絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

パチェットモンスター!

創想話投稿作品。まさかの5000点超えで驚きました。
ずっと練って温めていたネタなので、かなり気にいってる作品です。まぁギャグは苦手なんですけどね。







 ドロワ・さらし・ショーツ、幻想郷全ての女性の下着を集めた女、隙間妖怪八雲紫。

 彼女が隙間から消える前に放った言葉は、女性たちを幻想郷中へと旅立たせた。

「私が集めた下着? 欲しければくれてやるわ。探しなさい! この幻想郷の全てをそこに置いてきた!」

 幻想郷の強き女性たちは、下着を求め旅立つ。
 世はまさに、下着争奪戦時代!











「パチュリー、この小説つまんないよ~」

 フランドールは持っていた文庫本を閉じる。

「あら? 暇潰しにならなかったかしら?」
「うん。なんていうか面白く無い」

 フランドールがあまりにも暇だ暇だと喚くから、パチュリーが30分かけて小説を書いた。が、お気に召さなかったようだ。

「あ~あ、なんか面白いことないかなぁ……」

 フランドールは椅子に腰掛ける。
 椅子から軋む音が響く。その小さな音さえ、この静かな図書館では響いて聞こえた。

「そんなに暇?」
「うん。最近じゃ誰も来ないし」

 パチュリーは読んでいた本を静かに閉じる。そして、フランドールの方へ向く。

「分かったわ。明日には面白いものを見せ、そして体験させてあげる」

 パチュリーの言葉にフランドールは目を輝かせる。玩具を与えられた子どものように眩しい笑みを浮かべながら。

「本当!?」
「えぇ、約束するわ。実験もしたいし」
「実験?」
「あぁ、こっちの話よ。さぁ妹様、明日を楽しみにしておいて」
「うん!」

 フランドールは約束だよーと言って自室へ戻った。

「さて、と」

 パチュリーは明日のための準備を始めるべく立ち上がる。
 明日の計画を実行させるには紅魔館に居る者全ての協力を得る必要があった。

「急がなきゃ間に合わないかも……」

 そう呟き、パチュリーは動き始めた。





◇◇◇





 パチュリーとの約束の日。フランドールは約束に期待してパチュリーの居るであろう図書館へ向かっていた。

「あれ……?」

 しばらく廊下を歩いていると、違和感を感じた。
 まだ時間的にはお昼時、なのに妖精メイドが一人もいない。
 いつもならば、妖精メイドや咲夜が働いている光景を見るのに、今日は一度もそれを目撃していないのだ。

「たまたまかな?」

 そう思い、とりあえず再び歩くフランドールだが、

「そこまでよぉぉぉ!」
「え? ぅっ!?」

 フランドールは目の前から突然走って来たパチュリーの体当たりを全身で受け、低い呻き声を上げた。

「何するのさパチュリー!?」
「妹様! 今この紅魔館をパチェットボールを持たないで歩くのは危険よ!」
「え?」
「早く図書館へ!」
「えぇ? ちょ、何!?」

 突然の出来事にぽかんとしているフランドールを引っ張って図書館まで運ぶパチュリー。

「パチュリー喘息は?」
「今日は絶好調よ」

 フランドールは、まぁ絶好調じゃなかったらあんな行動をしないだろうと無理矢理自分を納得させた。
 図書館はいつもと同じで、静かだった。

「妹様こっちへ」
「え、うん」

 パチュリーに言われた通り、木製のテーブルに近寄る。
 テーブルの上には、手のひらサイズのボールが三つ、本が一冊置いてあった。

「妹様、昨日約束をしたじゃない?」
「あ、うん」
「その約束通り、楽しい舞台を用意したわ」
「え?」
「ルールは簡単。スペカ及び能力の使用禁止。通常弾幕は可。今紅魔館に散らばっているパチェットモンスターたちを回収出来れば妹様の勝ち。回収出来なければ、妹様の負け」
「パチェットモンスター?」
「そう。私が作った魔法生物、パチェットモンスター。略してパチモン」
「嫌な名前だね」

 フランドールのツッコミを無視してパチュリーはテーブルの上のボールを手に取る。

「そしてこのボールがパチェットボール。パチモンに被弾させればパチモンを捕まえることが出来るわ。弾幕を使って動きを封じるなりして被弾させるのが一番戦略として良いわ」
「ただ被弾させれば良いの?」
「ええ。一度でもパチモンに当てれば回収完了。パチモンは全部で三体居るわ。そして」

 パチュリーは次に、テーブルの上にある一冊の本を手に取った。

「これがパチモン図鑑」
「なんか嫌な図鑑だね」
「パチモンを捕まえたらパチモン図鑑に、捕まえたパチモンの名前が載るわ」
「ふーん。もしかして妖精メイドたちを見なかったのは」
「このために避難させたわ。どう? 遊んでみる?」

 パチュリーの言葉にフランドールは笑顔で、

「もちろん!」

 と言った。
 こんな面白そうな遊びをフランドールが断るわけが無かった。

「じゃあ行ってらっしゃい。ルールを破ったら駄目よ」
「分かってるよ」

 フランドールは図鑑とボールを持って、図書館を出発した。



◇◇◇



 フランドールは廊下を歩いているが、中々パチモンと出会えずにいた。

「う~ん、誰一人歩いてすらないし気配もないし……」

 本当にパチモンなんているのだろうかとフランドールは疑問に思い始めたいた――が、

「きた!」

 とっさに空中に飛び上がり、背後から襲ってきた弾幕をかわす。
 弾幕が放たれた方向を見ると、透き通る程透明な色をし、人の形を成さない魔法生物――スライムが居た。

「このボールを当てればいいわけだ」

 スライムが放つ弾幕を華麗にかわしながら、隙をうかがう。
 スライムの放つ弾幕は非常に少なく、分かりやすい直線的なものだったため、かわしやすかった。
 フランドールが弾幕を放ち、スライムの動きを封じるまでもなかった。

「今だ!」

 フランドールはスライムの頭上に回り、ボールを弾幕に乗せて放つ。
 それは見事に被弾し――

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「えぇっ!?」

 スライムが呻き声を上げながらボールに吸収されていく。

「呪ってやる! 絶対に呪ってやるからなぁぁぁ!?」

 断末魔の叫びを上げた後、スライムは完全にボールの中へ吸収された。
 辺りには静寂だけが残る。

「……後味悪いよ!?」

 やったー。フランドールはスライムを捕まえたぞ。
 スライムのデータが図鑑に表示されます。
 名称:スライム
 身長:常に変わる。
 体重:8g
 性格:意外に照れ屋さん。
 好きな物:林檎しか食べない。
 嫌いな物:弾幕。
 補足:弾幕を使える。低級妖怪レベル。

「要らない……こんな情報要らないよ」

 図鑑を閉じて、ボールを拾い、再び歩き出す。
 正直フランドールはもう辞めたい気持ちがあったが、負けというのが嫌だったため続けることにした。
 こういうトコは子どもらしい性格をしている。

「あと二体かぁ……」

 先程は突然弾幕が飛んできた。
 あと二体がどういう風に襲ってくるかは全く予想がつかない。
 スライムは弱かったが、他の二体がこれ以上かもしれないし、これ以下かもしれないという考えが、フランドールになんとも言えない緊張感を与えていた。
 静寂が漂う廊下。何の気配も全く感じない。
 そんな中、目の前に見慣れた人物が視界に入った。

「美鈴?」
「え? あ、妹様」

 慣れ親しんだ人物に緊張感が解けたフランドールは、美鈴に笑顔で近寄るが――ここでふと疑問が浮かぶ。
 何故咲夜や妖精メイドたちがいない中、門番の美鈴が館内に居るのか、それはもしかしたら、

「どうしました妹様?」
「ねぇ美鈴」
「はい?」
「こんな所で何してるの?」

 フランドールの疑問に美鈴は沈黙する。先程解けた筈の緊張感は、いつの間にか再びフランドールを包んでいた。
 沈黙を破ったのは美鈴からだった。

「流石妹様です。パチュリー様には、もし気付かないで妹様が近寄って来た場合は先制攻撃を仕掛けろ、と言われてたんですけど」

 フランドールは既に美鈴の、空中を飛び、距離をとろうとしている。

「まさか次が美鈴とはね」

 よく見ると、美鈴の帽子にある龍の字がPに変わっていた。

「そのPはパチモンのP?」

 フランドールは弾幕を放つ。手始めに軽い、しかし隙間が狭い弾幕だ。

「いいえ、パッションのPです」
「何で!?」

 フランドールの際どい弾幕を身体能力を駆使し、絶妙に避けながら答える美鈴。

「情熱的にパチモンを演じろ、という意味だそうです」

 このゲームのルールでは、能力の使用は禁止されている。それは美鈴も同じだ。
 気を使っていないのに、避けきるのは普段鍛えてる身体能力のお陰だろう。

「美鈴流石だね!」

 スペルカードが禁止とはいえ、フランドールの通常弾幕が掠りもしない。
 紅魔館の門番はやはり強かった。
 しかし、フランドールだって負けてはいない。
 フランドールは先程から美鈴の攻撃を許してなかった。

「くっ!」

 避け続けるのは、いずれ限界がくる。
 気を使えないとはいえ、美鈴のスタミナは尋常ではなかったが、それでもやはり限界はきた。
 動きが鈍くなった美鈴に、ようやく被弾した。

「今だ! パチェットボール!」

 フランドールの投げたパチェットボールは、見事美鈴に被弾した。

「流石です。妹様」

 にぱっと笑顔の美鈴に、フランドールは疑問に思ったことを尋ねる。

「ねぇ美鈴、何で反撃してこなかったの?」

 そう、美鈴は結局一度も弾幕を放つことも無く負けた。
 いくらフランドールの弾幕が厳しくても、苦し紛れの弾幕一つも無いのは疑問だった。

「妹様は空中に浮いてらっしゃったため私の拳は届きませんから」
「いや、空中に弾幕放てばいいじゃん」
「……その発想はありませんでした!」

 今気付いた、といった表情を最後に美鈴は吸収された。
 やったー。フランドールは美鈴を捕まえたぞー。
 美鈴のデータが図鑑に表示されます。
 名称:紅美鈴
 身長:乙女の秘密。
 体重:乙女の秘密。
 性格:温和である。
 好きな物:平和。
 嫌いな物:特に無し。
 補足:紅魔館の門番。いつもお疲れ様。たまにはゆっくりと休むのもいいんじゃない。

「……スライムと違って普通に書かれてる」

 フランドールは、スライムよりは後味良いな、と思い先へ進んだ。
 なんだかんだであと一体である。
 最初はスライム、次にまさかの美鈴だったから最後は何が飛び出すか分からない。
 警戒しながら歩き出すと、遠くに人影を見つけた。
 フランドールは、相手に気付かれないよう足音を立てずに忍び寄る。

「え? お姉様?」

 思わず声に出してしまう程、フランドールは驚いた。
 その人物は、パチュリーが用意したレミリアにそっくりのミニゴーレムだった。

「私はゴーレムだよ」
「お姉様じゃないの?」
「えぇ、違うわ」

 ミニゴーレムはよく見ると、レミリアより一回り小さかった。
 ともかくこれが最後の一体だと分かったフランドールは、攻撃体勢に入るが――

「ひっ!?」
「え?」

 ミニゴーレムが膝を抱えて震え始めた。
 目には涙を浮かべて、酷く怯えた様子だ。

「えーと……」

 フランドールは攻撃すべきか迷う。
 パチェットボールを当てさえすればいいのだから、と攻撃体勢を解き、ボールを投げる体勢に変える。

「いやっ……やだよぉ」

 が、投げるに投げられない。
 大好きな姉、レミリアにそっくりだからさらに投げにくい。
 しかし、回収しなければ終わらない。

「お願い……やめてよぉ」
「くっ……パチュリーめ!」

 全身を震わせ、涙目のミニゴーレムに向かって、フランドールはボールを投げた。
 泣きながら投げた。
 ちくしょうと言いながら投げた。
 目を瞑り、歯をギリッと鳴らして、投げた。

「痛いよぉ……うぅぅ」
「くっ……」

 次第に吸収されていくミニゴーレム。
 最後にフランドールと目が合ったミニゴーレムは、ただ一言残した。

「私が、何をしたの……?」

 その言葉でフランドールは限界だった。

「最後の最後で後味悪すぎだよ……」

 やったー。フランドールはミニゴーレムを捕まえたぞ。
 ミニゴーレムのデータが図鑑に表示されます。
 名称:ミニゴーレム
 身長:乙女の秘密。
 体重:36kg
 性格:冷静沈着
 好きな物:酸素。
 嫌いな物:窒素。
 補足:かなりの演技派であり、相手の良心を抉るような演技をしてくる。騙されてはいけないわ。

「あれ演技だったの!?」

 こうしてゲームは無事終わった。



◇◇◇



「どうだった妹様?」
「演技とはいえ最後が後味悪すぎだよ」

 フランドールはあの後図書館へ戻り、パチュリーに苦情を言った。
 今は小悪魔が淹れてくれた紅茶を飲んでいる。

「まぁ私としては実験が成功したし妹様は暇が潰せたし良かったじゃない」
「そういえばこれ何の実験だったの?」

 最初にパチュリーが言った実験という言葉がずっと引っ掛かっていた。

「実は美鈴が魔理沙対策に悩んでいたからこのボールを作ってあげていたの」
「え?」
「効果は美鈴自身も体験したし、納得いく物が出来上がったわ」
「……ふーん」

 フランドールはもう何も言わなかった。
 ただ紅茶を啜っていた。
 後日、魔理沙が美鈴にパチェットボールで捕まったという話を耳にしたが、フランドールは、もうどうでもいいやと思い、聞かなかったことにした。



 パチェットモンスター製作スタッフ一覧

 ディレクター:パチュリー・ノーレッジ
 アシスタントディレクター:小悪魔
 プロデューサー:パチュリー・ノーレッジ
 原案:パチュリー・ノーレッジ
 パチモン役:スライム、ミニゴーレム、紅美鈴
 スペシャルサンクス:パチュリー・ノーレッジ
 場所提供:レミリア・スカーレット
 空間提供:十六夜咲夜
 大物役者:ミニゴーレム
 被害者:霧雨魔理沙、ミニゴーレム
 加害者:紅美鈴、フランドール・スカーレット
 黒幕:パチュリー・ノーレッジ
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