絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

遊びましょう?

レミリアフランでいつもと違った甘さ。
 
「あ、ロンだわ」
「お姉様、ポーカーにロンはないよ。それ麻雀だよ。はい、私はフルハウス。またお姉様の負けだね」
「あーもうっ、やめやめ! ポーカーなんて、ちょっと気取った嫌なやつがやる遊びよ! あー嫌味ったらしいゲーム!」
「どんな偏見さ。それにお姉様がやろうって言ったんじゃん」

 レミリアは手に持っていたトランプを、ベッドの上にばら撒いた。そしてそのまま、ベッドへスカーレットダイブ。
 その様子があまりにも子どもっぽくて、フランドールは思わずため息を吐いた。
 珍しく部屋へとやってきたかと思えば、これまたさらに珍しく、レミリアの方から遊びを提案してきた。もちろん、フランドールが断る理由は何一つなく、笑顔で即了承した。
 そして、現在。
 ポーカー、ジェンガ、スピード、じゃんけん、ビンゴ、くすぐりにらめっこ、地下チンチロリン、脱衣ポッキーゲーム。いろんな遊びをやったが、どれもフランドールの完勝だった。
 ここまでくると、流石にフランドールも怪しむ。

「お姉様、まさか私の為にわざと負けてない? 運命操作したりしてさ」
「私はマジよ、大マジ。いくら妹相手でも、全力を尽くすのが私よ。それにわざと負けたところで、喜ぶあなたじゃないでしょう?」
「そうだよね、お姉様は分かってるよね。じゃあ普通に、お姉様の運がないだけ?」
「これでも運はある方だと思うんだけどねぇ。フランが異常なくらい、運あるんじゃないかしら」

 負けまくったせいか、多少不機嫌な声でレミリアは言った。
 そんな姉の様子に、思わず苦笑いを零す。そこでふと、フランドールは思い出す。遊びに夢中になっていて、訊くのを忘れていたあることを。何故、突然遊ぼうなどと言い出したのか、ということだ。

「そういえばさーお姉様」
「んー?」
「なんで突然、遊ぼうだなんて言い出したの?」
「……姉が妹と遊ぶのは普通のことでしょう?」
「いつもはどっちかっていうと、私からだよね。それに誘っても、あまり遊んでくれないことの方が多いし。お姉様から誘うだなんて、珍しいなーって思って」

 フランドールの言葉に、何故か黙るレミリア。
 しばしの間、妙な無言。
 その無言を先に破ったのは、レミリアからだった。

「フラン」
「何?」
「邪魔したわね。それじゃあ」
「ちょ、何さらっと逃げようとしてるのさ!」

 起き上がり、部屋から出て行こうとするレミリアの背後から、華麗に飛び蹴りをかます。
 吹っ飛ばされたレミリアは、そのまま扉に激突。鼻をぶつけたようで、鼻血が扉を鮮血に染めた。まさにスカーレットだ。
 すぐさま起き上がり、フランドールの方へと向く

「何するのよフラン!」
「いや、こっちの台詞だよ。何突然逃げようとしてるのさ」
「そこはほら、妹として察しなさいよ。トイレよトイレ。トイレと書いて逃げると読む」
「いやいやいや、読まないよ。何その特殊なルビ」
「フランも大人になれば分かるわ」
「えー……嘘くさいなぁ」
「というわけで、それじゃあね」
「うん――って、待てぃ!」
「ごふぁ!?」

 無駄に自然にその場から立ち去ろうとしたレミリアに、スカーレット式ラリアットをくらわすフランドール。スカーレット式ラリアットとは、己の魔力の八割を肉体強化(腕のみ)に回して発動する技である。ちなみに、並みの人間相手なら軽く首が塵になる程度の威力だとか。
 しかし、そこは吸血鬼。もちろんそれなりにダメージを負うが、このくらいはよくあるじゃれあいの範囲だ。おそらく。多分。きっと。
 むくっと起き上がるレミリア。ふらりふらりとしたその足取りは、ゾンビのようだ。子どもが見たら、軽く泣きだすだろう。

「フラン、やりすぎ。ったく、首の骨一回折れちゃったじゃない」
「ごめん、つい勢いで。でも、元はと言えば、逃げようとするお姉様が悪いんだよ?」
「あ、あー……」

 吐血したせいで汚れた口の回りを、レミリアは手の甲で軽く拭う。
 そして観念したのか、ベッドにぽふっと腰をかけた。

「咲夜とかパチェにね、言われたのよ」
「何を?」
「……暇ならたまには妹様と遊んであげたらどうですか、ってね。失礼しちゃうわよね、私はこれでも忙しいってーのっ!」
「お姉様、普段何してたっけ?」
「これでもいろいろとしてるのよ。館の管理とか――」
「それは咲夜の仕事だよね」
「主の仕事は配下を信じて、ただどっしりと構えてればそれで良いのよ。フランにはまだ少し、難しいお話だったかしら? そうよね、ごめんなさいね、まだ難しかったわよね。お姉ちゃんが悪かったわね」
「え? 何この私がダメな子みたいな流れ。明らかにお姉様がダメだよね。何その生温かい目と笑顔。不快なことこの上ないんだけど」

 子ども扱いをするレミリアに、若干のいらつきを見せる。
 それをよしよしと頭を撫でて、あやすレミリア。頭と同時に、神経を逆撫でしていることに気付いていない。
 頭に置かれたレミリアの手を、軽く払って避ける。

「子ども扱いはやめてよ」
「あら? フランは大人なの? じゃあちょっと、そこに全裸で立ってくれるかしら」
「じゃあの意味が分からないよ」
「あ、そうね、間違えたわ。ちょっと靴下とドロワ一枚だけになってくれるかしら」
「そこじゃないよね、間違ってるの」
「はぁ……我侭ね。仕方ない、半脱ぎで許してあげる」
「なんでため息を吐かれたのか、本気で理解出来ないよ。ここ私がため息吐く場面だよね」
「ため息を吐くと、幸せが光の速さで逃げるのよ」
「ため息も出るよ、姉がこんなのだと」
「こんなの? あら、フランは私が嫌い?」

 そうレミリアが訊ねると、フランドールはうぐっと言葉に詰まった。嘘でも冗談でも、レミリアのことを嫌いだということを口にするのは、フランドールには嫌だった。
 そんなフランドールの反応が予想通りだったのか、レミリアは意地悪い笑みを浮かべている。なんとなく腹が立って、ぷいっとレミリアから顔を逸らした。しかしレミリアは、くすくすと笑いつつ、目の前のフランドールをぎゅっと抱き寄せた。

「離せばかーあほー」
「あら、随分と酷い言われようね」
「へんたいー」
「変態上等。あなたをこうして、抱き締めていられるならね」
「……お姉様は、意地悪だ」
「ええ、よく言われるわ」
「そんなだと、嫌われちゃうよ」
「フランに?」
「どうだろうね」
「嫌われるのは、困ってしまうわ。どうしたら、嫌われないで済むかしら?」

 密着しているせいで、フランドールの耳元や首に息がかかる。くすぐったさに、少し体を捩る。レミリアは実に楽しそうに、少しおどけたような声だ。
 フランドールは、自分の胸の前に回されているレミリアの腕を、きゅっと掴む。妖怪とは、吸血鬼とは思えないほど、弱々しい力で。
 そして、ぽつりと零すように言葉を紡ぐ。

「……遊んでくれたら、嫌われないんじゃない」

 レミリアからはフランドールの表情を窺うことはできないが、それでも今、どんな表情をしているかは、なんとなく想像が付いた。
 レミリアは抱き締める力を、少し強くする。

「じゃあ、遊びましょうか。あなたの気が済むまで」
「何して遊ぶの」
「さあ、何をしましょうかね。何がしたい?」
「……お姉様に任せる」
「そう? それじゃあ――」



 とても甘くて楽しい遊びをしましょう。
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