絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

みんな暇なんです

久し振りに軽いものをちょっと。
紅魔館でどたばたっ。
 
「イメチェンしてみようと思うの」
「え? あ、うん、別に良いんじゃないかな」

 パチュリーの言葉に、フランドールは読んでいた本から視線を外した。そして一瞬きょとんとしたが、別に悪いことでもなんでもないので、特に止めもしなかった。
 するとパチュリーは、ほぅっと笑顔を浮かべる。

「良かった、そう言ってくれて。正直ちょっと止められるかなと思ってたし、もし止められたら、せっかく用意した物が無駄になっちゃうところだったから」
「たまには良いんじゃない、そういうのも。でもさ、パチュリーがそういうこと言うのって、なんかイメージに無かったかなぁ。どうして突然?」
「このままじゃいけないって思ってね。あまり紅魔館からも出ないし、ただでさえ悪魔の館って言われてるここの住民なのだから、きっとあまり良いイメージを持たれては無いんじゃないかしら。そう考えると……」

 少し俯いて、ふと哀しげな表情になる。その様子が、何処か儚げに見えて、あぁパチュリーも繊細なんだなとかそんなことを思うフランドール。
 ここは協力してあげて、パチュリーを笑顔にしてあげよう。フランドールはそう、決意した。

「……そう考えると、妹様がとても可哀想で」
「って私のこと!?」
「Youよ」
「ほんの数秒前の自分に、騙されるなって殴ってあげたい気分だよ」
「騙すだなんて人聞きの悪い。私は最初から、私のことをイメチェンするとは言ってないわよ」
「いや、そうだけどさぁ……。別に私、このままでも良いし」

 そんなものには興味が無い、といった態度のフランドール。別に現状に不満など無いのだから、当然のことだろう。
 パチュリーはフランドールの肩に手を置き、普段は見せないような真剣な眼差しで、ジッと見つめる。その普段とのギャップに、フランドールは少し戸惑いを浮かべた。

「妹様」
「な、何さ?」
「流れ、空気、読みましょう? あなたはこれから、きっと恥ずかしい目にあうことになるでしょう。でもね、ここはあえて空気を読んで、その波に乗るのが大人というものでしょう?」
「凄い理不尽だよね!?」
「そう……大人になるっていうのは、理不尽なことを体験することも多くなるの。大人になれば自由かと思っていた幼い頃、実際に大人になってみれば理想は違った……なんとも哀しいことよね」
「……いや、何ちょっと真面目な話しましたよ、みたいな空気にしてるのさ!? とにかく、私は絶対にイメチェンなんかしないよ!」
「からの~?」
「しないってば!」
「ほら、レミィも待ってるんだから」
「え? なんでお姉様が?」
「そう、知りたいのね。レミィが何故、あなたを待っているのか……。その真実を知りたいなら、私についてきなさい」
「え、ちょ!?」

 パチュリーが指を鳴らすと、賢者の石触手スタイルがフランドールの腕を絡めとった。
そしてパチュリーが歩く方へと、フランドールを引っ張り誘導する。突然引っ張られ、やや体勢を崩しながらも、なんとか転ばないよう気をつける。

「こ、これヌルヌルして気持ち悪いんだけどっ!?」
「あぁ、安心して。それ、えっちぃ何かとかじゃなくて、ただの触手の汗だから。汗っかきなのよ、その子たち」
「汗なの!? より不快指数が高まったんだけど!?」
「自分冬でも汗が出るくらいに、全力で働くことを心掛けてます。あ、痛かったら言ってください、力緩めますから。お嬢様の体に傷なんてつけちゃあ、最低ですからね」
「喋った!? この触手流暢に喋った!? しかも優しい!」
「そりゃ魔力の塊でもあるしね。はいはい、さっさと行くわよー」

 結局、抵抗虚しく、そのまま連れて行かれることになった。





◇◇◇





「審査委員長のレミリアよ」
「特別審査員の咲夜ですわ」
「というわけで、今から妹様には私が用意した服を着てもらうわ。それをレミィと咲夜が見て、感想を言う流れね」
「……いや、もうここまできたらやるけどさぁ」

 レミリアの部屋へと連れてこられたフランドールは、いつもと変わらない様子で座るレミリアと咲夜の姿を見て、あぁ要するにみんな暇なんだなと解釈した。そして真面目に働いているであろう、美鈴と小悪魔に心の中でお疲れ様と零す。
 目の前にはいくつかの衣装がある。ご丁寧に、ショーツなど普段着用しないようなタイプの下着まで。要するに、着換えろということなのだろう。フランドールはそう思い、服を適当に一つ、手に取る。

「っていうかさぁ、イメチェンって別に服を変えることだけを言うんじゃないと思うけど。性格とか髪型とか仕草とか、そういうのも含めてイメチェンじゃ――」
「フランの性格とかに文句つけるやつがいたら、私が塵にしておくから安心しなさい。大丈夫、私はフランのこと、全部ひっくるめて大好きよ。だからさぁ、早く着替えてちょうだい」
「それだとなんか、服のセンスだけは悪いみたいに言われてる感じがするんだけど……。いや、着替えるけどさぁ。着替える場所は? 別の部屋とか?」

 フランドールは部屋を見渡すが、そこはいつもと変わらない姉の部屋。今回わざわざ着替えるための場所のようなものなど、何もない。
 するとレミリアも咲夜もパチュリーも、何を言っているんだみたいな表情になる。

「もちろん、ここで着替えれば良いのよ」
「えぇ、そうね」
「お嬢様とパチュリー様の仰る通りです」
「えーと、つまり……」
「私の目の前で、脱いでちょうだい」

 にっこりと笑顔で、レミリアが言った。
 フランドールは思わず、顔が引き攣る。

「あぁ安心して、着替えを見るのは私だけ。咲夜とパチェは、ちゃんと配慮して目隠しをするそうよ」
「むしろなんでその中でお姉様にだけ見せるのさ!? なんの羞恥プレイだよ!」
「ほら、イメチェンイメチェン。新しい性癖に目覚めるっていうイメージチェンジが――」
「嫌だよそんなイメチェン!? というか、周りから勝手にそういう性癖イメージされるとか、最悪にも程があるよ!」
「まぁまぁフラン、少し落ち着いて服を脱ぎましょう? ほら、咲夜もパチェも、既に目隠ししてくれてるんだから。なんだったら、フランが脱いだら私も脱いであげても良いわよ」
「互いに脱ぎ合うとか、もはや何をしたいのって話だよね!?」
「もう、そこまで言うなら服は着なくて良いわ。ただし、お互い全裸になりましょう」
「それこそ意味分かんないよ!」
「あぁもう、この子は本当に我侭ねぇ」
「何私が聞き分け悪いみたいに!?」

 ぎゃあぎゃあと二人が騒ぐ中、パチュリーと咲夜は無言で黒い目隠しをしている。中々にシュールな絵だ。

「もうっ、何よ? 脱がなきゃ服を着れないでしょう? ほら、結局は脱ぐのよ。早めにした方が、気が楽よ」
「ぐっ、うぐぐ……あぁもう分かったよ、着替えれば良いんでしょ!」

 まずは帽子から、次に上着、そして下と少しやけくそ気味に脱いでいくフランドール。しかし、初めは勢いだけでなんとかなったが、残りがドロワーズと靴下だけになると、さすがに動きが鈍る。
 両の手で胸を隠し、うぅ~と唸りつつレミリア睨む。ほんのりと頬が赤いのは、気のせいではないだろう。
 そんなフランドールに、レミリアはニコッと笑みを返すだけ。
 唸る、笑みを返す、唸る、笑みを返す。そんなやり取りが、一分程続いた。

「お、お姉様……」
「ん?」
「……ごめん、やっぱ無理。これ、恥ずかしすぎる。いくら目隠ししてるって言っても、パチュリーと咲夜がいるって思うと……その、うぐぅ」
「つまりレミィと二人きりなら良いのね」
「つまりお嬢様と二人きりなら裸を晒しても構わないと」
「うわぁっ!?」

 今まで黙っていたパチュリーと咲夜が突然喋ったので、思わずびくっとするフランドール。

「仕方ない、お邪魔虫は去るとしましょうか。私は図書館に戻るわ」
「では私は仕事に戻るとします」
「いや、その前に二人とも、目隠し外して行かないと危ないよ?」
「あら? こんなもの私の前では、何の障害にもならないわ」
「そうですね。こんなもの、あってないようなものですね」
「いやいやいや、その姿奇妙だから。というか、なんで二人は目隠ししてるのに、普通に見えてるように動いてるのさ」

 それじゃあ、と部屋から去るパチュリーと咲夜。結局、目隠しは外さないまま。奇妙というより、気持ち悪いレベルだった。
 部屋にぽつんと、二人きり。

「さて、フラン。二人きりになったわけだけど。着替えはどうする?」
「……あんまりジロジロ見ないでよ、ね?」
「それは保障しかねるわ」

 楽しそうに笑うレミリアを、フランドールはジト目で精一杯睨んでやった。
 

 
 
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