絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

ハロウィン小ネタ

ハロウィン小ネタ二つ。

 
 
 
1,さとり&映姫の場合





「私、あなたに重大な用事があるからと聞いて、わざわざここまで来たんですが」
「超重大ですよ。お菓子をくれなきゃ、悪戯しちゃう的な意味で」
「そぉぉぉぉいやぁぁぁぁぁっ!」

 悔悟の棒フルスイング。
 角度、速度、フォームともに、それは見事なものだった。そしてそれは、さとりの脇腹に直撃した。みしぃっと音を立て食い込んだかと思えば、そのままの勢いでさとりを吹っ飛ばす。
 しかし、映姫は気付いた。完全に直撃し吹き飛ばされる直前、さとり自身が微かに横に飛んで威力を殺したことに。その瞬間、さとりが口の端を釣り上げていたのが分かった。まるで映姫に対し、お前の攻撃など見えているぞ、と言っているような、そんな笑みを浮かべた。無駄にカリスマ溢れる笑みだった。
もちろん、完全に殺し切れてはいない。かなりのダメージがさとりを襲った。だが、致命的なダメージにまでは至らなかった。

「ふ、ふふ、ごふぁっ! あ、甘いですね映姫……攻撃が直線的過ぎます。そんな攻撃じゃ、妖精すら倒せませんよげふごがふぁっ!」
「もろ咳き込みまくってる人が、何を言いますか」
「とりっくごふぁげふっと?」
「それでもなお、トリックオアトリートと続けようとするあなたの執念は、よく理解しました。……自分でやっておいてなんですけど、大丈夫ですか?」

 咳き込み続けるさとりに声をかけるが、さとりから返って来るのは咳き込む音だけ。
 映姫はわざとらしく大きなため息を吐いた後、さとりの傍へと寄ってしゃがむ。そしてさとりの小さな背中に、そっと手を添える。

「あぁもう本当、あなたは昔から世話の焼ける……」
「……なんやかんやで世話を焼いてくれる、そんな映姫が私は好きです」
「私は今、なんであなたと親しい関係を続けているのか、理解に苦しんでいます」

 そう毒吐きながらも、さとりを心配している様子がある。心が読めるさとりには、映姫の心配、やりすぎたかしらという言葉が伝わってきた。
 それを読みとったさとりは「あぁ、本当に映姫は甘い。普段は厳しいくせに、なんだかんだで甘い」と心の中で呟き、ふっと笑う。

「何を笑っているんですか、あなたは」
「いえ、あなたは相変わらずだなと」
「褒められているのか馬鹿にされているのか、分かりません」
「ふふっ、映姫は映姫だなということです。あぁ、もう大丈夫なので」

 回復したらしく、さとりがすっと立ち上がる。それにつられて、映姫も同じように立ち上がった。
 さとりはジッと映姫を見つめてから、どこから取り出したのか、包装された手のひらサイズの袋を差し出した。
 無言で渡そうとしてくるので、映姫からすればなんなのかよく分からない。首を傾げる映姫に、さとりは「ん」とだけ。

「いや、だからわけが分からないですってば。説明を求めます」
「はぁ……これだからヤマザナドゥは」
「私はともかく、ヤマザナドゥ全てを馬鹿にするような言い方はおやめなさい」
「安心してください、私が馬鹿にするヤマザナドゥは映姫だけですから」
「今、さっきまであなたを少しでも心配したことを、非常に後悔しています」
「今日は何の日だか、忘れてるんですか?」
「ハロウィンでしょう?」
「というわけで、これ、お菓子です。手作りクッキー」
「……は?」

 映姫はきょとんとした表情をする。

「元から今日は、渡す側として映姫を呼んだんですよ」
「いや、そもそもハロウィンって、自分から積極的に渡すイベントじゃないような……」
「細かいこと気にしないでください。あれです、普段お世話になってるから改めてー……じゃ照れ臭いでしょう? だからこういうイベントに乗っかって、渡すわけです。というわけで映姫、必要な言葉を言ってください」
「えっと、トリックオアトリート?」
「はい、どうぞ」

 ふにゃっと笑い、映姫の手のひらにそっとお菓子の包みを乗せた。
 映姫は少し戸惑いながらも、丁寧に紐を解き、中からクッキーを一つ取り出す。甘く柔らかい匂い。

「んっ……」
「どうですか?」
「美味しいです。さとりは昔から、こういうの作るの上手でしたよね」
「そういう映姫は、お菓子どころか料理もできませんよね」
「放っておいてください」

 そう言って笑うさとりに対し、映姫はクッキーを食べながらジトっと睨んだ。





 2,文&霊夢の場合



「巫女に悪戯出来る日と聞いて飛んできました!」
「今すぐ土に還れ腐れ鴉が」
「想定していたよりも辛辣な言葉!?」

 炬燵から顔だけ出している状態の霊夢の言葉に、文は精神的ダメージを負う。しかし、割と普段から言われ慣れていることもあるせいか、この程度では挫けない。
 失礼しますねーと言いつつ、霊夢と反対側の方から炬燵へ足を入れる。

「ちょっと、何勝手に入って来てるのよ」
「いえ、炬燵の中で悪戯というのも、乙なものかと思いまして」
「……あんた、覚悟してきてるって認識で良いのよね。人に悪戯しようとするってことは、逆に悪戯されるかもしれないという危険を、覚悟してきてるってわけよね」
「ふっ……相変わらず巫女は、やると言ったらやる、そんなスゴ味がありますね。しかし、私は負けませんよ! スペルカードは一枚!」
「同じく一枚」

 互いにスペルカード宣言だ。文は胸ポケットから、霊夢はさらしの中からカードを取り出す。
 そして発動させる。

「幻想風靡」
「夢想天生」

 パッと見、何かが変わった様子は無い。二人とも炬燵に入って、温かさを享受しているだけのようにも見える。
 しかし、炬燵の中は戦場になっていた。幻想風靡(下半身限定)によって超速度で動く文の足による攻撃を、霊夢は夢想天生(下半身限定)で全て無効化する。
 夢想天生によって半透明化し実体を持たない霊夢の下半身には、幻想郷最高速度を持つ足でいくらスカートを捲ろうとしても効果が無かった。
 逆に霊夢の自動反撃によって、文のスカートが徐々にずり下ろされていく。いくら足を超高速で動かしても、いつの間にか霊夢の攻撃に絡め取られているのだ。
 文の額に、汗が滲み始める。傍から見たら、炬燵の熱で暑がっているようにしか見えない。だがその実、汗は焦りによるものだ。少しずつだが、確実に下ろされているスカートに、文は焦っていた。
 どうにか起死回生の手段は無いものかと、考えたその瞬間。

「あっ!?」

 一瞬、たった一瞬足から気を逸らしただけで、文のスカートは無駄に器用な霊夢の足によって、奪われてしまった。
 慌てて奪い返そうとするも、既に霊夢は身を丸めて文のスカートを抱え込んでしまっていた。
 そして互いに、スペルカードの時間制限により、技は効力を失う。霊夢は無傷、文はスカートを奪われて下半身下着のみ。勝負の結果は、言うまでも無かった。

「勝負あり、ね。私の勝ちよ」
「くっ……スカートを奪うとは卑怯な。あ、あ、ちょっと! 何炬燵から出てるんですか!」

 悔しがる文に対し、霊夢はひょっこりと炬燵から抜け出した。もちろん、手には文のスカートを持ったまま。
 今すぐ奪い返したい文だが、今炬燵から出てしまうと下着姿を晒す羽目になってしまう。博麗神社は、人やら妖怪やら種族問わずよく集まる。いつ誰が来てもおかしくない状況で、下半身下着姿で霊夢に襲いかかる気にはなれなかった。
 今の文に出来ることは、炬燵に深く入って霊夢を睨むことだけ。

「睨まれても、あんたが今下半身丸出しってこと考えると、全く怖くないわね」
「最悪です。私が悪戯をしようと思っていたのに、いたのに……っ!」
「文、最悪って言う言葉は最も悪いって書くのよ? あんたはまだ、最悪では無いわ」
「……一体どういうことですか?」
「つまり、今から最悪になるのよ」

 いつの間にやら、霊夢の空いている方の手にはカメラがあった。炬燵の上に置いておいた、文のカメラだ。
 それを見た瞬間、文の脳内に嫌なシナリオが思い浮かんだ。冗談であって欲しい勘違いであって欲しい、そう思うも、霊夢の気持ち悪いくらいの笑顔がより不安を加速させた。
 霊夢は炬燵布団を勢い良く捲ると、即座に炬燵の中に向かってシャッターを切る。

「ちょ、ちょ、ちょー!?」
「ふむ、ちゃんと穿いてたのね。てっきり、穿いてないかと」
「何まじまじ見てるんですか何ズーム機能使って撮ってるんですかというか私に一体どういうイメージ持ってたんですか!?」
「一息でそれだけツッコミを入れるなんて……文、あんた恐ろしい子ね」
「今この状況だと、明らかに恐ろしいのは霊夢さんの方だと思うんですが!」
「安心なさい。写真はばら撒いたりしないで、ちゃんと私だけが大切に持っておくことにするから」
「それなら良かった――って、何一つ解決してないですよね!? あっ、ちょ、顔と炬燵の中交互に撮らないで! やめて!」

 結局その後、霊夢が飽きるまで写真撮影は行われた。
 ちなみにあれだけ暴れたのに、炬燵には傷一つ無かった。
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