絶対あめだま宣言!

好きなことや様々なことを、ただ適当に綴ります。SS書いたりなど。あやれいむ布教委員会の会長です。

パチュリーとフランドールの昔話~三匹の子豚~

25000HITケトゥアンさんリクエスト『絵本シリーズ』より。
完成したので公開を!


 
「っ……パチュリー!」

 フランドールは叫んだ。目の前の、パチュリーに向かって。
 紅魔館の赤い廊下。今は、別の赤で染まっていた。
 壁に背を預けたまま、ぴくりとも動かなくなったボロボロの咲夜。右手に握られた懐中時計と、身に纏っているメイド服が、真っ赤に染まっている。
 普段はこの廊下できゃいきゃい騒いでいる妖精メイドも今は、そこに居た、という血の痕跡しか残っていない。

「なんでっ、こんなことを……美鈴は! 小悪魔は! お姉様は何処行ったの!?」
「あら、妹様は賢いと思っていたのだけど、買い被りだったかしらね。今私がこれだけのことをしていても、ここに現れない。つまり、もう動けないってこと」
「何を、したの?」
「そこまで言わないと分からないの? 全員私の手で――」

 パチュリーが言い終わるよりも先に、レーヴァテインがパチュリーを貫いた。それはとても速く、恐ろしいまでの威力。

「残念でした」
「っ!」

 しかし、そのパチュリーは、フランドールの背後に居た。確かに貫いたはずだった。タイミング、速度、威力、どれも申し分ないものだった。
 何か得体の知れない魔法、もしくは術を使用しているのは明らか。そう咄嗟に判断したフランドールは、ひとまず距離を置くためにその場から猛スピードで離れる。

「逃げても無駄よ。私の魔法研究の中でも、最高傑作。咲夜の時間停止もレミィの戦闘能力さえも凌駕した新しい賢者の石……」
「なっ!?」

 パチュリーが賢者の石を取り出し、自分の腕に刺した。すると、賢者の石は液体へと変化し、パチュリーの血管へと入りこむ。腕から流れているパチュリーの血が、赤から蒼へと変わる。
 そして、大きな落雷がパチュリーに落ちた。
 煙とともに、姿を現したパチュリーを見て、フランドールは、逃げ切れないと悟った。
 全身が筋肉で覆われ、身長は軽く2メートルは超えているであろう。普段の病弱なパチュリーとは、正反対の姿がそこにあった。

「ドーピングコンソメ賢者の石よ……これを使うと、魔法使いの最強戦闘形態『魔魔人』になれる。さぁ、最後の戦いを始めましょう、妹様」
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ! きゅっとしてドカーン!」
「ぎゃあ」

 パチュリーは倒れた。
 まぁ、そんなこんなでフランドールは生き残った。












「っていう、小説を書いてみたんだけど」
「うん、超つまんないや」

 笑顔でパチュリーから手渡された小説本を燃やすフランドール。

「大体、なんでコンソメなのかも分かんないし、進化した名前が『魔魔人』って、語呂悪すぎだよ。それに、進化したのに一発でやられたじゃん」
「魔法を扱う究極の魔人、略して魔魔人だったのに……」
「いや、別にそこはどうでもいいけどさ」
「ちなみに、カタカナにするとママジン。あら不思議、一気に怖くなくなった」
「うん、凄くどうでもいいや」

 フランドールが図書館で過ごすことは、そんなに珍しいことではなかった。
 外に出ては行けない。しかし、暇。
 そうなると、自動的に紅魔館内で最も有効に暇を潰せる場所、大図書館へとやって来るのは、当たり前とも言える。
 パチュリーも、別に拒絶したりはしない。
 そのため、二人はなんだかんだで顔を合わせる回数が多かった。

「はぁ……何か面白い本ないかなぁ」
「あら、私がお勧めした魔力と自然の応用術書は面白くなかったかしら?」
「うーん、面白くないってわけじゃあないんだけどね。私が理解したところで、どうせ使わない魔法だなーって思って」
「あー……確かに、これは私にはともかく妹様には必要ないものだったかもね」
「うん。もっと何か、もうこの際なんでも良いから面白いもの読みたいなー」
「なら、たまにはこんなものはどう?」
「ふにゅ?」

 パチュリーは突然自分の胸元に手を突っ込むと、なにやらまさぐっている。時折、「んっ!」「あっ……」「ふぁっ、ん」など、甘い声を漏らすが、フランドールはあえて無視をした。
 そして、しばらくして一冊の薄い本を取り出した。

「これ」
「うん、どっから出してるのかっていうのには、あえて突っ込まないでおくね。何これ?」
「絵本よ」
「……凄く嫌な予感しかしないんだけど」
「え? どうして? ほら、たまには堅苦しい本から離れてこういう稚拙で反吐が出るような本も良いと思うわよ」
「全国の絵本作家に謝りなよ」
「ごめんなさい」

 ごめんなさい。

「さて、どうする? 読んでみる?」
「うーん……」
「今なら私が読み聞かせをやってあげるけど」
「パチュリーが? それじゃあ、まぁせっかくだしお願いしようかな」

 パチュリーの声は小さくて聞きとり辛いものがあるが、それでも澄んでいて綺麗な声だ。
 フランドールは、それなら良いかもしれないと考え、お願いすることにした。

「じゃあ、読むわね」
「うん」

 そして、始まった。

『白雪姫と三匹の子豚』

「明らかにタイトルがおかしいよね!?」

『ある日、三匹の子豚は家を建てることにしました』

「うんうん」

『一匹目の子豚は、ジェンガで家を建てました』

「子豚凄い器用!?」

『すると、そこに狼がやって来ました。狼は、そのジェンガを一つ一つ抜いていくという、とても恐ろしいことをします』

「いや、一気に崩せば良いのに」

『やめて、崩さないで。建てるのに一時間もかかったの!』

「よく一時間で家建てられたね!?」

『子豚の叫びも虚しく、狼はとうとう家を崩してしまいました。子豚はもう一匹の子豚の家へと逃げ込みます。そして、狼はそれを追います』

「うわ、ピンチだね。私このお話、あんまり覚えてないからちょっと楽しみかも」

『二匹目の子豚の家は、パントマイムで出来ていました』

「それ何も無いってことじゃん!? 子豚さん、ただの浮浪者だよ!」

『これには流石の狼も苦戦をします。子豚がパントマイムで作る見事な壁が、どうしても壊せません』

「パントマイムどれだけ上手なの!? いや、上手かったとしても普通に襲えるよね!?」

『しかし、悲しいかな、そこは子豚もやはり人の子。体力に限界が来てしまいます』

「子豚は豚の子だよ!?」

『八時間の激闘の末、とうとうパントマイムに集中する体力も気力も尽きてしまい、家は崩れてしまいました』

「むしろ良く八時間もやってたね……」

『二匹の子豚は、最後の子豚の元へと逃げ込みます。もちろん、狼はそれを追います』

「あぁ、完全ピンチだね」

『二匹の子豚がレンガの家を訪ねると、そこには毒林檎を食べてしまい倒れている子豚が居ました』

「ここで白雪姫の要素出てくるの!?」

『そこに、狼のキス』

「なんで!? 何がどうなってそうなるのさ!」

『すると、どうでしょう。さっきまで瀕死の状態だった子豚が、息を吹き返しました』

「何この奇跡!?」

『こうして、三匹の子豚と狼は、いつまでも仲良く暮らしましたとさ。めでたし、めでたし』

「……いや、確かにハッピーエンドでめでたいかもしれないけどさ」

『※このあと、子豚たちは狼が美味しく頂きました』

「まさかのバッドエンドだったー!?」






「ふぅ、疲れた」
「いや、疲れたのこっちだよ! なんなのこれ!」
「妹様、驚くかもしれないけど、冷静に聞いてね」
「な、何さ? 急に真剣な顔になって……」
「これらは全て、フィクションなのよ」
「分かってるよ!?」

 これらは全てフィクションです。
 実際の人物・団体・書物・賢者の石・ドロワーズとは何も関係はございません。
 おしまい。











あとがき

25000HITケトゥアンさんリクエスト、絵本シリーズ。
いやー久し振りすぎる絵本シリーズ。
リクエストがあったからやりましたけど、これどうなんでしょうねw
うーん、しかもまだ絵本シリーズのリクエストがもう1本あるのがきついですねw
さて、久し振りにフランちゃんに突っ込みを頑張ってもらいました。
懐かしいですね、本当。もう書かないだろうと思っていたんですけどねw
とまぁ、そんなこんなではありますが、久し振りのボケまくり絵本シリーズ、少しでも楽しんでもらえたら、嬉しいです。
のどあめ。でしたっ!



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コメント

>>ドーピングコンソメ賢者の石
まだだ…まだいける…
(三行後)
へぶちっw

相変わらず楽しそうな絵本でしたw
パチュリーの絵本集の同人誌出たら3000円でも買ってしまうw
フランちゃんもツッコミお疲れ様w
師匠はこういった次々ツッコんで笑わせるというのが本当に上手いですよね。
僕がこのシリーズをリクエストしたのは、確実に笑わせてくれる凄さっていうのをもう一度見ておきたかったのもあります。
得意分野があるとスランプ時もまだましに乗り越えられると思うんです。
早く僕も得意分野を見つけておきたい…
スランプが来るほど作品書けるかも分かりませんがw
もちろん、たとえ得意分野を見つけても、そればかりに頼らず多方面にちゃんと挑戦していきますよ!
ただ学園ものはなぁ…どうも…

すいません話がそれましたw
リクエストに答えていただき、ありがとうです!
賛否両論あったのは確かでしょうが、僕は紅魔館だからこそこの雰囲気、楽しさが想像でき、楽しめるのだと思っています。
まぁそんなこと気にせずのびのび書ければそれに越したことはないんですけどね!
2010-09-21 Tue 13:46 | URL | ケトゥアン [ 編集 ]
楽しんでもらえてなによりですw
久し振りすぎて私自身、少し不安要素はありましたが、そう言ってもらえると、書いて良かったなぁと素直に思います。

リクエスト、ありがとうございましたー!
2010-09-22 Wed 02:00 | URL | 喉飴@あみゃ [ 編集 ]
久しぶりのツッコミ全開なフランちゃんに笑わせてもらいましたwww
ジェンガとかパントマイムとか白雪姫とかもう最高でした!
2010-09-23 Thu 11:48 | URL | 唯 [ 編集 ]
>>唯さん
ありがとうございます。
少しでも楽しんでもらえてうれしいです。
2010-09-23 Thu 21:57 | URL | 喉飴@あみゃ [ 編集 ]
面白いwww
2013-05-11 Sat 19:39 | URL | 名無し [ 編集 ]
>>面白いwww
あっわわ、懐かしい作品にコメありがとうございますっ。
2013-05-12 Sun 15:37 | URL | 喉飴 [ 編集 ]

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