絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

あやみこラジオ~第3回放送~

というわけで、第3回放送です。
今回のゲストは、メイド長!


 


「みここここー! さぁ、今週も懲りずに始まりました、あやみこラジオ。パーソナリティーは私、射命丸文と?」
「三度目だからそろそろ慣れてきた、博麗霊夢でお送りするわ」

 オープニング曲の『恋風綺想』が流れる。
 いつもと同じように元気いっぱいの挨拶をする文と、前回や前々回よりも落ち着いた様子の霊夢。どうやら、二人ともだいぶ慣れてきたようだ。

「うーん、もうちょっとあたふたしていたり、落ち着きのない様子の霊夢さんが見たかったです」
「残念でした、もう慣れてきたわ。最初は、普通のお便りのコーナーでしょ? ほら、ちゃちゃっといくわよ」
「あ、ちょ、いきなりですかぁ?」

 霊夢は机の下からあらかじめ用意してあった白い箱、お便りボックスを取り出す。
 もう少しオープニングトークを色々楽しみたかった文からすれば、こんなトントンと進んでしまうのは少し不満だった。しかし、時間も決められている。それに加えて、毎週生放送だ。予定より大幅に時間をオーバーするよりは、マシだと考えてなんとか不満を堪えた。

「では、最初のお便りですね。PN幻蒼さんからいただきました。『文さん、霊夢さん、こんばんは。いつも楽しみにしています。さて、質問ですが、霊夢さんに聞きます。普通に空を飛ぶことができる霊夢さんですが、文さんみたいに翼で飛んでみたいと思ったことはありますか? よろしくお願いします。そして、あやみこラジオをこれからもがんばって下さい。』とのことです」
「え? 私に質問なの?」

 自分に質問が来るとは思ってなかったのか、霊夢はきょとんとした表情になった。

「はい、霊夢さんにですね。どうですか、霊夢さん? 人間は一度くらい、翼が欲しいとか思ったりすると私は聞いたことがありますが」
「うーん、正直思ったことないわね。というか、考えたこともなかったわ。私にとって、飛べるのは当たり前だから。その手段や方法なんて、どうでも良かったって言うか……」
「ふむふむ、なるほどー」
「だけど、そう訊かれちゃうと、ちょっと興味あるかも」
「ほう? それは何故ですか?」
「私はただふわふわと浮いてたりしている感じだけど、なんて言うかさ、文は空を翔るってイメージがあるからかしらね。多分あんたに対するイメージも含んでるから、こんな風に思うんだろうけど。無重力のような感覚よりも、翼で空を翔るって何だか心地良さそうじゃない?」
「あー確かにイメージですね。実際は、私も霊夢さんも空を飛んでいることに変わりはないですし。そうですね、うーん……」
「ま、翼を生やすことなんて出来ないから、例え興味を持っても叶わない願いね」

 文は何やら少し考え込む。
 そして、何か良い考えが浮かんだようで、ぱぁっと笑顔を浮かべた。

「私が霊夢さんを抱えて飛べば、霊夢さんも同じ感覚を味わうことが出来るかもしれません。私と同じ速さ、同じ目線で、私の世界を体験してみませんか?」
「え? ちょ、それ難しくない?」
「私を誰だと思ってるんですか? 非力な人間やそこらの妖怪と一緒にしてもらっちゃあ、困りますね。霊夢さんみたいなお子ちゃま抱えて飛ぶのなんて、朝飯前です」

 わざとらしく胸を張り、笑みを浮かべつつ文は言った。

「なので、今度遊びに行くんで、その時にでも」
「でも、誰かに見られたら何事かと思われるわよ? 私が誰かの力を借りて空を飛ぶなんて……」
「まーなんとかなりますよ。情報操作は私の得意分野ですから」

 もう何を言っても、文は実行する気満々だ。
 霊夢はそれが分かっているから、もう無駄なことは何も言わないことにする。言うのは、ただ一言。

「ん、それじゃあ任せるわ。ありがと、文」

 ただそれだけで、充分だ。

「はい。では、次のお便りーPNほたるさんからいただきました。『いつも楽しく聴いています。お二人は、何か悩みとかコンプレックスのようなものはありますか? 私は、ボーイッシュとよく言われることが悩みです。』ですって。悩みですかー霊夢さんって、悩みなさそうですよね」
「どういう意味よ?」
「いえ、なんか別に深く考えて行動とかしなさそうなので」
「それ、凄く失礼な発言よね?」

 喧嘩売ってるなら買うわよ、と腋からスペルカードを取り出す霊夢。
 文はもうこういう展開に慣れているのか、別に焦った様子も無く怖い怖いと言うだけ。

「じゃあ、霊夢さんの悩みとかコンプレックスはなんですか?」
「……お、お賽銭が入らないことが悩みね」
「ほほぅ、嘘ですね。いえ、嘘ではないかもしれませんが、それよりももっと本当の悩みがあるようですね」
「なっ!? 私は別に……」

 霊夢は答える直前、視線を下に向けていた。そして、詰まったようにお賽銭と答えた。他人の観察は、ネタ集めを普段からこなしている文にとっては得意なことだ。
 そんな文が、霊夢の視線などから導き出した答えは、ただ一つ。

「ずばり、霊夢さんは胸が小さいことを気にして――」
「あー残念だけど、もう時間ね。CMの後は、ゲストコーナーよ。ちなみに文の悩みは、以前寝言で言ってたけど、最近目からレーザーが出るようになったことらしいわ」
「ちょ、人の悩みを何勝手に捏造してるんですか!?」





 ~少女CM中~



「パチュリー様、パチュリー様」
「何よ、小悪魔? 喧しいわね。それに突然こんなよく分からない場所に連れてきて……機材だらけじゃない」
「パチュリー様、大事な本にお茶を零しちゃって困ったー、とかよくあることですよね」
「ないわね。防水魔法付けてるし。何、零しちゃったの? 大丈夫よ、防水が働いて一滴残らず弾いてるはず」
「……そうですか」

 落ち込んだ様子の小悪魔に、何故そんな表情をするのか分からず首を傾げるパチュリー。

「き、気を取り直して次の商品です。パチュリー様、夜中々寝付けなくて寝不足ってこと、よくありますよねー? そんなときは――」
「ないわね。私、寝なくても大丈夫だし。そもそも、睡眠なんてしてる暇があるなら、本を読みたいわ」
「……そう、ですか」

 互いに無言。
 ラジオなので、軽く放送事故だ。
 そして、その後は結局一言も発さないまま、終わった。



~少女CM終了~





「さぁ、ゲストコーナーですよ!」
「今回のゲストは、こいつよ。ほら、自己紹介しなさい」
「ゲスト相手に、こいつとは中々失礼なラジオね。十六夜咲夜ですわ、よろしく」

 さっきまでは二人だけしかいなかった部屋に、今は咲夜も加わっている。先週のさとりと違って、特に周りを気にすることも無く、非常に落ち着いた態度だ。
咲夜は文の隣、霊夢の正面という位置に座っている。

「さて、ゲストの咲夜さん、いろいろとお便りが届いてますよー。PNただの里の人間さんからいただきました。『毎回楽しく聴かせてもらっています。今回のゲストさんが紅魔館のメイドさんと聞いて、質問させていただきます。人里でたまに買い物している姿を見かけますが、メイド服以外の服は着ないのですか? また、吸血鬼の館と恐れられている紅魔館に、休日はあるのでしょうか? もしよければ、教えてください。』ですって」

 文は内容を読み終えて、ふぅと一息。

「そうね、メイド服以外もあるけど、あんまり着ないですわ。それこそ、休日のときくらいで。仕事を完全に忘れる時は、気分転換に服を変えるわね、今日みたいに」
「正直、今日最初咲夜のこと見たとき、誰だろうって思ったわ。メイド服以外の咲夜なんて、今まで見たこと無かったもの」
「お嬢様に、仕事を忘れてゲストに徹しろと言われてね。そう言われちゃあ、仕事の証のメイド服は着るわけにいかないですわ」
「一枚、写真撮らせてくださいよ」
「嫌ですわ。ろくなことになりそうにないもの」

 咲夜の格好は、いつものメイド服ではなく、上は暖かそうな茶色のセーターに下はシンプルな黒いズボン。ただラジオであるから、このレアな姿が聴いてる人に伝わることはない。
 文は写真を撮りたくてたまらなかったが、咲夜の笑顔に「撮ったら潰す」という無言の圧力を感じたために控えた。

「えっと、では話を戻して。休日に私服を着るということは、紅魔館には休日があるのですね」
「もちろん、ありますわ。私としてはずっと働いていても良いのだけど、お嬢様が人間のくせに調子に乗るな、と」
「ふむ、つまりレミリアさんの照れ隠しで、訳すと『人間なんだから無理をするんじゃない』みたいなことですね。良い御主人をお持ちですね」
「我侭だったり、無理難題を気分で押し付けてきたりもするけどね。それでも、私は幸せよ」
「まぁ楽しくなきゃ、あのレミリアの世話なんて続けてられないでしょうね。私には理解できないけど」
「そりゃあ霊夢は誰かに仕えるってタイプじゃないものね。霊夢が誰かに仕えてるなんて姿、想像出来ないですわ」

 霊夢が誰かに仕えているという姿を、文と咲夜は頑張って想像してみる。メイド服を着て、不機嫌そうな顔をしている姿が辛うじて想像出来た。
 そこで、あぁ霊夢はやっぱり向いてない、と二人は思った。

「霊夢さんの場合、気に入らない命令されたら主を半殺しにしそうな。というか、私に命令するなとか言いそうですね」
「むしろいつの間にか、主従関係が逆転してそうよね。霊夢がメイド服着てるのに、お茶持ってこいやとか言ってそうな。なんか相手が泣きながら従ってる姿が容易に想像できるわ」
「あんたらは私を何だと思ってるのよ……」
「自分中心かつネタを振りまいてくれる腋巫女」
「自分とお賽銭だけを信じる冷徹非情な巫女」
「……少しへこむわ」

 割と真面目な表情で二人にそう即答されて、心にちょっとした傷を負った霊夢だった。

「気を取り直して、次のお便り読むわよ。PN小さな悪魔さんからね。『ゲストが咲夜さんと聞いて! いつもお仕事お疲れ様です。私にもお手伝いできることがあったら、言ってくださいね。微力ですが、お手伝いしますので。それでは、これからもお体には気をつけて頑張ってくださいね。』だって。これ、ラジオへのお便りっていうよりは、咲夜への手紙ね」
「しかも、明らかに身内だと分かりますね。良い子ですねぇ、悪魔なのに」
「あの子も昔はやんちゃだったって聞いたわ。私が来る前から紅魔館に居たらしいけど、私が来る前は悪戯っ子だったって言ってましたわ」
「ほえー信じられませんね。一体何があったのか」
「詳しくは知らないけど、パチュリー様に矯正されたとか聞いたわ」

 スクープの匂いがする発言だが、深く調べるとろくなことになりそうにないので、この件については絶対に調べないでおこう。そう、心に決めた文だった。
 霊夢からすれば、良い子だろうと悪い子だろうと割と興味の薄い存在なので、どうでもいい。興味無さそうに欠伸していた。

「さて、まだあと一つお便り紹介出来そうですかね? 時間ギリギリですか?」

 文がそう訊ねると、にとりがカンペで「短いのなら一つ大丈夫」と出してきた。
 そして何故か、ADの椛が無言で部屋に入り、一つのお便りを文に手渡してから去った。おそらくこれを読めということだろうと解釈し、文はそのお便りを読みあげることにした。

「はい、ではもう一つ紹介します。えっと、PNメイド長さんからいただきました……え?」
「何こっちを見てるのよ。ほら、さっさと読みなさいな。時間がないのでしょう?」
「え、あ、はい。こほん。『これを読んでるどっちかのパーソナリティー、もう片方のパーソナリティーの命令を一つ聞きなさい』ってなんですかこれ!?」

 ニヤニヤとした、とても意地悪い笑みを浮かべている咲夜。
文はガラス越しに見ているにとりと椛を見る。すると、二人ともとても良い笑顔を浮かべ、親指をグッと立てていた。
 それを見た瞬間、文は把握した。はめられた、と。

「なんですか、これは!」
「何って、ただの質問とかじゃあ面白くないから、サプライズよ」
「ねぇ、この場合って私が文に命令すれば良いわけ?」
「えぇ、そうですわ」
「何さらっと話進めてるんですか! 認めませんよ、こんなこと!」

 文がそう言うと、霊夢はガラスの方を指さす。なんだろうかと思い、そっちを向くと、にとりが「うっせ、時間もないんだからさっさと命令聞いちゃってよ」とカンペを出していた。

「あぁもうなんですか、この理不尽空間は!」
「まぁまぁ、ゲストのお願いなんだから一つくらい聞きなさいな。さぁ霊夢、何か命令してあげなさい」
「んー命令ねぇ。お賽銭を毎日最低十万は入れろとか?」
「破産します」
「あら? 面白いんじゃないかしら。幻想郷最速天狗、まさかの破産。とか記事になるんじゃない?」
「か、勘弁してくださいよ」

 霊夢の真剣な表情と、咲夜のノリノリな空気から、割と本気で財布が喰われると考える文。背筋に嫌な汗が伝う。
 助けを求めようと、ガラス越しに椛たちの方を見ると、椛もにとりも文の財布を手に持っていた。いつでも準備は出来てます、といった様子だ。
 まさに、味方は誰もいない。

「せ、せっかくですからラジオに関連する命令にした方が!」
「ラジオに関係? ラジオを盛り上げる要素とか、そんな感じの?」
「そ、そうです!」
「うーん……じゃあさ、来週は素のままのあんたでラジオをやるってのはどう?」
「え?」
「はい?」

 咲夜も文も、予想外の言葉にぽかーんとした。

「あんたさ、ずっと取材モードの喋り方でラジオやってるし、たまには素の状態でやってみるのも新鮮で面白いんじゃない?」
「あぁ、確かに面白そうね」
「ふむ、毎日十万よりはマシですね。でも、出来るかちょっと不安です。切り替え失敗して、ちょくちょく丁寧語混じったりしそうです」
「ま、それもむしろ面白いんじゃない? 聴いてる方としてはね」
「では、それでいくとしましょう。本当、財布が喰われるよりは全然マシですから。それに、もう締めてってカンペ出てますし」

 別室のにとりが少し慌てた様子だ。どうやら、予想以上に時間を消費してしまったようだ。
 文はこほん、と一息。

「それでは、ゲストの咲夜さん。最後に何かありましたら、どうぞ」
「もう少しいろいろと暴れて、紅魔館のメイド長として爪痕でも残すべきだったかしら、と少し後悔してますわ」
「いやいやいや、充分無茶ぶりしたじゃないですか」
「でも確かに、咲夜にしては大人しい感じもしたわね」
「まぁ今回は、仕事のことは忘れろと言われてたからね。あくまでもラジオのゲスト役に徹してみたわ」
「というわけで、今回のゲストは十六夜咲夜さんでしたー! ありがとうございましたー!」





 ~少女CM中~



「私、めげません! パチュリー様、本を読み過ぎて目が疲れたーなんてこと、よくありますよね?」
「眼精疲労ね。そんなときはこれね、蒸しタオル」
「え、ちょ」
「使い方は簡単。蒸したタオルを目にあてるだけ。疲れも取れるし、余計なお金も使わないわ」
「いや、その、特製目薬がここに――」
「今すぐ試してみると良いわ。目薬とかも良いけど、家に無かった場合買いに行くのは面倒だものね。けど、蒸しタオルはタオルさえあれば簡単に出来る」
「……ふぇ」
「小悪魔、なんで涙目なの?」
「わざとですか? わざとなんですか、パチュリー様?」

 涙目の小悪魔を見て、一体どうしたんだろうと首を傾げるパチュリーだった。



 ~少女CM終了~





「はい、エンディングね」

 エンディング曲『少女綺想曲(霊夢の鼻歌版)』が流れる。珍しく、ご機嫌な声だ。

「本日も、ゲストコーナーがあったので『幻想風靡で一発解決』のコーナーはお休みですね」
「ゲスト迎えるより、そっちやった方が私的には楽なんだけどね。はぁ~疲れたぁ」
「お疲れ様です。まだエンディングなだけで、終わってませんけどね」
「良いのよ、さっさと締めちゃえば。しっかし、さとりの次が咲夜だとはねぇ。ゲストって、どういう基準で選んでるのかしらね」
「さぁ? 私もそれは知りません。スタッフのみんなで会議して決めてるらしいですけど。もしかしたら、次回は居ないかもしれませんしね」
「そうね。まぁ居なくても、あんたと二人っていう時点で疲れることは確定だけど」
「むぅ、失礼な。ちょっとは楽しいって思ってるでしょう?」
「ばーか、調子に乗るな」

 おどけた感じで訊ねた文の額を、腕を伸ばして軽く小突く霊夢。

「私は結構楽しいですけどねー」
「あっそ。ほら、さっさと締めるわよ」
「そうは言っても、締めの言葉は霊夢さんじゃないですか。ほら、あの言葉を!」
「はいはい、あややややー」
「物凄い投げやりに言われたー!?」

 こうして、最後は霊夢の投げやりな言葉と文のツッコミで幕を閉じた。

 





あとがき
 
みここここー!
というわけで、どうもです。
本当はあやれいむ布教委員会のページが出来あがってから書き上げるつもりでしたが、予想よりも全然早くこっちが書き上がってしまいました。
今回はゲストに咲夜さんが来てくださいました。さて、次回はゲストが来るのか来ないのか。それとも、第3回で終わるのか。
そんなこんなではありますが、今回のお話、少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。
あややややー!




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