絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

惚れ薬騒動~鬼愛し編~

惚れ薬騒動シリーズの二番目。
てんすい。ちなみに某所にある裏版はオチが全く違います。




「ちょっとそこの子鬼」
「ん? 私のことか?」
「この天界にあんた以外に鬼なんて居ないわよ」

 天子が萃香を睨む。萃香はいつもどおり、ヘラヘラしながら酒を飲んでいた。

「いつまで天界に居るのよ?」
「無論、飽きるまで」
「こっちとしては、いつまでも天人以外の存在が居ると鬱陶しいのよ」
「良いじゃないか。お前の暇潰しの相手くらいにはなってやるから」
「全く、土地代請求するわよ?」
「んじゃあ、金の代わりにこれ」
「え? ちょ!? 投げないでよ!」

 萃香が投げた瓶を慌ててキャッチする。天子が中を覗くと中には、不思議な形をした小さな粒が大量に入っていた。

「何よこれ?」
「んー見た感じ金平糖」
「何よ見た感じって?」
「兎がくれた。説明書読んで無いから詳しくは知らないよ」
「……金平糖って食べれるの?」
「砂糖菓子みたいなもん」

 天子は、萃香のいい加減な態度に腹が立ったが、とりあえずお菓子の類だと理解し、一粒口に放る。甘い、口当たりの良い味が口内に広がるのが分かる。
 しかし、気付くべきだったのだ。何故砂糖菓子に説明書が付いているのか、兎が持って来たのか。
 もし、今気付いても、もう口に入れてしまった天子には意味が無い。

「萃香ぁ」
「何だ、甘ったるい声を出して」
「好きぃぃぃぃぃ」
「にょわっ!?」

 寝転がっていた萃香の上に乗り、仰向けに押し倒す天子。
 萃香は突然のことで、何が何だか分かっていない。

「萃香」
「な、なに?」
「好きだよ」
「いや、はぁ、ありがとう?」

 突然好きと言われても、萃香には理解出来ない。
 ただ分かるのは、天子の目が正気じゃないということ。にへらと妖しく笑っていること。押し倒されているということ。
 怪しいと思った萃香は、手を伸ばして先程の瓶を見る。瓶の底に簡単な説明が書いてあった。

『金平糖型惚れ薬――初めに見た者に惚れ、効果は半日程度』

「な!?」

 驚く萃香。そんな萃香を見て天子は顔をゆっくりと近付ける。

「こら天子! 正気に戻れ!」
「私は正気よ。萃香のことしか頭にないもの」
「明らかに正気じゃないって!?」

 萃香の脳内に選択肢が浮かぶ。

1.食べられちゃう
2.逆に美味しく食べちゃう
3.むしろ自分も惚れ薬を口に入れる
4.自慢の腕力で脱出
5.メラミ

「4以外無いだろぉぉぉ!」
「きゃあ!?」

 のしかかっていた天子を突き飛ばす。そしてそのまま、能力を使って霧の様になる。これで天子には萃香の姿が確認出来なくなった。
 一安心していた萃香だが――

「ふえぇぇぇん!」
「え!?」

 天子が泣き始めた。しかも子ども泣きだ。
 萃香は、力を入れ過ぎて、怪我をしたのかと心配になる。

「萃香も……私を嫌うんだね」

 しかし、泣いている理由は全く違っていた。天子は泣きながら、萃香が見えないのに、喋り続ける。

「不良天人って言われて、天界からは嫌われ者。地上に行っても……あんな地震を起こしちゃった私は嫌われ者。天にも地にも居場所が無いよ……私はどうすればいいの? 寂しいよ……ふぇ」

 天子は孤独を嫌がっていた。素直じゃない性格は、周りからは捻くれ者と言われ、不良天人と罵られ、辛かったのだろう。
 萃香には、それがどんなに辛いことか分かった。悲痛な嘆きを目の前で見て、自分も天子を拒絶し、傷付けたことを後悔した。

「天子……ゴメン」
「……萃香」

 能力を解いて、再び天子の目の前に姿を現す萃香。
 天子は、萃香に勢いよく抱き付いて泣きじゃくる。萃香はそんな天子を今度は拒絶せず、そっと抱き締め返した――その瞬間

「引っ掛かったわね萃香!」
「え!? んー!?」

 天子がニヤリと笑って萃香に口付ける。萃香は何が起こったのか理解出来ずにいた。
 押し返そうにも、天子の甘い匂いに惑わされたか、力が思うように入らなかった。
 天子の脳内には、選択肢が浮かんでいた。

1.ガンガンイこうぜ!
2.いろいろやろうぜ!
3.特技使うな!
4.道具使うな!
5.命令させろ!

 無論、全て性的な意味で、である。

「ぷはっ!」
「ふーふー!」

 重ねていた唇を離す。萃香は睨みつけるように天子を見たが――

「でもね萃香。私、本当に寂しかったの。だから、今とっても嬉しい」
「――っ!」

 とても純粋な笑顔で、嬉しそうに言われちゃ、睨むに睨めない。拒絶なんて、絶対出来ない。そう萃香は思ってしまった。

「萃香、抵抗しないんだね?」
「もー好きにしなー」
「じゃあお言葉に甘えて」
「むぐぅ!?」

 今度は舌を絡ませ――



◇◇◇



「えーと、萃香生きてる?」
「生~き~て~る~」

 半日という惚れ薬の効果が無くなる時間まで付き合わされて、ぐったりとしている萃香と、何故かツヤツヤな天子を、遠くから衣玖が覗いていたそうな。
 チャンチャン♪
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