絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

暑い夜には何をする?

本日は普段お世話になっているameさんのお誕生日だったので、お贈りしたものっ。
やや昔のノリを思い出しつつ、割と久し振りにSSをっ。
文と霊夢でどたばたっ! 

「霊夢さんって寝るときは全裸派ですか?」
「歯ぁ食いしばりなさい」
「ごぷっ!?」

 文の顔面に、霊夢の拳が直撃した。



 ~少女回復中~



「全くもう……いきなり人の顔を殴るのは酷いです」
「いきなりアホなこと言い出すやつには、目を覚ますための一発が必要でしょう? むしろ私なりの優しさよ。今すぐ、殴ってくださってありがとうございます嬉しいです、って感謝しなさい」
「その台詞だと、私マゾっ気ある変態みたいじゃないですか。嫌ですよ」
「私に言った台詞の時点で、だいぶ変態だけどね。で? 一体何しに来たわけよ」

 文が突然博麗神社へやって来るのは、というか誰かしら(参拝客を除く)が博麗神社へ訪れてくるのは大体いつものことなので気にはしない。だが文の口調が敬語モードということは、何かちゃんとした用があって来ていることを示している。
 霊夢はそれが分かっているから、はよ用件済ませて帰れ、といった感じだ。どうせ何か面倒なことなのだろうと思っている。
 文はこほんと一つ、わざとらしい咳をした後手帳を広げる。

「最近はすっかり暑くなってきたじゃないですか。そこで、暑くて寝心地の悪い今、一体みなさんはどんな工夫をして就寝してらっしゃるのかなと。そして良い方法があれば、それを今度新聞に載せてみようと思いまして」
「なるほどね……残念だけど、私はいたって普通よ。暑いのを我慢して、なんとか寝てるだけ。横になってれば、いずれ寝れるしね」
「全裸じゃないんですか?」
「まだ言うか。第一、暑いからって全裸で寝るなんてやつ、いるわけないでしょうが」
「いや、いますよ?」
「……え?」

 まるでいるのが当たり前かのように、普通のことであるかのように文が言った。

「い、いやいや、嘘でしょ? 騙されないわよ」

 自分を騙すための嘘だろう、常識であるかのようにして私にやらせるつもりだ。霊夢はそんなことを思い、文を睨みつける。
 しかし文はぷるぷると首を軽く横に振り、否定した。

「私も初めは驚いたんですけどね、外の世界ではたまにいるらしいです。解放感があって、心地良いらしいです」
「い、いくら解放感があるって言っても、もしそんなところ誰かに見られたら……」
「あっはっは! 霊夢さんは見られても、ぺったんこ通り越して絶壁なんですから困らないじゃ――げふごふぶはぁっ!?」
「泣くまで殴って良い?」
「も、もう殴ってるじゃないですか……すみませんちょっとからかってみたくなったんですだからそのメリケンサック型陰陽玉やめてください」

 重い音を立てながらお腹のあたりを殴られ、その場によろける文。
 このくらいで勘弁してやるか、と霊夢はメリケンサック型陰陽玉を手から外した。

「ちなみにですね、ここ来る前にいくつかの場所に寄ったんですが、実は全裸派の方がいたんですよ」
「え、ちょ!?」
「直接お話をお伺いできたわけじゃあないですが、ベッドの中で全裸だったんですよ。あの映姫さんとさとりさんが」
「……ん? ちょっと待って、二人一緒に?」
「えぇ、二人一緒にベッドの中で全裸でした。何やら疲れているのか、私が布団を引っぺがしてもぴくりとも動かず、ぐっすり寝ていました。これはもしかして、全裸は熟睡できるという証拠に――」
「それ疲れてる理由絶対アウトな理由じゃない! あの二人そういう関係なの!? い、いや、そもそもあんたわざわざ閻魔の家かさとりの家に行ったわけ!?」
「まぁこの話は置いておくとして」
「気になる! 凄い気になるんだけど!」
「全裸以外にはですね、例えば白玉楼なんかは元から涼しいので必要なかったり、人里では風鈴の音で紛らわしたり、魔理沙さんは八卦炉で風を出したりするそうです」
「あ、あぁそう。それより私はさっきの件が凄い気になって仕方ないんだけど……」
「さっきの件というと、霊夢さんが全裸に興味を持ったあたりのことですか?」
「間違ってないけどそれだと色々誤解を招くでしょうが!」

 真面目に言ってるのかわざと言っているのか、文は霊夢をことごとくかわす。
 霊夢は疲れたようにため息を吐き、ひらひらと手をやった。

「ほら、もう帰りなさい。私は言った通り、別に特別なことはしてない。さっさと他のところに調査でもなんでも行きなさい。あんたと話してると、暑くなる」
「え? それは胸がどきどきして体が熱い的な意味でですか?」
「あんたが暑さで頭やられてるってことは、よーく分かったから。さっさと帰りなさい。そして二度とこの神社に来るな」
「そこまで!? 霊夢さんはもうちょっと、なんていうか、余裕を持った生き方をした方が良いと思います。そんなに怒ってばっかりいちゃ、ただでさえ暑くて疲れるのにより暑くて疲れますよ」
「原因のあんたが言うな。そういえばあんたはどうなのよ?」
「はい?」
「いや、はい? じゃなくてさ。あんたはこの腹が立つ暑さの中、夜寝るときに何か工夫でもしてるわけ?」

 妖怪の山はなんとなく蒸し暑いイメージがあったが、夜はどうなのだろうか。霊夢はそう思い、訊ねてみた。

「あぁ、私は能力使って風を起こして、部屋の空気をひんやりさせてから寝ています」
「何それずるい」
「正当な努力ですよ。魔理沙さんの八卦炉と、似たようなものでしょう」
「いや、魔理沙は許せるんだけど、文だとなんか……ずるい」
「何ですかそれ理不尽」
「あんたがそんな卑怯なやつだなんて、思って無かったわ。幻滅したわ……」
「私何も悪いことしてないですよね!? 何いかにも私が最低なことしたかのように!」
「……あ、良いこと思い付いた。あんた罰として、今日うちに泊まりなさい。そして快適な睡眠を私に提供しなさい」
「わーい横暴だぁ……とうっ!」
「逃がすかっ!」

 一秒もしない内に最高速に達した文が、霊夢の視界からふっと消える。幻想郷最速の名は伊達じゃない。並大抵の者なら、この時点で追いつくなんてことは不可能だろう。
 しかし、文を追いかけるのは霊夢だ。妖怪退治と異変解決をいくつもこなし、修羅場をくぐってきた人間とは思えない存在だ。
 霊夢は口の端を少し歪め、妖しく笑う。完全に悪役な顔だ。

「知らなかったの? 博麗の巫女からは逃げられない」
「なっ!?」

 空を翔ける文の背中に、突然現れた霊夢。スキマ移動でも文のような純粋な速さでもない、物理法則無視の瞬間移動だ。そしてそのまま、文の後ろ首に札をぺたり。
 次の瞬間には、文の体から妖力が抜け切っていた。妖力が抜けるということは、力が思うように入らなくなるわけで。つまりは――

「え、ちょ、ひゃぁぁぁぁぁあああああっ!?」

 落下。
 大人でも余裕で泣いてしまうんじゃないかというくらい、恐ろしいスピードで落下していく。
 文も思わず涙目になり、いつもの冷静さを失って叫ぶ。

「よっ、と……」
「ふぁ?」

 ふわっと、体に浮遊感。
 霊夢が文の体をお姫様抱っこし、支えたのだ。

「何? 本当に落とすと思った? そんなわけないでしょうが。大切なあんたを、見捨てるわけないでしょう?」
「れ、霊夢さん……」

 柔らかい笑みを浮かべて言う霊夢に、文は心が震えた。さっきまで恐怖感に包まれていた分、今この安堵感が心地良い。
 そしてなんやかんや霊夢が自分のことを大切に思っていてくれてる、その事実が文は嬉しかった。

「だって見捨てなんてしたら、今夜快眠できないじゃない」
「……え?」
「なんのためにあんたを追いかけたんだって話になるでしょ? ほら、帰るわよ。あ、お札は明日の朝になったら外してあげるから、安心しなさい」
「~っ! 鬼! いや、鬼より酷い!」
「はいはい、なんとでも言いなさい~」

 ぎゃあぎゃあと非難の声を上げる文だが、全て軽く流される。
 そして結局、抵抗虚しく霊夢にお持ち帰りされた。





 オマケ



「すぅ……」

 室内は文の風で、ひんやりと心地良い。
 だが、文は眠れなかった。否、寝れるわけ無かった。
 文の真横に、とても気持ち良さそうに眠る霊夢。
 博麗神社に布団はいくつもあるわけではなく、同じ布団で寝ることになった。肩と肩はが触れ合い、互いの体温を感じる距離。虫も鳴かない静かな夜のせいで、穏やかな寝息がやけに耳につく。
 寝息を意識してしまうと、次に寝息を発している唇に目がいく。小さくて、柔らかそうな唇に。
 文は思わず、唾を飲み込んだ。

「……寝れるかー!? こんな状況で寝れるわけないでしょう!」

 と大声で叫びたい気分だったが、隣で霊夢が寝ているので叫べなかった。
 霊夢と違い、文は今夜快眠はできなさそうだ。
 
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