絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

バレンタイン詰め合わせ!

小ネタですが。
しかも詰め合わせって言いつつ、二本ですが! 一本目は魔理沙&アリス、二本目は霊夢&文の二本立て小ネタです!


 
 1.魔理沙とアリスの場合
 
 
 
 
「私にチョコがない……だと……っ!」
「いや、そもそもあんたにあげる約束もしてないし。そんなに驚くことでもないでしょうが」

 年に一度のバレンタインデー。
 魔理沙はアリスの手作りチョコを楽しみに、朝六時からアリスの家へとやって来た。もちろん、別にアリスから貰うなんていう約束はしていない。ただの魔理沙の一方通行である。
 ベッドで横になるアリスに馬乗りになりながら、魔理沙はくらっとよろけた。いかにもショックを受けています、といったように。
 寝起きを起こされたアリスからすれば、面倒臭い状況この上ない。くぁ、と欠伸を一つ。

「馬鹿な……アリス、お前はお菓子作りが大好きだって言っていたじゃないか! アリス、お菓子作るの、すきー! って、どこぞの魚の子みたいに言っていただろう!」
「朝っぱらから大声出さないでよ。いやまぁ、お菓子作りはそこそこに好きだけど。研究ばっかりだとアレだから、ちょっとした気分転換に作るようなものよ」
「今日はバレンタインデーだぞ? 全幻想郷のアリスというアリスが、魔理沙という名前の女の子にチョコと全財産を渡す日だ」
「それなら私は、あんたじゃない魔理沙っていう名前の女の子を意地でも探して、その子にあげたいわ。あんたは他のアリスさんから貰いなさいな」
「私はお前の財産とチョコが欲しいんだ! だからほら、早く全財産を私に!」
「もはやチョコじゃなくて、財産がメインになってるわね」
「ばっかお前を口説いてんだよ言わせるな恥ずかしい」
「最低の口説き文句ね」

 魔理沙とくだらないやり取りをしている内に、次第にぼやけていた視界がはっきりしてきた。いつの間にやら、眠気がほとんどない。
 アリスはため息を零しつつ、仕方ない起きるか、とのっそりと体を動かす。すると、馬乗りになっていた魔理沙がぐらついた。

「おいおい、急に動くなよ。危ないじゃないか」
「とりあえず退いてくれると助かるわ」
「チョコをくれたら退いてやらないこともない」
「なんで上から目線なのよ……」
「大体そんな重くないだろう?」
「……魔理沙最近、ふっくらしてきたわよねぇ。あぁ勿論、胸周りじゃなくて、お腹周りが」
「……悪かった、帰る」
「嘘よウソ、ジョークだってば。そんなこの世の終わりみたいな顔しないでよ。むしろあんたは、軽過ぎて心配というかなんと言うか」

 割と本気で落ち込んだ様子の魔理沙に、少し罪悪感を覚えるアリス。
 ちょっとした意地悪で言ったことだったが、予想以上のダメージを与えたようだ。

「乙女に体重のことはタブーなんだぞーアリスのばかーあほー」
「だからごめんってば」
「この心の傷は、アリスのチョコでしか癒されない」
「どんだけチョコに拘るのよ……って、ちょっと待った」
「あん?」

 アリスの言葉に、魔理沙は首を傾げる。

「魔理沙は私にチョコ無いわけ? 別にあんたが私にくれるってのも、普通にありなんじゃないの」
「私からのチョコとか誰得だよ」
「いやいやいや、私は欲しいけど?」
「……あれだぞ? 私はアリスと違って、お菓子作りそんな得意じゃないぞ?」
「こういうのって、気持ちが大事なんじゃないの?」
「あーそれにほら、私チョコ作って来てないし。どっちにしろ渡せん」
「なら今から一緒に作りましょ。それでお互いに、チョコを交換。実に平等で、良いアイディアだと思わない?」

 アリスがそう言うと、魔理沙は少し難しい顔をしたまま黙ってしまった。きっとどうしようかと考えているのだろう。
 アリスのチョコは欲しい、けど自分が作って渡すのはやや不安がある。そんな思考を魔理沙がぐるぐると巡らせていると、アリスから一言。

「あんたがくれないと、私もあげないわよ」
「うぐっ!?」

 にこっと笑顔で、そう言った。
 それに対して魔理沙は、苦い顔をする。数秒うぅーと唸った後、うがーと叫んだ。

「あーもうっ! 後で不味かったとか文句を言っても、私は責任取らんからな! それでも良いなら、この愛しさと切なさと心強さを持つ偉大なる魔理沙様が、負けないこと投げ出さないこと逃げ出さないこと信じ抜くことのどれも守れないアリスに、チョコを作ってやらんこともない!」
「はいはい、よろしくお願いするわ。それじゃ、とりあえず起き上がるから、そこ退いて」

 ぷいっと顔を逸らしながら退く魔理沙に、アリスは思わず笑いがこみ上げてきたが、なんとか堪えた。ここで笑ってしまったら、きっと魔理沙は不貞腐れてしまうだろうから。
 ゆっくりと起き上がり、軽く伸びをする。体からぺきぱきと、小枝を折ったような音がした。

「着替えちゃうから、先にキッチンに行っていてちょうだい」
「ん、分かった。さっきも言ったが、私はお菓子作りは得意じゃないからな? ちゃんと教えてくれよ?」
「分かってるってば。ほら、着替えるから出てって」
「待ってるからなー」

 部屋から出ていく魔理沙の背中を見つつ、アリスはどんなチョコを作ろうかと考え始めた。どんなチョコを好むのか、どんなチョコなら喜んでくれるのか、そんなことを考えて、そしてやめた。考えなくても、分かったからだ。魔理沙ならきっと、自分が渡したチョコならどんなものでも喜ぶだろうということが。

「なんて、自惚れすぎかしらね」

 アリスはそんなことを考える自分自身に、思わず呆れたような笑みを零す。

「さて、と……早く着替えないと」

 遅くなっては自分を待っている彼女が、何か文句を言ってくるかもしれない。そう思い、アリスは手早く着替えることにした。
 ――二人のバレンタインは、まだまだ始まったばかりだ!





 2.霊夢と文の場合



「まったく……バレンタインデーなんてものに踊らされるなんて、愚かだと思わない? 椛にしろはたてにしろ他の同僚にしろ、山の妖怪たちはみんなきゃいきゃいわいわいチョコ交換してるのよ? もう少し、威厳というものを持って欲しいわ」
「何よあんた、わざわざそんな愚痴言いに来たわけ?」

 縁側でぼぅっとお茶を飲んでいた霊夢の元に、文が突然やって来たかと思えば喋るのは愚痴だらけ。さすがに霊夢は、ため息を零す。
 しかしそんな霊夢を無視し、文は続ける。ぶすっとした表情で、言葉を紡ぐ。

「だって何処に行ってもバレンタイン一色で、やってられないんだもの。ここは、博麗神社ならそういうのに無縁だと思ってたのよ。霊夢はそういうことに、興味無さそうだしね。そう、思っていたのに……」

 ぷるぷると体を震わせ、ジトっとした目で霊夢を睨む。いや、正確には霊夢の横にある物を睨んでいる。その視線の先には、丁寧に包装がされたピンクや赤い箱がたくさんあった。中身は見なくても、チョコレートだということが予想出来る。
 霊夢は人差し指で頬を掻きつつ、あははと笑う。

「正直、こんなに貰えるとは思ってなかったわ。毎年いくつかは貰っていたんだけどね」
「……ちなみにそれ、誰からの?」
「頑張ってるからご褒美にって紫が、あとこっちはお酒に合うからって萃香から、それとこれは友チョコでってアリス、この黒いのは毎年恒例の魔理沙の友チョコね。他には早苗から貰った巫女チョコとか、咲夜からとかレミリアからとかフランドールからとか――」
「滅べ」
「あんたが訊いてきたんでしょうが! 何よ滅べって!」

 どす黒いオーラを纏う文に、珍しくびくっと体を震わす霊夢。文からの負のエネルギーに、不覚にも恐怖心を覚えたのだ。

「はぁ……恥ずかしいと思わないの? 博麗の巫女ともあろう者が、こんなバレンタインなんていうイベントに踊らされて」
「いや、別に躍らされてるわけじゃあないし」
「バレンタインよ、バレンタイン。逆なら読んだら、ンイタンレバよ? そんなわけの分からないイベントに、よく乗ろうと思うわね」
「逆から読む必要性を全く感じないわね。大体あんただって、一つくらい貰ってたりするんでしょう? 貰うだけで躍らされてるっていうなら、文だって躍らされてるんじゃないの?」
「……私、一つも貰ってない」
「え?」

 文は霊夢を睨む。ちょっと涙目で。涙目効果で、さっきと変わらず負のどす黒いオーラを纏っているのに、ちっとも怖くない。
 霊夢はどう反応すべきか、困っている。貰っていないとは言うが、別に誰からも渡されなかったというわけではなく、ただ文がそういうイベントが嫌いだから渡されても突き返したという可能性もある。それゆえの、一つも貰ってないということなのかもしれない。決して、地雷を踏んだわけではないだろう、と霊夢は半ば無理矢理自分を納得させた。

「へ、へぇ~さすが文。嫌なことは嫌ってちゃんと拒絶して、徹底してるのね」
「あぁそうよ私は誰からも渡されなかったような残念な存在ですよ悪いですかこんちくしょうめ! 笑いたきゃ笑ってくださいよぉ!」
「いやいや、私そんなこと一言も言ってないんだけど。というか、不安定になって取材口調と素が混じってるわよ?」
「ちょっと泣いても良い? 幻想郷の結界が壊れるくらいに」
「鬱陶しいことこの上ないから、絶対やめてね。あーもう何よ? 結局あんたはチョコが貰えなかったから、不貞腐れてるってわけね」
「べ、別に不貞腐れてるわけじゃあ――」

 文がそれ以上言葉を続けるよりも先に、霊夢が文の口を塞いだ。右手に持った赤く細長い箱を、文の口に軽く突っ込んで。
 突然のことに、文は一瞬げほっとなる。そして慌ててその箱を手に取り、眺める。ぽかんとした表情で、視線は箱と霊夢をいったりきたり。何がなんだか分からない、といった態度だ。
 そんな文に、霊夢はわざと大きなため息を零してやった。

「それ、私からあんたに」
「は? え? ゃ、その……えぇっ!?」
「何よ、その顔。欲しかったんでしょう? あげる、それ。あ、遠慮とかするんじゃないわよ? あんたに用意してた物なんだから、もしいらないとかいったら、張り倒すからね」
「な、なんで……」
「別に深い理由はないわよ。ただ、こういう騒がしいイベントのときは、文が来そうだと思ったから用意してただけ。最初からあんたに渡すつもりでいたけど、来たら来たでバレンタインの愚痴ばっかりで……渡すタイミング無くなっちゃってたのよ、ばーか」

 霊夢がそう言うと、文は数秒固まった。そして動いたかと思えば、貰ったチョコを大切そうにきゅっと胸の前に持っていき、ふにゃっと笑った。さっきまでの負のオーラは何処へやら、今はぱぁっと明るい幸せオーラに溢れている。
 贈った側の霊夢としても、そこまで嬉しそうにされると悪い気はしない。

「バレンタイン最高!」
「調子の良いことで」
「霊夢最高!」
「うわっ、ちょ、抱き付くな馬鹿!」

 ハッピーバレンタイン!


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