Case20:『何よりも甘いもの』2014-02-25 Tue 00:00
文さんと霊夢さんで軽く。
Case20:『何よりも甘いもの』 「あんたちょっとさ、人里まで和菓子買ってきてよ」 「会って数秒でパシリですか」 「その口調的に、今日来たのは取材目的でしょ? なら取材料金ってことで、ひとっ走り行ってきなさいよ」 「行ってきてよ、じゃなくて命令口調なあたり、さすがだなぁって思います」 「ほら、たまに無性に甘いものが欲しくなるときってあるじゃない。今がまさにそのときなのよ。そこに文が現れたらもうあれよ、パシるしかないじゃない」 「わーおバッドタイミング」 「いいじゃない、幻想郷最速でしょ。その速さを今使わないで、いつ使うって言うのよ」 「少なくともこういう場合に使うものではないかと」 「あーもう、ぴちゃぴちゃうるさいわねぇ! さっさと行ってきてよ!」 「ぴちゃぴちゃうるさいってどんな表現!? なんか口から涎たらしながら喋ってるみたいなんで、やめてくださいよ!?」 「だからぴちゃくちゃうるさいってば! 文句言わず、甘いもの買ってきてよ! 割り勘にしてあげるから!」 「表現悪化してますよね!? あと割り勘って、最初は私に全額払わす気だったんですか!?」 とにかく絶対に行きませんよと渋る文に、やれやれとした態度を取る霊夢。何も事情を知らない人がこのシーンだけ見たら、被害者と加害者の立場が逆転して見えるだろう。 霊夢はため息を吐いた後、ちょいちょいと手招きする。やや警戒しながらも、文は霊夢に近付いた。 すると霊夢は、文の腕を掴みぐいっと引き寄せる。慌てて抵抗しようとするが突然のことにバランスを崩した文は、結局そのまま霊夢の胸へと引き寄せられる結果になってしまった。 ぎゅうっと、まるでもう離さないといった感じに、文を抱きしめる。そして耳元で一言。 「お願い、文。ね?」 「はい行ってきます!」 すぐさま、そぉい! と文は人里へ消えた。 いやーちょろいわーと零す霊夢の頬がやや赤かったことは、残念ながらその場には誰もいなかったので、知る者はいない。 |
コメント
これが、これが青春と呼ばれる物なのか?これが魔理沙やらなんやに見られたら二人ともからかわれたでしょうね……。
名前を変えました。やたら長い名前ですがてきとーに縮めて呼んでやってください。これからもよろしくお願いします。 2014-02-26 Wed 07:31 | URL | 絶望を司る程度の能力(諸事情によりロドルフから改名しました。) [ 編集 ]
>>絶望を司る程度の能力さん
青春っていいですね(ぇ はーい、よろしくですー。 2014-02-26 Wed 19:56 | URL | 喉飴 [ 編集 ]
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