絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

頑張れ小さな女の子~10(完結).ルーミア

頑張れ小さな女の子、完結です。
私にとって、非常に思い入れのある作品となりました。
この最終話、今まで投稿した作品の中では一番長い作品になりました。
どこまでも優しくて、ほんわかなお話を目指して書いてきましたこの作品、私の最も書きたい傾向でありまして、書いていて凄く楽しかったです。
番外編は既にいくつか考えています。
今まで頑張ってきた小さな女の子、ルーミアに、よく頑張ったねと言ってあげたいです。
私が今後ルーミアを書くときは、このシリーズ以外では書かないと思います。
ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。
少しでもほんわかしたり、優しい気持ちになれたり、ルーミアを可愛い(当たり前)、と感じてくださったら、幸いです。


お疲れ小さな女の子!

それでは、続きから本編どうぞ。





このお話は『頑張れ小さな女の子』の続きとにゃっております。





「今日のお仕事ー!」
「お仕事ー!」
「言い渡ーす」
「渡ーす」

 博麗神社賽銭箱の前で、霊夢が腰に手をあてながら、いつもと同じように言う。目の前に居るルーミアは、右腕を天に掲げて、霊夢の言うことを同じように繰り返す。

「今日のお仕事内容はー」
「内容はー」
「……ルーミア、ちょっとおいで」

 霊夢に手招きされるルーミア。しかし、ルーミアは逆に霊夢から離れる。
 霊夢は小さく舌打ちをする。

「何で離れるのよ?」
「いつもの流れならデコピンされるもん」
「……大丈夫、何もしないから」
「さっき舌打ちしてたじゃない。絶対するでしょ?」
「しないしない。早くおいで。ほら、来ないと仕事内容伝えられないわよ」
「むぅ~……」

 恐る恐る霊夢へと近寄るルーミア。
 笑顔の霊夢。正直、気味が悪い。けれども、ルーミアは気付いてない。
 ある程度まで、ルーミアが距離を詰めたとき、霊夢がルーミアを片手で抱き寄せた。

「わわっ!?」
「ルーミア……」

 ギュッとルーミアを抱き締め、そして――

「くらいなさい!」
「はぅあぅあっ!?」

 空いている片手でルーミアに四連デコピンをくらわした。怯んだルーミアにさらに追い討ちをかけるように、再びデコピンをする。

「みゃうっ!? ウソツキだぁ! 霊夢はやっぱりウソツキだぁ!」
「あはは、神社では私がルールよ」
「くたばれいむ! 痛い痛い!」

 こめかみにぐりぐりと拳をやられるルーミア。暴れるが、霊夢の腕に捕われているせいで、抜け出せない。
 それは、もう、いつもの日常となりつつある光景だった。



「じゃあ、仕事内容を伝えるわね」
「うぅ~」

 ふらふらしながら、霊夢を睨んでいるルーミア。
 もちろん、霊夢はいつもと同じようにそんなことは無視し、話を進める。

「今日は夕方から宴会予定なのよ」
「ふぇ?」
「で、面倒だけど私がみんなに知らせなきゃならないわけ。それを……」
「私も手伝えばいいんだね?」
「そういうこと。ルーミアは、今までに知り合ったやつらを呼んで来なさい」
「知り合った? 妹紅とか輝夜とか?」
「そう。なるべく早めに伝えに行くわよ。夕方からだし時間もあんまり無いからね」

 霊夢はルーミアにそう伝えた後、空へと飛ぶ。
 ルーミアも、飛ぶ。闇を纏わず、麦藁帽子を被っている。

「それじゃあ、早速」
「行ってくるね!」

 そう言葉を交わし、それぞれ別れた。



◇◇◇



 ルーミアは人里から離れた簡素な家の前に立っていた。
 一見、ただの小屋のようにも見えるが、人が住んでいるのだ。そうなれば、それはもう立派な家である。

「妹紅ー!」

 ノックし、妹紅の名を呼ぶが、反応が全く無い。
 ルーミアは悩みに悩み、奥の手を使うことにした。

「もこもこもこもこもこもこもこもこもこもこもこもこもこもこもこもこ」
「えぇい! うっさい!」

 過去にルーミアが一度使った手段、もこもこ叫んでいれば妹紅が出て来るという奥の手。
 前と同じように、怒った妹紅が出て来た。

「あ? ルーミアじゃないか、何か久し振りだなぁ。何だ? また弾幕ごっこの稽古か?」

 怒っていた妹紅は、ルーミアの顔を見て笑顔に変わる。

「うぅん、今日は違うの。宴会のお誘いだよ」
「宴会?」
「そう、夕方からだから」
「んー……分かったよ。わざわざありがとな」
「うん! それじゃあ他の人にも伝えなきゃいけないから。もう行くね!」
「あぁ、気をつけてな」

 大きくぶんぶんと手を振るルーミアに、妹紅も小さく手を振る。
 ルーミアの姿が見えなくなるまで、手を振っていた。



◇◇◇



 永遠亭への道のりは、結構長い。しかも、普通の者ならば迷ってしまい、一日中着けない場合もある。
 ルーミアは、以前永遠亭へと赴いた後に、ちまちま遊びに来ていたため、道を迷うことは無い。

「あら? 貴女は」
「こんにちは! 輝夜居る?」
「姫なら居るわよ。呼んで来ましょうか?」
「ううん。私が行くよ」

 永遠亭に上がった後、すぐ永琳に出会い、輝夜が居るかを確認したルーミア。
 長い廊下をぱたぱたと走り、輝夜の部屋へと向かう。

「輝夜、入るよ?」
「その声……ルーミアかしらね。どうぞ」

 障子を開き、輝夜の部屋へと足を踏み入れる。畳み独特の感触が、ルーミアの足の裏へ伝わる。
 輝夜は部屋の中央で正座をしていた。

「何で正座?」
「姫だからよ」
「本当は?」
「永淋のお薬をちょっと弄ったら永淋にお仕置くらった」
「やっぱり」

 クスッとルーミアは笑った。
 輝夜は、拗ねたように可愛らしく頬を膨らませた。

「なぁーに笑ってるのよー」
「ゴメンゴメン、今日夕方から宴会だからね」
「突然ね」

 わざとらしく驚いたような表情を浮かべる輝夜を見て、またクスッと笑う。

「永琳たちにも伝えとくわ。お疲れ様」
「うん! 絶対来てね!」
「あら、もう行くの?」

 ルーミアは既に輝夜に背を向けていた。

「うん、まだ回らなきゃならないから」
「そう、気をつけてね」
「じゃあ、夕方また会おうね!」

 いつもの明るい声で、ルーミアはそう言い、輝夜の部屋を跡にした。



◇◇◇



 森の中にある家。
 魔法店ではあるが、そのことを知る者はあまりいない。霧雨魔法店こと霧雨魔理沙の家だ。

「魔理沙ー!」

 反応が全く無い。

「まりまりまりまりまりまりまりまりまりまりまりまり」
「えぇい! 人の家の前で騒ぐ馬鹿は誰だ!?」

 妹紅のときと同じ手段で魔理沙は出て来た。
 ルーミアは脳内で、魔理沙にも有効な手段、と書き加えておいた。

「あー? ルーミアか。珍しいな、お前が私のトコへ来るなんて」
「伝えることがあってね、今日夕方から宴会だから」
「あぁ、知ってる」
「えぇ!?」

 平然とそう言う魔理沙に、目を大きく見開いて驚くルーミア。
 魔理沙は頬を人指し指で掻きながら、苦笑いを浮かべる。

「あー……何か分からんが、無駄足だったみたいだな。私はこの前神社に行ったときに、霊夢に言われたぜ」
「うーわぁー……時間が勿体なかったよぉ」
「……しょうがないな、乗れ」
「え?」

 魔理沙は箒にまたがり、空いている後ろのスペースを親指で指す。
 ルーミアは、突然の展開にぽかんとしている。

「まだ回るんだろ? お前より私の方が断然速いからな」
「あ……ありがとう!」
「振り落とされるなよぉ!」

 魔理沙が一気に空へ飛び上がり、加速する。
 ルーミアは、麦藁帽子をギュッと落ちないように支える。魔理沙も、帽子が落ちないように支えていた。



◇◇◇



「おいアリス! 早く出て来い! あと数秒以内に出なかったらマスタースパークな!」
「ちょっと!? 何する気よ!?」

 魔理沙がマスタースパークの構えに入った瞬間、アリスが凄い勢いで扉を開けた。

「ふむぅ!?」
「え?」

 アリスが開けた扉に、思い切り鼻をぶつけたルーミア。痛かったらしく、鼻をおさえて、涙目になっている。アリスは慌ててルーミアに触れる。

「大丈夫? ゴメンね、ルーミア。魔理沙帰れ」
「酷いぜアリス」
「ぅー大丈夫だよ」

 にぱっと笑顔でアリスに言うが、鼻が少し赤くなってしまっていた。

「それよりね、アリス。今日夕方から宴会なの」
「え? 今日は私ちょっと研究が……」
「ルーミアを怪我させといて来ないのか?」
「う……」
「大切な時間を割いてまで来て、怪我だけさせられて、ルーミアは帰るのか。あぁ、可哀相に」
「あぁもう! 分かったわよ!」

 魔理沙に回し蹴りをかましながらアリスは言った。魔理沙は笑いながら軽く避ける。

「本当!?」
「えぇ……約束するわ」
「よし! 次行くか!」

 約束を確認し、魔理沙は再びルーミアを後ろに乗せる。

「じゃあ夕方ね!」
「えぇ」

 そして、そのまま凄い速さで去っていった。

「相変わらず、明るい子ね……」



◇◇◇



「さぁ! 次は何処だ?」
「えっと……リリーと文」
「リリー!? 文はともかくリリーの場所なんて知らないぞ?」
「きゃぅっ!?」

 ルーミアの方を向きながら飛んでいた魔理沙が、何かを轢いた。

「って今リリー轢いたよ!?」
「え?」

 ふらふらと墜落していくリリーを、魔理沙は地に着く直前にキャッチする。

「び、びっくりしましたー!」

 ただでさえ大きくくりくりした瞳を大きく見開いて驚いているリリー。

「リリー!」
「あ、ルーミアさん」
「リリー、今日夕方から博麗神社で宴会だから」
「え? え? わ、私行って良いんですか?」

 リリーは未だに魔理沙の腕の中で、慣れない誘いに戸惑いオロオロする。
 そんなリリーを見た魔理沙が言う。

「お前なぁ、来て良いに決まってるだろ! 今までお前を誘わなかったんじゃなくて、お前が何処に居るか分かんなくて誘えなかったんだからさ」

 それを聞いたリリーは、嬉しそうに、そう、とても嬉しそうな笑顔で、

「ありがとうございます。なら、是非出席します」

 と言った。
 その返事に、魔理沙もルーミアも満足そうな笑みを浮かべた。



◇◇◇



「はいはーい、許可無い方はお引き取り願いますよ――って魔理沙さんにルーミアさんじゃないですか。余計な仕事増やさないで下さいよ。さっさとお帰りなさいな」

 山へ入って来た魔理沙とルーミアを迎え撃つために、文が現れた。
 戦闘の構えに入る文の表情は、冷たく、烏天狗の目付きだった。
 流石にこれには慌てた魔理沙。

「ま、待て待て! お前に話があるんだと」
「私に? 誰が?」
「こいつ」

 親指でルーミアを指す。
 ルーミアは文に歩み寄る。

「ルーミアさん、話があるならなるべく私の家に直に来てくれないと困ります」
「今日夕方から博麗神社で宴会!」
「……話聞いてないようで。というかもう夕方じゃないですか」

 文が言うように、もう空は茜に染まりつつあった。

「じゃあこのまま神社向かおう!」
「私、今まさに仕事中何ですけど……」
「良いじゃないか、別に」
「行こうよ!」

 ルーミアの表情を見る。笑顔、前と変わらず純粋な笑顔だった。
 それを見て、小さく溜め息を吐く文。

「ま、なんだかんだで今まで仕事に忠実だったんですよ、私。だから」

 文は風を纏い、空へ舞う。

「たまには仕事なんて無視しても罰は当たりませんよね」

 柔らかい笑みで、本当の笑顔で、文はそう言った。

「よし! じゃあ行くか!」
「行きましょう!」
「うん!」



◇◇◇



 神社へ戻ると、空は完全な茜。
 ルーミアの知らない人物も結構集まっていた。そちらは霊夢が集めて来たのだろう。

「あ、霊夢~」
「お帰り、ルーミア」

 こんなときでも、縁側に座っている霊夢。その隣りにルーミアはちょこんと座る。
 文も魔理沙も、他の集まった人物と話し始めていた。

「お疲れ様」
「ありがとう」

 既に入れていて待っていたのか、少し温くなったお茶をルーミアに渡す。
 一息、ゆったりと過ごす。
 目の前には、どんどんと人が集まる。
 レミリアが限り無く血に近い紅のワインを持っている。その側で、咲夜とパチュリーが立っている。フランドールは、少し慣れない環境のせいか、レミリアにキュッとしがみついていた。
 輝夜と妹紅は、睨み合いながらも、傍から見れば戯れあいにしか見えない。ルーミアと関わって、二人は変わっただろう。近くには、他の永遠亭組が騒いでいる。
 幽々子と紫は木の側で楽しげに話していた。すぐ隣りには妖夢がその様子を笑顔で立っている。
 リリーは、一杯飲んだだけでふらついていた。それをアリスが支え、魔理沙が茶化す。

「霊夢……」
「ん?」
「何か楽しいね」

 ルーミアは、本当に楽しそうに言う。

「私の知らない人も、知ってる人も、みんな楽しそうに笑ってて」

 足をぷらぷらさせているのが、無邪気さを漂わせる。

「ルーミアは宴会初参加よね?」
「うん」
「なら良かったわね、楽しくて」

 霊夢はルーミアに笑顔を向ける。
 ルーミアの綺麗な髪や、黒い服が、茜に染まっていた。

「なら記念撮影でもしますか?」
「ひゃっ!?」

 突然、文が二人の間に現れて、そう言った。

「記念撮影?」
「えぇ、良いと思いません?」
「そう、ね……たまにはそんなのも良いかもね」

 文と霊夢は、みんなを集める。
 少しギュウギュウだけれど、カメラに収まる。

「文はどうするの?」
「セルフタイマーという新機能を使います! ちょうど試したかったんですよ~」

 そう言って、文はセットをする。
 みんなが狭い狭いと少し動き始めている。

「あややややっと……」

 文が、中央の霊夢とルーミアの横へ入って瞬間、カメラがカシャリという音を立てた。
 数秒後、みんなが再び好きなようにバラバラになる。

「皆さんには現像したら渡しに行きますのでー!」

 文の言葉に永遠亭組、紅魔館組などなどみんなが軽く返事をした。

「それじゃあ、私も少しは飲みましょうかね」
「ほう? なら良い機会だ。呑み比べだ!」
「え? ちょ!? 萃香さん、離してぇぇぇ!?」

 萃香に引きずられて行く文を、ルーミアと霊夢は笑顔で見送った。
 今まで、面倒だからと萃香を避けていた文だが、とうとう捕まってしまったようだ。

「しかし……この後片付けは私がやるのよねぇ」

 霊夢ははぁ、と溜め息を吐く。

「わ、私も手伝うよ」

 苦笑い気味にそう言うルーミア。

「朝までずっとよ?」
「ぅ……て、手伝うよ!」
「……ねぇ、ふと少し前に思ったんだけどルーミアって真夜中どうしてるの?」
「え? 前に言った通り疲れるまでふらついて、疲れたら眠るかな」
「家は?」
「家? 無いけど……」

 それを聞いて、霊夢は考え込むようにしばらく黙る。
 ルーミアは、首を傾げて疑問符を浮かべている。

「あんたさ、ココに住んでみない?」
「ふぇ?」

 霊夢の突然の提案に、ルーミアはぽかんとする。

「住み込みで働かないかって訊いてるのよ。その方がルーミアもわざわざ朝にやって来る必要も無いし、私は宴会の後片付けの手伝いやってもらえるし」
「ちょ! ちょっと待って!」

 展開が早すぎて、付いていけないルーミアがストップをかけた。

「何よ? 嫌?」
「嫌とかじゃなくて……その、霊夢に迷惑が」
「前にも言ったでしょ。そんなの今さらよ」

 ルーミアは悩む。
 確かに霊夢と住んだならば、互いに楽だろう。
 だけれど、本当に良いのだろうか。そんなことを考える。

「私としては、ルーミアに住んでもらったら嬉しいけど、ルーミアはどう?」
「……それは私だって嬉しいけど」
「よし、じゃあ決まりね!」
「え!?」
「とりあえず、今日は後片付け手伝ってもらうからね」

 そう言って、霊夢は縁側から立ち上がり、お酒を飲みに向かおうとするが、

「れ、霊夢!」

 ルーミアに呼び止められた。

「その、えと……ありがとう! これからも、よろしくお願いします!」

 馬鹿みたいに、頭を下げて霊夢にそう言った。
 霊夢は一瞬ぽかんとした後、

「くっ……あはは! あんた堅すぎよ」

 笑った。
 お腹を抱えて、笑った。
 そして、ルーミアの手を引く。

「わわっ!?」
「ほら、ルーミアも飲みなさい! 後片付けという地獄まで、せめて楽しむわよ!」
「……うん!」

 二人は、みんなの輪の中へと、向かった。
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