case9:『捻くれ者』2013-10-19 Sat 02:32
パッチェさんとフランちゃんのお話。
『捻くれ者』 パチュリー・ノーレッジは、紅魔館で一番の捻くれ者である。それは紅魔館の誰もが認めることであり、本人もそれは認めているほどだ。それが魔女という性質によるものなのか、ただの本人の性格なのか。おそらくは後者であろう。 たとえばフランドールが暇を持て余して、相手をしてくれと言った場合、パチュリーがまず提案することが読書である。読書自体は普通のことだが、実際は本を読むフランドールの横で腕立てや腹筋を始める。本来静かな図書館の中、ふんふんっという無駄に荒い息が真横から聞こえては、本に集中などできるわけがない。自ら本を勧めておいて、それを妨害するという捻くれっぷりだ。 仕方なく、フランドールが「体を動かしたいなら、弾幕ごっこでもしようよ。軽い運動にもなるし」と提案する。 それに対しパチュリーは、まるでフランドールの言葉なんて最初からなかったかのように―― 「そうね、フリスビーでもする?」 と言った。こいつ殴りたい、という衝動に駆られるフランドールだったが、グッと堪える。 「いや、弾幕ごっこをね、今提案したよね?」 「じゃあ私がフリスビー投げるから、妹様はそれを全力で取りに行って。そして利口な犬のように、私の元へと戻しに来て頂戴。そうしたら私が、妹様の顎や頭をよーしよしよしよしよしって言いながら撫でまくるから」 「完全に私を馬鹿にしてるよね、それ!?」 「私なりの愛だけど……」 「愛が歪んでる! そんな愛はいらない! そうじゃなくて、弾幕ごっこを――」 「ごっこ遊びがしたいの? お医者さんごっこでもする? じゃあ妹様、患者役やって。私、生まれたての小鹿の役やるから」 「肝心のお医者様がいない! 病状訴える患者の横でぷるぷる震えてる小鹿って、それどんな状況さ!? それともその患者には、小鹿が医者にでも見えてるの!? だとしたらその患者、重症だよ思ってる以上に!」 「妹様、ツッコミ長い。」 「~っ! あぁもうっ! 本当に腹立つ!」 ぶんぶんとレーヴァテインを振り回すフランドールに対し、まるでうふふ捕まえてごらんなさーいと言っているかのように軽やかに逃げ続けるパチュリー。 無駄に賑やかな大図書館。 なんだかんだでフランドールの最初の望み通り、相手をしてやっている形にはなっている。 このように、パチュリーは捻くれている。 |
コメント
天邪鬼に懐かれてる...やっぱ紅魔館はいつも元気いっぱいですね!
2013-10-19 Sat 05:53 | URL | ロドルフ [ 編集 ]
>>ロドルフさん
懐き懐かれ、そんなお二人っ。紅魔館は常にどたばたしています! 2013-10-19 Sat 23:14 | URL | 喉飴 [ 編集 ]
|
コメントの投稿 |
|
トラックバック |
| ホーム |
|