絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

文が実践する霊夢取扱説明書

あやれいむの日に公開したモノ。



 ・直射日光の当たるところや、高温な場所に放置するのは避けてください。だらけの原因となる場合があります。



「……暑い」
「霊夢さん、いくら暑いからってだらしなさすぎますよ? なんですか、その格好は」
「うっさいハゲー」
「いや、ハゲてないですし」

 上はさらし、下はドロワーズのみという、なんともラフな格好をしたまま、霊夢は畳の上に寝そべっている。
 文はこれを見たとき、カメラを構えるよりも先に引いた。若干引いてから、とりあえずカメラで何枚か撮影した。
 普段なら写真を勝手に撮るんじゃない、と睨んだり抗議の声を上げる霊夢だが、今日はそんな元気もないらしく、ぴくりとも動かなかった。最初、これはチャンスだと思って色々と写真を撮った文だったが、ここまで相手が動きや反応を見せないと、逆につまらなくなってしまい、今は寝転がっている霊夢の横に座っている。

「あんまりだらけていると、太りますよ」
「うっさい眼鏡ー」
「いや、眼鏡かけてないですし」
「こんだけ暑いと、何をする気にもなれないのよ。それとも何? あんたが涼しくさせてくれるの? できないなら、さっさと帰るかあんたも脱ぐかしなさいよ」
「いやいや、なんで脱がなきゃならんのですか。私はほら、風を操れるので、常に自分に涼しい風を――」
「そうよ、その手があったじゃない! 文、あんた私のうちわになりなさい!」
「……はい?」

 突然、がばっと起き上がる霊夢。

「あんたの能力で、私に涼しい風をちょうだい。そうすれば、命だけは保障してあげるから」
「いつの間に私、命狙われてるんですか。というか、自分でうちわ扇げば良いじゃないですか」
「え? だって面倒じゃない」
「……そうですか」

 ダメだこの巫女、早くなんとかしないと。文はそんなことを思いつつも、風を起こしてあげた。
 なんだかんだで、霊夢に甘いのである。





 ・とがったところがあるので、取り扱いにはご注意ください。怪我の原因となる場合があります。



「霊夢さんはもうちょっと、他人に優しくすべきだと思うのですが」

 文の言葉に、霊夢はきょとんとした表情で一言。

「え? あんた以外にはそれなりに優しいわよ?」
「わーお」

 心に深い傷を負った。





 ・電源が入らないときはどうすれば良いですか?→ちゃんと電源を入れるのに必要なものを与えてください。



「巫女ー! 霊夢ー! 霊夢さーん! れーいーむー! はぁ……ダメですね、全然起きない」
「文、お前分かってないなぁ」

 今夜博麗神社で開かれるはずの宴会の予定について、幹事である魔理沙と文は霊夢に準備諸々伝えに来たのだが、その肝心の霊夢が昼寝をしていた。すぅすぅと穏やかな寝息を立てて寝ている姿は、少し起こすのを躊躇われるが、それでも伝えることは伝えなければならない。
 そう考え、文は起こそうと声をかけたが、全く起きる気配がなかった。
 すると魔理沙は、にかっと笑い、人差し指を立てる。

「いいか、文? 霊夢を起こすには、ちょっとした条件が必要なんだ」
「条件?」
「そう、条件だ。まぁお前はここに居て、霊夢が起きる瞬間を見てろ。私がその条件を満たしてくるから。あ、ちゃんと耳を澄ませておけよ? 多分ここからじゃ、ちゃんと聞こえるの霊夢くらいだから」
「はぁ、一体何をするのか分かりませんが……」

 そう言って、魔理沙は部屋を出て行った。
 とりあえず文は、大人しくその場で待つことにした。
 そうしていると、数分もしない内に、ちゃりんという音が聞こえた。微かな音だったが、魔理沙に言われていた通り耳を澄ませていた文には、確かに聞こえた。
 すると次の瞬間、ゆらりゆらりと霊夢が起き上がった。目はしょぼしょぼとしていて、まだ若干眠そうではある。

「……お賽銭の音がした」
「はい?」
「文が入れたの?」
「いえ、私は何も――」
「私だ、入れたのは」

 魔理沙が戻って来た。
 霊夢はまだ半開きの目で、魔理沙をジーッと見つめる。

「……いくら入れた?」
「五百円だ」
「よし、五百円相当の願いを言いなさい」
「目を覚ませ」
「分かったわ」

 魔理沙の言葉に、霊夢はさっきまでの眠たそうな様子はどこへやら、異変解決に向かうときのようにキリッとした表情になった。
 そして霊夢は、寝起きに一杯お茶を飲んでくる、と部屋から出て行った。
 文がぽかんとしていると、魔理沙はあははと笑う。

「お賽銭を入れることが、あいつを確実に起こす条件だ。ただし、五百円じゃないとダメだぞ。千円だと起き過ぎて三日は寝なくなるし、百円だと起きるには起きるが少ししたら寝てしまう。五十円だと若干不機嫌、十円だと目を閉じたまま行動、五円や一円だと上半身だけ起こす」
「さっき願いをーって言ってましたけど、全部起きる系なんですか?」
「あぁ、そうだ」
「というか、確実に起こすのに五百円、毎度必要なんですか……」
「そうだけど、まぁ帰るときにでも回収すれば良いだろう」
「……それ、可哀想ですよね」





 ・早めにお召し上がりください。



「ちょ、何するのよっ!」
「嫌なら抵抗すれば良いじゃない。巫女の力なら、この状況から脱出するのくらい容易いでしょう?」

 霊夢に馬乗りになり、両手を押さえつける。霊夢の瞳には、怒りよりも戸惑いや不安が含まれているのが分かった。
 普段はあまり見ないその様子に、思わずぞくぞくする。

「巫女は人気者だものねぇ……早めに食べちゃって、私のものってアピールしておかないと」
「っ……だ、誰があんたの――あぅっ!?」

 耳たぶを、軽く甘噛み。
 たったそれだけのことなのに、霊夢は可愛らしい声を上げつつ、ぴくんと体を震わせた。予想もしてなかった感触なのだろう。そんな霊夢が面白くて、可愛くて、笑えてくる。
 私が意地悪い笑みを浮かべると、霊夢は顔をかぁっと赤くして、顔を逸らした。

「良いの? このままだと、悪い妖怪に食べられちゃうわよ? 抵抗しないの?」

 耳元に唇を寄せ、そう囁いてみる。霊夢は何故か、抵抗らしい抵抗をしてこない。ジタバタ暴れるわけでも、攻撃を仕掛けてくるわけでもない。私には、それが理解出来なかった。
 正直、冗談半分なところもあった。半分本気だけど。それでも、殴られたり罵られたりくらいはするかなと予想していた。
 しかし、実際はどうだろう。
 あの霊夢が、大人しく私に襲われている。

「このままだと、本当に食べちゃうわよ?」

 だから、これは最後のブレーキ。
 これでいつも通り、馬鹿言ってんじゃないわよとか、そういう反応をしてくれたら、まだ止まれる。私はまだ、我慢出来る。
 けれど、もし霊夢が受け入れてくれるのならば、抵抗をしないというのなら、きっと私は――

「抵抗しない理由くらい、察しなさいよ、ばか……っ」
「っ!」

 これは勘違いしちゃっても、良いのだろうか。
 このまま襲っちゃっても、良いのだろうか。
 今私は、霊夢の耳に唇を添えているから、互いに顔は見えない。それが良かった。顔が熱い。今の私の顔を、絶対に見られたくない。

「霊夢」
「ん」
「いただきます」
「……ばーか」






 ・強い衝撃を与えないでください。故障の原因となる場合があります。



「霊夢さん、それ賞味期限一昨年のお菓子ですよ!」
「え? 嘘? あ、ちょ、うぁ、お腹痛くなってきた……」





 ・水に濡らさないでください。故障の原因となる場合があります。



「ったく……にとりや魔理沙たちと川遊びに付き合って、風邪引くなんて、子どもじゃあるまいし。ヴァカじゃないの」
「……その言い方、凄い腹立つんだけど」

 熱のせいか、霊夢は焦点が合っていない。けれども、文を睨んでいた。
 風邪を引いてもなお、いつも通りな態度に、文はため息一つ。

「ま、今日は看病してあげるから。大人しくしなさいね」
「かーえーれー」
「博麗の巫女といえども、所詮は弱いっちい人間。文句言ってる暇があるなら、その分体力回復に費やしなさい。私に噛みつくのは、ちゃんと体を治してからにすること。今のあなたじゃ、相手にならないわ」

 正論を言われ、何も言えなくなる霊夢。
 大人しくなった霊夢を見て、文はゆっくりと立ち上がった。

「それじゃ、お粥でも作ってくるわ」
「……梅干し入れて」
「ん、了解」

 結局、霊夢はそれから一度も口答えはせずに、文の看病を受け入れた。
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コメント

おぉ甘い甘い
あやれいむ、いいですね。
2011-08-12 Fri 16:27 | URL | タイガNEX [ 編集 ]
文と霊夢の組み合わせは至高ですっ。
2011-08-12 Fri 17:22 | URL | 喉飴 [ 編集 ]

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