絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

蜂蜜よりも甘く

プチ投稿作品。レミフラ糖分100%(表用に柔らかくした。実質90%)




「喉が痛い」

 そんなフランドールの一言から、レミリアは発狂するほど心配した。一気にフランドールを無理矢理押し倒して、ベッドに寝かせるレミリア。
 その後、どうしようどうしようとパチュリーに泣きながら尋ねに図書館へ行くと、鬱陶しい、と言われ、賢者の石と小悪魔を時速182kmで投げ付けられていた。
 結構なダメージを負うが、レミリアはこの程度で倒れない。

「パチェ! 私の妹が喉痛いって言ってるのよ!?」
「吸血鬼なんだから大丈夫でしょうに」
「鬼! 悪魔! 引き籠もり魔女! 読書家! 博識!」
「はぁ……レミィは本当に妹様のことになるとおかしくなるわね」
「それほど心配なのよ」
「妹様の前じゃあ、素っ気無い態度をとっているくせに」
「仕方無いでしょう! カッコいい姉でいたいじゃない!」

 頬を膨らませてそんなことを言うレミリア。その姿は、子どもっぽい。
 レミリアがこんな姿を見せられるのは親友のパチュリーだけだ。長い付き合いの美鈴や、絶対信頼を置く咲夜にさえ見せない。パチュリーという友人の対等関係だけが、レミリアをこうしてリラックスさせる。

「で、何故私の元へ来たのよ?」
「パチェは意地悪だ。私が何故来たかなんて分かっているでしょう?」
「喉に良い何か、を教えて欲しいということかしら?」
「流石パチェ。教えてくれるかしら?」

 パチュリーは考えるように目を瞑った。
 レミリアは黙ってパチュリーの返答を待つ。

「蜂蜜」
「え?」
「喉には蜂蜜が良いと聞いたことがあるわ。咲夜に言えば蜂蜜くらい用意してくれるでしょう。それを妹様に与えると良いかも」
「蜂蜜かぁ……分かった。ありがとうパチェ!」
「妹様にお大事にって言っておいて」
「分かった」

 パタパタと羽を上機嫌に動かしながら、レミリアは図書館を後にした。





◇◇◇





「というわけで蜂蜜ちょうだい。咲夜」
「どれくらい必要ですか?」
「え?」

 パチュリーに言われたことは蜂蜜を与えると良い、だけだったため、どれくらい必要かは教えられて無い。
 しかし、今さら戻って訊くのも面倒だったレミリアは、かなり思い切ることにした。

「思い切って一壺分」
「それはまた……どこぞのクマさんみたいですね」

 二人の脳裏に一瞬だけ、蜂蜜壺を抱えた某クマさんが浮かんだが、運命操作でそんなクマさんはいなかった運命に無理矢理変えて、忘れることにした。
 咲夜が少し大きめの壺に蜂蜜を入れる。

「でも、咲夜」
「はい?」
「そんなに貰っちゃっても大丈夫? 支障は出ない?」
「大丈夫ですよ。つい最近大量に仕入れましたから。この壺の二十倍はあります」
「なんでまたそんなに……」
「三壺分くらいは美鈴が買いました。なんでも、胡座かきながら門前で蜂蜜舐めて、のほほんとしているのが最近好きらしく」

 二人の脳裏に、先ほどのクマさんの顔が美鈴に変わった映像が浮かぶ。レミリアはもう、どうでもいいや、と思うことにした。

「どうぞ、お嬢様」
「ありがと、咲夜」
「いえいえ、お嬢様のためなら例え火の中水の中草の中森の中、土の中雲の中お嬢様のスカート中まで行きます」
「やめなさい」

 咲夜の軽い冗談をいつもと同じように軽く流す。
 そして、レミリアは無事に蜂蜜の入った壺を受け取った。
 意外にも重いが、吸血鬼であるレミリアには片手で軽く持てる程度に感じられた。

「それじゃあ、咲夜」
「妹様にお大事にと伝えておいて下さい」
「分かったわ」





◇◇◇





「フラン、入るわよ?」
「どうぞー」

 地下の部屋。
 重たく厳重な扉の向こうから、この重苦しい雰囲気に不釣り合いな可愛らしい無邪気さを帯びた声が聞こえた。

「調子はどうかしら?」
「お姉様は心配しすぎ。ちょっと喉が痛いだけだって」
「ダメよ。風邪でも引いたら危険。風邪は万病の元ってパチェが言ってたわ」
「それは説得力あるね」

 風邪をこじらせて、それでも本を読もうとして小悪魔に怒られるパチュリーが、二人にはなんとなく脳内に見えた。
 レミリアは、フランドールのベッドに腰掛ける。
 寝転がっていたフランドールが起きようとするが、レミリアが制する。

「良いから寝てなさい」
「むぅ、風邪じゃないってば」
「ほら、良い物持ってきてあげたから大人しくしなさい」
「良い物?」

 首を傾げるフランドールに、レミリアは持っていた壺の中身を見せる。
 中には咲夜から貰った、蜂蜜がたくさん詰まっている。

「何これ?」
「蜂蜜よ。実は蜂蜜は喉に良いのよ」

 パチュリーに教えられたことを、さも自分の知識ですよ、みたいに語るレミリアを見てフランドールは笑う。

「どうせパチュリーが教えてくれたんでしょ?」
「もう……何で分かるのよ?」
「態度を見れば分かるよ。お姉様のことだもん」

 全てお見通しだ。そんな感じでフランドールはレミリアに笑いながら言った。なんだ、まるでこれじゃあ私がピエロみたいじゃないか、とレミリアは少しぶすっとする。

「でもさ、お姉様」
「んー?」
「どうやって舐めるの?」
「あ……」

 壺の蜂蜜。
 食器も何も無い。
 なんとなく、無言になる。

「手……」
「直に!?」
「某クマさんみたく舐めれば良いじゃない!」
「逆ギレ!?」

 しかし、レミリアの言う通り、手で舐めるしかない。

「仕方無いか」
「ゴメン、フラン」
「ううん、良いよ。ありがとうお姉様」

 手を壺に入れて、蜂蜜をすくう。
 ベトベトとした感触にひんやりとした冷たさが、フランドールの手に纏わりつく。

「んっ……甘いよぉ」
「美味しい?」
「あむっ……うん! お姉様もどう?」
「そうね……」

 フランドールが無邪気に笑顔を向ける。
 レミリアはふとフランドールの指に目がいった。蜂蜜が絡み付いて、きらきらと光っている。白く細い指先が、そこにある蜂蜜が、レミリアは誘っているように見えた。

「いただこうかしら」

 そう言って、フランドールの手のひらを優しく掴み、レミリアはその指先を口に含む。

「ちょ、お姉様!?」

 慌てるフランドールを無視して、舐める。
 指先、指と指の間、手のひらまでぴちゃりと舌で舐めあげる。
 フランドールはくすぐったそうに、ピクッと震えた。

「ゃあ……お姉様、くすぐった、ひゃぅっ!」

 レミリアは一心不乱に舐め続けた。
 フランドールは抵抗しようにも、くすぐったさと何とも言えない感覚が脱力を誘う。

「ん、甘いわね……」
「はぁ……くすぐったいって言ってるのに……」
「ごめんなさいね。あまりにも美味しかったから」

 そのセリフにフランドールは、思わず顔を赤くする。

「でも、もっと欲しいわ」
「もう私の手には付いてないよ。壺の中の取ってよ」
「いいえ、まだフランにあるじゃない」
「え、ちょ、ま、待って!」

 じりじりと歩み寄る。
 フランドールは後ろに少しずつ逃げていたが、背中に壁があたるのが分かった。その瞬間、逃げ道は無くなった。
 レミリアがフランドールの両頬をそっと両手で包む。
 そして、顔を近付けて、唇を重ねた。

「んっ!?」
「んぅ……」

 斜めに角度を変えて、何度も何度も小鳥が餌を貰う時のように啄む。
 重ね合ううちに、呼吸を求めてフランドールが口を開いた。
 その瞬間、レミリアは再び唇を重ねて、舌を侵入させた。
 小さい口内を所狭しとレミリアの赤い舌が暴れ回る。

「んっ……ぅ、ん」

 口内にある蜂蜜を舐め、フランドールの小さな舌を捕らえる。
 絡まり合うことで、粘着質な音が響くが、そんなことは全く気にせずに行為に没頭する。
 甘く、深い行為。ぴちゃりくちゃりという音。
 慣れない感覚に、互いに脳が痺れる。
 そして、離す。温かさが、蜂蜜と唾液の混じった甘い糸を引くと共に失われた。

「ぷはぁっ……はぁっ……」
「ん、美味しかったわよ。フラン」

 頬を紅潮させ、息をするのがやっとのフランドールに、ニヤニヤとした表情でそう言うレミリア。

「お姉様の……ばか」
「馬鹿で結構。フランが愛せるならね」

 どこまで甘い、蜂蜜よりも甘い匂いと雰囲気が、部屋中をしばらく包んでいた。

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