絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

ホワイトデー詰め合わせ!

バレンタインのときのやつの続き的なモノですが、これ単品で普通に読めます。
軽い小ネタ程度ですがっ。






 1.霊夢と文の場合



「きょ、今日は良い天気だと思わない?」
「どこぞの吸血鬼は喜びそうな曇り空ね」
「……あー」

 霊夢がちらりと視線をやると、文はわざとらしく眼を逸らした。
 文が突然神社にやってくるのはいつものことだが、珍しくそわそわとしていて落ち着きが無い。霊夢からすれば、何か企んでいるのでは無いかと疑ってしまう。だが、勘が隠し事はあるけど悪いことではない、となんとなく告げている。ゆえに、深く追及はしない。
 さっきから霊夢の方をちらちらと窺っては、視線が合いそうになると途端に眼を逸らす。何か言葉を発したかと思えば、ふわふわとしていて何が言いたいのかよく分からないことを言う。
 霊夢はそんな状況に、思わずため息が零れてしまう。

「あんたさぁ……」
「な、何?」

 霊夢に声を掛けられただけで、びくっと体を震わす文。

「……別に。ただ、今日のあんた、らしくないなって思っただけよ」
「うぐっ」
「何か言いたいことがあるなら、ハッキリ言いなさいよ? あんたらしくもない」

 目の前で大きくため息を吐かれ、文は少しかちんとくる。

「わ、私にも色々と心の準備ってものがあるのよ!」
「何よ、そんなのが必要なくらい大切なことなの?」
「えっ!? あ、いや、それは……」

 怒ったかと思えば、またそわそわ。今日の文は、何かと忙しい。
 少しして、すぅはぁと大きく深呼吸。そして霊夢のことを、ジッと見つめる。ほんのりと頬が朱に染まっているのは、きっと気のせいではないだろう。

「霊夢、一ヶ月前のことを覚えている?」
「一ヶ月前?」

 一体何かあっただろうか、と首を傾げる霊夢。
 それを見て、今度は文がため息を吐いた。

「はぁ、やっぱり覚えてない。巫女のことだから、どうせ忘れてるだろうと思ってたけど」
「なんか馬鹿にされてる気がするんだけど」
「えぇ、とっても馬鹿にしてるわね。ばか、霊夢のばーか」
「そう、あんたは私に喧嘩を売りに来たわけね。何よ、それならそうと早く言えば――」
「そんなばかなあなたは、今日が何の日かも覚えてないんでしょうね」
「痛っ!?」

 霊夢が右手をグーにして立ち上がろうとした瞬間、文が小さな包みを投げつけた。それは霊夢の額にあたり、ぽてっと畳に落下した。
 霊夢はしゃがみ、落下したその包みを手に取る。

「何よこれ?」

 手のひらに乗る程度の、淡いピンク色した小さな包み。それを手に持ち、霊夢は首を傾げる。
 すると文は、霊夢を睨むような目つきで答える。

「一ヶ月前のお返し」
「一ヶ月前? お返し? 私、あんたに何かした?」
「~っ! 一ヶ月前バレンタインデー! 今日はホワイトデー!」

 文が怒鳴るようにそう言うと、霊夢は納得といった表情になる。

「あぁ! なるほどね。正直お返しなんて、期待してなかったけど」
「大体ホワイトデーを忘れてるって……霊夢、いろんな人から貰ってたじゃないのよ」
「いや、私は別にお返しとか考えて無かったし」
「あぁ、うん……とってもあなたらしいわ」

 呆れた、と自分の額に手をやりそう零す文。
 霊夢は手に持った包みを、興味深そうに見つめている。

「ねぇ、開けても良い?」
「どうぞ。あ、中身はクッキーよ」
「今ここで食べても良い?」
「……好きにしなさい、巫女にあげたんだもの」

 顔を逸らし、文はそう言った。
 包みを開くと、そこには文の言う通りクッキーが顔を現した。霊夢はそれを一つ摘まみ、物珍しそうに見る。

「何、毒なんて入って無いわよ?」
「いや、文がお菓子作りって、なんかイメージしてなかったから」

 そう言って、ぱくっと口に放り込む。その瞬間、文の顔が少しだけ固くなるのが霊夢には分かった。
 甘すぎず、けれども苦いわけでもない。少しだけ、ぱさついてる感じはするが、気になる程でも無い。そんなことを思いながら、霊夢はクッキーを味わう。

「あ、味の感想くらい言ってくれても良いんじゃない?」
「ん?」

 黙って食べている霊夢に、文は痺れを切らしたようだ。その声には、不安半分期待半分といった想いが込められている。
 霊夢は少し考えた後、笑顔で言った。そう、珍しいくらいの良い笑顔で言った。

「うん、普通!」
「そこは空気読んで美味しいって言ってくれても良いじゃないのよこんちくしょう!」

 うがーっと畳の上でゴロゴロ転がり暴れる文に対し、霊夢はくすくすと笑う。

「正直、クッキーならアリスや咲夜の方がもっと美味しいものを作れるでしょうね」
「そりゃそうでしょうよ! 私お菓子作りなんて滅多にやらないもの! あぁもうこんなことなら既製品で済ませば――」
「でも、ありがとう、文。嬉しい」
「っ!?」

 そんなことを笑顔で言われては、いつもと違う柔らかい声で言われてしまっては、文はもう何も言えなかった。
 畳にそのまま顔を突っ伏し、表情を見られないようにすることで精一杯。
 そんな文を見つつ、霊夢はまたクッキーを食べ始めた。その味は少しだけ、さっきよりも甘く感じた。





 2.魔理沙とアリスの場合





「はい、これホワイトデーってことで」
「……んぁ?」

 珍しくアリスが、魔理沙の家にやって来た。そして第一声がさっきの一言だった。
 予想外のことに、魔理沙は口を開けてぽかんとする。

「いやいや、待てアリス。確かに私はお前にチョコを渡したが、あのとき一緒に作って互いにチョコを交換したから、ホワイトデーは無しで良いって言ったじゃないか。私は何も用意してないぞ?」
「あぁうん、そういう約束だったんだけど……」

 アリスは頬を人差し指で掻き、苦笑いを零す。

「作っちゃった」
「いや、作っちゃったからってお前……まぁくれるってんなら、ありがたく貰うけどさ」
「うん、そうしてくれると嬉しいわ」
「けどさっきも言ったが、私は何も用意してないぞ? 何も渡せないぞ?」
「元は互いにいらないって約束だったんだし、別に求めて無いわよ」

 アリスは笑ってそう言うが、魔理沙は下を向いて何かを考え込んだ様子だ。
 数秒して、何かを思いついたのか、パッと顔を上げた。そしてアリスの腕を掴み、引っ張る。

「ちょ、何よ?」
「せっかく来たんだし、あがってけよ。部屋は汚いけどな! ついでにお前に、良いことをしてやる!」
「はぁ?」





 ごちゃごちゃとした部屋の中、唯一綺麗なベッドの上に、アリスはうつ伏せに寝かせられた。

「さぁて、魔理沙さんのマッサージテクニックを見せてやるぜ! ホワイトデーってことで、ありがたく受け取れ!」
「……不安しかないのだけど」
「安心しろ、こう見えてもマッサージの腕は大したもんなんだぜ?」

 にかっと笑う魔理沙に、アリスは不安でいっぱいだが一応信じることにした。
 魔理沙がアリスに馬乗りになる。

「重くないか?」
「あんたは軽すぎるくらいよ」
「そうか、それなら良かった。そんじゃ、いくぞー」

 魔理沙の指がアリスの背中に触れた瞬間――

「~ぃっ!?」
「おぉ、良い反応だ。よっぽど凝ってるみたいだな」

 声にならない声を発し、アリスが暴れ出す。

「痛い痛い痛い馬鹿魔理沙! 退いて、今すぐ退け!」
「そいつぁできない相談だ」
「せ、せめてもう少し優しく! 壊れる! 私壊れるからぁ!」
「マッサージはパワーだぜ!」
「っ!? あ、あんたを少しでも信じた私が馬鹿だったぁぁぁ!」

 叫び暴れるアリスだが、魔理沙のマッサージのせいでまともに力が入らない。



 ~三十分後~



 ぴくぴくと体を震わせ、息も荒く虚ろな眼をするアリス。それに対し、魔理沙は一仕事終えたといった良い笑顔だ。

「ふぅ、どうだ? 楽になったろ?」
「はぁ、はぁっ……な、殴る……体が動くようになったら、絶対っ」
「それは物騒だな。安心しろ、多分あと数秒だ」
「な、何が――」

 アリスが言葉を紡ごうとしたそのとき、ぱぁっと淡い光がアリスを包んだ。するとさっきまでの痛みや疲れはどこへやら、アリスの体は軽くなっていた。

「指先に魔法を込めて、マッサージをしておいた。マッサージをする前とした後じゃ、全然体が違うはずだぜ」
「た、確かに……肩凝りとかマッサージの痛みとかもそうだけど、体中の疲労が全て無くなってる」
「どうだ? 良いプレゼントになったろう?」

 眩しいくらいの笑顔でそう言う魔理沙に、アリスも笑顔を返す。

「ありがと、魔理沙。けど、それとこれとは話が別ということで」
「へ? ごふぁっ!?」

 とりあえず痛かったのは事実なので、魔理沙の腹部に強烈なグーパンチをお見舞いしてやった。






小ネタ・未投稿SS | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<約三ヶ月ちょっと | ホーム | ネギま最終回を読んで>>

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

| ホーム |