久方振りに読んだ+拍手レス2010-07-16 Fri 01:49
久方振りに、ちょっとしたきっかけから小説を読みました。吉田修一の『パレード』を。
これ、正直最初つまんなかったんです。 30ページ読んでも、なんだかなぁ……と何も感じない。70ページくらい読んで、せっかくだし最後まで読んでみるかぁ、って気分になるような、そんな感じ。 なんだろう、スロースターターだなぁと。 んで、伏線も個人的には分かりやすかった。 三章の時点で、あー多分あの人があれなんだろうな。みたいな。 そして、案の定ビンゴ。 結果、私は全て読み終えたとき、あぁ結局はこんな結末がありましたーっていうオチの話か。と期待はずれ感に包まれました。 しかし、私は愚かでした。 読み終えてから数分、ぼーっと話の内容を思い返していて気付いた。 このお話の本当に『怖い』のはオチじゃなかった。 行為をした人物よりも、何も言わない『周り』こそが恐怖だった。それは異常だ。それに気付いたとき、ただの恐怖じゃない。どこか、ぞくりとする、何か暗闇で背筋をそっとなぞられたような感覚を覚えた。 ちなみに文体はライトな感じで、読み易い。 ただ、私には結局これが『面白い話』なのかは判断がつかなかった。 確かに感じるものはあった。それに気付いた。けど、それが面白いとは思わない。 やっぱりプロだなぁとか、作り方が上手いなぁとは思う。その文章に、ちょっとした心地良ささえ感じた。そういう点を踏まえると、私はこのお話が決して嫌いではないのかもしれない。 だが、やはり面白いという確信は得られなかった。 嫌いではない、むしろ少し好ましい。けれども、面白いものとは言えない。 なんとも不思議な気持ちにさせてくれた、作品でした。 久し振りに小説を読めて良かった。 新しい何かを、学べたような気がします。 やはりプロは違いますね、うん。 ネタバレなるかならないかギリギリラインでの感想でした。 続きを読む |
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