絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

冗談と本気の境界

去年、はるまこプチアンソロに参加させていただいた際の作品。
つまり、春香さんと真くんで、はるまこ!




「はぁっ……」
「ふっ、う……春香、そろそろ休憩しようか」
「うんっ、そうしよう」
 春香は真の言葉に頷いた後、その場にへたりと座り込んだ。肩が上下し、顔には光る汗が伝っている。そしてふらりふらりと這うように動き、あらかじめ隅に置いておいたペットボトルの水を手に取った。
 それに対し真は、汗こそかいているものの春香よりも余裕があるようで、普通に歩けている。同じように用意しておいた水を手に取り、喉を鳴らしながら飲んだ。
「やっぱり運動量を真に合わせると、もたないなぁ」
「何言ってるのさ、結局最後までついてこれたんだから、大したもんだよ」
 二人が今日出会ったのは、たまたまだった。春香も真も、何も連絡をしていないのに、二人して自主レッスンの時間が被ったのだ。それならばと、二人は一緒にレッスンをすることに決めて、今に至る。
「でも、もう私くたくただよぅ……凄いなあ、真は」
「うーん、今日は結構ハードだったからね。そうなっても仕方ないと思うよ? それにハードだから良いってわけでもないし、このやり方がボクには合っているってだけで」
「……えっ、じゃあもしかしてこれだけやっても、無意味ってことも?」
「無意味ってことはないだろうけど、もしかしたら春香がいつもやってる練習方法の方が春香には効率が良い場合もあるね。鍛え方はその人に合ったやり方が、一番だよ」
 笑いながら言う真に、それを先に言って欲しかったよと心の中で零す春香。
 水分を補給したのもあって、春香の呼吸も少しずつ整えられていく。タオルで軽く顔や首周りを拭きながら、真の方を見る。真も同じようにタオルで汗を拭いていたが、その姿は真のボーイッシュさをより際立たせ、春香の思考と視線を数秒奪った。
 その視線に気付いたのか、真が軽く首を傾げる。
「どうしたの、春香。ボーっとして」
「いや、やっぱり真は格好良いなぁって……見惚れてた」
「見惚れてくれるのはありがたいけど、そこは美人とか可愛いとかそっちの理由だとより嬉しかった」
「そ、そういえば真とこうして一緒にレッスンするの、本当久し振りだよねー」
「話変えるの下手だね」
「う、うるさいよぉ!」
 ジトッとした目で睨んでくる真から、春香は露骨に顔を背けた。
「まぁ確かに、久し振りだね。というか、こうして会えたこと自体、久し振りだよ」
「……そうだねぇ」
 765プロの全員が売れっ子になってからというもの、会える機会はめっきり減ってしまっていた。それでも全員がそれぞれやっていけているのは、プライベートではないとはいえ『生っすか』のような定期的に必ず会える番組があるというのと、たとえ会えなくても仲間だという意識が強いからである。
 しかし、それでも寂しさを感じてしまうものである。だからこそ、春香も真も、偶然ではあるが会えたことが嬉しかった。
「春香はさ、みんなとの時間が減って、やっぱり寂しい?」
「ううん、みんなが頑張ってるんだって思うと、むしろ嬉しいよ。私も頑張らなきゃーって思うし」
「本音は?」
「……えへへ、ちょっぴり寂しいでーす」
 春香は小さい舌をぺろっと出して笑いながら、右手をグーにして自分の頭をこつんと叩く。
「あ、けどね、大丈夫だよ? 嬉しいのは本当だし、寂しいのだって少しだけだから」
「春香のそういうタイプの大丈夫は信用できないからなぁ」
「うっぐ……ひ、酷いなぁ」
「春香って実は寂しがり屋だし。大丈夫だって溜め込んだ結果の、前例もあるし」
「も、もう本当に大丈夫だってばぁ。あのときみたいには、なったりしないよぅ」
 春香は自分自身が思いを溜め込み過ぎて、一度塞ぎこんでしまったときのことを思い出す。仕事も全て休むことになり、笑顔もなくなってしまっていたときのことだ。春香にとっては、辛かったことであると同時に、改めて自分自身を見直す良い経験にもなった。だからこそ、本当にもうそのときのようなことに陥ることはないと考えている。
 しかし、真からすれば心配になるのも当然だった。春香が塞ぎこむまで、気付いてやれなかったことを悔やんでいたから。
 苦笑いを浮かべて頬をかく春香を、真は少し心配そうに見る。
「もうあんなことは嫌だからさ、もし春香が寂しいときはいつでも傍に居たいって思うんだ。そりゃ実際には、仕事もあるし会えないことが多いかもしれない。けどね、そんなときはほんの少しの時間でも良いから、メールでも電話でもして春香の寂しさを取り除いてあげたい。ボクはそう思ってるよ」
「……真って本当、格好良いよねー」
「なっ、なんだよそれぇ! ボクは真剣なんだよ!」
「うん、今の言葉でより格好良くなった」
「なんでさ!? 何がどうなってそうなったのさ!」
「あはは、ありがと真。真の格好良さで、春香さんは元気いっぱいになりましたー」
「むぅ……」
 明らかにからかれているような口調でそう言われ、真は少しムッとした。
 もちろん春香は、本気でからかったわけではない。真の言葉がストレートだったから、照れ隠しにちょっとだけ茶化すような言い方をしただけだ。しかし、真からすれば真剣な言葉だったのもあって、春香のそんな照れ隠しは伝わらない。
 だから真は――
「きゃっ!?」
 春香を抱き寄せた。
 そっちがそういうつもりなら、こっちだって。そう思った真は、ちょっとした仕返しを考え付いたのだった。
「ぇ、ちょ、ちょっと真? な、何?」
「ボクが格好良いと、元気になるんでしょ? ならもっと格好良いことを、どきどきするくらい格好良いことをしたら、春香はもっともっと元気になってくれるんじゃないかなって」
「どういう思考回路!? と、とりあえず離して?」
「嫌だ」
「いやいや、私ほら、結構汗かいちゃって今汗臭いと思うし……」
「そんなことないよ、春香はいつだって良い匂いだ」
「そ、そういう恥ずかしい台詞は反則だと思うなー」
 このままではいけないと春香が真の拘束から逃れようとしても、二人では力の差は歴然だ。春香が少し力を込めただけで、真はそれを敏感に感じ取り、抱き締める力をより強める。春香が抵抗しようとすればするほど、真が力を込めるため、二人の距離はより縮まるだけ。下手な抵抗はむしろ逆効果だということが分かった春香は、うぅーと小さく唸りながらおとなしくなる。
 真はそんな春香の様子に、仕返し成功といった気持ちだった。そして本来ならこのあたりでやめておこうと思っていたのだが、春香が思ったよりもおとなしめの反応をしたのもあり、普段の元気な姿とのギャップに、ほんの少し悪戯心が生まれてきた。
 真の脳内に浮かぶのは、大好きな少女漫画。こういう状況で、どういう展開があったっけと思い出す。そしてそれは、すぐに思い出せた。抱き締めた後は、大体ある一つの展開が王道だ。
「ねぇ、春香。キスしてもいいかな?」
「本当どうしちゃったの真!? 何を無駄に甘いボイスで囁いてるの!?」
「ボク、春香にキスしたいんだ」
「真、確かに格好良いけど、私はそういう作った格好良さは求めてないよ? さぁほら、冗談はもうやめにして。私も悪かったから、ね?」
 少しキャラを作りすぎたのか、真の予想していた反応とは違い、春香は冷静さを取り戻したようだった。恥ずかしがるかと思いきや、むしろ悪戯をした子どもを諭すような、そんな態度である。
 冗談にしか思われていないことは、明白だ。しかし、真にとって今更ここで素直に引くのも少し癪である。それならば、と真は次の行動に移ることにした。
「冗談でこんなこと、しないよ」
「や、きゃぁっ!?」
 怪我をしない程度に、けれどもそれなりの力を込めて、真は春香を押し倒した。背中から伝わる床のひやりとした冷たさとは対照的に、春香の体はかぁっと熱くなった。真の方も、自ら仕掛けておいて不覚にも鼓動が早くなってしまっていた。
 互いの視線が絡み合う。言葉はなくとも、目だけでどんなことを思っているのか、二人ともなんとなくだが分かる。春香は少しの不安と戸惑いを、真は分かり易いくらいの緊張を抱いている。
 数秒の間、見つめ合ったまま何も言わない。春香にしろ真にしろ、静かなはずのその数秒間、自らの鼓動がやけに騒がしく思えた。
「ねぇ、真」
 先に言葉を発したのは、春香の方だった。やや落ち着きを取り戻した結果なのだろうが、それでも声が少しだけ震えている。それは怯えとかではなく、純粋な戸惑いや緊張からきたものだろう。
 春香に声をかけられ、真はびくりと大きく体を震わす。ただ名前を呼ばれただけなのに、まるで心臓を掴まれたような衝撃を感じた。
「な、何?」
「その……本当にするの?」
「じょ、冗談なんかじゃないからね、するよ。け、けど、春香が嫌だって言うならやめてあげないことも――」
「いいよ」
「……えっ」
「真なら、私はいいよ。嫌じゃない。だから――」
 キスしよっか、と春香は言った。少しだけ潤んだような瞳で、震えるような声で、春香は確かにそう言った。
 そしてその言葉を聞いた真は、一瞬思考が固まった。真の考えでは、恥ずかしそうにする春香をからかって、最後には冗談だと笑い飛ばすはずだった。しかしそれは、春香がキスを拒むことを前提とした考えだった。春香が受け入れることは、想定外のことだったのだ。
「ぇ、あぅ……ぁ、その」
 真は何か言葉を紡ごうとするのだが、上手く言葉が纏まらない。口から出てくるのは、まともに言葉になっていない声だけである。既に引いたはずの汗が、また流れてくる。さっき水分を補給したというのに、真の口の中はからっからに乾いていた。
「もう、しょうがないなぁ真は」
「ひゃぅっ!?」
 春香がそう言って、くすっと笑みを零した次の瞬間、真は右腕を強く引っ張られた。普段の真ならともかく、完全に固まっていた今の真にとってそれは完全に不意を突かれたことだった。簡単にバランスを崩し、春香の胸にぽふっと倒れる。
 そして春香はそれだけでは終わらず、真が現状をちゃんと認識する前に素早く行動を起こす。たった数秒もしないうちに、春香はあっさりと真の腹部に跨った。
 未だに状況を掴み切れていない顔をしている真に、春香は少しだけ意地悪い笑みを浮かべる。
「形勢逆転、だね」
「~っ!」
 春香の言葉に、真はやっと思考が動き出した。押し倒していたはずが、いつの間にか押し倒されているという現状。そのことを理解し、真は不貞腐れたような顔をする。からかうはずが、からかわれる立場に変わってしまっていたのだから、そうなってしまうのも当然だろう。
 大きくため息を零す真に、春香はにこにこと笑った。
「はぁ、なーんか悔しいなぁ。春香ってそんな押せ押せなキャラじゃないだろうに、なんでこうなるのかなぁ」
「春香さんだって、やるときはやるんですよ! 真の演技は確かに良かったけど、私これでもミュージカルの主役を演じたこともあるんだよ? 真の悪戯心なんて、分かっちゃうってば」
 春香はちょっぴりおどけたように言う。真としては、悔しいけれど敗北を認めるしかなかった。ここにもし第三者が居たなら、そもそもいつから何の勝負が始まっていたのかとツッコミを入れただろう。
「春香、そろそろ退いてくれない? 地味に重いから」
「かっちーん。そういう台詞は冗談だとしても、女の子に向かって言うべきじゃないと思うんだけど?」
「ごめん、ついぽっくり本音が」
「本音はなお悪いよ! そしてうっかりでしょ! ぽっくりだと危ない表現だよ!」
「まあまあ」
「雑! 唐突に反応が雑! なんか馬鹿にされてる気がする、馬鹿にしてるよね!?」
「あれ? 春香、しばらく会わないうちに髪切った?」
「話の変え方が下手!? 私に下手とか言ってたのに、真も大概でしょ!」
「あははっ、春香はこういうくだらないことにもちゃんとそうやって返してくれるから、ボクは好きだよ」
「……真ってたまにそういうこと素で言うから、反則なんだと思うよ」
「え、何が?」
「別にーなんでもありませんっ」
 ぷいっと顔を背ける春香に、真は軽く首を傾げて疑問符を浮かべた。
「よく分からないけど、そろそろ本当に退いてくれるかな?」
「嫌だって言ったらどうする?」
「もうっ、遊ぶのも良いけど、レッスンもちゃんとしなきゃだろ?」
「真は勘違いしてるよ。私は最初から、遊びなんかじゃない」
「何を言って――っ!」
 真の言葉は、そこで途切れた。春香が真の首筋に、そっと顔を埋めたからだ。唇が首筋に触れるか触れないか、きわどいくらいの距離。実際には触れていないのだが、首筋にかかる春香の吐息に、真は言葉が出せなかったのだ。
 どうせ冗談の続きだろうと思いながらも、さっきの春香の声がいつになく真剣だったのもあって、どう動いたものかと真は考える。
「真、良い匂いする」
「……何それ、さっき抱き締めたときの仕返し?」
「ううん、そんなんじゃない。真の匂いって、なんか落ち着くよ。温かい感じがするっていうか、なんていうか……言葉に言い表すのは難しいけど。私は好きだなぁ、真の匂い」
「どう反応すればいいのか、困るんだけど――って、こ、こら! 嗅がないでよ!」
 春香は首筋に顔を埋めたまま、すぅはぁっと呼吸をする。真もこれには恥ずかしさがあり、慌てて抵抗した。両腕を使って、春香の肩をぐいっと押す。けれども、春香もそれに対して真の肩をがっちり掴んで抵抗した。単純なパワーなら真の方が上だが、今この状況この体勢では春香も負けてはいない。
 ぐいぐい。じたばた。もう退いてってば。嫌だ。怒るよ。じゃあ私も怒るよ。いや理不尽でしょ。社会は理不尽で溢れているからね。うん間違ってはいないけど今は社会関係ないよね。
 そうやって三分ほど戦った結果、先に折れたのは真だった。押し倒された体勢だった分、体力の消耗が激しかった。
「はぁ、あぁもう、なんでこんな遊びで体力消費しなきゃならないのさ」
「だから遊びじゃないって。続きをしたいだけだよ」
「続きって、なんのさ?」
「キス」
「……そういう冗談、もういいから」
「私は本気だよ。真のこと、大好きだもん」
 しっかりと目を見て、はっきりとそう言った。真は春香から、目が離せなかった。それは春香の瞳が、まるでライブのときのように真剣でまっすぐだったから。
 さっきまでのじゃれあっていた空気はどこへやら、二人を取り囲む空気は今までに経験したことのないような独特なものになっていた。
「ボクだって、春香のことは好きだよ。けどさ……」
「私ね、さっき真にキスしたいって言われたとき、驚いたけど嫌じゃなかったんだ。想像してみたら、むしろ嬉しかった。ねぇ、真はどう? 想像してみて?」
「ボクが、春香と……」
 春香に言われ、真は実際に想像してみた。すると顔が分かり易いくらいに、かぁっと赤くなった。嫌じゃなかったからだ。むしろ春香同様、嬉しささえあったから。それに気づいたとき、真は羞恥やらちょっぴり残る不安やらでいっぱいになった。
 真の両頬に、春香の手のひらがそっと添えられる。真は思わず、体を大きく震わせた。これから何をされるのか、分かっているからだ。
「大丈夫、大丈夫だよ、真」
「はる、か……」
 あやすような春香の柔らかい声に、真の体から自然と力が抜ける。
 春香が目を閉じて、ゆっくりと顔を近づける。それに合わせるように、真の方も目を閉じた。
 数センチの距離が、どんどんと縮まっていく。互いの吐息さえ、簡単に感じてしまえるくらいの距離。胸と胸がふにゅりと重なり、互いの鼓動が混じり合う。とくんとくんという胸の音が、もはやどちらのものかさえ分からない。ただ分かることは、レッスンのときよりもやけに体が熱いということだけだった。
 今まさに受け入れようとしている真にとっては、この時間が尋常じゃなく長く感じた。いつまでもこの時間が続くのではないかと、錯覚に陥るほどだった。
 そしてその瞬間が訪れる。
 春香の唇が、とうとう真に触れた――ただし、真の鼻に。
「……ふぇ?」
 予想外のところに伝わった柔らかさに、真は呆けた声を出して目を開ける。するとそこには、意地悪い笑みを浮かべている春香の姿。
 それを見て、真は理解した。
「だ、騙したなぁ!」
「くっ、あはは! ま、真、可愛い!」
「もう怒ったよ! 春香なら良いって思った、自分が馬鹿だったよ! 早く退いて――」
 真が声を荒げて起き上がろうとしたその瞬間、真は行動も思考も停止させられた。
 春香に、キスをされたから。さっきみたいな冗談ではなく、唇に。
 子どものような、ただ唇をそっと重ねるだけのキス。けれどもそれは、真にとっても春香にとっても、未知の感触だった。互いの唇から伝わる、今まで感じたことのないくらいぷにっとした柔らかさ。
 真は思わず、ぎゅっと目を閉じた。顔を少し動かせば、離れることが可能である。けれどもそれをしなかったのは、その心地良さにもうしばらく浸っていたいという無意識の表れだった。
 どのくらいの時間が経ったか、二人には分からない。そんなに長い時間は経っていないだろう。ほぼ二人同時に、そっと唇を離す。
「えへへ、しちゃった」
 そう照れ臭そうに笑う春香に、真は怒ればいいのか同じように笑えばいいのか分からなかった。
 結局はとりあえず非難する視線で、春香を睨むことにした。
「……鼻にして冗談、で終わるんじゃなかったの?」
「いや、いざするとなると結構恥ずかしくて、つい鼻にして誤魔化したというか」
「ヘタレ」
「んなぁっ! け、結局ちゃんと口にしたでしょ!」
「わざわざ一回誤魔化したのに、なんで口にしたのさ」
「そりゃ、怒る真を見たら体が動いたっていうか……つい」
 ごめんと言いしゅんとする春香に、わざとらしくため息を零して見せる真。
「もういいよ、うん。ほら、そろそろレッスン再開しよう?」
「う、うん。退くね。えっと、その……」
 ゆっくりと真の上から退きながら、春香は何かを言おうとする。けれど、結局言葉が見つからないのか、うぅーと小さく唸った。
 そんな春香を見て、真は再度ため息を零す。
「本当に、嫌じゃなかったよ」
「え?」
「それとも春香は、ボクとキスして後悔しているの?」
「ううん、そんなことない! 真、ごめんね……じゃないか、ありがとう! も、おかしいか。うーん……」
 真の言葉を慌てて否定し、春香は言葉を探す。
 少しして、しっくりくる言葉が見つかったのか、笑顔になった。
「真、大好きだよ」
「~っ!」
 ふにゃりとした笑顔とその言葉に、真は一瞬心奪われて言葉が出てこなかった。数秒して元に戻り、春香と同じように笑顔で、けれども少し照れくさそうに笑いながら――
「うん、ボクも好きだよ」
 そう返した。
 互いに、えへへと笑い合う。少しして、気恥ずかしさが生まれたのか、何かに急かされるかのようにレッスンを再開した。

 休憩後からのレッスンは、お互いに全く集中ができなかったそうな。
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