絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

パチュリー・ノーレッジと秘密の部屋

2011年6月9日、むきゅーの日に捧げたSSでした!
いやはや、むきゅーの日に気付いたのが2日前で、どうしようかなーって思ってたりしましたがw
 

「実はこの図書館内には秘密の部屋があるって、ご存知ですか?」

 図書館にやってきたフランドールに、小悪魔が何気なくそう訊ねた。
 フランドールはその話に興味を持ったようで、読んでいた本を机の上に置き、小悪魔の方へと向いた。

「秘密の部屋ってことは、魔法か何かで閉じられてるの?」
「いえ、正確には誰もが入ることができる部屋なんです。封印が施されているわけでもなければ、鍵すらかかっていないのです。それにその部屋の存在は、私はもちろんのこと、たまに図書館の掃除を手伝ってくれる妖精メイドたちでさえ知っています」
「ん? それって秘密の部屋って言うの?」

 小悪魔の矛盾している発言に、フランドールはますます分からなくなる。
 すると小悪魔は、フランドールのそんな反応を予想していたらしく、すぐさま言葉を続ける。

「はい、何故ならその部屋はパチュリー様が絶対に入るなと仰っている、パチュリー様だけが使う部屋なのです」
「パチュリーが? 小悪魔でも中に入ったこと無いの?」
「残念ながら、私でもダメでした。部屋の掃除も、そこだけはしなくていいと言われまして。何のための部屋なのか訊ねても、知らなくて良いとだけ言われてしまい……」

 少ししゅんとして、小悪魔はそう言った。
 存在を知られているけども、中を知る者はパチュリー以外居ない。そしてそのパチュリーが、内容を教えてくれないとくれば、確かに秘密の部屋だ。
 一体その部屋には何があるのか、何が秘密にされているのか。それを考え出すと、フランドールは少しうずうずとしてくるのを感じた。秘密と言われれば、知りたくなってしまうのも無理はない。

「ふふ、興味ありますよね、フランドール様」
「だ、だって秘密だなんて言われたら……」
「見に行きませんか、一緒に」
「えっ!? で、でもパチュリーに見つかったら」
「大丈夫です。パチュリー様は今日、レミリアお嬢様に呼ばれてますから。何やら久し振りにお酒に付き合っているそうで」
「あぁ、だから今日パチュリー図書館に居ないんだ」

 普段なら居るはずのパチュリーが居ないわけは、そういう理由なのか。と、フランドールは納得した。

「というわけで、一緒に部屋に行ってみませんか?」
「……大丈夫、かなぁ」
「大丈夫ですよ! もしものときは、私がフランドール様をお守りしますから!」

 胸を張って、自信満々に言う小悪魔。それを見て、フランドールはくすっと笑う。

「あはは、小悪魔私より全然弱いんだから、無理でしょー」
「ちょ、ここはありがとうとか言う場面な気がするんですけどっ!」
「ん、ありがと、小悪魔。それじゃあ、行ってみようか」
「え? 良いんですか?」
「小悪魔が行こうって言ったんじゃない。良いよ、私も気になるしね」

 こうして、二人はパチュリーの秘密の部屋を探ることを決意した。
 席から立ち上がり、部屋へと向かう。
 静かな図書館内に、フランドールと小悪魔の足音だけが聞こえる。フランドールは場所を知らない為、小悪魔が先を歩き案内することになった。
 本棚だらけの変わらない景色をしばらく歩いた後、道を少し曲がる。するとそこには、どこにでもあるような扉があった。
 その扉の前で、小悪魔の足が止まった。つまりはここが、その秘密の部屋なのだろう。

「フランドール様、覚悟は良いですね?」
「う、うん。小悪魔こそ、大丈夫?」
「もちろんですとも! では……開けます」

 ごくりと唾を飲み、ドアノブを回す。
 ぎぃ、と古臭い音を立てながら、扉はあっけなく開いた。
 そしてそこには――

「なっ!? こ、これは……」
「小悪魔、一体何があったの――って、これって」

 二人の視界には、ドラムやギター、マイクやピアノなどなど。部屋の中には、音楽機材があった。
 何故こんなものが、と二人は固まる。

「えっと……フランドール様」
「……何?」
「なんていうか、部屋想像以上に広かったですね」
「うん、なんかたくさんあるのに、まだいくつも置けそうだしね」
「なんで、こんなものがあるんでしょうね」
「私も訊きたいよ。てっきり、魔法関係のものかと思ってたけど」
「二人とも、何をしているのかしら?」
「っ!?」

 すると二人の背後から、聞き慣れた声が一つ。
 その声を聞いた瞬間、二人は体をびくんっと震わせ、妙な汗がだらだらと背中を伝うのを感じた。まるで、親に悪戯がばれてしまったときの子どものような居心地の悪さが、二人を襲う。
 小悪魔がゆっくりと背後を向くと、そこには案の定、パチュリーが突っ立っていた。とても笑顔で。普段見せない、爽やかな笑顔で。
 それを見た瞬間、小悪魔は「あ、私死んだなこれ」と悟った。

「パチュリー様、今日はレミリア様に付き合っていたはずじゃあ……」
「あら小悪魔、そんな怯えた顔をしなくても良いじゃない。ここに誰かが入ったとき、私に伝わるように術式を組んでおいたのよ」
「い、以前鍵とかはかけてないって!」
「あら? 鍵でも封印でもなく、ただの伝達魔法だもの。嘘は言ってないわ。で、妹様も小悪魔も、ここで何をしているのかしら?」

 もうこうなったら、誤魔化すことはできない。

「勝手に部屋に入ったのはごめん、謝るよ。けど訊いていい? ねぇパチュリー、この道具たちは何なの? どうしてこんなものが、この部屋にあるの?」
「はぁ……仕方ない、二人に教えてあげるわ。ちょっと準備するから、そこで待ってて」
「え、あ、うん」



 ~少女準備中~



 数分後、そこにはいろいろと準備万端なパチュリーの姿が!


「え、何この状況」
「パ、パチュリー様?」

 まずパチュリーは分身魔法を使い、四人になった。そして一人がギターを持ち、マイクの前に立っている。他の三人も同じようにベース、ドラム、キーボードとそれぞれ担当に分かれている。
 ぽかんとするフランドールと小悪魔の前で、パチュリーはマイクを通して喋り始める。

「今日は私たちのライブに来てくれて、どうもありがとぅっす!」
「え?」
「私たち、バンドを組んでもう八十七年になったわ」
「そんなに!? というか、分身してるだけで、全員パチュリーだよね!?」
「というわけで、早速一曲目。これは、私と小悪魔が初めて出会ったときのことを歌にしたものよ。聴いてください、曲タイトルは『この悪魔超弱そう』です」
「パチュリー様、そんなこと思ったんですか!?」

 明らかに突然すぎることについていけてない二人を無視して、パチュリーは始める。
 分身したパチュリーが、それぞれ担当の楽器を奏で始めた。それはフランドールや小悪魔が思っていたよりも、ずっとずっと上手い。プリズムリバーを想起させるくらいに、無駄に上手い演奏だ。
 そしてパチュリーは歌う。
 小悪魔との出会いを。
 初めて会ったその瞬間、胸がきゅんとするくらいに「何こいつ超弱そうなんだけど」と感じた想いを乗せる。



 歌っていた時間は、きっと五分もない。しんと静かになった頃には、フランドールの横で小悪魔は泣いていた。フランドールも、少しうるっときていた。

「うぅ……た、タイトルからは想像出来ないくらいに良い曲でした。パチュリー様、そんなことを想っていて下さるなんて……」
「うん、良い曲だったね。はい小悪魔、ハンカチ。涙拭きなよ」
「あ、ありがとうございます」
「まずは一曲目を聴いてもらったわ。ここで一旦、難しくメンバー紹介!」
「簡単にしなよ」

 二人は一応、ぱちぱちと拍手する。

「ボーカル&ギター、パチュリー! ベース、パチュリー! キーボード、パチュリー! そしてドラムっ、パチュリぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
「うん。やっぱり全部パチュリーだね」

 叫ぶという慣れないことをして疲れたのか、パチュリーは賢者の石を五倍に薄めた水(賢者の水)をごくりと飲む。

「それじゃあ、次は一気に三曲連続で歌うわよ! 一曲目は私のロックを詰め込んだ新曲『湯豆腐豆腐抜きで』を、二曲目は切ない想いを綴ったバラード調の曲『私の家だけ下着泥棒が来なかった』を、そして三曲目はレミィと妹様をイメージして作った『吸血鬼を太陽に』をお送りするわ!」
「またタイトルが酷い!?」
「いやいやフランドール様、また内容は凄い良いものなのかもしれませんよ」

 そしてまた、パチュリーの演奏が始まった。





◇◇◇





「小悪魔、今日ってあの日だよね?」
「あ、そうですね! 咲夜さんや美鈴さんにも伝えておかないと。あとメイドのみんなにもっ」
「あ、じゃあ私はお姉様に伝えておくね!」

 紅魔館内でパチュリーの演奏の噂はすぐ広まってしまった。
 そして今では毎月第二日曜日、パチュリーの喘息が調子良いならば、ライブが行われている。
 演奏を聴いた全員が、パチュリーのファンになったそうな。




投稿時のあとがき
 
毎年6月9日はむきゅーの日!
というわけで、久し振りにちょっぴりはっちゃけた感じのパチュリー様をお送りしました。むきゅーの日とロックの日を合わせてみました。
パチュリーさんならきっと、賢者の石で出来たギターとか使ってそうです。とっても格好良い。客席にプレゼントでロイヤルフレアとか投げそうですね。
そんなこんなではありますが、今回のお話、少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。
喉飴でしたー。
でしたー。
たー。
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