絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

パチュリー祭り!

プチ投稿作品。むきゅーの日記念。気付いたのが当日午後だったので慌てて書きました。
いろんなパチュリー詰め合わせです。





 1.パチュリーと小悪魔。



「パチュリー様。紅茶が入りました」
「ありがとう小悪魔」
「いえいえ、睡眠薬入りですから美味しいですよ」
「そう……」

 パチュリーは本を読みながら、片手を紅茶に運ぶ。
 口に含もうとした瞬間、小悪魔に紅茶をかけた。

「って何入れてるのよ!?」
「聞こえませんでした? 睡眠薬ですよ。あーあー服がびしょ濡れですよ」
「何平然と!?」
「あ……すみません。パチュリー様は媚薬の方が好きでしたか?」

 しゅんと申し訳無さそうにする小悪魔を、殴りたくて仕方無い衝動に駆られるパチュリーだが、今日は体調があまり優れないため、無理は控える。

「そういうことじゃあないわよ! 紅茶に薬物を入れるな! 大体私を眠らせてどうする気だったのよ!?」
「それは添い寝したり、こんなこと初めてっていうことしたり、舐めたり揉んだり縛ったり」
「あ、もしもし、魔界ですか? 小悪魔を一体返品したいのですけど」
「まさかの返品!?」
「いえ、なんか欲望たっぷりの小悪魔です。はい……返品不可!?」
「しかも返品拒否された!?」

 魔界通信魔方陣で会話をするパチュリー。
 どうやら小悪魔は返品出来ないようだ。

「じゃあどうすれば……あ、魔界粗大ゴミに出せば良いのよ!」
「ゴミ扱いですか!? すみませんすみません! 捨てないで~!」

 パチュリーの腕に必死にしがみついて離れない。
 ぶんぶんと腕を振るが、小悪魔は離れない。

「はぁ……はぁ……」

 体調が優れないパチュリーは、今の運動でふらつく。
 倒れそうになるパチュリーを小悪魔が支えた。

「大丈夫ですか!? いけない! 早くベッドに連れてかないと」

 お姫様抱っこで脱力しきったパチュリーを運ぶ。
 途中、無意識に出る涎を拭きながら、パチュリーを優しく運んだ。
 ふわりとしたベッドに仰向けで寝かせ、その上にまたがる。

「ぱ、ぱぱパチュリー様……あ、汗をおかきになったでしょうから、脱ぎ脱ぎしましょう」
「え、ちょ、やぁ……」

 小悪魔の絵日記には、ごちそうさまでしたと書かれていた。





 2.パチュリーと美鈴。



「パチュリー様、相談があるのですが」
「あら、美鈴がここへ来るなんて珍しい」

 珍しい来客に、読んでいた本を机の上へと置き、美鈴を見る。
 真剣な表情の美鈴に、パチュリーはとりあえず席を勧める。
 一礼をし、パチュリーの前の席へ座った。木製の椅子が軋み、静かな図書館内に響く。

「で、何かしら? レミィじゃなくて私に相談っていうことは、レミィには言えないようなことなのでしょう」
「はい。実は、しばらく修行をしたいと考えてまして……」
「修行……ねぇ」
「ただ、その場合紅魔館に居ては……」
「集中出来ない」
「はい。私は未熟ですから、心に隙間が出来てしまいます」

 凛とした声。
 美鈴の真剣味が、痛いほどに伝わる。

「レミィにそんなこと言ったら、こっぴどく叱られそうね。『私の所有物が私から離れようなんて思うな』とか言いそうだわ」
「あはは、そう言われたら嬉しいです。私は『勝手にしなさい』とか言われるかと」
「己を卑下するのは止めなさい。見てて愚かだわ。貴女の悪い癖よ」

 パチュリーは、既に何時間か経ったまま、手をつけていなかった紅茶を口に運ぶ。

「あぁ、不味い。それで、何故修行をしたいの?」
「あまりにも、不甲斐なくて」
「魔理沙?」
「はい。ですが、それは半分の理由です。もう半分は、ただ純粋な好奇心です」
「好奇心?」
「人間である魔法使いや巫女がスペルカードルールとは言え、私のような妖怪やお嬢様のような吸血鬼を倒す。人間はそんなにも可能性に満ちています。なら、人間より力を持っている妖怪がさらなる可能性を求めたのなら、どこまでいけるのか。知ってみたいのです」

 妖怪は本来、修行などする者は滅多にいない。それは、する必要性が無いからだ。人より強い力を持っているから。妖怪同士の勝負は、種族の差と諦めて、負けてもさらなる高みを求めて努力する者はいない。
 だが、美鈴は高みを求めてみたいと望んだ。

「高みを求めて、どうするの? それを知ってどうするの?」
「え?」
「それは紅魔館を出てまで確認するもの?」
「それは……」
「レミィの信頼を裏切ってまで、知りたいの?」

 淡々としたパチュリーの口調に、ぞくりと恐怖を覚える。
 交わる視線。
 美鈴は、パチュリーの瞳に映る自分自身が見えた。ただ、震えた。
 プレッシャーが空間をぐにゃりと歪めているのではないのかと錯覚するくらいに、美鈴には感じられた。そして理解する。これが吸血鬼レミリア・スカーレットの親友、知識の魔女パチュリー・ノーレッジなのだと。

「あ……ぱ、パチュリー様」
「……なんて、ね」
「ふぇ?」

 パチュリーはクスッと笑う。
 今までの張り詰めていた緊張感が、一気に切れた。
 美鈴は思わず情けない声を上げてしまう。

「何をそんなに緊張してるのよ。貴女ならあれくらいのプレッシャー、片手で払い退けて私を倒せるでしょう」
「いやいや、厳しいですって!」
「ま、私は別に良いと思うわよ」
「え?」
「貴女の修行、良いんじゃない?」
「ほ、本当ですか!?」
「しばらく、と貴女は言ったから。帰っては来るのでしょう?」
「はい。って分かってたならさっきの裏切るとかどうのって」
「ちょっとからかってみた」
「からかうレベルじゃなかったですよ!」

 笑うパチュリーに割と本気で文句を言う美鈴。

「さぁ! レミィに許可を貰いに行ってきなさい!」
「はい! ありがとうございました!」

 パチュリーに言われて、笑顔で図書館から去って行く美鈴。
 静かな図書館でパチュリーは呟く。

「レミィが少しの間でも所有物を手放すなんて、許さないと思うけどね」

 くすくすと笑った。

 三十分後、紅魔館が半壊した。





 3.パチュリーと咲夜。



「咲夜、最近魔理沙侵入を許してばかりじゃない」
「すみません」
「全力でなんとかしなさい」
「分かりました。全力ですね」

 次の日、魔理沙に対して全力で私は相手をした。
 時を止めて、縛って、ナイフを投げて、箒を奪って、帽子をシルクハットに変えて、服を半裸にしてやって、時を動かした。

 結果、なんとなかった。

「なんとかしました」
「やりすぎ」

 でも、何故かパチュリー様に怒られてしまった。

「なんていうか、ほどほどに追い返しなさい」
「はぁ……分かりました」

 次の日、涙目の魔理沙が現れた。
 時を止めて、服をメイド服に変えて、耳を舐めて、靴下を片方だけ脱がせて、ナイフを投げて、時を動かした。

 結果、ほどほどに追い返した。

「ほどほどに追い返しました」
「もういいわ……今まで通りの対応で良い」
「分かりました」

 何故かパチュリー様が溜め息を吐いていた。





 4.パチュリーとフランドール。



「あっそぼ~! パチュリー!」
「ホッピングをやるの?」
「やらないよ」
「なら自室に戻りなさい。私は妹様と遊べない」
「何で!? ホッピング限定なの!?」

 小悪魔が紅茶を淹れてきてくれた。
 パチュリーとフランドールの前に置いて、去る。
 それをじっと見つめるパチュリー。

「なら、こんな遊びはどうかしら?」

 何かを思い付いたらしく、フランドールに提案する。

「なに?」
「ロシアン紅茶。複数の紅茶の中、一つだけ美味しい紅茶でそれ以外はおかしな紅茶。互いに飲んでいって、先に美味しい紅茶を飲めたら勝ち」
「何それ! 楽しそう!」
「やる?」
「やる!」
「やらないなら別に良いけど」
「やるっていってるじゃん!」
「まぁ、そんな大声でやる! だなんて、はしたないわね」
「何の話さ!?」
「小悪魔、準備お願い」
「わっかりましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「小悪魔どうしたの!?」

 少女準備中。

「出来ました!」
「見た目も匂いも普通だね」
「それは私の魔法でね」

 材料などはパチュリーの実験室やら厨房やらから集めてきた。
 数は十個。
 ジャンケンをする。
 先攻、フランドール。
 後攻、パチュリー。

「よし、これにする!」
「飲み干せなかったら別のを続いて飲むのよ?」
「大丈夫大丈夫」

 フランドールがカップに手を付けた瞬間、カップは爆発した。

「あーあ、妹様もう一回別の飲まなきゃ」
「何入ってたのさ!? 爆発したよ!?」
「いいから、次も妹様よ」
「う……うん」

 先ほどので不安になったフランドールは、恐る恐る選び、カップを手にした。爆発はしない。

「い、いくよ!」
「頑張って妹様」

 口に運ぼうとしたその瞬間、

『飲まないで~』

 と聞こえた。
 フランドールは手をピタリと止めて、カップの中身を見つめる。

『飲まないで~』

 カップの中からそんな声が聞こえる。見た目はただの紅茶なのに。

「怖いよ! 無理だって!」
「はい、じゃあ妹様もう一回」

 結局、最後に美味しい紅茶に当たるまで、ずっとフランドールの番だった。
 賢者の石が粉末になって入ってる紅茶やら、電気が流れる紅茶やら、飲める筈が無かった。

「妹様、楽しかった?」
「すっごくつまんなかった!」





 5.パチュリーとレミリア。


「おはようパチェ」
「おやすみレミィ」
「こら、寝ちゃだめ」

 真夜中、眠るパチュリーの腹部にのしかかって来たのはレミリア。
 中々起きようとしないパチュリーの頬を伸ばして遊ぶ。

「親友なら寝かしてよ」
「親友ならちょっと付き合ってよ」
「……はぁ」

 渋々と、起き上がる。「さすが親友」と言うレミリアに「調子の良いことね」と溜め息を吐きながら言うパチュリー。

「さぁ、パチェ。外に出よう」
「寝起きなんだけど」
「月が綺麗よ」
「無視なのね」

 庭へと向かうレミリアに付いていく。
 美鈴が手入れをしている庭は、相変わらず綺麗だった。月光を浴びた花は、夜に混じり青く光っているように見える。
 既に庭には白い丸テーブルと二つの椅子が用意されていた。
 互いに向き合うように席に着く。

「さぁ、一杯やろうよ」
「そんなことで私を起こしたの?」

 何回目か分からない溜め息を吐く。
 そんなパチュリーを見て、レミリアはくつくつと笑い、紅いワインをグラスに注ぐ。

「ほら、私が注いでやることなんて貴重よ。それでチャラにしましょう」
「私からすればどうでもいいわね」

 グラスに手を伸ばして、口に運ぶ。口内に口当たりの良い味が広がる。寝起きのパチュリーには、すっきりとした味に感じられた。
 パチュリーもレミリアの持つグラスに注ぐ。

「お? 珍しい。パチェが注いでくれるなんて」
「特別よ。喜びなさい」
「やったー嬉しい嬉しいー」
「見事な棒読みね」

 互いにワイングラスを軽くぶつけて、軽い音を鳴らす。
 この音は、気持ちを楽しくさせてくれる音。
 レミリアもパチュリーも、なんとなくクスッと笑った。

「で、私を起こしてまで誘った理由は?」
「月が、こんなにも綺麗だから」
「はぁ……呆れた。本当にそんな理由だなんて」
「まぁまぁ、見てみなよ」

 レミリアは楽しげに頭上を指差す。
 パチュリーはゆっくりと見上げる。
 満天の星、そこにただ一つ、金色に輝くまんまるい月。

「確かに綺麗だわ」
「ほらね。パチェはこんなに綺麗なものを見せてくれた親友に感謝すべきよ」
「全く、本当に調子の良い……」
「そんなこと言っても、なんだかんだで毎回付き合ってくれるパチェが、私は好きよ」
「親友、だからね」

 また、互いに笑った。

「陽が昇る直前まで飲みましょう」
「まぁ、付き合ってあげる」


 ワイングラスの中の紅に、月が映っていた。
 レミリアは、その月ごと飲み干す。
 なんてことない会話をしながら、またワインを注いで、それを口に運ぶ。
 二人だけの夜は始まったばかり。
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