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絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

10回クイズ

没ネタ。




「10回クイズって知ってる?」

 パチュリーがいつもと同じように図書館で作業をしていると、遊びに来たフランドールがそんなことを訊いてきた。
 しかし、パチュリーはそんなものは聞いたこともなく、首を傾げる。

「いや、知らないわね。残念だけど、悔しいけど、私の知識の中にはない魔法形式みたい」
「いやいや、魔法じゃないよ。遊びだよ」
「遊び? だとしても、私は遊び系には詳しくないから、知らないわ」
「ほえ? パチュリー様、10回クイズ知らないんですか?」

 そこに驚いたような声で、小悪魔がやってきた。どうぞ、と淹れてきた紅茶を二人に渡す。

「何よ、小悪魔は知ってるの?」
「そりゃあ……割と有名な遊びですし。なんなら、やってみます?」
「あ、良いねー! みんなでやろうよ!」

 小悪魔の提案に、フランドールは嬉しそうに賛成した。
 パチュリーも、このまま自分だけ知らないのも癪なので、やることに賛成。
 こほん、とわざとらしく咳をした後、小悪魔はパチュリーの方へと向く。

「ではパチュリー様、ピザって10回言ってください」
「何故?」
「パチュリー、これはまず言われた通りにその言葉を言わないと、ゲームが始まりすらしないよ」

 フランドールにそう言われ、むぅと唸る。あまり納得はいかないが、そう言われては言わないわけにはいかない。

「えーと、ピザピザピザピザピッツァピッツァピッツァピッツァPizzaPizza」
「なんか言うたびに発音良くなった!?」

 無駄に発音が良くなったが、小悪魔は気にしない。

「では、ここは何ですか?」

 そして、肘を指さす。
 するとパチュリーは「肘でしょ」と普通に答えた。
 フランドールも小悪魔も、残念と肩を落とす。

「あーやっぱりパチュリー様は引っ掛かりませんでしたか」
「何がどういうことなのか分からないわ」
「ピザって言った後だから、騙されて膝って言っちゃうんですよ」
「……小悪魔、あなた頭大丈夫? そこは膝じゃなくて肘よ」
「いや、マジ返しされると困るんですが……。これは相手を引っ掛ける遊びでして――」
「つまり、小悪魔は私を騙そうとしたのね? はめようとしたのね? 私はただ遊びの内容を訊いただけなのに」
「え、いや、その……」

 雲行きが怪しい。
 なんとなく、その場から少しずつ離れるフランドール。

「酷いわ。まさかあなたに騙されそうになるなんて……」
「だから、そういう遊びでして」
「そう、私との関係は遊びだったのね。私は良い友人だと思っていたのに」
「どうしてそうなるんですか!?」

 修羅場と感じたフランドールは、その場から笑顔で去った。巻き込まれるの面倒だし、そろそろ咲夜のおやつの時間だからだ。

「私は傷付いたわ……」
「だから、あぁもうっ、違くて」

 信頼を取り戻すのに、七時間はかかったらしい。
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