのイメージからは想像出来ないような意外な命令に、場が最高潮に盛り上がる。

「21番誰だ?」
「あー……私よ」

 控え目に手を上げる天子。命令内容が内容なだけに、恥ずかしいのかもしれない。
 紫は大きく目を見開いて驚いた後、隣りのさとりを見る。

「えへ。21番がまさか彼女だとは。でも紫さんは彼女が嫌いなんですし、どうでもいいですよね」
「……本当に最悪ね、あんた」

 会場の心を読み、誰が何番か分かったのだろう。
 さとりの意地悪そうな笑みに、紫は己の額に手をあてて呟いた。

「ほら、天子早く」
「わ、分かったわよ!」

 みんなに急かされて、さとりの側までやってくる天子。さとりはニコッと微笑む。それが可愛らしくて、ドキドキしている天子は少し顔を赤くする。
 そんな二人を見て、実に不快そうな表情を紫は浮かべていた。

「天子さん、でしたっけ?」
「は、はい」
「ふふ、そんな緊張しないで。楽に話してみて」
「え、えぇっと……やっぱりその場のノリとはいえ、こういうのは……それに私たち初対面だし」
「天子、命令は絶対だぞー」

 みんながそう言って、さらに盛り上がる。

「ねぇ、さとり。嫌がってる女の子の唇を奪うのはどうかと思うわよ」
「あらあら紫さん」

 さとりの肩に手を置いて、笑顔でそう言う紫。ただ、目が笑っていない。

「でも仕方無いですよ。ルールですから」
「ルールとはいえ、どうかと思うわ」
「でも、もう会場がキスをしないと駄目な空気になってますよ」

 会場はキスコールだ。
 みんなアルコールやらでテンションが高い。キスをしなくては、物凄い非難を浴びるだろう空気だ。

「で、でも初対面の人にいきなりキスは……」

 天子が恥ずかしそうに呟く。
 その言葉に、さとりは目を光らせる。

「では、初対面じゃなければ良いんですね?」
「え?」
「では命令内容を変えましょう。紫さんにキスして下さい」

 会場が、一瞬静まり返った。
 そして、次の瞬間には今まで以上の盛り上がりの声。紫にキスなんて、面白いことこの上ない。

「紫にキスかー」
「こりゃあ面白い」
「今後一生見られないシーンかもね」

 わいわいと騒ぐ。

「な、なんで紫なのよ!?」
「初対面じゃあ無いでしょう? それに紫さんと貴女はそれなりの交流があるみたいですし」
「ちょっと待ちなさい、古明地さとり」
「あら、どうしました紫さん。そんな怖い顔なさって」

 さとりの態度で紫は完全に分かった。
 最初から目的はこれだったのだと。さっきまでのは、からかいのためだったのだと。

「素直になれない誰かさんのために、舞台を用意してあげました」
「余計なお世話よ! 大体なんで私が天子と……」
「あら、じゃあやっぱり私とキスにしますか」
「ぐっ……」
「ゆ、紫」

 紫が呼ばれた方向に顔を向けると、天子が顔を赤くして立っていた。
 何故かつられて紫も少し赤くなる。

「天子さんはどちらが良いですか? 紫さんと私」
「え!? えと、その……ゆ、紫」
「あらあら、振られちゃいました」

 クスッと笑って、さとりは紫を見る。
 紫は今の天子の言葉に、顔に紅葉を散らしていた。

「紫、お願い。私と……キスして」
「っ!?」

 中々したがらない紫にお願いする天子。このままではさとりとのキスになってしまうため、お願いをしたが、傍から見れば大胆な言葉だ。
 萃香やら魔理沙やら調子の良い者たちが、わざとらしくきゃーきゃーと叫ぶ。

「あぁもうっ! 仕方無いわね! ほら、ちゃっちゃっと済ますわよ!」
「う、うん!」

 天子が紫の肩にそっと手を置く。
 互いに、少しずつ近付く顔。
 いつの間にか、みんな静まり返っていた。さとりも、二人を静かに見つめていた。
 吐息を感じる距離。高鳴る鼓動。

「んっ……」

 唇が重なった。
 予想していたよりも、柔らかくて弾力がある。
 子どもみたいに、ただ唇を重ねるだけのキス。けれども、温かい。
 時が止まったかのような錯覚に陥る。
 呼吸の仕方を忘れてしまったのではないかというくらいに、苦しい。
 どれくらい時間が経っただろうか。しばらくして、二人は離れた。

「え、えへへ……」
「っ……」

 恥ずかしそう笑う天子と、自分の唇を手のひらで覆い、俯く紫。
 その瞬間、今日一番の歓声が上がった。
 止まっていた時間が、再び動き出したかのようだった。

「お疲れ様です。これで私の王様は終了ですね」

 ニヤニヤとした表情を浮かべて、そう言うさとりに、二人はただ顔を赤くするだけだった。
 王様ゲームは第ニ戦への準備に入る。

「ゆ、紫」
「何よ?」
「その……あ、ありがと」
「お礼を言われる筋合いは無いわよ」
「あらあら、お二方ともお熱いですね」

 くすくすとさとりにからかわれる。
 天子は、恥ずかしさに耐えられなくなったのか、ちょっとお酒を貰ってくる、と言って走って行った。
 紫はさとりを睨む。

「良かったですね。彼女と距離が縮まりましたよ」
「えぇ、おかげさまで百歩以上は縮まったと思うわ」

 紫の睨みを笑顔でかわす。

「次に私が王様になったら、絶対に貴女を恥ずかしい目にさせてやるわ」
「へぇ……楽しみですね」
「貴女と貴女の妹、こいしだったかしら。私たちよりも深いキスをするように、って命令してあげる」
「そ、それはちょっと困ります……」

 苦笑い気味のさとり。



 結局次の王様ゲームで、紫はあらゆる手を尽くしてそれを実現させた。

「こ、こいし……さすがにこんな大勢の前で」
「だいじょーぶ! 私、お姉ちゃん大好きだから」
「ちょ、こいし!」

 それを紫は、凄く満足そうに眺めていたそうな。もちろん、紫の隣りには天子が顔を赤くして、それを見ていた。



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コメント

ゆかてんSSキタ━(゚∀゚)━!
そして何ですかこの甘い展開はww
女の子だらけの王様ゲームとか、最初からわくわくしまくりですよ・・・
ゆかりんは終始クールにふるまっているのに
内心のドキドキがさとりのごとく読み取れましたw
さとりんGJ!!
2009-06-29 Mon 18:25 | URL | ひの [ 編集 ]

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