絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

ロマンチックモンスター

春香さんと真くんの小ネタだったり。

「真は相変わらず格好良いねー」
「唐突になんだよ、春香」
「だって、ほら」

 春香の指さす方向には、見慣れた事務所のテレビ。よく小鳥や高木社長が、765プロのメンバーを応援しながら眺めていたりする。
 そんなテレビに今映っているものは、一つのCMだった。真が木陰に腰をおろし穏やかな笑みを浮かべながら、清涼飲料水のペットボトルを手に持っている。ただそれだけのことなのに、目を魅かれるものがあった。真の目線、姿勢、シチュエーション、その他全ても含め醸し出す雰囲気は、まさに格好良いという言葉が当て嵌まる。思わず見ている者が、ほぅっと息が零れそうなレベルだ。
 それは春香も例外ではなく、思わずテレビに目を奪われてしまっていた。
 しかし当の真は、やや不機嫌そうな表情。未だにソファーに座ったままテレビからは視線を外さない春香に、真は背後から手を回し、頬をきゅっとつねってやった。

「いふぁい!?」
「どうせボクには可愛い系は似合いませんよーだ」
「ふぉんふぁこといっふぇにゃいでふぉ!」

 そんなこと言ってないでしょ、という春香の言葉は残念ながら謎の言語へと変換された。主に真の頬つねりのせいで。
 春香は真の手を払い、つねられた頬をさする。そして真の方へと振り返り、ジトッとした目で睨んだ。

「うぅ、せっかく褒めたのに」
「じゃあお礼に頬のマッサージをしてあげたってことで」
「もし真が将来マッサージ師になったら、全力で悪評流すからね。はぁ、真は格好良いって言葉を素直に受け入れればいいのに。真の魅力の一つなんだから」
「そうは言ってもねぇ……」
「だってもし私が真みたいに格好良いことしても、絶対笑われるよ? 私からすれば、格好良いっていうのも憧れちゃうけどなぁ」
「……いや、春香も案外いけるんじゃないかな? ほら、キサラギのときのハルシュタイン閣下みたいな感じで。あのキャラクター、好評だったじゃないか」
「あれは楽しかったけど、明らかにマコトの方が格好良いキャラだったじゃない。私がキサラギのマコトみたいな言動しているの、想像してみてよ」

 春香に言われて、真は目を瞑って実際に想像してみる。
 マコトの衣装を着て、クールな態度。そして鋭い目つきで「閣下、お菓子が焼けました」と。そこまで想像して、真は思わず噴き出した。
 それを見て、春香は不貞腐れたような顔になる。

「ほーらー笑ってる! やっぱり変でしょ?」
「ぷ、ははっ、いやごめん、途中まで格好良かったんだけど」
「真の脳内で私がどういう行動をしたのか凄く気になるんだけど……」
「まぁ今のはボクの想像が悪かったっていうことで。ならさ、春香が格好良いと思うことをボクにやってみてよ。ちょっと興味あるし」
「また笑われる未来しか視えないよ」
「わ、笑わないから! ごめんってば!」
「……はぁ、まぁいいけどね、笑われても。だって私――」
「え、うわぁっ!?」

 突然、春香が真の首に腕を回した。ソファーに腰掛けたままの春香と立ったままの真では、高低差がある。それを無理矢理、ぐいっと引き寄せるようにしたものだから、真は強制的に膝を曲げさせられることになった。
 そして春香は真の額に、自らの額でキスをする。異常なまでに、近い距離。このまま本当のキスでもするのではないかと、錯覚するくらいに。この状況に、真は「危ないじゃないか」という文句を言うことすら忘れてしまう。
 穏やかな笑みを浮かべ、けれどやや照れ臭さも混じったように思える笑みで、春香は口を開く。

「真の笑った顔、大好きだから」
「~っふぇあ!?」
「真が笑ってくれるなら、私は喜んでピエロになるよ。それだけで私は、すっごく幸せだもん」
「ぇ、ちょ、は、春香?」

 春香が言葉を紡ぐたびに、真の動悸は落ち着きを失う。じゃれ合う小動物のように、春香は自らの鼻で真の鼻をつつく。下手をすれば、ちょっと顔をずらせば、それこそ唇が触れ合ってしまうことだろう。
 慌てて離れようとする真に、春香は腕の力を強めて逃がさない。

「ふふっ、慌てる真可愛い」
「な、何言って――」
「ねぇ、真、もっとこっちに来てよ」

 今二人を唯一隔てているソファーの存在が、煩わしい。そんな思いを込めるかのように、春香は真をより強く抱き寄せようとする。
 もし真が春香の後ろではなく、真正面にいたならば、今頃二人の体は完全に密着していたことだろう。
 もう完全に顔を真っ赤にして、言葉すら発せなくなった真。
 ほぼゼロ距離な状況で、何かを訴えるような視線だけを、春香に送り続ける。
 そして互いに数秒見つめ合った後――

「む、無理無理もうギブアップ!」
「へ?」

 まるで呼吸をするのをずっと我慢していたかのように、春香はぷふぁっと息を吐いて真から離れた。
 異様に近かった距離から、元の距離へ戻った。

「えっと、どうだった、真?」
「……どうって、何が?」
「いやだから、ちょっと格好良い私みたいなのを演じてみたんだけど」
「……まぁまぁじゃないかな。春香はやっぱり、いつもの春香の方が似合ってるよ、うん」
「ちょっとドキッとした?」
「してないよ! まったくこれっぽっちもしてないからね!」
「そ、そこまでムキにならなくても……」

 あぁそうだった春香は舞台とかやっている分演技力が凄いんだったくそぅ、と真は春香から顔を背けながらそう思った。まだ熱いままの顔を、悟られないように。
 春香は「たはは、だめだったかー」と残念そうな声で、立ち上がる。

「さて、と。そろそろお仕事の準備しておかなくちゃ」
「あぁそう早くお仕事行ってきなよ!」
「い、いや、まだ準備してくるだけだから。なんかちょっと、怒ってる?」
「怒ってないから。ボク普段からこんな感じでしょ」
「じゃ、じゃあ私準備してくるから」

 いかにも不機嫌そうな声の真に、逃げるようにその場から去ろうとする。
 真は春香と入れ替わるように、ソファーへと座った。なるべく春香と顔を合わせないようにしながら。
 春香に背を向けている真に、春香は「ああそうそう」と声を投げ掛ける。

「さっきの、全部が全部演技じゃないからね。真の笑顔が大好きなのは、本当だよ」
「っ!?」

 物凄い勢いで真が振り返るが、春香は「よっしお仕事がんばろー」と声に出しながら顔を見せず背を向けたまま行ってしまった。
 せっかく落ち着きつつあった真の動悸が、また騒がしくなる。
 真はソファーの上で膝を抱えながら、顔をうつ伏せにする。うぅ~と唸り声をあげながら、一体どこまでが演技だったのかを考えた。
 からかっているのか演技なのか本気なのか、結局それは分からない。

「あぁもう春香のばか……」

 ぽつりと零した後、真はまた唸り出した。
 そんな真の様子を、いや一部始終を聞いていた唯一事務所に居て業務をしていた小鳥は、その日一日テンションが高かったそうな。
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