絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

みらしず取り扱い説明書

未来と静香でみらしずSS!
 ・『接する頻度が著しく少ない場合、元気を損なう原因になります。少なくとも一週間に一度は連絡を取りましょう』



「はぁ……」

 ベッドの上で寝転んで、大きなため息一つ。
 さっきからスマートフォンを眺めては、ため息をついての繰り返しだ。未来をよく知る者からすれば、一体何事かと思うことだろう。
 だが原因はとても単純で、静香とここ数日会話をしていないからだ。未来の仕事、静香の仕事、それぞれが活躍している結果だから致し方ない部分でもある。むしろアイドルとして、喜ばしいことだ。
 未来自身、静香のファンであり応援している。だからこそ、連絡ができないでいた。ただでさえ忙しい日々に、それなりに疲れているであろう毎日に、以前のように夜とかに長い電話をしてしまっては負担になってしまうのではないか。未来は静香のことを、よく知っている。知っているからこそ、もし電話をしたなら静香は疲れてないと言って付き合ってくれるだろう。優しすぎるから、拒否なんてしない。
 それをわかっているから、未来はスマートフォンとひたすら睨めっこ。
 話をしたい、声を聴きたい、迷惑かけたくない、しっかり休んで欲しい。いろんな思いがぐるぐると頭を駆け巡る。

「わひゃっ!?」

 そんなとき、持っていたスマートフォンから突然の聴き慣れたメロディ。電話がかかってきた。
 思わずスマートフォンを落としそうになるものの、なんとか堪える。画面には、静香の名前が表示されている。

「も、もしもし?」
「あ、未来? ごめんなさい、もしかして寝るところだったりした?」
「ううん、大丈夫だよ。どうしたの、静香ちゃん? 何かあった?」

 静香からの電話は珍しく、いつもなら未来からかけるのが自然だった。
 忙しいであろう時期にわざわざ静香からの電話、きっと何かがあったに違いないと未来は思った。
 電話越しの静香は、何か答え辛そうに言葉に詰まっている。
 未来は急かすようなことはせず、静香の言葉を待つ。

「その、別に何かあったわけじゃないんだけど……ただ、み、未来と最近話とかしてないから」
「へ?」

 待っていた結果、静香からの言葉は予想外なもので。
 呆けたような声を漏らすと、静香は慌てたような早口で言葉を続ける。

「だ、だっていつも未来、私に夜電話してくるのにここ最近はずっとかかってこなかったから! ほら、未来に何かあったのかって思って! べべ別に私が寂しかったとか、そういうことじゃないのよ?」
「……ぷ、く、あはは!」

 静香も同じ気持ちだったんだと思うと、未来は笑いが込み上げてきた。馬鹿にして、というわけではない。嬉しくてだった。
 けれども静香からすれば、慣れないことをしたことによって笑われてると思ってしまう。だから、少し羞恥を含んだ声で未来を責める。

「ちょ、何笑ってるのよ!」
「はは、えへへっ。ごめん」
「あぁもう、やっぱり電話なんてかけるんじゃなかった」
「そんなこと言わないで、私すっごく嬉しいもん。ありがとう、静香ちゃん」
「……本当?」
「うん、だって静香ちゃんに話したいことたくさんあるから。迷惑かなって、疲れてるかなって思って、ここ最近は電話できなかったけど」
「普段人のことを振り回すくせして、そういうところは遠慮するのね」
「むぅ、ひどーい! 私だって、ちゃんといろいろ考えてるもん!」
「ふふっ、冗談よ。未来にはいつも助けられてるって、思ってるわ」
「ふーん? なんかうそくさーい」

 拗ねたような声を出す未来に、電話越しで姿が見えなくても、静香には今未来がどんな表情をしているか容易に想像ができた。
 そしてくすりと笑みをこぼして、二秒だけ間を置いて、ゆっくりと大切に言葉を紡ぐ。

「本当よ。私……私ね、未来の声を聴くと、元気が出るんだ。ただ明るい声だからとか、そういうのじゃなくてね? なんて言えば良いのかわからないけど、未来と話してると頑張ろうって気持ちになれたり、楽しかったり、嬉しかったり……だからその、えーっと」

 電話越しだから、姿が見えないからこそ言える、普段なら照れ臭くて言えない言葉。
 けれど、いざ言葉にしようとすると、中々上手くまとめられるものではなかった。静香はどう表現すればいいのかわからず、結局――
「いつもありがとう、未来」

 やや無理矢理に、けれども精一杯の想いを込めて締めた。
 だが、未来からは何も返答はない。一瞬、通話が切れていたのかと心配になる静香だが、それはスマホの通話時間が否定する。
 数秒して、やっと未来が口を開く。

「静香ちゃん、今絶対顔真っ赤でしょ」
「なっ!? そんなわけないでしょ!」
「うっそだー! 絶対そうだよー! あーあ、どうせなら静香ちゃんに真正面から言われたかったなー。それなら静香ちゃんの顔を見れたのに」
「言いません~! もう絶対言いません~!」

 子どもっぽくムキになって言う静香に、未来は笑い声を返す。
 未来は今が電話で良かったと、心底思っていた。静香の照れた顔を見るのも魅力的ではあるが、それ以上に自分の今の顔を見られたくなかったからだ。
 きっと静香よりも、もっと恥ずかしい、見せられない表情をしている。そう思ったからだった。





 ・『直射日光の当たらない涼しいところに置いてください』



「暑いよぅ……」
「えぇ?」

 シアターに着くと、床で大の字に寝っ転がっている未来が居た。
 他に誰もいないから良いものの、いくらなんでもだらしなさすぎた。その原因は、私にもすぐわかる。そう、いつもなら涼しい風が迎えてくれるシアターだが、今日はそれがなかった。
 クーラーの方へと目をやると、先日まではなかった張り紙が一枚ある。故障中、の文字とともに。

「にしても、だらしなさすぎでしょう? 暑いのは夏なんだから、仕方ないじゃない。それにいつもライブ中は、もっと暑いでしょうに」
「ライブ中は楽しい暑さだもん。今はただ暑いだけだもん……あぁ床は冷えてて気持ち良い」
「服汚れるわよ?」
「ええっ? 全部脱いで床に転がれってこと? 静香ちゃんのえっちー」
「床に転がるのをやめなさいって言ってるのよ! どういう発想したら、そうなるの!?」
「静香ちゃんも一緒に転がろうよ、涼しいよ?」

 気怠げな声で、堕落の道へと誘う未来。だめだこれは暑さにやられているのかいつも以上にだめだいろいろと!
 でも、どうすれば未来を正気に戻せるだろう。
 そこでふと、気付く。
 普段の未来なら、絶対にしないであろうミスに。おそらくだらけきってしまって、そこまで注意がいっていないんだ。まだ他に誰もいないからこそ、ここで私が今のうちに未来をなんとかしておくべきよね。

「ねぇ未来、今すぐ床に寝っ転がるの、やめた方が良いと思うわ」
「えー静香ちゃんも一緒に転がろうよ」
「でも私はそんな、下着を見せつけるような趣味はないから。未来は随分とオープンみたいだけど、そんなに見せたいの? その水玉模様」
「~ッ!?」

 勢いよく、それはもう勢いよく未来が立ち上がった。
 そう、さっきの姿勢では正直、未来の短いスカートの中が丸見えだったわけで。普段の未来ならそういうの恥ずかしがるから、絶対にしないのに。
 けど私の言葉で無事正気に戻ったようで、よかった。とってもにらんできてるけど。ちょっと涙目だから、迫力のかけらもないけど。

「まぁ、懲りたらもうそんなだらしないマネはしないことよ? わかった?」
「静香ちゃんのむっつりすけべ!」
「なんでよ!?」

 結局、元に戻したはいいものの、未来の機嫌はそのあとに他の人が来るまで直らなかった。





 ・『強い刺激を与えないでください』



 ちょっとした出来心のようなものだった。
 いつもいつも、未来は私を見つけては強く抱き着いてくる。そのたびに私は注意をすれど、未来がそれを聞いたことはなかった。だから、その、いつものお返しの意味合いも込めて、私から急に抱き着いてやった。
 二人でダンスの自主レッスンの休憩中、未来の背後から。
 想像では、もう何するのと文句を言いつつも笑う未来の反応が返ってくると思っていたのだけど。

「あっ」
「まだ?」
「でへへ、もうちょっとだけ」

 さっきからずっとこの調子だ。未来のお腹に回した腕を解こうとすると、未来が私の腕を掴んでそれをストップかける。
 私が抱き着いた結果、未来は一瞬驚いた声を上げたものの、すぐに嬉しそうに私の腕を掴んできたのだった。
 背後から未来のお腹に回した手に、今では未来がさらに上から自らの手を添えている。どうしたものかとも思うけど、未来が嫌そうじゃないし、こんなこと滅多に自分からしないから。
 だからちょっぴり、腕に力を込めてみる。ぎゅうって、少しだけ強く。レッスン着の上からでも、未来の肌の柔らかさが伝わってくる。思ったよりも小さな目の前の背中に、より密着する。
 さっきまでダンスを踊っていたのもあって、お互いに体が熱い。いや、体が熱い原因はそれだけじゃないかもしれないけど。そのあたりは深く考えないでおきましょう。
 未来は何が楽しいのか、私の手を弄ってる。微妙にくすぐったい。

「ねぇ未来、これいつまで続けてればいいの?」
「んー私を驚かせた罰として、私がいいっていうまでかな」
「あなたがいつも私にしていることを、しただけなのだけど」
「ごめん今私、耳にちくわ詰まってるからよく聞こえない」
「明らかに何も詰まってないし、仮にちくわなら穴あるから聞こえるでしょ」
「だって静香ちゃんから抱き着いてくれるなんて、珍しいから。もうちょっとだけ、味わいたいなって」
「……暑くない?」
「ん、大丈夫。良いあったかさだから」
「そう」
「でへへ~」

 仕方ない、私から始めてしまったことだ。
 ここは未来からの罰とやらを受け入れて、もうしばらくこのままでいるとしよう。決して私ももう少しこうしていたいからとか、そういうわけじゃない。
 なんて、誰もそんなこと訊いていないのに、いいわけっぽいことを思いながら。目の前の未来の体温を、柔らかさを、心地良さを、全力で感じることにした。

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