10回クイズ2010-12-20 Mon 01:56
没ネタ。
「10回クイズって知ってる?」 パチュリーがいつもと同じように図書館で作業をしていると、遊びに来たフランドールがそんなことを訊いてきた。 しかし、パチュリーはそんなものは聞いたこともなく、首を傾げる。 「いや、知らないわね。残念だけど、悔しいけど、私の知識の中にはない魔法形式みたい」 「いやいや、魔法じゃないよ。遊びだよ」 「遊び? だとしても、私は遊び系には詳しくないから、知らないわ」 「ほえ? パチュリー様、10回クイズ知らないんですか?」 そこに驚いたような声で、小悪魔がやってきた。どうぞ、と淹れてきた紅茶を二人に渡す。 「何よ、小悪魔は知ってるの?」 「そりゃあ……割と有名な遊びですし。なんなら、やってみます?」 「あ、良いねー! みんなでやろうよ!」 小悪魔の提案に、フランドールは嬉しそうに賛成した。 パチュリーも、このまま自分だけ知らないのも癪なので、やることに賛成。 こほん、とわざとらしく咳をした後、小悪魔はパチュリーの方へと向く。 「ではパチュリー様、ピザって10回言ってください」 「何故?」 「パチュリー、これはまず言われた通りにその言葉を言わないと、ゲームが始まりすらしないよ」 フランドールにそう言われ、むぅと唸る。あまり納得はいかないが、そう言われては言わないわけにはいかない。 「えーと、ピザピザピザピザピッツァピッツァピッツァピッツァPizzaPizza」 「なんか言うたびに発音良くなった!?」 無駄に発音が良くなったが、小悪魔は気にしない。 「では、ここは何ですか?」 そして、肘を指さす。 するとパチュリーは「肘でしょ」と普通に答えた。 フランドールも小悪魔も、残念と肩を落とす。 「あーやっぱりパチュリー様は引っ掛かりませんでしたか」 「何がどういうことなのか分からないわ」 「ピザって言った後だから、騙されて膝って言っちゃうんですよ」 「……小悪魔、あなた頭大丈夫? そこは膝じゃなくて肘よ」 「いや、マジ返しされると困るんですが……。これは相手を引っ掛ける遊びでして――」 「つまり、小悪魔は私を騙そうとしたのね? はめようとしたのね? 私はただ遊びの内容を訊いただけなのに」 「え、いや、その……」 雲行きが怪しい。 なんとなく、その場から少しずつ離れるフランドール。 「酷いわ。まさかあなたに騙されそうになるなんて……」 「だから、そういう遊びでして」 「そう、私との関係は遊びだったのね。私は良い友人だと思っていたのに」 「どうしてそうなるんですか!?」 修羅場と感じたフランドールは、その場から笑顔で去った。巻き込まれるの面倒だし、そろそろ咲夜のおやつの時間だからだ。 「私は傷付いたわ……」 「だから、あぁもうっ、違くて」 信頼を取り戻すのに、七時間はかかったらしい。 |
コメント |
コメントの投稿 |
|
トラックバック |
| ホーム |
|