絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

れいひな!

プチ投稿作品。タイトル通りの内容となっています。






「ねぇ、なんで私は縛られてるのかしら?」
「んー?」

 博麗神社内、居間に縛られてちょこんと正座しているのは厄神鍵山雛だ。

「私ね、最近お賽銭入らないのよ」
「はぁ……そうなの?」
「これって厄じゃないかしら?」
「いや、それはあなたの責任……」
「なんか言った?」

 雛の首筋に針をあてる霊夢。
 うわーやばいよこの人。厄とか以前になんかやばいよ。そんなことを思いながらも、地味に冷静な雛。

「で、なんで私をさらって来たの?」
「そりゃああんたに厄を吸い取って貰おうかと」
「はぁ……まぁ、いいけど。あんまり私に近寄らない方が良いわよ?」
「なんでよ?」
「それは――」

 雛が喋ろうとした瞬間、霊夢が卓袱台に思い切り脛をぶつけた。

「あーあ……」
「痛ぁぁぁ!?」
「弁慶の泣き所(笑)だし痛いでしょうに」
「馬鹿にしてるでしょ!? 何よ(笑)って!?」
「いえいえ、そんなことないわよ(ウザい)」
「ちょ!? ちまちま心の声漏れてるわよ!?」
「これは失礼。まぁ、これで分かったでしょう? 私に近付きすぎると厄が移るわよ」

 そう雛が忠告するが、霊夢は逆に雛に近付いて来る。

「あなた……話聞いてた?」
「聞いてたわよ。どっちにしろあんたに厄吸い取って貰うから関係無いじゃない。で、どうやって回収するの?」
「……とりあえず縄解いてくれないかしら」
「逃げない?」
「逃げないわ」
「本当に?」
「本当」
「お値段地上?」
「にとり」
「よし!」
「うし!」
「にゃー!」
「わふーん!」
「あなたがー!」
「好きだからー!」
「私の賽銭箱は53万です」
「私の厄は108式まであるわよ……っていつまでやらせるのよ!?」
「はいはい、ごめん」

 縄を解く。
 意外にキツく締め付けられていたせいか、雛の服に跡がついてしまっていた。

「うわっ……なんかえっちぃ」
「あなたが付けた跡じゃない!」

 雛の台詞も、取り方によってはかなり危ない。
 少し頬を朱にして、雛は怒る。霊夢はヘラヘラ笑っている。

「で、どうやって回収するの?」
「んーちょっと動かないでね」

 そう言って、雛は霊夢に歩み寄る。
 そして、抱き締めた。

「な!?」
「はい、動かないで」
「な、ちょ! これが回収の仕方なの!?」
「ええ、密着しなきゃダメなのよ」

 本当は別に抱き締める必要は無い。軽く手に触れているだけでも良いのだが、雛はさっきのお返しといわんばかりに抱き締める。
 霊夢の黒髪が、雛の頬を撫でて少しくすぐったい。
 定期的な鼓動が、やけに煩く聞こえる。

「あら、あなた恥ずかしがってるわね?」
「う……」

 雛は、より追い討ちをかける。
 勝ち誇ったような、そんな笑みで。

「あんまり調子に……」
「ふぇ?」
「乗るなぁ!」
「きゃあ!?」

 いきなり霊夢が前に体重をかけたせいで、雛は畳に背中をぶつけ、倒れる。
 手首を霊夢に押さえ付けられ、息がかかる程に近い距離。鼻と鼻がぶつかっている。

「あ……」
「私の勝ちかしらね?」

 もはや厄回収のことなど忘れている。
 ただ、雛は顔に紅葉を散らすだけ。
 これだけ近いと、顔立ちが良く分かる。

「あぅ……」

 霊夢は、少女らしい可愛らしさがありながらも、今みたいに勝ち誇った表情は、少し格好良い。
 思わず、顔をそらしてしまう。

「あら、それは逃げと思っていいかしら?」
「う……いいから。早く退いてよ……」

 潤んだ瞳、恥ずかしがりながらも、少し拗ねたような目付き。
 それを見た霊夢は――

「なんかハマってきたからまだダメ」
「な!?」

 雛をギュッと抱き締める。
 暴れるが、霊夢が全体重かけて雛の上から抱き締めているため、逃げられない。

「はーなーしーてー!」
「いーやっ!」


 そして15分後。
 そこには、暴れ疲れた雛が肩で息をしている状態。霊夢は笑顔だ。
 息が荒く、暴れたせいで服が少し乱れている雛は、見方によってはかなり危なかった。

「うー……厄神なのに」
「あはは」
「笑わないでよ!」

 雛は睨むが、それを笑い流す霊夢。

「はぁ……もう帰るわ」
「そう。またいらっしゃい」
「え?」
「あんた、面白いし」
「面白く無いわよ!」
「それに可愛いしね」
「…………は?」

 雛は厄神であるから、他人と関わることはほとんど無かった。
 今日、こんなふうに普通に会話したりするのさえ、久し振りだった。
 さらに、可愛いなんて言われたのは初めてで――

「~っ! 帰るわ!」
「はいはい」

 霊夢から顔を背けて、速攻帰る雛。
 恥ずかしさやら嬉しさやらくすぐったさやら、いろんな感情が雛を支配していた。

「あ~もうっ!」

 ぶんぶんと激しく頭を振り、不思議な感情を振り払おうとする。
 結局、雛はその日ずっと忘れられなかった。





◇◇◇





「お賽銭箱が真っ二つにぃぃぃぃぃぃ!?」

 雛にあれだけ触れたのに、結局厄回収して貰わなかった霊夢には、溜まりに溜まった厄が降り注いでいたそうな。
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