絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

子どもっぽい

11月22日にピクシブの方で公開したモノ。11月22日は普段ついったーやイベントなどで仲良くさせていただいている、紫崎さん(URL)のお誕生日でした! というわけで、内容は咲夜さんと霊夢さん。
紫崎さんお誕生日おめでとうございましたっ。

「あら?」
「うげっ」

 珍しいものを見たかのような声を上げたのは咲夜、露骨に嫌そうな声を発したのは霊夢。

「珍しいところで会うわね」
「できれば会いたく無かったわね」

 二人が顔を合わせること自体は、別に珍しくは無い。宴会はもちろんのこと、レミリアが神社へ遊びにやってくる際には、大体咲夜も一緒だからだ。
 だが、人里で会うということは今までに無かった。

「霊夢は買い物?」
「そうよ。というわけで、私は買い物があるからこれで――」
「待ちなさいな」

 踵を翻して、そのまま立ち去ろうとする霊夢の肩を、咲夜は後ろからガシッと掴んだ。

「何よ? その手を離しなさい、焼きたてのメロンパン売り切れるでしょうが」
「そこまで嫌わなくても良いじゃない。私、何かしたかしら?」
「……別に」

 霊夢は咲夜のことが嫌いなわけではないが、若干苦手意識があった。それは咲夜の世話焼きな性格が原因だった。咲夜が霊夢のところへ来れば、基本的に食事や掃除など身の回りの世話は全て咲夜がこなす。挙句の果てに、霊夢をまるで子どものように扱い、お風呂にまで一緒に入ってこようとする始末だ。咲夜曰く「霊夢は髪の洗い方が雑に感じる。せっかく綺麗な黒髪なのに勿体ないから、私が洗う」だそうな。ちなみにそのときは霊夢の全力拒否により、なんとかなったらしい。
 何かあれば世話を焼いてくる。しかも、子ども扱いまでされる。霊夢にとってそれは、嫌なものではないけれど、なんとなく胸の奥がむずむずとしてしまい慣れないものだった。

「ところで、せっかく会ったんだし、お茶でもしていかない?」
「いかない。それじゃ」
「お茶でもしていかない?」
「……時を止めるなこんちくしょうめ」

 即断り、肩に置かれた手を払って、その場を立ち去ろうと動いた。だが、気が付けば元の状況に戻されていた。
 霊夢が後ろを向き、咲夜を睨む。そんな霊夢に、咲夜はただ笑顔を返すだけ。

「で、どうする? お茶でもしていく?」
「選択肢の無い強制イベントみたいなことしてるくせに、よく言うわ。分かったわよ、少しの間だけ付き合ってあげる。ただし、あんたから誘ったんだから、あんたが奢りなさいよ?」
「えぇ、構いませんわ」

 そう言いつつ、霊夢の手を引く。ふにゅりと柔らかい手のひらの感触が、互いに伝わった。
 霊夢は慌ててその手を払おうとするが、しっかりと握られていて振り解けない。露骨にギロッとした目で睨んでみるが、返って来るのはやはり涼しい笑みだけ。
 スペルカードやらを使えば抜け出すことくらい容易いだろうが、そこまですることでもない。それに人里で、そんなことは極力したくない。
 仕方なく、霊夢は諦めた。そのまま素直に、咲夜の手に引かれることにした。



◇◇◇



「お茶しないかって言われたら、普通喫茶店かと思うんだけど」
「あら? お団子は嫌い?」
「いや、むしろ結構好きな方だけどさぁ……」

 霊夢は何かしっくりこないと感じながらも、みたらし団子を頬張る。ほど良い甘さが、口の中に広がった。あとに残るしつこくもなく、けれどもちゃんと甘い。思わず頬が緩んでしまうのが、抑えきれない。
 咲夜はお茶を啜り、ほぅっと一息吐いた。

「あんたがこういう店を選ぶってのは、正直意外だったわ」
「そう? 私も結構、お団子とか好きよ」
「その割には、お団子注文してないじゃない」
「甘い物はそこまで得意じゃないのよ」
「おいこら矛盾してるじゃないの」

 全くわけの分からない奴だ、と霊夢は口にする。

「大体あんたは紅茶派じゃないの?」
「たまにはこういうのも悪くないですわ」
「はぁ……なんていうか、あんたって掴み所が無いわよね。紫や幽々子とかとはまた違うけど、あんたも充分読めない奴だわ」
「自分では割と素直だと思うのだけど」
「自分を見つめ直すのをお勧めするわ」
「私はあなたに今すぐ鏡を見ることをお勧めするわ」
「は?」

 何を言っているんだこいつは、という顔を霊夢がした瞬間、咲夜の手がそっと伸びた。その目的地は、霊夢の唇の少し横。
 そして撫でるような動作をした後、くすっと笑った。

「あなたって、ホント子どもっぽいところがあるわよね。ついてたわよ?」
「なっ!?」

 咲夜は自分の指についたタレを、ぺろっと舐めた。
 それを見て、ぷるぷると体を震わす霊夢。その震えは、怒りやら羞恥やら、色々なものが混じってるのだろう。

「前から思っていたけど、霊夢って意外に子どもっぽいところあるわよね」
「は、はぁっ!? あんただって正直、そんな年齢変わらないでしょうが!」
「ほら、そうやってすぐムキになるところとか」
「っ!?」
「霊夢は放っておくと、ひたすらぐうたらしてそうだから、どうしても構いたくなるのよねぇ……」
「余計なお世話よ!」

 がるると唸りながら、団子を頬張る。
 咲夜からすれば、そんな様子は小動物が粋がっているようにしか見えなくて、むしろ可愛らしく思えた。
 思わず手を伸ばして、頭を撫でてしまう。

「撫でるなっ!」
「まぁまぁ」
「やめなさいっての!」
「こら霊夢、食べているときに急に立ち上がったりしないの。お姉ちゃんの言うこと聞きなさい」
「誰がお姉ちゃんか!」
「あ、おばちゃーん、お茶のお代わりをくださる? あと、お団子三つほど」
「おいこら無視するな馬鹿!」
「はいはい、良い子だから大人しくお団子食べなさい。ほら、甘くて美味しいわよ」

 霊夢は今すぐにでも暴れてやりたいところだったが、店で暴れるわけにはいかない。ぷるぷると震えつつ、無言で団子を頬張る作業に戻った。
 しかし、眼は明らかに咲夜を責めている。子どもが見たら、失神するんじゃないかと思うくらいに、恐ろしい眼つきで。

「ほら、そんな怖い顔しないの。甘いお菓子には、笑顔が基本よ」
「……誰のせいで」
「それにね、霊夢は笑っていた方がずっとずっと可愛いわ」
「~っ!? くたばれっ! いますぐくたばれ! 茶柱眼に刺さってくたばれ!」
「いや、それくらいじゃくたばらないし。女の子がそんな乱暴な言葉を使っちゃダメでしょう? お姉ちゃん、あなたをそんな風に教育した覚えは無いわよ?」
「だからあんたは私のお姉ちゃんじゃないし、教育された覚えもない!」
「ほら、お姉ちゃんって呼んでみなさいな。新しい何かが見えるかもしれないわよ」
「見えなくて良いわ! いや、見たくないわ! あんたと姉妹関係とか、しかも私が妹とか、屈辱的にもほどがあるわよ!」
「ちょっと霊夢、あまり大声出さないの。店のおばあちゃん、驚いてるわよ」
「あぁもうごめんなさいおばあちゃん!」
「ちゃんと素直にごめんなさいが出来るのは、とても良いことですわ。良い子良い子」
「だから撫でるなぁ!」

 道行く人がなんだなんだと数秒立ち止まるが、すぐにあぁ姉妹喧嘩かと生温かい笑みを零しながら去って行く。
 霊夢が何を言ってもどんな行動をしても、咲夜はそれを笑って流すだけ。
 普段はゆったりまったりとした時間が流れる筈の茶屋だが、今日は特別騒がしい時間が流れた。



 ◇◇◇



「あー今日はとても充実した時間を過ごせましたわ」
「今日と言う日を、今すぐ記憶から消し去りたいわ」

 とても楽しそうな表情をしている咲夜とは対照的に、霊夢はいかにも疲れていますといったような感じだ。
 既に陽は落ちつつあり、冬の風がそっと二人を撫でる。

「それじゃあ私は紅魔館に帰るけど、ちゃんと防寒対策をしなさいよ。いつまでも薄着はダメよ? 風邪を引かないように体調管理を――」
「あーもう分かってるわよぉ。あんたのお節介は、もうウンザリよ。まったく……今日はずっと子ども扱いしやがって」
「今日も、だけどね」
「やかましいわ!」

 うがーと怒鳴る霊夢に、咲夜はくすくすと笑う。

「それじゃあ、またね霊夢」
「また、が遠いことを祈るわ。精々気を付けて帰りなさい。冬で陽が沈むのが早いせいか、夜行性の獣型低級妖怪もちらほら出るって噂だから」
「ありがとう。霊夢のそういうなんだかんだ言って優しいところ、私は大好きよ」
「~っ!? 帰れ! さっさと帰れ!」
「はいはい、それじゃあね」

 咲夜の背中に向かって、馬鹿だの阿呆だの言葉を投げかける。
 そういうところが、子どもっぽいんだけどなぁと、咲夜は心の中で小さく笑った。
 
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