絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

純白

静香の誕生日に書いた誕生日SSでしたおめでとう! というわけで、小ネタです。


「静香ちゃん、ちょっとぱんつ見せて!」
「頭強く打ったの?」

 静香がシアターの控え室で台本を読みこんでいる最中、それは唐突にやってきた。勢いよく扉を開けて入ってきたかと思えば、すぐさまソファに腰掛けている静香の元へ駆け寄り、冒頭の一言だ。未来が突拍子もないことを言うこと自体は、珍しいことでもない。けど今回は、内容が内容なだけに、静香も中々に辛辣な対応しかできなかった。
 そしてゆっくりと手元の台本に目を戻し、まるで聞かなかったかのように振る舞う。

「酷いよ、静香ちゃん!」
「酷いのは未来の発言、行動、思考、その他諸々でしょう!」
「そこまで!? 私ぱんつの一言で、どれだけ静香ちゃんの好感度下がったの!?」
「星梨花への好感度を100とするなら、未来は今2ね」
「そんなに!? なんで!? ただ静香ちゃんのぱんつが気になったから、ちょっとぱんつ見せてって言っただけなのに!」
「それがもうおかしいでしょ! じゃあ逆に訊くけど、私が未来にぱんつ見せてって言ったら、見せるわけ!?」
「え? し、静香ちゃん……私の、その、ぱんつ見たいの? うぅ、恥ずかしいけど……し、静香ちゃんになら……。い、いやでもやっぱりダメー!」
「なんでそこで本気の照れが入るのよ! というか、さっきからぱんつ言い過ぎ!」

 未来が部屋に入ってきて、まだ三分も経っていない。
 それなのに、静香はまるで激しい振り付けの曲を一曲歌って踊りきったときと同じくらい、肩で息をしていた。主にツッコミのせいで。
 もういっそ未来のミニスカートを捲って、ぱんつを凝視してやろうか。なんて馬鹿な考えが思い浮かぶくらいには、疲労した。

「はぁ、せめて理由を言いなさいよ。どうせ何か、またおかしなことがあったんでしょ?」
「理由を言ったら、ぱんつ見せてくれるの?」
「そういうこと言ってるんじゃないわよ!」

 きっと何かしらのきっかけがあって、こういうことになっているのだろう。仲の良い静香には、それがわかっていた。何かがあって、それを頭の中でぐるぐるして、結果口に出したことがおかしなことになる。よくあることだった。
 そもそもぱんつを見たいのなら、正直衣装着替えのタイミングやらこっそり見る機会はいつでもあるわけで。
 それなのにわざわざ口に出して言うくらいだから、何かがあったに違いない。静香はそう考えた。

「えっとね、今日静香ちゃんの誕生日だから、誕生日プレゼントを買おうって思ってたんだけど」
「えっ」
「何がいいかなって思ったときに、思いつくものがどれもこれも被っちゃいそうだったから。できれば日常的に使えるものが良いし、けど髪留めとかちょっとした小物類は誰かと被りそうだし」
「……もしかして」
「そこで思ったんだぁ、ぱんつってありなんじゃないかなって。知ってた? パンツフラワーっていう、パンツをお花の形に畳んでラッピングしてプレゼント用にしてくれるトコもあるんだよ!」
「なんでそっちの方向にいっちゃったのよ! 普通に誕生日おめでとう、だけで嬉しいわよ! なんで余計な要素つけちゃったの!?」
「でもそこでもう一つ悩みがあって……静香ちゃんは、どういうぱんつが好きなんだろうって。よくよく考えてみたら、私、着替えのときでも静香ちゃんのぱんつ見てるはずなのに、思い出せなくて……」

 こんなんじゃ静香ちゃんの友達を名乗れないよね、と少し落ち込んだ様子で零す未来。だが静香からすれば、違うそこではないとツッコミたいところである。
 むしろ「あのときあのパンツ穿いてたよね覚えてるよハッキリと!」とか言われたら、それはそれで恐怖を覚える。

「静香ちゃんって大人っぽい空気もあるし、大人っぽいぱんつが良いのかなぁとか。でも可愛いところもたくさんあるから、意外にも水玉模様とか可愛い系かなぁとか。だから静香ちゃんの好みを知りたい、ちょっと参考にぱんつを見せて欲しいって思ったの」

 静香から台本を取り上げて、きゅっと両手を包み込むように掴み、まっすぐ見つめる。
 その未来の瞳があまりにも真剣で、綺麗で、純粋で――
「私、いつも静香ちゃんに助けられてるし、静香ちゃんのこと大好きだから。ちゃんと静香ちゃんにお返ししたいから、だから、ね?」
「……未来」
「ちょっと、ぱんつ見せて?」

 穏やかな声で、未来に言われた。
 
「……えぇ、わかったわ」

 静香は未来の手を解き、ゆっくりと立ち上がる。自らのロングスカートの裾を掴み、そのまま持ち上げ――
「って、見せるわけないでしょ!?」

 寸前で、正気に戻った。
 空気に流されかけたものの、内容は結局「ぱんつを見せて」である。静香の回答は変わらず「誰が見せるか」だ。

「えぇ~静香ちゃん、酷いよぅ。これじゃ静香ちゃんにプレゼント、渡せない……」
「いやほんと、気持ちだけで良いから。気持ちだけで、充分だから。そこにぱんつを加えなくて良いから」
「でも、ぱんつを贈り物として贈ることって、普通にあるみたいだよ? 調べたら、でてきたもん。さっき話した、パンツフラワーも」
「じゃあ逆に訊くけど、私が未来にぱんつをプレゼントしたらどう思う?」
「うーん……穿いた姿、ちゃんと見せなきゃダメなのかなって悩むかも」
「悩むところが違うと思うのよ」
「静香ちゃんは私からぱんつを贈られたら、迷惑なの?」
「め、迷惑というか困惑するというか……。未来からプレゼントをされるってこと自体は、嬉しいことだけど。ど、どうしても、その……見たいわけ?」
「うん、だって静香ちゃんに最高のプレゼント、贈りたいから」

 ぱんつの時点で最高のプレゼントと言えるのかどうかというところは、あえて触れない。
 引きさがりそうにない、未来の姿。
 お互いに、しばし無言。
 そしてついに根負けしたかのように、静香は自らの額に手をあてて大きなため息を一つ零した。
 そうだ、どうせ着替えのときだって下着姿になるし、しかも相手は特別親しい相手だし、別に変に意識する必要はない。そりゃ恥ずかしさはあれど、それこそ泊まりの仕事では夜に一緒にお風呂に入ったりだってしている。裸だって見られてる相手だ、冷静に考えればどうってことない。ぱんつを見られることくらい。静香はそんなことを思いながら、自分は冷静だと自らに言い聞かせる。ここにもし冷静な第三者が居たのなら「口頭で好み伝えればいいことでしょ別に見せる必要ないよね」と言えただろうが、残念なことにこの場には未来と静香しかいない。
 普段ならある程度冷静な静香も、既にこの空気に飲み込まれていて、そんな判断は下せなかった。

「本当に、少しだけだからね?」
「ありがとう、静香ちゃんっ!」

 ぱぁっと太陽のような笑顔を浮かべる未来に、静香は頬を朱く染める。
 そしてロングスカートに手を伸ばし、裾を持ち、ゆるゆると上へ上へ。白くて細い、すらっとした足から、徐々にやや汗ばんだ太股が見えてきて、最後にはその本来誰にも見せることのないトコを露にする。
 静香の指先が震えているのは、羞恥があるからだろう。こんなにも至近距離で、一番の大切な相手に、ぱんつを見せているのだから。思わずその状況に耐え切れなくて、静香はきゅっと目を瞑った。
 未来は何も言わず、じぃっと目の前のものを頭に焼き付けるかのように見入っていた。

 ――純白で、一つだけある小さなリボンが可愛らしいアクセントになっている、ぱんつ。

 その純白を見事に着こなしている姿はどこか品の良さや大人っぽさを感じさせるような、けれどもその小さなリボンに年相応の少女らしい可愛らしさも兼ね備えていて。未来は思わず、ただただ目が離せなかった。
 静香のぱんつは、それほどまでに魅力的だった。

「そっか、静香ちゃんはこういうのが好きなんだね」
「か、からかわないで……変だって思ってるんでしょう?」
「ううん、静香ちゃんらしい、素敵なぱんつだって思うよ」
「~っ!」

 きゅうっと閉じていた目を開くと、そこにはふにゃりと笑う未来の姿があった。
 そしてその瞬間――
「おはようございま……」
「あ」
「え」
「あれ? どうしたんですか、志保さん? なんで中に入らないんですか?」

 志保が扉を開けたところで、固まった。志保の後ろには星梨花も居るようで、静香と未来からは姿は見えないけども、声でわかった。
 現在の状況は。
 顔を真っ赤にした静香が、自らロングスカートを捲り上げてぱんつ見えている。
 それを至近距離で、見つめる未来。
 志保は何かを悟ったのか、ふっと笑顔に、そう志保らしくないとても穏やかな優しい笑みを浮かべて、踵を翻した。

「行きましょう、星梨花。取り込み中だったみたい」
「待って志保!」
「ちちち違うんだよ志保!? 私は静香ちゃんに、ちょっとぱんつ見せてもらってただけで!」
「ぱんつ? えーっと、志保さん、今未来さんと静香さんの声が……」
「春日さんと最上さんは、忙しいみたいだから。星梨花、私と一緒にいったんここから脱出しましょう?」
「未来はちょっと黙ってて!? あと志保、露骨に苗字呼びで距離遠くしないで! お願いだから!」
「あ、そうだ、言い忘れてたけど、静香ちゃん誕生日おめでとう!」
「今言うタイミングじゃないわよ、ばか未来!」



 後日、プレゼントしたぱんつを着用している静香を、未来は着替え中に目撃したそうな。
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